そして最後に、あの人物が登場!
望「誰のことを言ってるんだ?」
(いいか、デビルガンダムには強力な再生能力がある。生半可な攻撃をしても無意味だ)
「では、どうすればいいのだ? 何か弱点があるのだろう?」
シグナムの質問に、望はすぐ答えた。
(その通り。デビルガンダムの弱点は……コアだ)
「コア?」
聞いていた全員が、疑問を浮かべた。
(奴らの胸の辺りに、緑色の部分があるだろ? その奥にコアがあるから、それを破壊すれば活動を停止する)
「なんだ、楽勝じゃねぇか」
(いや、そうもいかない。さっきも言ったように奴らは再生能力を持っている。もたもたしているとすぐに復活してしまう)
「……ちっ、面倒だな」
ヴィータの表情が強ばる。
(そこで俺に考えがある。まず誰かがダメージを与えてコアへの道を作り、即座に強力な攻撃でコアを一撃で破壊するという方法だ。これなら再生する隙を与えずに倒すことができるだろう。問題は、誰がダメージを与えて、誰がコアを破壊するということだが……)
そう。作戦そのものは決まっていたが、役割分担がまだ決まってなかったのだ。
言葉に詰まる望だが―――
「道を作るのは、私がやろう」
「アイツの体に、大穴を開けてやりてぇしな」
シグナムとヴィータが、前者の役割を買って出た。更に、
「強力な攻撃なら、私となのはちゃんに任しといて!」
「確実に、破壊してみせます!」
コアへの攻撃をするために、はやてとなのはが歩み出た。
(……わかった。最後に、攻撃相手を決める。ヴィータとはやては、向かって右側のデビルガンダムを)
「おう!」
「はい!」
(シグナムさんとなのはは、向かって左側のデビルガンダムを頼む。真ん中の奴は俺とフェイト達でなんとかする)
「任せろ!」
「わかりました!」
(それから、ザフィーラ。そっちにアルフが行ったから、分担してデビルガンダムの周りにいる蛇……ガンダムヘッド共を引きつけといてくれ)
「承知した!」
(よし。全員、作戦開始だ!!)
望の合図で、皆が行動を始めた。
「『鉄槌の騎士』ヴィータ! 『鉄の伯爵』グラーフアイゼン!」
ハンマー型のデバイス『グラーフアイゼン』を両手で構え、ヴィータがデビルガンダムAに先制攻撃を仕掛ける。撃鉄を起こしてカートリッジロードを行い、魔力を高める。
すると、ハンマーヘッドの片方が推進剤噴射口に、その反対側がスパイクに変形した。
「食らえぇぇぇ! ラケーテンハンマァァァァァアアアアア!!」
噴射口から魔力をジェットエンジンのように噴射させ、高速回転しながら加速し、デビルガンダムAに突撃する。それを阻もうとガンダムヘッドが迫るが、
「悪いけど、そうはいかないよ!」
アルフが妨害をし、注意を自分の方に向けていた。
そして、加速し続けたヴィータとグラーフアイゼンは、デビルガンダムAの胸部装甲に当たると…………抉り取った。
「うぉぉぉぉぉおおおおおおおお!!」
遠心力がついてる為、攻撃は止まらない。装甲はどんどん削られ、ついにコアである緑色のキングストーンが姿を表した。
「今や! 離れて!!」
はやての合図で、ヴィータはデビルガンダムAから離脱する。
「響け終焉の笛、ラグナロク──―」
詠唱と同時に、はやての正面に、正三角形の魔法陣が展開された。そして三角形の頂点である三点に、白い魔力の塊が生成される。次の瞬間―――
「ブレイカァァァァアアアアア!!」
白色の閃光が、デビルガンダムAに放たれた。同時にデビルガンダムAもメガビームキャノンを放つ。が、それは閃光の前にかき消された。はやての魔法は、狙い違わずキングストーンに直撃すると、粉々に破壊した。コアを失ったデビルガンダムAは機能停止し、崩れ落ちた。
「これだけ的が大きければ、外しはしない」
もう片方のデビルガンダム第二形態(以降、デビルガンダムB)をレヴァンティンを構えたシグナムが睨む。
「『剣の騎士』シグナムが魂、『炎の魔剣』レヴァンティン。刃と連結刃に続く、もう一つの姿──―」
シグナムは、レヴァンティンの柄尻に鞘を構えた。すると剣と鞘が一体化して、弓へと姿を変えた。これがレヴァンティンの三つ目の形態、『ボーゲンフォルム』だ。矢を生成し、弓を構えてデビルガンダムBに狙いを定める。
向こうもシグナムの行動に気づいたのか、ガンダムヘッドを向かわせる。
「『盾の守護獣』ザフィーラ! ここは通させん!」
人型になったザフィーラが動く。
白い魔法陣を展開させ、ソコから数本の白い棘のような物が現れ、ガンダムヘッドに突き刺さり破壊する。
「翔けよ、隼!」
矢に魔力を込め、弦を離して発射する。紫色の線を真っ直ぐに引きながら、物凄い速さで、矢はデビルガンダムBの胸部に向かっていく。矢は胸の緑色の部分にピンポイントで命中すると、大爆発を起こした。
煙が晴れると、デビルガンダムBの胸が大きく破損し、赤色のキングストーンが露出していた。
「決めろ、高町!」
「はい!」
射線上から離れながら、シグナムが叫ぶ。なのははそれに応えると、デビルガンダムBにレイジングハートを向けた。
「全力全開! スターライト―──」
桜色の魔力を集束させ、レイジングハートを振り上げ、発射態勢に入る。
そして―――
「ブレイカァァァァァアアアアアア!!」
桃色の閃光が放たれ、デビルガンダムBに向かう。最後の意地とメガビームキャノンを撃ってくるが、無駄だった。閃光はデビルガンダムBの胸部に直撃し、キングストーンを飲み込み、砕いた。コアを破壊されたデビルガンダムBは崩壊していった。
なのは達がデビルガンダム2体を相手にしている頃、エターナル達はデビルガンダムFの前にいた。デビルフィンガーから拡散粒子弾を放ち、仕留めようとしてくる。が、エターナル達は攻撃を全て避けていた。フェイトはバリアジャケットの装甲を薄くしてスピード重視の姿になっており、放たれる攻撃を超高速移動で回避していた。その速さは、ナスカメモリのマキシマムを使っているエターナルでも、追いつくのがやっとな程だ。
その状態で、エターナルとフェイトはデビルガンダムFを翻弄していた。姿を捉えることができず、相手は混乱していた。
「今だ、フェイト!」
『FANG! MAXIMUM DRIVE!!』
「うん!」
エターナルはファングメモリのマキシマムを発動し、フェイトはバルディッシュの先端に、魔力刃で巨大な金色の鎌を生成した。
「ファングストライザー! でやぁぁぁぁああああああ!!」
「はぁぁぁぁぁぁあああああああ!!」
エターナルはマキシマムセイバーが出現した右足を大きく振るって回し蹴りを放ち、フェイトは巨大な鎌で胸部を切り裂いた。
2つの攻撃が重なり、デビルガンダムFのコアであるリュウガの亡骸が露わになった。
「フェイト、望、離れなさい!」
プレシアが叫び、2人はデビルガンダムFから離れる。
デビルガンダムFの前に、防衛プログラムの前に、杖を天に掲げて、紫色の魔法陣を展開させているプレシアがいた。空は曇り、雷がゴロゴロと鳴っている。
「食らいなさい!」
プレシアが杖を振り下ろすと同時に、黒い雲から紫色の巨大な雷がデビルガンダムFに落ちた。バリバリと激しい音を立て、デビルガンダムFのコアに電撃を流す。大魔導師の名に恥じぬ強大な一撃が炸裂し、その威力にエターナルは驚愕した。
やがて落雷が収まると、リュウガの体が少しずつ崩れていった。
『アリ……ガトウ……』
ふと、エターナルはそんな声を聞いた気がした。
コアを失ったデビルガンダムFは、バラバラになった。
「終わった……か?」
周りを見渡しながら、エターナルが言う。デビルガンダムの姿はどこにも見えないが……
その時、なのは達がこちらにやって来るのが見えた。
「望さん、デビルガンダムは?」
「今倒した。みんなは……って、聞くまでもないか」
仮面の下で笑みを浮かべる。
巨大な敵を倒し、一息ついた―――直後だった。
バシィィィン!
「何っ!?」
『『『えっ!?』』』
突如、エターナルの周囲に巨大な結界の様なものが張られた。しかも、丁度フェイト達との間に壁のようになっている。
「望!」
「どうなってるんだ!? 魔力結界の反応はない筈だぞ!?」
「その筈だけど、目の前にあるのは確かに結界よ!」
「一体、どういうことなんだ……?」
魔力反応のない結界に混乱するエターナル達。
「こういうことだ…よ!」
「がぁっ!?」
背中に走った痛みにエターナルはよろめき、振り返る。そこにはユートピア・ドーパント―――裕太がいた。
「こ、これはお前がやったのか?」
「ご名答。奴らを倒した後は、必ず隙が生まれると思ってたからな」
「な、何だと!? まさか、デビルガンダムは囮だったのか!?」
「そうだよ。このバリア結界の中にお前を閉じ込め、いたぶるチャンスをつくる為のなぁ!」
そう言って、ユートピアはエターナルを思い切り殴る。戦闘直後で疲れているエターナルは、避けることができなかった。
「ぐはっ!? く、くそ…」
『ZONE!』
「そうはさせるか!」
バシッ!
「しまっ、がぁ!!」
エターナルはゾーンメモリを使おうとするが、ユートピアはそれを弾き飛ばし、攻撃を再開した。
「ぐっ、がっ、ぐぁぁぁあああ!?」
「まだまだ、こんなものじゃない!!」
次々と攻撃を加え続ける。もはやそれは一方的なものだった。
「ひ、酷い……」
「くっ、何とか助けられないのか!?」
「無駄だよ! 俺が作ったバリア結界は、どんな攻撃も通じない!! 助けることなど、不可能なんだよ!!」
フェイト達を嘲笑うかの様に言うと、更に攻撃を続けた。
「がぁぁぁぁぁああああああ!!」
あまりの痛みに、エターナルは絶叫した。
「ああ……!」
ユートピアに痛めつけられるエターナルを、アリシアは離れた場所から見ていた。払えぬ不安が胸を締め付け、苦しみが続く。涙をポロポロと零しながら、アリシアは手を握った。
「お願い……誰か……望さんを、助けて……!!」
両手を握り、アリシアは強く願う。大切な人を救ってほしいという想いを強く胸に抱く。
『わかった……後は任せろ』
「え?」
誰かの声に思わず顔を上げたが、誰もいなかった。
「ふん、この程度か。つまらんな……」
「ぁ、が……」
ユートピアはエターナルの首に手をかけ、片手で持ち上げていた。
「かは…ぁぁ……ぁ…」
「もうやめて……もうやめてよ……! このままじゃ、望が死んじゃうよぉ……!」
「はははは! もっと絶望するがいい! お前等の絶望した顔を見るのは最高だぁ!!」
泣き叫ぶフェイトを横目に、ユートピアは手の力を強める。その非道ぶりに、他の者も怒りと悔しさが表に出ていた。
「ぁ……ぁ…」
「……このまま殺しても味気ないな。変身を解いて、生身の状態で殺すか」
悪魔の様な一言を放つと、彼はロストドライバーに手を伸ばした。
「それに、このベルトは元々俺のものだったんだ。取り返すいい機会だ」
そう言いながらドライバーに触れた瞬間―――
バチバチバチッ!!
「うわっ!?」
突然スパークが発生し、ユートピアはエターナルを離して後ろに吹き飛んだ。
「げほっ! ごほっ、がほっ!」
大きく咳き込み、ユートピアの方を向くエターナル。
「ば、バカな……! そのベルトとメモリは俺が作った物! 創造主である俺が扱えるのは当然の筈なのに……何故だ!?」
『理由なんて、決まってるだろ』
「誰だ!?」
謎の声にユートピアとエターナル、その場にいる全員が辺りを見渡す。
と、その時、突然エターナルの近くに灰色のオーロラのようなものが発生し、そこから1人の人物が現れた。
その人物を見て、エターナルとユートピアは驚愕した。
「あ、アンタは……!」
「そんな、バカな!?」
ダークレッドの服の上に黒い上着を着込み、同じく黒いズボンを履いた茶髪の男。首にピンクのトイカメラをかけたその男は、エターナルの隣に来ると立ち止まった。
「……初めまして、だな。この世界のエターナル」
「な、何でアンタがここにいるんだ……」
唖然とするエターナルに語りかけた、世界の破壊者と呼ばれたこの男の名は―――
「門矢士!!」
望「最後に凄い人来たぁー!?」
個人的に、出したかったんですよね、ディケイド。
望「で、次回はどうなるんだ!?」
次回は、江島裕太との戦いについに決着がつきます! お楽しみに!