望「コラボだし、いいんじゃないか?」
口調だってこれでいいかわからないし……
望「ああもう、本編にいくぞ」
「貴様等、何者だ?」
オルタナティブが、突如現れた2人に殺気を出しながら尋ねる。
「見てわからないかな? ま、お前等の敵ってことは確かだけどね」
「ぶっちゃけ既に攻撃しちゃってるし……」
苦笑した様子で、青い猫が言う。
「面白い。俺と戦うというのか? 貴様のような子供が」
「ただの子供と思って侮ってると、後悔するよ」
そう言って、少年は前に出る。
「な、何やってるの!? 危険よ! 今すぐ逃げ―――」
「いや、ここは彼らに任せてみよう」
慌てるプレシアを、望が咎める。
「何を言っているのですか!?」
リインフォースも慌てた様子で詰め寄る。
「彼らに任せると言ったんだ。彼らは、普通とは違うからな」
「望…あの子達が何者か知っているの?」
「前に向こうに行った時に、少しの間だが知り合ったんだ」
「向こう?」
「こっちの話さ。とにかく、彼らはそう簡単にはやられはしない」
どこか確信めいた様子で、望は言った。
「さて、それじゃあそろそろ行くよ」
少年は右手にはめた黒い手の形をした指輪を、腰にある指輪と同じ手の形をしたものに重ねる。
『ドライバーオン!! プリーズ!!』
音声が鳴ると同時に、腰にベルト―――ウィザードライバーが実体化する。その後、ウィザードライバーの黒い手―――ハンドオーサーを操作する。
『シャバドゥビタッチヘンシーン!! シャバドゥビタッチヘンシーン!!』
「変身!」
連続した音声が鳴り響く中、少年は左手の赤い指輪―――フレイムリングをドライバーに翳す。
『フレイム!! プリーズ!! ヒー!! ヒー!! ヒーヒーヒー!!』
音声と共に、少年の左から赤い魔方陣が出現し、少年を通過する。
その直後、少年の姿が変化した。
赤を基調とし、黒いマント・ウィザードローブを纏い、様々な魔法を駆使する、指輪の魔法使い。
「なっ!? その姿は!?」
その名は―――仮面ライダーウィザード・フレイムスタイル(以降、ウィザードFS)。
「油断しないでよ、のび太君!」
「するわけないだろ、ドラえもん?」
(少年よ、喋ってる暇はないぞ)
「はいはい…」
少年―――のび太が変身したウィザードFSと青い猫―――ドラえもんが会話し、そこにのび太の中にいるモンスター―――ウィザードラゴンが割って入る。
「さあ、ショータイムだ!」
高らかに宣言すると同時に、戦いのゴングが鳴った。
「チッ…まさか指輪の魔法使いだとはな。だが、そうとわかれば容赦はしない!」
スラッシュダガーを構え、オルタナティブが戦闘態勢に入る。
「だから言ったでしょ? 後悔するって」
そう言うのと同時に、ウィザードFSは右手の指輪―――ウィザードリングを付け替え、ハンドオーサーを操作し、翳した。
『ルパッチ・マジック・タッチ・ゴー!! ルパッチ…コネクト!! プリーズ!!』
魔方陣が現れると、そこへ右手を入れ、中から剣―――ウィザーソードガン・ソードモード(以降、ウィザーソードガンS)を取り出した。
「行くよ! はぁぁああああ!!」
「ぬぅおおおおおお!!」
ウィザードFSとオルタナティブは互いに走り出し、それぞれの武器で斬りかかった。
ガキン!
「「ぐぅぅ…!」」
ウィザーソードSとスラッシュダガーが拮抗する。が、それも最初だけであった。
バキィッ!
「んなっ!?」
パワー負けしたのか、スラッシュダガーが中心から真っ二つに折れた。
「その隙、もらった!」
一瞬の隙を突き、ウィザードFSが連続で斬りかかる。
「とりゃぁぁぁああああ!」
「ごっ!? がっ! ぐあああああああああ!?」
何度も斬られたオルタナティブは、衝撃で大きく吹き飛んだ。
「な、何だと…俺が、ここまで追い詰められるとは……!」
「うーん、何か思ってたより弱いな」
(原点の世界でも疑似ライダーという位置付けだったからな。本物に叶う筈もないだろう)
拍子抜けした様子で呟くウィザードFS。ドラゴンも、当然のように言う。
「調子に乗るんじゃない!」
『FINAL VENT』
オルタナティブはカードを使うと、契約モンスター・サイコローグを召喚、変形させバイク型のサイコローダーにし、飛び乗る。
「余計なことしてくれちゃって……」
ため息をつきながら、ウィザードFSはウィザーソードガンをガンモード(以降、ウィザーソードガンG)に変形させると、つけられているハンドオーサーを展開する。
『キャモナ!! シューティング!! シェイクハンド!! キャモナ!! シューティング!! シェイクハンド!!』
そこへ、左手の指輪を握手するようにハンドオーサーに翳した。
『フレイム!! シューティングストライク!! ヒーヒーヒー!!』
「これで終わりだぁぁぁぁあああああああ!!」
サイコローダーを高速回転させ、『デッドエンド』を発動するオルタナティブに、ウィザーソードガンGの銃口を向ける。
「それはこっちのセリフだ! はあああああああ!!」
トリガーを引き、巨大な火球を放つ。それはオルタナティブに向かって飛んで行き、
ドォォォン!!
直撃した。
「そんな! 俺が、こんな子供にィィィィィィイイイイイイイ!?」
オルタナティブは、サイコローダー諸共爆発した。
「汚い花火だったな……」
(お前はどこの野菜王子だ。早く彼らの元に行くぞ)
「っと、そうだった」
ウィザードFSは変身を解除してのび太に戻ると、望達の方に歩く。
「大丈夫ですか?」
「ああ。ドラえもんが、お医者さんカバンとかいうのを使ってくれたから、すっかり治ったよ」
「秘密道具って凄いのね…魔法にも引けをとらないわ」
「それにしてもロボットと言ったが、そうは見えないな」
「いやぁ、それほどでも……」
プレシア達に褒められ、照れるドラえもん。
「それより、どうして君達がここに?」
「それを今から話します、望さん」
望に尋ねられたのび太は、自己紹介と、この世界に来た経緯を話した。
彼の話によれば、魔界星を探索していた時に未知のエネルギーを感知し、発信源を辿った結果、黒い穴のようなものを見つけたのだという。
「そこで、原因を調べる為に、僕とドラえもん、ジャイアンが穴に入ったんです」
「なるほど……ん? 待てよ、ならジャイアンは今どこに?」
「それが、穴を通る途中で離れ離れになってしまったみたいで……」
「何だと? うーむ、困ったな……」
「ちょっといいかしら?」
悩む望の隣で、プレシアが挙手する。
「何ですか?」
「そのジャイアンって、どんな人物なの?」
「格闘技が得意な、僕と同じ指輪の魔法使いです」
「彼がいないとなると、ここから先は厳しいな」
「え? 望さん、どういうことですか?」
「実はだな……」
望はのび太達に、音也らダークライダーズのこと、彼らの目的、そして自分がエターナルの力を失ったことを話した。
「そうですか、エターナルメモリを……」
「他のメモリは無事だからライダーになれない訳じゃないんだけどな」
「でも、戦力は低下するよね……」
(少年、どら猫。さっき彼が言っていたダークライダーのことだが……我に心当たりがあるぞ)
『『『それ本当!?』』』
全員が口を揃えて驚く。
(本当だ)
「で、どんなことを知ってるんだ?」
(どれ、順番に話していこう。まず奴らが生まれた世界は、『ダークワールド』という世界で、その名の通り全てが暗黒で包まれた世界だ。そこに蔓延している闇の力で、奴ら―――ダークライダーは生まれた。最初は同じく生まれた数々のモンスター達と互いに争っていたのだが、あるダークライダーが誕生してから状況が変わった)
「……まさかとは思うが、ダークキバのことか?」
(ご名答だ、望。ダークキバは他のライダーとモンスター達を一纏めにし、軍隊を作り上げた。目的は……他にある全ての世界の破壊だ)
「何でそんなことを?」
(奴らは闇の力―――強い破壊衝動から生まれた者達だ。本能に従って行動してるだけに過ぎない)
「本能か……それがわかったのはいいが、じゃあ何でモンスター共々攻めてこなかったんだ?」
「僕もそれが気になってたんだよね」
「? ただ面倒なだけなんじゃ……」
「のび太君、いくらなんでもそれは―――」
(いや、今回は少年の言うことが正しい)
「えぇぇ!?」
飛び上がらんばかりに驚くドラえもん。
(モンスター軍団が攻めて来るには、特殊な装置を使わなければならない。ただ、エネルギーのチャージだけでも最低1年はかかるので、安易に使うと面倒なことになるのだが)
「なら、今回も攻めては来ないのか?」
(残念だが、おそらく使って来るだろう……時期的にチャージは完了してる筈だし、望のような強敵となり得る存在がいる場所には、確実に全軍で押し寄せるからな。準備が整いしだい、モンスター共を攻め込ませるだろう)
「そ、そんな……」
望達は、愕然とした表情になる。
「何とかして、止めることはできないのか!?」
(……あるにはある)
「どういう方法なの!? 教えてよ! 世界の危機なんだ!!」
「お、落ち着いて、のび太君」
(それは……そこにある次元の穴から奴らの本拠地に乗り込んで、直接叩き潰すことだ)
「な、何ですって!?」
ドラゴンが告げたことに、プレシアは声を上げる。
(かなり危険な方法だ。下手をすれば、帰って来ることができなくなるかもしれな―――)
「いいぜ」
話の途中で、望が割り込んだ。
「な、何を言ってるの!?」
「このまま放っておけば、世界は滅びるんだろ? だったら、多少危険でも何もせずにじっとしてるよりはマシだ」
「ですが、帰って来られなくなると、ドラゴンが言っていたでしょう!?」
「あくまで可能性の問題さ。俺は必ず帰る。……大事な恋人を残して死ねるかってんだ」
「「っ…」」
2人は、望の決意を感じ取り、それ以上は言わなかった。
「そういう訳だ、のび太。早く行って、サクッと倒そうぜ」
「……そうですね」
のび太もその決意を感じたのか少し間を開けると、今だ開いたままになっている黒い穴を見た。そして―――
「行くぞ!」
「はい!」
「うん!」
掛け声と共に、望、のび太、ドラえもんは穴に飛び込んだ。その直後、穴は閉じた。
「ちゃんと帰って来なさいよ……」
「どうか、無事で……」
残された2人は、彼らの無事を祈った。
望「俺、既に彼らと会ってることになってたのか?」
前に後書きに出演させてもらったので。
望「ああ、そういうことか」
でも個人的には、後で叩かれそうな気がしなくもない……主に全体を。
望「だから気にすんなよ。っと、次回もよろしくな!」