一般人がISを頑張って作る話 作:団子スライム
すぐさまドアがガチャガチャと鳴り、インターホンの音が何度も鳴り響く。流石にうるさい。だが、そんなことを思っている場合じゃない。まず、この状況を整理しなくては。
動画投稿した➡うさみみに情報与えたかもな➡うさみみ、家襲来(今ここ)
なんだろうな、この状況。ネットに相談したら釣り乙とか来そう……いや、今はこの状況をなんとかするのが先か。でも、玄関はピッキング防止加工をこの前したばかりだしあのうさみみが諦めるのも時間の問題だろう。
これで家に入られる心配は無いな。窓もあるが、割られないようにちゃんと加工もしてある。親戚の家だけど結構改造しているんだよな……これが。しかし、家がバレたということは学校もバレているかもしれない。
流石に学校に突入はしてこないよな?けど、正面玄関に待ち伏せされる可能性も残っているし……て言うか、そんなことをするぐらいなら家の前で待ち伏せするか。まあ、今は大丈夫だろうがこれからが問題だな。
そんな事を考えているとドアのガチャガチャ音も、インターホンの音も聞こえなくなった。恐らく、あのうさみみが諦めたんだろう。だが、家の周りに居ないとも限らないし迂闊に外には出られないが。
とりあえずゼリーでも食べて落ち着こう。確かこの前コンビニで買ったやつが残っている筈だ。そう思った俺は台所の冷蔵庫へと行き、冷蔵庫からゼリーを取り出す。そしてスプーンも手に取るとその場で食べ始めた。
だが、案外ゼリーの容器が小さかったもんで三分もすれば食べ終わってしまった。もしかしたら俺の食べるスピードが早すぎるだけかもしれない。そんなどうでもいいことを考えながら、スプーンを水に入れ、ゼリーが入っていた容器をリサイクルマシンに入れる。
「ピンポーン」
ちょうどその時、インターホンが鳴った。また、あのうさみみだろうか……それにしては何回も鳴らされない。俺の知り合いかもしれないし一応玄関に行ってみるか。そう思いながら玄関に行き、先ほどと同じようにチェーンロックをかけドアを開ける。
「ヤッホー。」
「……なんだ社池か。何しに来たんだ?」
そこに居たのは俺の友人が居た。うさみみを警戒していただけの俺はドアを閉めチェーンロックを外し、またドアを開いた。
「一回、ドアを閉められたからビックリしたじゃないか。」
「まあ、チェーンロックを外しただけだから心配するな。」
「まあ、それなら我も許してあげるよ。我は寛大だからね。」
「それより、本当に何しに来たんだ?特に用事が無いなんて言わないだろうな?」
「とりあえず我に付いてきてくれないかい?なぁに、心配しないでいいよ。ただ近くのカフェに行くだけだから。」
「カフェに行くだけって……今じゃないとダメなのか。」
「今じゃないとダメに決まってるじゃないか。今じゃなかったら何の為に我が来たか分からないだろ?」
「いや、まず今じゃないとダメな理由も分からないな……まあ、いいや。」
どうせカフェに行くぐらいなら良いだろう。そう判断した俺は外に出て、鍵を閉める。しかし、社池は何故突然来て俺をカフェに行かせようとしているのか。特に社池に何かをした記憶も無いわけだが……。
「あっ、財布。」
「問題ないさ、我が奢ってあげよう。その代わり、あんま高い物は止めてくれよ?」
「良いのか?」
「気にすることはない。敗者が勝者を尊敬するのは当然のことさ。」
……社池は事あるごとに自分を負け犬、敗者だと決めつける。けど、そんなことを言う俺も社池にゲームでもじゃんけんでも負けた事は無いのだが……ちなみにじゃんけんでは二回連続あいこになった事はある。社池曰く、あいこすらも初めてだったらしい。嘘かもしれないがな。
数分も歩いていると突然社池が話かけてきた。
「さて、こうやって休みの日に二人で歩くのは久しぶりだね?」
「まあ、そうだな。社池とは学校で話すぐらいの仲だしな。そういえばどこのカフェに行ってるんだ?」
「さぁて、ここで右を見て貰おうか。」
「……ここハンバーガーのファーストフード店だろ。」
右にあったのは俺もたまに利用している某ハンバーガーの全国チェーン店。一度も来たことはないという者は居ないんじゃないか?と思える程の有名な店である。
「コーヒーが売っていればどこだってカフェになるんだぜ?」
「なんだその謎理論。」
社池は俺のツッコミを無視して中に入っていく。当然、俺もそれに付いて行った。中はお昼どきをおもいっきり過ぎたからか結構空いている。だが、客が居ない訳でも無いようだ。社池はそのままレジに向かい何かを注文したようだ。
そして、金を払い店員さんが飲み物の容器に何かを入れ黒い板に二つ載せて社池に渡した。それを受け取った社池がこちらにやってくる。
「さて、席に座ろうか。」
「コーヒーじゃないのかよ……。」
さっきの理論はどこ行ったのか。普通にシェイクを持ってきた社池にそうツッコむ。だが、社池は「なに言ってるんだこいつ」と言いたいような目で見てきた。解せぬ。
まあ、そんなことをいちいち突っかかる気持ちもこちらには無いので大人しく二人用の席に座る。すると、社池が話始めた。
「じゃあ、君をここに連れてきた訳を話そうか。」
「ん?話してくれるのか?」
「ああ、流石に連れてこられたまま放置なんて冗談にすらならないだろ?」
少し笑いながらいう社池。まあ、こちらもここに連れてこられた理由も全く検討もつかなかったから気になっていたと言えば気になっていたが。
「まあ、ここに連れてきた理由は逃げる為さ。」
「逃げる為?誰から逃げるんだよ。」
「……君は知らなかったかも知れないが、二階のベランダから君の家に侵入しようとしていた人が居たんだよ。」
その言葉を聞き、とっさにうさみみが思い付く。あいつ、玄関から入れないと察すると二階から入ろうとしてきたのか……。
「そいつがただの一般人だったら僕も放っておいたさ。」
「おい。」
いや、ただの一般人でも問題だろうが……ていうか強盗とか泥棒とかの方が問題だろうに……。
「篠ノ之束って知ってるかい?」
「……いや、誰だよ。」
俺がそう言うと社池はため息をつく……何かおかしな事を言っただろうか。
「彼女の事も知らない君に教えてあげるよ。篠ノ之束、IS……正式名称インフィニット・ストラトスを作った張本人さ。」
「……え?」
「その様子だと本当に知らなかったみたいだね……まあ、いいや。話を続けるよ。彼女は天才だ。」
「……じゃなかったらISなんて作れないだろうな。」
ISを作った……つまり女尊男卑の世界になるきっかけを作った人物って事だよな?なんだそいつ……許せんな。
「彼女は天才であるが為に、周りの凡人をそこら辺の小石程度にしか思ってないんだ。勿論、例外は居るようだけどね。」
「……なんかすごいな、その人。」
「ISにはISコア物があるんだが……そのコアは彼女とパンが生活の人にしか作れない。」
「……それは本当か?」
「ああ、誰だって知っている事実さ。」
成る程な……通りで誰も男性も乗れるISを作らないと思ったわ。ん?その篠ノ之束って人しか作れない物を作れている俺って……まあ、凡人だろ。他の奴らだって五年後ぐらいには作れるようになるだろうな。いや、待てよ?
「で、その篠ノ之束って人がどうしたんだよ。さっきの不法侵入未遂の奴と関係あるのか?」
「察しが悪いなぁ……その不法侵入未遂の人がその篠ノ之束って人なのさ。」
「……は?」
「まあ、そんな反応する気持ちも分かるけどね。これは事実だぜ?ほら、写真も撮ってある。」
そう言うと、社池はスマホを取り出し見せつけてる。片方はうさみみが俺の家のベランダで何かをしている写真。もう片方はうさみみがピースして画面に写っている写真だ。誰かと肩を組んでいるようにも見えるが、写真は途中で無理やり切られているようで誰と組んでいるかは分からない。
まあ、そんなことはいいのだ。問題はその画面に写っているうさみみが俺が[パンが生活の人]と知っている人で、社池曰くISを作った篠ノ之束という天才というところだ。
「いや、待てよ。何でそんな天才が俺の家に侵入しようとしているんだよ。」
「何で我が知ってると思うのさ。彼女は奇想天外過ぎて行動が読めないから誰にだってそんなことをしているのかは分からないと思うぜ。まあ、君が彼女に気に入られているとしたら話は別だけどね。」
気に入られる……心当たりめっちゃある。けど、流石に社池に[パンが生活の人]の正体は俺だとは言えねぇし……それよりそんな天才を俺はどうすればいいんだ?
「とりあえず今日は家に帰らない事をおすすめするよ。彼女は既に君の家に入っている可能性は高いからね。どこかに隠れられてるかも知れないぜ?」
「そうか……ん?そういえば何でそんなその天才に詳しいんだよ。」
「我は彼女を主人公に、二次創作の小説を書いているからね。良く調べないととやっていけないさ。」
「ちなみに原作は?」
「遊戯王。」
ドヤ顔でそう言う社池……何でオリジナルじゃないんだ。いや、二次創作とは言ったけども。
「ピリリリリッ ピリリリリッ」
突然社池のスマホが鳴り出す。ちょうど俺が社池に返した所なので少し驚いた。
「まあ、電話もかかってきたし去らばさせてもらうよ。じゃあ、また明日、元気で会えたら良いね。」
そう言って、外に出ていく社池……何故そんな怖いことを言うのか。まあ、今日は親戚のとある場所で眠ろう。俺は少し冷や汗をかきながらそう思った。
恐らく次回最終回。まあ、必要ない新キャラが出てきた次の話はだいたい最終回って、それ一番言われてるから。