魔王弟の神喰狼   作:時空の旅人

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・安定のガバクオリティと内容の薄さでお送りします。




004-1-04

 

 

 

「んー……首から上がワーム系、残りと後付けされた前足がワイバーン……いや、飛竜混じってるのか」

 

リオンが何か言っているようなのだけど今の私としては気づけば助けられていた事、目の前のキメラと思われる生物に嫌悪感が沸いている事、そして現在進行形で彼の腕に抱かれていてパニックになっている事で聞こえていなかった。彼の方が年下で背も低く、その上体つきも細いはずなのに、びっくりするぐらい頼もしいのが不思議ではあるけど、私も女の子なのだから男の子に守られるというのに憧れがある。それとは別に父以外の男性とあまり接触したりしなかったせいか免疫がないらしいのは問題だろうけれど。

 

「頭部がワームなのに感知方法は匂いなのか、いじられすぎじゃね?もしくはわざと……なんだろうなぁ」

 

そう言うとこちらを見る彼って近い近い近い!現在の状態もあり恥ずかしくて顔を逸らす私と不思議がりながらも耳は油断なく音を拾っている彼。何故かキメラとは違った殺気が浴びせられ背中に悪寒が走り、周囲を見渡しているとキメラの口が開き━━

 

「!?」

「ちょっと大人しくしてろ」

 

━━凄まじい勢いで首が伸びてきた。それに驚き硬直した私とは違い、あっさりと上に蹴り上げてしまった。少しは驚くとかないんでしょうかね。それにしても……上を見上げると20mは伸びてるんじゃないかと思われる首があり、体を見るとまだ蹴られた勢いが残っているのか翼と前足がわたわたと慌てるように動いていた。それを少し眺めていると彼が私を下ろし━━

 

「平均1000もないな、じゃあシズネが頑張ってみようか」

「……ふぇ?」

 

━━え?私が倒すの?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

とりあえずあの合成獣を倒すのはシズネという事にして下ろす。慌てる彼女に補助はすると言っておくが、これぐらい倒せないと姉上には手も足も出ないだろうしどうしたものか…。少なくとも彼を自身のステータスとスキルだけで倒せるとは思ってないので、今回ばかりは仕方なく手を出すけどさ。

 

「『封狼魔紐(グレイプニル)・連鎖』」

 

手に持った封狼魔紐(本当は超極小の鎖の束)を通じて彼女に使うのはステータスの強化能力。強化状態は使用者である俺次第ではあるものの、今回は全ステータス500以上になるように抑えてある。とはいえ、彼女からしたらいきなり5倍以上の強化がかかるので問題は出るだろうが…。

 

「か、体が軽……すぎる!?」

 

予想通りというか、伸びすぎた能力に自身の感覚がおいついてないようで初撃が遥か後方まで行ってしまっている。まあその際に掠めた剣がワーム部分の皮を易々と切り裂いていたのには素直に驚いたけど。ただ神経はワーム部分と飛竜部分は繋がっているみたいで、彼の体から苦痛と思わしき呪詛が出ている。

 

「もう一度!」

■■■■■■(人間がぁぁぁ)っ!!」

 

さっきので少しだけ感覚を掴んだのか今度はきっちり当てられるように剣を振るい、それを前足で迎撃する彼がいるのだが━━

 

「させない!」

 

━━上がっているステータスで本来のステータスではできない動きを見せ、前足を掻い潜り数度腹を斬りつけ離脱する。怒り吼える彼は首を伸ばしワーム独特の口で呑み込むあるいは噛みつこうとしてるのだが、伸びてくる勢いを利用して無駄な力を使わず、剣を横から入れ上下に引き裂いていく。

……あれ?何か平均500ぐらいに強化したにしては一方的過ぎないか?彼が放つ呪詛よりそちらが気になり出した俺の前では一方的とも呼べる攻防が繰り広げられ、翼を断ち足を切り飛ばし、首を跳ねてついに合成獣の体が倒れた。

その際に一応『連鎖』で付与した強化状態を確認するのだが、やはり自分が与えた分しか流れておらず、彼女を視て漸く理解する。彼女のスキルか体質か、自身にかかっている強化に対して更なる補正がかかるようなのだ。素のステータスと強化による上昇値、補正次第じゃ過去最高の勇者になるんじゃないだろうか?

彼女に労いの言葉をかけた俺は怨念たっぷりな合成獣を浄化し、再び街にへと足を進めた。とりあえずシズネ、人の浄化の仕方に疑問を持つのは仕方ないけどさ、浄化(物理)って言うのはやめてほしいんだけど。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

途中殺気をぶつけてしまったとはいえ、現在はあの雌豚もとい彼女の有用性について考えてみる。リオン様のあれは最大で自身の半分程のステータスを強化として付与できるので、彼女の補正能力と合わせればそれこそリオン様を越えられるだろう。敵に回せば厄介になるが味方にしてしまえばこれほど心強いものはないとも言える。その上彼女はまだこれから成長する余地が沢山あるので抱き込むか、むしろリオン様の番としてしまうか。……くっ、妬ましいし恨めしいですけどしかし…

 

 

 

 

 




・体質

リオ「今回はこれ、特異な体質だ」
シズ「私も持ってるかもしれないってこと?」
リオ「そうだな。まあうちの家系じゃ母上以外全員持ってるから珍しくないかもしれないけど」
シズ「そうなんだ」
リオ「父上と姉上は魅了体質で俺は……あんまり言いたくねぇ」
シズ「せっかくだから教えてほしいかな?」
リオ「やだ」
シズ「えぇー…」
リオ「そのうち本文でな」

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