堕ちたあの子がゲイムギョウ界を壊しにかかる話   作:ふぁもにか

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 どうも、ふぁもにかです。今回、この二次創作での初戦闘回となりますが……この作品の戦闘では基本的に、現実的な戦闘になっているかどうかという点よりも、ネプテューヌのゲームの戦闘システムのノリに準拠した戦いになっているかという点を優先して戦闘を描写していきますので、なにとぞご了承くださいませ。なお、私のこの発言の意味がよくわからないという方はとりあえず本編をご覧ください。そうすれば私の発言意図を何となく理解できるでしょうから。



4. 第1章のボスのくせに強すぎない!?

 

 

 木々が鬱蒼と生い茂り、視界の悪いバーチャフォレストの奥地にて。2対2の構図で4名の女性が対峙していた。一方はプラネテューヌを機械化病パンデミックから救わんとする、ネプテューヌ&アイエフ。一方はパラボラアンテナな形状をした巨大機械を用いてプラネテューヌに機械化病を蔓延させる、白衣の少女:センシャ&大剣装備の少女:シュプレ。

 

 

「ところで、ネプ子? もう戦いが始まるんだけど、変身しないの?」

「うん、しないよ。だって、先に手の内を晒すのは負けフラグでしょ? ここは相手の実力を見計らってから変身するかどうか決めたいなって思ってね」

「ま、その辺の判断はネプ子に任せるけど、くれぐれも出し惜しみしたままやられないでね」

「大丈夫だいじょーぶ。私はそこまで間抜けじゃないからさ」

「はぁ、心配だわ」

「なんでさ!? 私ってそんなに信用ないかな!?」

 

 互いに相手の出方をうかがい、敵へと打って出ない中。女神化すれば大幅なステータスアップの恩恵を得られるというのに未だに変身しようとしないネプテューヌに、アイエフは素直な疑問をぶつける。対するネプテューヌのメタな返答を受けて、アイエフはネプテューヌから少しばかり慢心している気配を感じ取ったため、これから始まる先頭への不安からため息を吐いた。一方のネプテューヌはアイエフから信用されてないことにガビーンとわかりやすくショックを受けた。

 

 

「くくく。誰も動かぬというのなら……まずは景気づけに一発、いかせてもらおうか」

 

 4名が相手の出方をうかがい、自分から動こうとしない。そんな膠着状態を破ったのはセンシャだった。センシャが両手を軽く広げて己のSPスキル『ランダム生成』を発動させると、センシャの手元が白く光り輝き、次の瞬間には鉄製のボールのような物体が2つ生成され、それぞれセンシャの両手に収まった。

 

 

「む、これは……? ふむ、なるほど。では、こうしようか」

 

 センシャはしばし鉄製のボールを不思議そうに見つめた後、得心が行ったように鷹揚にうなずくと、ひょいとボールをネプテューヌとアイエフへと投げてきた。物体を数秒観察しただけでその観察対象の使い方がわかる固有アビリティ『我は天才』を保有しているセンシャは、鉄製のボールをネプテューヌたちに投げることこそが効果的な使い方だと判断したのだ。

 

 

「ん? 何これ?」

「ネプ子、近づかないで! 魔界粧・轟炎(まかいしょう・ごうえん)!」

 

 センシャの投げてきたボールの正体が気になるネプテューヌをアイエフは制すると、地面に手を付き、魔界の炎(※というアイエフの設定)を現世に召喚するSPスキル『魔界粧・轟炎』を行使する。アイエフに呼び出された橙色の炎は円形の柱を形成し、センシャの投げたボールを一瞬で飲み込む。直後、炎の中で2つのボールが弾け、盛大に爆発をまき散らした。

 

 

「うわわわわ!?」

「くッ、何て威力……!」

 

 センシャの生み出したボール型の爆弾の強烈な爆風に、ネプテューヌとアイエフは吹っ飛ばされてしまわないように必死にその場に踏みとどまる。そんなネプテューヌの眼前に、シュプレが瞬時に距離を詰めてくる。どういうわけか、シュプレは爆風の影響など欠片も受けていないようだ。

 

 

「さて、小手調べです」

「ッ! 何の!」

 

 シュプレが横薙ぎに振るう大剣をネプテューヌは持ち前の刀で受け止めようとする。シュプレは見るからに大きい剣を軽々扱っている以上、膂力の面でネプテューヌの力がシュプレに叶わないのは火を見るよりも明らかだ。ゆえに、シュプレの大剣をまともに受け止めれたとして、シュプレに力負けして数メートル吹っ飛ばされる未来が現実的だろう。

 

 そんなネプテューヌの想定をあざ笑うかのように、シュプレの大剣をしかと受けたネプテューヌの刀が、ポッキリと2つに折れた。敵と武器をぶつけ合った際、一定確率で相手の武器を破壊できるシュプレの固有アビリティ『武器破壊』の効果である。

 

 

「え?」

 

 思わず、ネプテューヌは間抜けな声を漏らす。シュプレの振るう大剣のスピードは未だ衰えておらず、みるみるうちにネプテューヌの横腹へと迫っていく。もはやネプテューヌは為すすべもなく、己の胴体を真っ二つに分断せんとするシュプレの大剣を呆然と見つめることしかできな――。

 

 

「ネプ子ッ!」

「にょわぁ!?」

 

 その時、ネプテューヌはアイエフに左手を強引に引っ張られ、数歩後退した上でビタンと尻餅をつく。結果、シュプレの大剣はネプテューヌの横腹を軽く斬りつけるのみにとどまり、ネプテューヌは間一髪、命拾いをした。

 

 

「この程度ですか、女神ネプテューヌ」

「させない!」

「っと、危ないですね。たかが女神の付き人と思っていたのですが、侮れませんね」

「それはどうも」

 

 尻餅をつき、隙だらけのネプテューヌにすかさずシュプレが追撃の大剣を振り下ろそうとするも、アイエフがシュプレの顔面目がけてカタールを投擲してシュプレの攻撃をキャンセルする。アイエフの投げたカタールを回避する際に後退したシュプレはそのままの勢いで己の後方に控えるセンシャの近くまで退避し、戦闘の仕切り直しを図る。その際、シュプレはアイエフの評価を上方修正し、アイエフはシュプレに不敵に微笑んだ。

 

 

「アイちゃん、ありがとう。さっきは死ぬかと思ったよ」

「お礼はいいから、さっさと変身しなさい。女神にならずに舐めプで倒せる相手じゃないってことは身に染みてよくわかったでしょ!」

「うぅぅ、アイちゃん様の仰る通りにございます……」

 

 ネプテューヌは所持アイテムのネプビタンを服用して己の傷を癒しつつ、尻餅状態から体のバネを聞かせて勢いよく立ち上がり、アイエフに感謝の言葉を告げる。対するアイエフは予備のカタールを装備し直しながら、ネプテューヌに女神化を強く要請する。結果、ネプテューヌは命の恩人のアイエフの要請に従い、変身する。戦闘開始時点で変身しなかった己の慢心のせいで、速攻で死にかけた申し訳なさゆえの、ネプテューヌの選択だ。

 

 

「さて。女神の力、今から思い知らせてあげるわ」

「期待してるわよ、ネプ子」

 

 女神化を通してプロセッサユニットという名の全身の追加武装を装備し(※この時、追加武装として、シュプレに折られた刀の補充もしている)、大幅にステータスアップを果たし、ついでに身長もネプテューヌの時よりも一回り大きくなったパープルハートはシュプレの武器に見劣りしないサイズの大刀を構え、威厳に満ちた口調でセンシャとシュプレを見据える。女神化しパープルハートとなった今のネプ子なら、そう簡単には殺されかけたりしないだろう。アイエフはひとまず安堵の息を吐き、パープルハートと同様に視線を敵に注ぐ。

 

 

「楽しみですね、女神の力。くれぐれも私を幻滅させないでくださいね」

「随分と自信家のようね」

「私が強いのは事実ですから。それではいざ、尋常に!」

 

 シュプレは地面を力強く蹴り、一息にパープルハートへと距離を詰めると、勢いのままに大剣を振り下ろす。パープルハートは背中の羽型のプロセッサを羽ばたかせてシュプレの大剣を回避し、シュプレの背後に回りつつ大刀を逆袈裟に振るう。対するシュプレはパープルハートに背中を向けたまま、大剣の柄を背後へ突き出し、パープルハートの大刀を受け止め&『武器破壊』アビリティによる破壊をしようとする。が、今回はシュプレの『武器破壊』は発動しなかったようだ。

 

 

「なるほど。さっきとは大違いですね」

「できるだけあなたの大剣を刀で受け止めたくないのだけどね」

 

 シュプレは女神化後のパープルハートの強さを高く評価し、さっきのように武器を壊されたくないパープルハートはシュプレレベルの実力者を相手に、シュプレの大剣を大刀で防御せずに上手く戦うことの難しさを思い知り、顔をしかめる。

 

 

(あの2人の斬り合いに混ざるのはあまりに無謀。なら、私のやるべきことは――)

 

 パープルハートとシュプレとの激しい大刀と大剣の応酬をよそに、アイエフはセンシャに攻撃するべくセンシャの元へと駆ける。センシャはシュプレと違って一切近接攻撃を仕掛けてこない。シュプレの後ろで両手を光らせて、先の爆弾のような兵器を生み出しただけだ。ゆえに、センシャには戦う力がないのではないか。私とネプ子が彼女たちの前に姿を現す前の会話から察するに、センシャには殺人ウイルスを開発する狂科学者としての力しかないのではないか。そのように推定したからこその、アイエフのセンシャ狙いである。

 

 

「行かせませんよ」

「ッ!?」

 

 だが。アイエフはセンシャへと近づけない。シュプレがパープルハートと剣戟を繰り広げる合間を縫って、アイエフへと複数の斬撃を飛ばしてきたからだ。白い三日月状の計4つの斬撃をアイエフは間一髪、横っ飛びで回避する。結果、シュプレの高速の斬撃はアイエフの背後の木々を次々と貫き、倒木させていった。

 

 

(く、これじゃあセンシャって奴の所までいけないじゃない!)

「む、ダメだな。これもゴミ。ゴミ、ゴミ……むむ、今日は『ランダム生成』が不調だな。中々良い物が出てこない」

 

 パープルハートとシュプレが激しく戦い、アイエフがシュプレに足止めをされる中。センシャは『ランダム生成』を乱発して頻繁に両手を光らせては、ポンと生み出されるりんごを、腕時計を、目薬を、紙皿をその場に不法投棄していく。センシャのSPスキル『ランダム生成』は名前の通り、センシャの望みの物を召喚できるとは限らないようだ。

 

 

「お、これは――キタキタキタァー! ヘイ、シュプレ! ジャンプ、ナーウ!」

「ッ!」

 

 と、ここで。センシャの表情が愉悦に歪む。目当ての物を召喚できたセンシャは興奮に身を委ねるままに、シュプレに声を掛ける。センシャからの唐突な指示を受けたシュプレは、しかし一切慌てることなく、即座に真上に跳び上がり、木の幹に華麗に着地する。その時、シュプレが目の前から姿を消したことにより、パープルハートとアイエフの視界には、漆黒の空気砲のようなものを右手に装着し、砲口をパープルハートたちに向けるセンシャの姿が映し出された。

 

 

「ヒャッハー! なぁぁぁあぎ払えぇぇぇえええええい!(^q^)」

 

 ノリノリなセンシャの宣言を機に、センシャの空気砲の形状をした何かの砲口に淡い白の光が結集し、一気に解き放たれる。直後、砲口のサイズよりも何十倍も大きい極太のレーザービームが放出され、パープルハートとアイエフに襲いかかってきた。

 

 

「なぁッ!?」

「くッ、アイちゃん!」

 

 今の状況ではとてもレーザービームを回避できそうにない。そう判断したパープルハートはとっさにアイエフを抱きしめ、レーザービームをその身で受け止める。変身前のネプテューヌならば余裕で消し飛ばされるレベルのレーザービームを、パープルハートは全身がほどよく焼け焦げる程度の怪我で耐え抜いてみせる。

 

 

「へぇ? これは少しばかり心躍る威力ですね」

「だろう? 我ながら当たりを引き当てられたと思っている。しかしこのレーザービーム、再発射までには少々時間が必要だ。ゆえに、シュプレ。貴様は今まで以上に徹底して我の盾になるように。いいな?」

「はいはい。仰せのままに」

 

 センシャはレーザービーム砲を装着していない左手を常に光らせながら、木から跳び降りてきたシュプレをあごで使う。センシャは『ランダム生成』を行い続け、レーザービーム砲よりも使える素敵な武器が生成されたら、武器をそちらに切り替えるつもりなのだろう。ちなみに今、センシャは『ランダム生成』で、薔薇、猫、パトリオット、ひのきの棒、もやし、マッチ棒、トリュフといった、何の脈絡もない物を次々と召喚している。

 

 

「アイちゃん、大丈夫?」

「ネプ子のおかげでね。にしてもあの2人、とんでもなく強いわね」

「ええ、まさかこれほどまでに強いなんて……」

 

 アイエフは火傷を負ったパープルハートを、精霊の加護(※というアイエフの設定)による治癒を施すSPスキル『グリーンノア』で回復させつつ、センシャ&シュプレの強さ及び厄介さを口にする。こうしてパープルハートとアイエフが手こずっている間にも、センシャたちの背後に鎮座するパラボラアンテナの形状をした装置からは機械化病の病原菌が放出され続けている。1人、また1人とプラネテューヌの住民が死に瀕している。もはや猶予は許されていない。

 

 だからこそ。アイエフは『にしてもあの2人、とんでもなく強いわね』と主張した。その発言は、センシャとシュプレには敵が自分たちの強さに戦慄しているようにしか聞こえないだろう。だが、パープルハートはアイエフの発言からアイエフの意図を完璧に察した。パープルハートとアイエフは互いに目と目を合わせ、力強くうなずく。

 

 

「行くわよ、ネプ子!」

「ええ! 任せて!」

 

 アイエフの掛け声を受けて、パープルハートは大刀を振りかぶり、真下の地面へと叩きつける。結果、粉砕した地面から粉塵が湧き上がり、周囲一帯を包み込む。

 

 

「ふん。何をするかと思えば、自然物を使った煙幕か。しかし――」

「センシャはともかく、煙幕ごときで私の目は誤魔化せません、よ!」

 

 センシャはちょうどいいタイミングでランダム生成されたスイミングゴーグルを装着して砂塵から目を守り、シュプレは目を瞑ったまま、近づいてくる敵目がけて的確に大剣を振るう。シュプレ目がけて迫っていたアイエフの胴体を真っ二つにするべく放たれたシュプレの大剣の横薙ぎは、しかしアイエフに命中しなかった。アイエフがシュプレの頭上へと高く跳躍したからだ。

 

 

「え?」

 

 シュプレは困惑する。シュプレを相手に、空中に身を投げ出すことは自殺行為に他ならないからだ。体の自由の利かない状態で、シュプレに斬られればアイエフの死亡は避けられない。例えシュプレの大剣をカタールで受け止めようとも、シュプレのアビリティ『武器破壊』が発動すれば、死は決定的だ。なのに。それがわかっていてなぜ、アイエフはわざわざ宙に跳んだというのか。

 

 シュプレは脳内に沸いた疑問をそのままに、とりあえず頭上のアイエフを斬り殺すべく、大剣を振り上げる。が、またも大剣はアイエフの体を捉えず、シュプレの一撃は空振りに終わった。

 

 

「なに、今のをどうやって回避したと――」

「なん、だと!? まさか奴らの狙いは!」

「センシャ?」

 

 濃密な砂塵のせいで何も見えないシュプレ。その一方、センシャは今の出来事の一部始終を漏れなく目撃していた。砂塵から目を守るために目をギュッと閉じたままシュプレへと一直線に駆けてきたアイエフがジャンプした直後、アイエフの背後に控えるパープルハートが渾身の力を込めて大刀を投げ飛ばし、大刀の柄をアイエフが掴むことで、アイエフがシュプレの大剣をかわしつつ空中での高速直線移動を果たす光景を、センシャはバッチリ目撃していた。それゆえに、センシャはパープルハートとアイエフの狙いを悟り、背後を見やる。背後の、禍々しい赤紫色で装飾された、パラボラアンテナな形の、機械化病の病原菌をまき散らす巨大機械を。

 

 

「今さら気づいたって遅いわよ!」

 

 巨大機械目がけて突き進むパープルハートの大刀は、柄を掴むアイエフを引っ張りながら、深々と巨大機械の中心部に突き刺さる。バチバチと放電をし始める巨大機械を前に、アイエフはダメ押しと言わんばかりにSPスキル『ラ・デルフェス』を発動させる。古の五勇者であるラ・デルフェスが編み出した神聖魔法(※というアイエフの設定)による暴力的な光の柱が、巨大機械を飲み込み。光の奔流が収まった時、そこには瓦礫の山と化した巨大機械と、その傍らに華麗に着地したアイエフの姿があった。

 

 

――もしもあの2人がとんでもなく強かったとしても、最低限あのデカい機械さえ壊せば、病原菌をばら撒けなくなるはずよ

 

 パープルハートとアイエフが、センシャとシュプレの前に姿を現す直前、アイエフはこのように言っていた。これこそが、先ほどアイエフが『にしてもあの2人、とんでもなく強いわね』と発言した理由である。アイエフがセンシャとシュプレを『とんでもなく強い』と認定することで、優先順位を『センシャとシュプレを倒す』ことから『機械化病の病原菌を放出する巨大機械を破壊する』ことへと切り替える旨を、敵に悟らせずにパープルハートに伝えたのだ。

 

 

「よし、これでパンデミックのことは心配しなくていいわ」

「ええ、後はこの2人を倒すだけね」

(と言ったものの、今の私、素手なのよね。あの機械に刺さったままの私の刀をどうにかして回収したいのだけど……どうしたものかしら)

 

 センシャとシュプレを倒すことのみに集中すればいいという状況&挟み撃ちの構図を作ることに成功したアイエフとパープルハートは、センシャとシュプレを油断なく見据える。この時、武器のないパープルハートの胸中は穏やかではなかったのだが、そんな様子はおくびにも出していない。

 

 

「ちッ、やられたな」

「どうしましょう?」

「……撤退だ。我らの役目は機械化病でプラネテューヌを滅ぼすこと。目的が果たせなくなった以上、ここに留まる理由はない。ネアの元へ帰るぞ」

「私たちがあなたたちをみすみす逃がすと思う?」

「あぁ。我にかかれば、貴様らから逃げおおせるなど、余裕だとも。ちょうどいい物を生成できたからな。シュプレ、目を塞げ。絶対だぞ」

「わかりました」

 

 センシャとシュプレが撤退の方針を選ぶ中。絶対に逃がさないとの強い意思を抱えたアイエフの問いかけに、センシャは得意げにニヤリと笑う。その手に持つのは、ランダム生成した、ピンのついたスプレー缶の形状をした物体。センシャはシュプレに警告を発し、躊躇なくピンを引き抜く。

 

 

「「ッ!?」」

 

 パープルハートとアイエフは慌てて目をギュッと強く閉じる。センシャの物言いから、センシャが手に持つ物体の正体が、閃光弾のような目潰しのための兵器だと判断したからだ。

 

 

「「……?」」

 

 が、パープルハートとアイエフはそろって首を傾げる。センシャの持つ兵器が発動したにしては、何の音もしないからだ。閃光弾は強烈な光を発する兵器だが、音を全く発しないというのは不自然だからだ。ゆえに、2人は恐る恐るまぶたを上げる。が、その時。パープルハートとアイエフの視界には、センシャとシュプレの姿は影も形も存在していなかった。

 

 

「ま、まさか……さっきのは、ハッタリだったの?」

「~~~! やられたッ!」

 

 センシャのハッタリに見事なまでに騙されたパープルハートは目をパチクリとさせ、アイエフは捕まえられるはずだった敵を逃してしまった悔しさに歯噛みする。かくして。バーチャフォレストを舞台とした4名の戦闘は幕を閉じるのだった。

 

 




ネプテューヌ:プラネテューヌの女神。変身するとパープルハートになる。当初は変身しない舐めプモードだったが、シュプレにマジで殺されかけたため、その後は本気で戦った。
アイエフ:プラネテューヌの諜報員。己の厨二な設定を元にしたSPスキルをいくつも保有している。純粋な戦闘能力の面では微妙な性能だが、知略方面では頼りになる。
センシャ:オリキャラ1号。青髪に白衣が特徴的な少女。マッドサイエンティストなキャラ。戦闘能力は持たないが、ランダム生成で色んな物体を即座に生み出すことができる。
シュプレ:オリキャラ2号。白髪ポニーテールが特徴的な少女。人を斬るのが好き。単独で女神化したパープルハートと戦えるほどに強い。センシャの『絶対だ』との発言はウソをつく合図だと知っていたため、センシャの指示に従わず、敵が目を瞑った隙にセンシャを脇に抱えて撤退した。

 というわけで、4話は終了です。ネプテューヌシリーズは『敵と出くわす→戦闘後、敵が撤退する→後に敵が再登場する』をひたすら繰り返すのが通例なので、この二次創作もひとまず原作の流れに乗っかろうと思います。べ、別に敵キャラをいっぱい使い回したいんじゃないんだからね!


 ~おまけ(オリキャラのスキル紹介)~

○センシャ
SPスキル『ランダム生成』:SPを消費してランダムで何か物を召喚する。
アビリティ『我は天才』:どんな武器や道具でもほんの数秒観察するだけで最適な使い方がわかる。

○シュプレ
アビリティ『武器破壊』:敵と武器をぶつけ合った際、一定確率で相手の武器を破壊することができる。相手の装備する武器が安物であればあるだけ、武器の破壊確率は増加する。
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