『あなた達は死にました』
自分がどこにいるのかさえ分からなくなるような白い世界にいつの間にかいた少年たちは何処からか聞こえてくる声にそう言われた。
『あなた達は寿命で死んだのではなく、我々のせいで死にました』
ふざけるなと少年が叫ぶ。元の世界に返してと少女が叫ぶ。
だが、その叫びはすぐに収まることになる。
『あなた達にはこれから別の世界に転生してもらいます』
二次創作などでよくある『神様転生』。その言葉を聞いた瞬間、叫んでいた少年は雄叫びをあげた。他の人たちもそれぞれの反応をする。
だが、その中で一番多かったのは何処の世界に転生させるのか?だった。
『あなた達が転生する世界は『ハイスクールD×D』、あなた達の前世にはいなかった幻獣や悪魔などの人外が存在する世界です』
声はそれに答え、さらに話を続ける。
『あなた達には2つの選択肢があります。転生する世界には『原作』と呼ばれるものが存在しています。その『原作に強制的に関わる道』、そして、『試練に挑戦して『原作』に関わらなくてもよくなる道』の2つ。
あなた達にはこの2つのどちらかを選んでもらい、その後自らの力となる特典を選んでもらいます。
……ただし、試練に挑む道も、原作に関わる道も必ず命の危機になる時があります。その点をよーく考えてください』
多くの者が『原作に関わる道』を選ぶ。だが、4人だけは『試練に挑み原作から逃れる道』を選択した。
それに、他の人たちが反応する。ある者はその正義感?から「原作を良くしようとは思わないのか!」と言い、ある者は「臆病風に吹かれたか!」と嘲笑し、またある者は「俺のハーレムの障害が消えた!」と喜ぶ。
『試練の方に行く人は4人だけですか?転生してから変更することはできないのですが……』
声がその場にいる者達に確認をする。その場にいる全員はその問いに首を縦に振ったりして首肯する。
『分かりました、それでは特典の説明をさせてもらいます。
特典はあなた達が決めることができますが、その数は最大で3つです。
そして、特典には次の大原則があります。
1.それぞれの転生者の特典は被らない。もし、欲しい特典が2人以上被った場合は早く選択した方がその特典を得ることになります。
2.原作のキャラクターなどに関係する特典は1人につき一つしかできません。これは、例を出すならば『主人公の力が欲しい』とか『主人公の幼馴染になりたい』とかですね。
3.その特典を持っていたキャラクターが成長しなければ使えない者はすぐには使えません。例を出すとするならば『
以上、三つの大原則があるのでそれぞれきちんと考えて特典を選んでください』
その言葉が聞こえると同時に、それぞれ自身の特典を慎重に選んでいく。だが、その中で1人だけ他の人たちよりも速く特典を決めた。
そして、それに続くように他の人たちも特典を決めていく。
30分くらい経った頃だろうか?何回か駄目出しをされた人たちも特典を決め終えた。
『……全ての転生者の特典が決まりました。これから転生させます』
その声とともに全ての転生者の目の前を光が覆った。