どうやら私は強くなりすぎたらしいです。   作:丸いピンクのアイツ

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 お久しぶりです。今回は一気に時間が飛びます。それぞれのキャラとの馴初めは番外とかでやりたいと思います。
 月組さんやら神様達との絡み期待してた方々は申し訳ありません。



どうやら幻想の世界の始まりらしいです。

 普段通りの一日を送っていたある日、私は不意にある力に気付いた。

 

 “遊びを極める程度の能力”

 

 それが私の能力として現れたのだ。

 能力の内容は名前の通り。遊びを極め、遊びの中でならどんな結果でも引き出す事が出来るというもの。私は最初に実験の為、有志を募って一緒に色々な”遊び“をしてみた。

 

 

 ――まず、サイコロ勝負では私の予想する出目が外れることは一度も無かった。

 

 次に行ったかけっこでは、遮る物など無いかのように木やら家やらのありとあらゆる障害物をすり抜け、天狗のスピードもお構いなしに、ぶっちぎりの1着。

 

 その他、後ろ向きに走る、平然と瞬間移動をする、当たり判定を消す。

 

 どうやら、私が遊び感覚で何かを始めたり、一般的には遊びとは言えなくとも、途中で楽しくなったりするといきなり生物構造や物理法則に喧嘩を売ったような動きが起こるようで。

 

 ―――まるでTASさんのような力。

 

 名は体をあらわすといういつかの勇儀の話は本当だったのだろうか。

 ついには過程をすっ飛ばして結果だけを実現させる(デバッグルームを呼び出す)など世界を改変する行為までやってのけてしまい、頭が痛くなる。

 

 理論上の最速。もしくは、変態挙動を以て数々の偉業(異形)を縦とした存在の体現。

 

 私は名前の由来となった者と同じ力を手に入れ、遊びを極めた(TASさんとなった)のだった。

 

 まるで万能のような能力を手に入れたが、多少の制約はあり、四五六賽を何度振っても1、2、3は出ないように、100%と0%の確率は変えられない。

 それでも、起こりうるものであれば宇宙の法則さえも変える程の能力。一歩間違えてしまえば何が起こるか分からない。

 が、それ以上にもたらす力は大きい。いざという時に使えるくらいにはしておきたい。

 

 ......デバッグルームは本当に危険な時以外は使わないようにしよう。下手したら世界が崩壊しかねない。

 

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

 

 時の流れは早く、江戸と呼ばれた時代も終わり、明治と言う時代が始まった頃。

 

 ツィールの能力が発現したあの時から能力を自在に扱える程度には月日が経った。同時に、その長い時間の中には数々の出来事もあった。

 どっちが本来祀られていたのかいまいち分かりづらい二柱の神が興した巨大な都を見つけ。呪いを振り撒く妖怪桜を封印し。月の民に戦争を仕掛けたりもした。

 

 同時に、数々の出会いがあった。

 彼女はもう、一人の寂しさに縮こまる必要も無い程の友に囲まれている。

 

「.........貴方ねぇ、あの気持ち悪い移動をいい加減辞めなさいよ」

 

「自分の能力を使って何が悪いんですか、そっちだって能力使って楽してるじゃないですか」

 

 唯、友人が増えるという事はその分衝突も増える訳だが。

 

「貴方のは他の妖怪が怖がるのよ!」

 

「あなたのも目がギョロギョロしてて怖いじゃないですか!」

 

 声のボリュームはドンドン上がり、罵詈雑言の嵐か吹き荒れ、互いの言葉はそれに比例するかのように稚拙なものになっていく。

 けれどもここは家主の許可無しには入れない結界の中にある、現の者に隠された幻想郷の中で更に隠れた場所。そこで口論を交わす二人のインチキ能力者を止められるような者はいない。

 

「どう思いますか!藍さん!?」

 

「えっ」

 

 そんな中自分には関係のない事、と巨大台風からこっそり逃げ出そうとしていた一匹の妖狐もツィールからの問答によって争いの渦中に巻き込まれる事となった。

 

「そ、そうですね能力を使っているという点ではどちらも同じですし......問題は無いかと...」

 

 胡散臭い妖怪――八雲紫を主とする妖狐――八雲藍は従うべき主人の意見を肯定することなくあくまで中立、と言うよりか若干ツィールに寄った意見を出した。

 

 哀れ紫。だが、一年の半分以上を冬眠して過ごし仕事の大半を藍に押し付ける主人と、訪れる度菓子折りを渡してくれて仕事まで手伝ってくれる客人とではどちらに付くかは一目瞭然である。

 

「...チッ、まあいいわ。今回貴方を呼び出したのはこんな事じゃないの」

 

 さっきの話は終わりと言わんばかりに放った紫の言葉によって客間の雰囲気が引き締められ、自然と皆が口を閉じ、紫の次の言葉を待つ。

先程のような事があろうと彼女は幻想郷を束ねる賢者の一人である。当然カリスマ性はその辺の妖怪と比べ頭一つ抜きん出ている。

 

「...幻想郷に新たに結界を敷こうと思うの」

 

狐と白いのの二人の目線を独り占めしながら紫が口をゆっくりと開く。

 

「それは、今ある結界とはまた違うものですか?」

 

 幻と実体の境界。それが現在幻想郷の周囲に張り巡らされており、その効果は幻の存在を引き込む――ざっくりと言えば妖怪や神仏の類が結界内に入りやすくなる――といった代物で、過去に人間の勢力が強まった時に外界から妖怪を呼び込もうという目的によって作られたものである。

 

「当然だけどそうなるわね。知っての通りここ最近、妖怪や神仏の力が弱まってきているの。原因は恐らく人間が幻の存在を信じなくなっている事ね」

 

「つまり、『幻の者達を守る為の結界』を作ろうって事ですか」

 

 人を糧に生きる妖怪達は、人々に存在の否定されると力を失っていき最後は消えてしまう。つまり、人々が知恵をつけて妖怪の仕業と畏れられてきた物が科学的に証明されてしまった時、荒唐無稽な話だと鼻で笑われるようになった時、妖怪は死んでしまう。その為、一見格下の人間に自身の存在を肯定してもらう事が必要になるのだ。

 

「ご名答よ。今日は貴方に新しく作ろうとしている結界の仕組みについて意見が欲しいの」

 

「意見ですか、紫の作る結界に私が意見を出せる様なところも何もなさそうですけど...。仕組みはきまってるんですか?」

 

「そうね、具体的な形までは決まってないけど、おおよその形としては、幻想郷を世界から切り離して、そこに今までの結界も利用して、妖怪達とまだ妖怪達を信じている人々を結界の中に呼び込むって感じかしら」

 

「殆ど決まってるじゃないですか...ただ、それだと妖怪達の数と妖怪を信じている人の数の差が大きすぎて食糧難が起きそうですね...」

 

「あ、そこは藍にスキマでその辺の死体でも取りに行かせるわ。それで人里を正式に人々の安全地帯にしつつ、人と妖怪の均衡を保つって形よ」

 

「!?」

 

 当然のように雑事を押し付けられた藍。堪らず抗議の声を上げるも彼女の主人は何処吹く風で取り付く島もない。よよよとくずれおちる藍を横目にツィールは今度お稲荷さんを作ってこようと決めた。

 

「どうかしら。勿論、まだ粗が多い所もあるし、この結界が未来、誰も妖怪を信じなくなった時に万一破壊されれば沢山の妖怪達が犠牲になるわ。だから、前の結界よりもうんと強い結界を作らなければ駄目なの。もし、その時が来たなら是非、貴方にも真の幻想郷を創る者達――そうね、賢者とかでいいかしら。その一人として手伝って欲しいものね」

 

「賢者...ですか。それはちょっと...」

 

「貴方も少しは上の者として相応しい肩書きを持つべきよ。大体、貴方は山の妖怪達からも十分な信頼と実力があるのよ。あんな多種多様な妖怪達の殆どに信頼される、並の妖怪には到底出来っ子ないわ」

 

 ツィールの線の細い白い顔がほんのり紅くなるのを見てここぞとばかりに紫がツィールを褒めちぎる。

 

「そう言う紫様ももう少し仕事をサボらなければ部下にももっと尊敬されると思いますけどね」

 

 しかし、今度は藍が先程仕事を押し付けられた仕返しとばかりに紫を窘める。

 

 そして、それを皮切りに始まった、紫とその式の喧嘩を呆れたように眺めるツィールの表情にほんの少しだけ幸せそうな笑みが浮かんでいた事に気付いた者はいなかった。

 

 

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

 

 その日、私は何時もの様に家の植物達の世話をしていた。もう、私が知っている作物は河童達だけで栽培できるようになったので、作物を育てる必要はないけれど、長い間色々なものを育てる内に、愛着が湧いてきてしまったのだ。

 

「ふう、今日の予定は特に無し、と」

 

 あの後、結局紫に根負けして賢者の一人になったけれど、私は今までの生活となんら変わらない日々を送っていた。

 

「うーん、人里の茶屋にでも行こうかな?」

 

 この時代の人里はまだ妖怪の立ち入りを禁止しているのだけど、私は立ち入りを許可されている。

 紫に話を聞いても何も話さないけれど、いたずらが上手くいった子供のような顔をしていたから、彼女が手回ししてくれたんだと思う。

 普段、彼女は胡散臭いだのなんだの好き放題言われている。が、実際は半ば無理矢理賢者の役職を押し付けてた事を悪く思っていたので、何時だったか話した私の前世の事を思い出してちょっとしたプレゼントにした、ということらしい。(PN.九尾さんからの情報)

 

 そう言えば最近贔屓の団子屋の前に蕎麦屋が出来たとか。団子屋さん蕎麦屋に客とられたって泣いてたなぁ。あそこの団子美味しいのに...あ、思い出したら食べたくなってきた。今日は団子屋にしよう。

 

「こんにちはー!文屋でーす!」

 

 あ、文屋の烏天狗さん。そっか、今日だっけ

 

「はーい、これ今月の分です」

 

「毎度あり!今後も御贔屓に!」

 

 ひとまずこれを読んでから団子屋行くことにしよう、楽しみは後に取って置くのが一番だ。

 

「えと、『遂に博麗大結界敷設へ』『川に河童現る、正に河童の川流..."博麗大結界"?」

 

『そうそう、ツィール。博麗大結界を張る日は形だけでもいいから来て頂戴。流石に賢者が出席して来ないのはほかの妖怪に格好がつかないわ』

 

 あ、そういえばいつだったかに紫がこんなこと言ってたっけ。

 

「今日だったんですか...。やっぱり新暦に慣れた記憶だと旧暦は馴染みづらいですね...団子屋は明日かぁ...」

 

 少なくないショックを受けながら、私はいつか紫に団子を奢ってもらおうと心に決めつつ(八つ当たり)、辺りを見回す。適当に見つけた次元の隙間に飛び込んで地面をすり抜け、地中の当たり判定に体を滑り込ませ地面の判定が自分を押し出すのを利用しを滑るように移動。するとおよそ5秒で、

 

「お待たせしました!」

 

 現地に到着。予定の八分前、常識の範囲内かな?

 

「いらっしゃい、移動の仕方こそあれだけど貴方は時間は絶対守るタイプだから気楽でいいわぁ。他は呑気なのばっかりで纏めるのが大変なのよね」

 

「はは、大変ですね...」

 

 ほぼ一月分遅刻しそうでした...なんて今更言えないなぁ...。これ以上心労をかけると紫の性格上ろくな事にならないし。

 

「はあ...ホント大変よ。...全く、漸く来たわね。遅いわよ!」

 

 しばらく紫の愚痴を聞いた後、やって来た二人目に苦言を呈す紫。私たちみたいな長生きのめんどくさいのを今まで纏めて来ただけあって、まだ予定の五分前にも関わらず真面目だ。

 ...普段からそれだけ真面目ならもう少し藍さんにも尊敬されると思うんだけどな。

 その後も、賢者たちがやって来る度に注意するが、他の賢者のだれも紫の口撃を真に受ける人はいなかったけど、なんとか全員遅れることなく集合を果たす。

 

 最後に紫の背中から出てきた隠岐奈さんへの説教をとうとう諦めた紫が一言。

 

 

「――じゃあ、始めるわよ」

 

 

 たった一言。だが、それだけで周囲の雰囲気が引き締まり、結界を張る為の儀式が始まり、

 

 

 

 遂に幻の者達の幻想郷が完成した。

 

 




 久々で書き方が変わってたり、話がグダグダってなってたらご指摘お願いします。
 それと、設定等原作と違う点もあるかもしれませんがどうか目を瞑ってくださるようお願いします。
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