魔王弟の神喰狼   作:時空の旅人

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前話修正のお知らせ
・前書きにおける説明で『魔王、魔族、魔物』の部分に魔獣を追記しました。
・本文においてサンダーバトを魔物から魔獣に修正しました。
・後書きにサンダーバトについて追記しました。



002-1-02

 

 

 

「ありがとな、余所者のアンタが村を守ってくれてよ」

 

お陰で怪我人もいないみたいだしな、と牛魔人達を放置してお礼を言ってくる彼。白銀の髪と同色の犬科の耳と尻尾、金色の瞳に中性的な顔立ちに低身長とかなり特徴的な見た目をしている。いったい何処からやってきたのかと思った。

足下にできた窪地から凄まじい勢いで落ちてきたことはわかるのだが、あのような跡ができていながら本人が無傷なのがおかしい。それにもし私が村から離れて足止めに向かわなければ、これが村の中で起こっていた可能性があったと思うとゾッとする。登場の印象が強すぎて何故余所者と知ってるのかという疑問が抜け落ちてしまっている間に、牛魔人が再起動しこちらへと近づいてくる。

 

「弟様!やはり貴方でしたか」

「お前らなら問題起こせば俺が来るって知ってるだろうに、持ち場離れて何やってんだよ」

 

牛魔人は何故か歓喜しだからこそ反乱を企てたといい、彼は何が目的かと呆れている。

それから牛魔人が答えたのは10日に1日しか仕事しない怠惰な魔王を引き摺り落とし、弟様━━彼を魔王にしようとしているらしい。引きこもりじゃない当代の魔王、一対一を承認する武人っぽさを持ったあの魔族が反乱を企てるのも仕方ないのかもしれない。なお周囲の豚魔人は戦力でありながら魔王を凌辱するために連れているらしい。女性だったんだ、魔王。あれ?凌辱は武人としてどうなの?種族的に問題ないとか?

それはさておき教皇国の調べでは各地に奔走する狼の獣人みたいな━━

 

「姉上が魔王やってんのは外に出さないため、城に縛り付けるためだって父上が言ってたぞ、その為の役職だってさ」

「先代が御決めに…?」

「じゃなきゃ俺の方が魔王にふさわしいって父上が━━」

「では私達が反乱をしても意味は━━」

 

━━よく見れば彼はこちらの調べてた容姿をしている。教皇国の諜報部隊は偽の情報に躍らされてたみたい。怠惰な姉の代わりに精力的に働く弟がいたら間違ってても仕方がないのかもしれない?いや、でも裏を取ったりしなかったのだろうか…。今の事が済んだら彼から色々聞いてみるべきかもしれ「いやだぁぁぁあ!!」何事!?

 

「な、何が…」

「ああいや、体制上罰は与えることになったんだが既に経験済みの奴らと防衛隊長がなぁ…」

「あんなに叫ぶなんてどんな内容なのかしら」

「姉上の相手、性的な」

 

…………?

 

「もしかして醜い容姿なの?あの牛魔人が嫌がるのはまあ、嫌ってる魔王が相手なら仕方ないのかもしれないけど」

「真逆、一般的な男の理想を詰めたらこうなるんじゃないかって美少女」

 

それだと性欲が強すぎる豚魔人が嫌がる理由がわからない。魔物であるオークは多少醜くても女もしくは雌に欲情するらしい故に。いや、経験済み?え、魔王って恥女なの?

 

「淫魔だな、顔に出てるぞ」

「えっ」

「日中出てこないから吸血鬼と勘違いされてたみたいだけど」

「━━━」

 

いつの間にやら拘束されている豚魔人や牛魔人が気にならないぐらい混乱していた、一国の王がそれでいいのかと。あ、でも外に出さないためのお飾りだったか。

 

「放置してると何処かで老若男女問わず襲いそうだからなぁ…」

 

なるほど、先代は素晴らしい仕事をしたのかもしれない。もし魔王じゃなかったら犠牲者の1人だったかもしれない未来を想像するとそう思えるのだった。

 

「ま、後処理が終わり次第教皇国のお嬢さんの話を聞くとするかなー?」

 

……帰りたい。何で知ってるのぉ…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あれから暫くして、村長の家に移動して椅子を借りて向かい合う。

 

「とりあえず自己紹介からするか、俺はリオン。アンタは?」

「えっと、シズネ・コトノハです。あの、何で私の出身を知っていたの……ですか?」

「匂い、あの国で使われてる魔除けの香って他じゃ使われてないんだ。獣人並の嗅覚がある俺にはちときつい。あと敬語とかそういうのはいらん。俺も苦手だしな」

 

えぇー……と落ち込む彼女もといシズネを眺めながら今後の対応を考える。今までも反乱ないし反逆はたまにあったのだが、姉上に不満を持ってという事例はそこまで多くなかった。多くないだけでそこそこはあったが。

姉上を外に出さないためというのは魔王に据える理由には弱いし、魅了や妨害に秀でてはいるが直接的な戦闘力が高いとは言えない以上、力を信奉するタイプの魔族はこれからも不満を訴えてくる。

逆にそのタイプは俺には友好的で言葉にも従うので、俺の方から一言伝えて納得……してくれるわけねぇよなぁ…。

 

「あの…」

「ん?ああ悪い。何?」

「魔王が女性って本当?教皇国の諜報員からはリオンくんの容姿と似たような人物と聞いてたのだけど…」

 

あいつらかぁ……男ばっかりだったからなぁ…。

 

「姉上に魅了されてた奴らか」

「あ、何か察しが…」

「そっか。……何で俺を魔王と誤認させたかったのやら」

 

襲撃者はことごとく弱かったから鬱陶しかったんだけど。せめて勇者レベルのやつ来いよ、魔族でも派手に暴れられるやついないしさ。

とりあえずそれは置いておき、互いに一つずつ質問をして答える形で情報交換?することにした。

 

「とりあえずそっちからどうぞ」

「いいの?なら何処から飛んできたのかな?」

「魔王城。手紙読んでから20秒ってとこかな」

「もうやだ……魔族のステータスってどれだけ壊れてるの…」

 

他にできるのが父上と姉上、メイド長ぐらいしか思いつかないけどな。

 

「次は俺だな。何をしに来た?」

「ぅ…それは…」

「言いづらいのか。じゃあ何のために?」

「……お母さんを助けるために」

 

これは……また教皇が何かやらかしたのか?助けるってことはシズネのための人質だろうし、ついでに夫も抑えられる……いや、何で娘に行かせる。名前的にニホンジンの子だろうけどさ。もしかして隷属勇者関係か。

 

「参考程度に、魔王とかリオンとか魔族の平均ステータスっていくつ?」

「過去の魔王なら運除いて6000ほどだったかな?俺と姉上は運含め上限だけど。魔族の平均は500~1000ってとこかなぁ、種族と戦闘スタイルでかなり変わるから」

「何この無理任務…」

 

まあ人間のステータスなんて一般人が運除いて平均40程度、勇者で過去最高が数千程度だからなぁ…。数字だけで見たら戦うのが馬鹿らしくなるがそこは武器とか防具で変動するし。

 

「つまり魔王と戦うか殺す関係か?」

「っ…」

 

んー、当たりかな?しかし単身特攻とかこれ、使い捨てじゃね?教皇国の勇者使いが今も昔も酷いってのはこういう事か。人質の母親は大丈夫か?今も好き勝手されてるなんてことは……あの国だとあり得そうなのがまた…。

 

「そうだな……っとその前に」

「?」

 

首を傾げている彼女は小動物か何かだろうか、それはさておきいい加減監視の目がうざい。

村長に先に謝っておき、天井まで跳んで腕を突き刺す「何だ!?」そいつを掴んで引き摺り下ろし、床を壊さない程度で力一杯叩きつけた。

 

「まさかこの人って」

「監視か護衛か、はたまた暗殺者か。まあろくなものじゃないな」

「ぐっ、何故…」

「話は聞いてなかったのか?匂いでわかんだよ。それに視線が鬱陶しかった」

 

そんな馬鹿なと気絶したこいつを縛り上げ、近くにいたメイド長に引き渡し話の続きを「ねぇちょっと待って」

 

「どうした?」

「今誰かいなかった?」

「うちのメイド長だ。あいつを姉上に献上させるように頼んでおいた」

 

いつからいたかとか気にしないの?とかボソボソ言ってるけどメイド長だしなぁ…。

 

「外出した先でも世話されてるうちに慣れた」

「何だろう、魔王城って魔境なのかな…」

「そんな事より、母親をこっちで救出するから頼みを聞いてくれないか?」

 

そんな事じゃないと思うけど、でも私からお願いしたいと言ってきたのでとりあえず一緒に城まで行くことにした。ただ頼みの部分を確認する前に決めたのは駄目かなぁ……将来騙されたりしないだろうか、シズネは。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

リオン様と教皇の犬と思われる雌が話をされてるのを眺めていた私は、あの方が間者を引き摺り下ろし縛り上げた段階で姿を現した。

いつも通りの事なので気にせず引き渡すリオン様と私に驚く滑稽な姿を見せる雌。魔王様の部屋に投げ込み再び姿を隠して戻ってきた私はリオン様を見守る。久方ぶりの長期外出になるとは思いますが、その間の仕事は四天王の方々に回せばどうとでもなるでしょう。

ソンナコトヨリアノメスガブレイヲハタラカナイカミハリマセント…

 

その時シズネは背筋がゾッとしたそうだ。

 

 

 

 

 




・ステータス

リオン「本文では説明してなかった単語コーナーだそうだ」※以後リオ
シズネ「雑談形式にする理由、あったのかな?」 ※以後シズ
リオ「試験的なものだそうだ。んで今回はステータスだったな」
シズ「過去の勇者達が作った魔法具というもので確認できる本人の能力値を現すステータス、異能や技のスキル、名前や討伐・殺害数のプロフィールの内の1つで、強さの基準になるものです」
リオ「表示限界が4桁だから一万を越えると数字が9999で止まるみたいだ。俺は自分ので見たことある」
シズ「理不尽……こほん、ステータスの内容は筋力、耐久、魔力、俊敏、器用、幸運の6項目」
リオ「耐久が防御力、生命力、体力の複合で同じように魔力は魔法攻撃力、魔法防御力、魔力量の複合」
シズ「最後に俊敏が行動速度と反応速度の複合になってるようです」
リオ「人間の大人の数値の平均が筋力20、耐久60、魔力60、俊敏40、器用20、幸運20だからここからどれだけ上がるかで強いかどうかはっきりするな」
シズ「私まだ幸運と複合以外2桁止まりなんだけど…」
リオ「魔物も魔獣も狩ってない人間なんてそんなものだろ」
シズ「うん、頑張るね」
リオ「おう、道中手伝ってやるからな」



シズ「……何で魔物とか魔獣狩るとステータス上がるのかな?」
リオ「知らね。魔力だの魂の力だの吸収するからだろ」

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