機動戦士ガンダムOO 堕天使の慟哭   作:零崎極識

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第3話

「ガンダムフラウロス……お前の力はどこまで通用する……?」

 

 アルフォンスはそこに鎮座するガンダムに語りかけながらコックピットへと乗り込む。計器に灯を入れコンピューターを付けると無事に起動する。

 

「パワーユニット異常なし……よし、行けるな」

 

 アルフォンスはフットペダルを踏み込み格納庫からゆっくりと飛び立つ。機体を浮かせるとそのままユニオンの基地まで飛んでいき着陸させる。未確認機が着陸したため基地の中が慌ただしくなるが基地司令がすぐさま、臨場した。

 

「アルフォンス君……君は無茶をするな……」

「あっはっはっ、何をしてもいいと言われたのでですね。ひとまずはこの機体をこちらに置かせてもらっても?」

「ああ、構わんよ」

 

 そして、アルフォンスの乗ってきたフラウロスは格納庫に格納され、再び司令官と司令室でマンツーマンになった。

 

「あの機体……あれはまるでガンダムではないか」

「そうですね、私の家系では代々ガンダムと呼ばれるようなモビルスーツを作ってきました。ですが……あのような兵器は私は知りません」

「それだとしても……君の機体があればユニオンはソレスタルビーイングに勝利することができるな」

「……しかし、彼らのガンダム全機に勝てるかどうかは分かりません」

 

 実情は世界には彼らのガンダムが4機確認されているのに対し、こちらはアルフォンスのガンダムのみと戦力的には厳しそうではある。

 

「……やはり、世界はひとつになり彼らを打倒するしか……」

「そうだな、君の言う通りかもしれん。既にユニオンの上層部では極秘裏に人革連との接触を計っている」

「人革連とですか……!?」

 

 仲の悪いとされている大国2つが近づくことになれば世界はやがて統一化へと進んでいくのだろう。これもやはりソレスタルビーイングの影響だと言える。

 

「とにかく、その機体は君が扱え。そして、ソレスタルビーイングを圧倒せよ」

「はっ、必ずや勝利してみせます」

 

 アルフォンスはそう言うと部屋を退出するのだった。

 

□□□□□□

 

「アルフォンス、君のその機体の力をこの私に見せてもらいたい!」

「……グラハム、正気か?」

 

 廊下を歩いているとグラハムに呼び止められ開口一番にそう言われた。

 

「ガンダムに勝つためにはガンダムとの戦闘経験を積めば良い。幸いにしてここにはガンダムがある!だからこそ、私と戦ってくれ!」

 

 アルフォンスは深いため息をつき仕方なくグラハムとの模擬戦に応じることになった。

 

「……俺とグラハムとの戦いの記録、確か全部俺が負けていたよな」

「技術職も兼ねている君に負けるわけにはいかないのでな」

 

 フラッグのテストパイロットの時はグラハムとの模擬戦において勝ったことのないアルフォンスだが今回は機体の性能差が圧倒的である。

 

「ではこれより、グラハム・エーカーとアルフォンス・クレンズとの模擬戦を開始する」

 

 オペレーターの合図とともにグラハムのフラッグが突っ込んでくる。

 

「まずはお手並み拝見といこうじゃないか!」

「そうはいかない……!」

 

 フラウロスは肩にあるフィンスラスターを使い、一瞬でフラッグの背後をとる。

 

「何という機動性!」

 

 フラッグは後ろを振り向くことなくそのまま距離をあけようとするがそれよりも先にフラウロスの方が早い。

 

「逃がしはしない!」

 

 フラウロスはビームライフルを構えフラッグの肩を狙ってトリガーを引く。放たれた一筋のビームは狙いを外すことなく肩を撃ち抜きフラッグの体勢を崩した。

 

「しまった……!?」

「もらったぞ!」

 

 背後のスラスターを噴射させ一気に距離を詰めると背中のバックパックからビームサーベルを抜き袈裟に振り下ろす。フラッグもソニックブレイドで対抗しようとするが一瞬の抵抗のうちにソニックブレイドが両断され、それを持っていた腕ごと切り裂いた。

 

「そこまで!」

 

 ここで戦闘終了の判断が下され、互いの機体を格納庫へとしまう。

 

「それにしても……君のガンダム、あそこまで性能が高いなんてね」

「それでもソレスタルビーイングのガンダムに勝てるかどうか……」

「いずれにしても、私はガンダムにフラッグで挑むさ」

 

 戦闘を終え、リフレックスルームでそんな会話をしていると若い隊員が伝令として走ってきた。

 

「伝令、グラハム・エーカー中尉、アルフォンス技術少尉、お二人に出撃命令が下されました!」

「了解した、直ちに向かう」

 

 2人は空き缶を捨てるとすぐさま自分の機体へと向かっていった。

 

□□□□□□

 

「タリビアで反政府デモだと……?」

「ああ、我々はそれを鎮圧しに行くということだ」

 

 オペレーターからのブリーフィングを受けながら情報をまとめる。端的に言えば、ユニオンから独立したいタリビア軍が軍を持ち出しユニオンに対し要求をしてきたようだ。

 

「これで、対応しなければユニオンの面目は丸潰れってわけだ」

「……だが、対応すればしたでユニオンはソレスタルビーイングの介入を受けてしまう……」

「どう出るかは分からないが、丁度いい機会だと思うさ」

 

 アルフォンスは不敵な笑みを浮かべながら機体に灯を入れる。

 

「ガンダムフラウロス、目標を撃滅する」

 

 輸送機からフラウロスが空へと舞い上がり、機体を変形させると戦闘機のようにタリビア軍が展開する地域へと飛翔していく。

 

 しばらく飛翔するとタリビア軍が既に攻撃を受けているようで過半数のモビルスーツがガンダムによって撃破されていた。撃破したのはモスグリーン色をした奴のようで、その手に持ったライフルがアルフォンスの機体をロックしていた。

 

「熱烈な歓迎だな……!」

 

 すぐさま、スラスターの出力を上げ機体を加速させるとその後ろをビームが通り抜けて行った。相手のガンダムは外したことに動揺したのか次の攻撃までに間隔が空いてしまう。

 

「飛び込んでやるさ!」

 

 アルフォンスは機体をジグザグに動かしながらガンダムへと迫っていく。相手も次の攻撃で確実に当てるためか額のアンテナが下へと下がりその奥からカメラが出てくるのが見えた。

 

「これでどうだ!」

 

 相手がトリガーを引く直前に機体をモビルスーツ形態へと変形させ、空気抵抗を増やし、その場から失速する。そのおかげで機体が重力に引かれ、2発目のビームは額の上を通り抜けることとなった。

 

「その程度かよ……!」

 

 アルフォンスはビームライフルを構えてガンダムに発砲する。咄嗟に機体を動かしたガンダムは空へと浮き上がる。その隙にさらに踏み込み、ビームサーベルを抜いて斬り掛かる。

 

 ガンダムは腰からピストルのような物を抜き連射をするが、アルフォンスはシールドを掲げながらタックルするのに切り替える。迎撃出来なかったガンダムはまともに体当たりを喰らうもライフルを撃ち、フラウロスのシールドを吹き飛ばす。

 

「あの体勢で正確な射撃をするとは!」

 

 再びビームライフルを構えてガンダムを狙うが、相手はスモークを放ち視界を奪って撤退したようだ。

 

「……まぁ初戦にしては上々か」

 

 アルフォンスも機体を翻し、変形させて輸送機へと帰還するのだった。

 

□□□□□□

 

「くそ!なんなんだ、あの機体は……!」

「データナシ、データナシ」

 

 撤退するデュナメスの中でガンダムマイスターであるロックオン・ストラトスは憤慨していた。思えば、あの戦闘は落とされてないだけマシなだけのひどい結果だ。

 

「機体性能も、フラッグやティエレンとは全く違う……どうなってやがる……」

 

 ひとまず、ロックオンは戦術予報士であるスメラギへと報告をするために内容を詰めていくのだった。

 

□□□□□□

 

 

 ガンダムを撃退したアルフォンスに待っていたのは称賛の嵐だった。様々な人に祝福され自分の部屋に帰る頃にはすっかりヘトヘトにさせられていた。

 

「……それにしても……不意を打ったとは言えこうも容易いものなのか……?」

 

 ガンダムの動きを見ると、動揺していただけであり正確な戦闘能力を見れていないのが実情である。

 

「まだまだ改良の余地がありそうだ」

 

 そう思うとアルフォンスはすぐさま作業に取り掛かるのだった。

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