魔法熟・・・ゲフンゲフン (習作)   作:you-new

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オレは生きるっ!!生きてBBAと添い遂げるっ!!

 勝った!闇の書事件完!

 …テンションが上がってしまい、変なことを口走ってしまったが、それだけ俺のテンションが高いということなのだ。

 

 闇の書は俺が脳量子波を使用した特殊な封印魔法で封印した。

 これは数十にも及ぶ封印魔法が連鎖して、すべて同時に解かなければ解けない。さらにツインドライブで生成した膨大な魔力を使用したため、一つ一つの封印魔法が強固で、解くだけでも闇の書に蓄えられた魔力の半分近く消費してしまう。とはいえ弱点もあるのだが…。

 しかし消耗している今の闇の書に解けるはずがなく、主もすでに闇の書による浸食で重症。少なくともこの封印は数年は解けないはずだ。

 勝ったのだ。

 運命なんてなかったのだ。

 ああ、帰ったらしばらく家族で旅行に行くのもいいかもしれない。

 リンディには心配かけすぎたし、何かわがままを聞いてあげるのもいいかもしれない。

 ようやく肩の荷が下りて、すっきりした気分だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 鳴り響くアラームの音で眼を覚ました。

 すぐさまバリアジャケットを展開し、部屋を出る。

 避難を誘導している局員に何が起きたのを聞いたところ、闇の書が再び覚醒し、艦の制御を奪っているのだという。

 それを聞いた瞬間、馬鹿な、と呟き、愕然とした。

 一体なぜ封印が解かれているのだろうか、状況から答えは考えてたった一つしかなかった。

 それに思い至った瞬間、俺は闇の書が置いてあった場所へと走った。

 

 状況が混乱しているため、誰も俺を止めることなどできなかった。

 触手が艦のいたるを這いずり回っている、それを魔力刃で切り裂きながら飛行魔法で移動していく。

 闇の書が管理されていた場所で、一人の男が触手と同化していた。闇の書はその男が持っていた。

 その男の名は…クライド・ハーヴェイ、リンディ・ハラオウンの夫となるべきはずだった男で、この船の艦長だった。

 ぶつぶつと何かを呟いている。

 誰もおらず、触手もこのあたりは動いていないため、それはすぐに聞き取れた。

 

「僕が僕が僕の方が、彼女に相応しいんだ。力、力、力があれば、ふひひ、ひひひひひ」

 

 眼の光がおかしい、アレは完全に壊れている。

 きっともう、彼は人ではない化け物だ。

 ……彼が化け物になった原因の大本は俺の存在なのだろう…それを闇の書が利用したと見るのが妥当なところか…。

 もしかしたら彼は、リンディとどこかで会って好意を抱いていたのかもしれない。

 それからアタックして結ばれたのが原作なのかもしれない。

 それが叶わなくなったからこのような行いに出たのかもしれない。

 俺がいなければ、彼はリンディと結ばれてこんなことを起こさなかったのかもしれない。

 だから、きっと、彼が化け物になったのは俺が原因なんだ。

 だが、俺の中のリンディへの思い、リンディの思い、リンディと過ごした時間は今現実に存在するのだ。

 そして約束したのだ。必ず生きて帰る、と。

 

「だから!俺はお前を殺す!」

 

 両手に魔力刃を展開し、一気に接近し振り下ろすが、獣じみた動きで彼は防いだ。防いだ箇所を見ると、触手と化した腕がブレード状になっていた。

 そのまま鍔迫り合いに持ち込まれる。

 

 ――なんてパワーだ!

 

 いつのものように足からも魔力刃を展開して、蹴りを入れるが、それも同じように防がれた。

 どうやら俺の動きがコピーされているらしい。

 何度もヴォルケンリッターと戦い、彼らに苦汁を嘗めさせてきたからだろう。俺の動きが徹底的に解析されているみたいだ。完全に間合い、タイミングが合わせられている。

 その上、広いとはいえ室内で機動戦もできず、艦を破壊してしまう砲撃、射撃もできない。白兵戦しかできない戦場だ。さらに時間が経てば艦が完全に侵食されてしまう。

 タイムリミット、敵戦力を考えれば、もう手はない…。

 多方向への無差別の念話で、隊員の避難後、すぐにアルカンシェルで艦ごと闇の書を破壊してくれと頼み、念話を切った。

 集中しなければならない。

 たった一つだけ生き延びる方法がある。それを実践するために。

 いつものように魔力刃で切りかかるが、防がれる、だがここからはいつもと違う。

 持ってはいたものの使用していないデバイス、20cm程の棒をバリアジャケット展開時は腰に日本刀を帯刀するように装備していた。

 このデバイスは双龍刀のように魔力刃を展開できる。もっともただそれだけしかできないが。

 それを起動し、魔力刃を展開する。

 まったく予期せぬところから魔力刃が伸びていき、クライドを貫いた。そして力が抜けた瞬間に、両肩を切り裂き、足の魔力刃で上半身と下半身に両断した。

 そのまま、彼は蒸発するように光の粒子となり消えていった。後には闇の書だけが床に落ちていた。

 

 ここからが本番だ。

 脳量子波を最大放出し、かつツインドライブを限界ギリギリまで同調させる。

 そして、アルカンシェル発射のタイミングを感知し、発射される瞬間、闇の書を脳量子波で擬似ハッキングし、同調させ、自分の体を封印する。

 10年後に原作通りの事件が起きれば封印は解かれ、俺は自由になることができる。

 たった一つの生きる方法。

 

 俺は…必ず…生きて帰る…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 闇。

 目を開いているのか、閉じているのかわからない。

 自分が声を発しているのかわからない。

 五感がなくただ闇だけを感じられる空間。

 ただただ思考だけが行える。

 ふと気がつくとなぜここにいるのかすら忘れてしまいそうになる。

 何も感じられないから、ただただ思考を繰り返す。

 いろいろな思い出を思い返し、ただ時間が過ぎていくのを待った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 どれほどの時間が過ぎたのだろうか。

 気がつくと眼の前に女がいた。

 紅い瞳、銀色のストレートの長い髪。

 そして、大きな胸………胸!丸見えって、真っ裸だよこの娘!

 

 そんなことが理由で俺の意識ははっきりと戻った。

 情けない理由だとは思うが、目の前にナイスバディの美女が裸でいたのならしょうがない。誰だって驚くし、つい視線をやってしまうのもしょうがない。

 そう、これは男の生理現象なのだ…だから俺は悪くない…よな?

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