魔王弟の神喰狼   作:時空の旅人

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・国について
教皇国、人王国、魔王国、獣王国、森王国、海王国、翼王国が存在する。
純粋な人間のみを認める信教国家の教皇国、人間が納めているというだけで多種族国家の人王国、魔族が王の魔王国、獣人が王の獣王国、森人(エルフ)が王の森王国、人魚や魚人等が王で海中に存在する海王国、翼を持つ種族が王で空に浮かんでいる土地にある翼王国。
・勇者について
主に勇者という職業と普通の人間との区別として付けられる。職業としては剣士と魔法使いの複合並びに魔王特攻持ち、区別としてはこの世界で生まれた人外レベルの強さの人類の勇者、人王国の魔法で招かれた召喚勇者、教皇国の魔法で無理矢理召喚され、術でもって従えやすくした隷属勇者がある。
・魔王、魔族、魔物、魔獣について
魔王とは魔王国の王であり人類に対する特攻を持ち、勇者に特攻を持たれる存在。魔族と魔物は理性を持つか否かの差で、魔族は持つ側である。区別のために魔族は基本的に漢字名で呼ばれ、魔物はカタカナで呼ばれる。
魔獣は動物が魔力を持ち凶暴化ないし変異した存在。


001-1-01

 

 

 

始まりは教皇の命令だった。

 

隷属勇者と呼ばれる私の両親の内、勇者である父が魔物の討伐に向かった間に賢者である母を人質に取られ、魔王の暗殺を言い渡された。出来なければ母を酷い目に合わせるという事、父にもそれを伝えられさらに教皇国の都に近づく事を禁じられた。

そこらの暴漢やならず者を退ける力はあれど、魔王をどうこうできるとは思えなかった私はそう述べたのだが聞き分けられず、嘲笑を浮かべる教皇ならびに教会の幹部に見送られ、道中で必要となる食料や装備を用意され教皇国を出た。

人王国へと遠回りしそこから魔王国との国境から侵入(純粋な人間のみを認めそれ以外を悪とする教皇国は基本的に他の国とは不仲であり、それ故に人王国以外との国境は警戒が厳しい)し、魔王国に属する人間の村へと着いた私は、運悪く魔王国の軍人らしい牛魔人と豚魔人が反乱を起こし、しばらくしてこの村を襲うことを知った。

魔王国では全ての村や町に配置されているというサンダーバトを使い救援要請を送り、村人を見捨てられなかった私はその間奴らの足止めを行うことを村長らしき人物に伝え、現在余興の如く豚魔人に包囲され牛魔人と一対一で戦っていたのであった。

戦っていたと過去形なのはまだ来ないだろうと思っていた救援が、想定を遥かに下回る人数であるたった一人で、想像だにしていなかった力を持つ天災のような、そんな彼が現れたからだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それが届いたのは朝の鍛練を行っていた時だった。

 

伝書鳩のように扱われている雷速で飛ぶこの魔獣が、人王国との国境間近の村に反乱した魔族の襲撃があることとそれに対する救援要請を持ってきた。

それを受け取った俺は鍛練を眺めていたメイド長に今すぐ向かうことを伝え伝書鳩(こいつを鳩とは思えないけど)に最寄りの町から拘束部隊を送る指示のメモを持たせ、そいつが飛んでいくのを確認すると同時にジャンプし上空に上がり、空気を蹴って方向修正して村まで飛んで行き、再度空気を蹴り地面に急降下して牛魔人の持つ斧を蹴り砕いた。着陸した時に轟音とともに発生した衝撃波が周囲の豚魔人を吹き飛ばし、固まっている牛魔人をよそに足止めしてくれていたらしい人間の少女を確認し声をかける。肩ほどで切り揃えた黒髪と焦げ茶色の瞳、呆けているその整った顔立ちがこの世界の人間らしくない、地球の日本人と思われるもの。年齢的にも自分と同じか少し上に感じられた。

それが俺と彼女の出会いだった。

 

 

 

 

 

 




・牛魔人
牛の頭部と尻尾を持った色黒マッチョマン、ミノタウロス。

・豚魔人
豚の頭部と突き出したお腹(ただし中身は筋肉)を持った緑色の大きなおっさん、オーク。

・サンダーバト
鳩が変異した魔獣。逃げるための雷速、目眩ましの発光、いざというときの雷属性攻撃と元の鳩からかなり変わっている。高さ約2m
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