魔法少女リリカルなのは 運命を変える者   作:レイブラスト

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エピローグその2です。ちょっとしたニヤニヤ展開があるかも?

望「何だそりゃ?」



第47話

前回より一ヶ月程過ぎた頃。

リインフォースは、はやてやシグナム達と平穏な日々を過ごしていた。

はやての足は順調に回復していき、今では松葉杖を使いながら自力で歩けるようになった。

シャマルは、はやての足の治療のサポートをしたり、料理の修行をしている……が、料理に関しては全く上達していない。

ヴィータは、子犬形態のザフィーラと散歩したり、町の年寄りの人達とゲートボールをして楽しんでいる。

シグナムは、剣の道場を開いてコーチをしている。最近では望、士郎と共になのはとフェイトの稽古の監督もしているとか。

ザフィーラは、殆ど狼形態で一日を過ごしている。たまに望が遊びに来ては、よく話をしている。近頃、望とユーノと一緒にカラオケに行ってるらしい(望に誘われたとか)。

全て丸く収まった……かに見えたが、問題が1つあった。

実はリインフォースには、ある悩みがあった。それは、望のことについてである。彼のことを考えたり、彼が遊びに来たりすると、胸が苦しくなったり、身体が熱くなったりするのだ。そこでそのことをはやてに相談した。すると、はやてはニヤニヤとして―――

 

「そういうことは、望さんに相談したらええよ。あの人なら、きっと何とかしてくれる筈や!」

 

と言った。それに納得したリインフォースは、望の元へ向かうことになった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

家を出て数分。リインフォースは望がいる部屋に着くと、意を決してドアをノックした。

 

「はーい、今行きまーす」

 

少し間延びした声が聞こえると、扉が開かれた。

 

「お、リインフォースじゃん」

 

出てきたのは望だった。

 

「こ、こんにちは」

 

望を見た瞬間、胸の鼓動が高鳴り、顔が赤くなっていった。

 

「こんにちは。今日は1人なのか?」

 

「は、はい……実は、その……望に相談がありまして……」

 

「え、俺に?」

 

リインフォースの言葉に、望は自分を指した。

 

「……何かわからないけど、とりあえず中に入って」

 

「はい。お邪魔します」

 

望に促され、部屋に入った。

リビングに着くと、2人は空いてる席に座った。室内には、2人の他に誰もいない。

 

「あの、他の方は?」

 

「ああ、フェイトとアリシアとアルフは、遊びに出かけたよ。はやて達と一緒に公園に行くってさ」

 

望の言葉を聞いて、そういえばそんなことを言ってたような。と、リインフォースは思った。

 

「プレシアは食材を買いにスーパーに行ってる。多分、もう少ししたら帰って来るんじゃないか? …っとそれより、相談って何だ?」

 

「はい。実は……胸が苦しいんです」

 

「胸が?」

 

リインフォースの相談を聞いて、望は首を傾げた。

 

「その、胸が苦しくなるだけでなく、体温も上がって熱くなるんです」

 

「ふむ……」

 

望は顎に手をあてると、リインフォースの顔をじっと見つめた。

彼の真っ直ぐな視線を受け体温が上がっていき、顔が赤くなっていった。

少しして、望が言った。

 

「風邪じゃないのか? 顔も赤いし……」

 

「あっ、いえ、風邪ではないんです。主にも違うと言われました」

 

「そうなのか? じゃあ何なんだ?」

 

困ったように唸る。

 

「一度病院に行ったらどうだ?」

 

「いえ、望に解決してほしいんです」

 

「んなこと言われてもな……俺、医者じゃないし……」

 

悩んでいる望に、リインフォースは言葉を続けた。

 

「胸が苦しくなるのは……望と一緒に居る時なんです」

 

「………………は?」

 

彼女の言葉を聞いて、望はポカンとした顔になる。

 

「望のことを想う時や、望と一緒にいる時だけ……胸がキュッとなって、苦しくなるんです」

 

両手で胸を押さえ、リインフォースは望に話した。

 

(プレシアが望と付き合ってると知った時も、こうやって胸が苦しくなった……。もしかして、私は―――)

 

「私は……貴方に恋しているのでしょうか?」

 

「えっ…えぇぇぇぇえええええ!?」

 

望は目を見開き、動揺して声を上げた。

 

「いや、ちょ、待て待て待て! 俺何かした!? 全っっ然自覚ないんだけど!! 冗談抜きで!! こういうのをフラグ立てたっていうらしいけど、いつフラグ立てた!?」

 

混乱し、叫ぶ望。

 

「あの……望?」

 

「うぇっ!? あ、ああ!」

 

リインフォースが声を掛けると、望は慌てて返事した。

 

「私のこの胸の苦しみは、恋なのでしょうか?」

 

テーブルに身を乗り出して、望に迫る。びっくりしたのか、望は椅子ごと後ろに少し下がった。

 

「あー、その……本当に、俺のことで胸が苦しくなるのか?」

 

「はい!」

 

力強く答えると、望の手を掴んでその手を引っ張り、自身の胸に押し当てた。突然のことに、望は仰天すると同時に顔を真っ赤にした。

 

「分かりますか? 私の胸の鼓動が?」

 

「あ…ああ……わかるよ。アンタの、気持ちも」

 

そこで間を開けると、望は何やら呟き始めた。

 

「……正直、アンタの気持ちは嬉しいし、できれば応えたいけど……俺には、その……プレシアがいるし……でも、アンタを悲しませたくはないから……俺、どうすれば―――」

 

葛藤している、その時だった。

 

「……何をしているの?」

 

「「っ!?」」

 

声がした方を見ると、買い物袋を手に下げたプレシアがいた。

 

「プレシア………はっ!? こ、これは違うんだ! 断じて、浮気なんかじゃない!!」

 

「そ、そうです! 望は、私の相談に乗ってくれただけで―――」

 

「相談? それって、どんな相談なのかしら?」

 

「そ、それは……」

 

「その……」

 

完全に言葉に詰まらせてしまう、望とリインフォース。特にリインフォースに至っては、顔の赤みが増していた。その様子を見て、プレシアは少し考えた後、何かを察したのかリインフォースの手を引いた。

 

「え? あ、あの……」

 

「リインフォース。2人だけで話したいことがあるから、来てくれない? 望はここで待ってなさい」

 

「わ、わかった……」

 

プレシアに連れられ、リインフォースは別の部屋に移動した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……それで、さっきのは何だったのか、怒らないから説明してくれる?」

 

「じ、実は……その……」

 

リインフォースは、自身の身体に起きてること、望に相談しに来、それがきっかけで望への想いに気づいたことを話した。

 

「つまり、あの日助けられてから、望のことが好きになったと?」

 

「は、はい……」

 

「まぁ好きになること自体は悪くないんだけど……」

 

「も、もちろん、望が貴女を好きな事は知っています。先ほども、望はそのことで悩んでいました……でも、私は諦めきれないんです……この想いが叶わないとしても、それでも……諦めたく、ありません……」

 

「……」

 

リインフォースの切実な想いを聞いたプレシアは、一度ため息をつくと、まっすぐ目を見た。

 

「……ちょっと来て頂戴」

 

「あ―――」

 

再びプレシアに引っ張られ、リインフォースは移動する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「望、いいかしら?」

 

「えっ!? な、何が?」

 

戻って来て早々言われたことに、望は恐る恐る尋ねる。

 

「リインフォースのことよ」

 

「あ、ああ…そう、だよな。それで……俺にどうしろと?」

 

「……彼女の想いを受け入れてほしいの」

 

「「えぇぇっ!?」」

 

思いかげない言葉に、望はおろかリインフォースまでも驚く。

 

「ど、どういうことなんだ!?」

 

「……私もね、人を好きになる気持ちがよくわかるからよ。どんなことがあっても、諦められない……ずっと一緒にいたいって。それに、好きな人と結ばれないのは一番辛いことだわ…だから……リインフォースの想いも、受け入れてほしいのよ」

 

「……いい…のか?」

 

「ええ。ちゃんと平等に愛してくれるならね」

 

「……」

 

望は目を閉じ、しばらく考えた後、目を開けた。

 

「リインフォース」

 

「は、はい」

 

「俺は…アンタを悲しませることはしたくないし、アンタの事だって、嫌いじゃない。むしろ……好きだ。でも、俺はプレシアのことも好きだ。だが…どちらかに決めるなんて、俺にはできない。どちらかを悲しませることはしたくない。だから……俺はリインフォースとプレシア、2人と付き合う」

 

「え…あ……望……」

 

涙を流す、リインフォース。

 

「やっぱ……ダメか?」

 

「い、いえ……その…嬉しく、て……私のことを、好きって言ってくれて……」

 

「リインフォース……」

 

「望……」

 

倒れ込むように望に抱きつくリインフォース。それを、望は優しく受け止める。

2人の距離は必然と近くなり、更にどんどんと近づいていく。

そして……2つの影が、重なった。

 

「「…………」」

 

赤くなった顔で見つめ合う2人。そこへ―――

 

「ふふ、それじゃあ、次は私の番ね」

 

「は?」

 

振り向いた望にプレシアは不意打ち気味に、キスをした。

 

「なっ!?」

 

「ふふふ……言ったわよね? 平等に愛してくれるって」

 

唖然とするリインフォースを尻目に、そう言った。

 

「た、確かにそうだが……」

 

「なら、今度私とデートしましょう?」

 

「いや、あの……」

 

「なっ、ち、ちょっと待て! 私はまだ望と…その、デ、デートをしてないから、次は私とデートの筈です!」

 

「あら? さっきキスしたから、それで終わりだと思ってたわ」

 

「あ、あの~……」

 

「いいえ、私がデートしてからです!」

 

「そう……だったら、どっちが望とデートするか、勝負しない?」

 

「……いいでしょう」

 

「ちょ、勝手に話を進めるなぁぁぁぁぁ!」

 

魂の叫びが部屋に響くが、2人が戦うのは避けられそうにないらしい。

 

(で、でも、結局は丸く収まったし……いいか?)

 

2人の気迫に若干引きながら、望は考えた。

 

(……いや、これでいいんだ。みんなと一緒に平凡な日々を暮らしていく……これだけでも十分幸せなことなのに、こんなに美人な恋人が、2人もいるんだ。贅沢な毎日になりそうだ)

 

これからのことを想い、望はフッ、と笑みを浮かべる。

 

正直言うと、スカリエッティ一味への対処等、問題はまだ山積みだ。

それでも、当分は平和を満喫していきたい。

大切な家族と、愛する人達と共に―――





望「……リインフォースに惚れられるなんて、びっくりした」

罪作りですねぇ、望さんも。

望「でもさ、俺ホント何したんだろ? 好きになってくれることは嬉しいけど、惚れる要素なんてあるか?」

……腹立ちますね、この鈍感野郎。

望「何故罵倒!?」

さて次回は、おまけ話を投稿します。お楽しみに!
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