この議題を取り上げるとき、まず最初に僕がやっていることは物事を考えているぼくは死ぬべきかどうか、だ。
大きく人間のパターンを分けると、死ぬために生まれてきた人間とそれを見届けるために生まれてきた人間の二パターンがある。だってそうだろう? 若くして死ぬ人間がいるなんて、とっても不幸なことじゃないか。
それを勝手に不幸と決めつけていいのか、と思うけれど、若く死ぬときってのはだいたい苦しんでいる。だからこそぼくは許せないんだよ。なんで世界はこんなシステムで作られたのかってね。
世界がどのようにこねられて作られたのかってのはぼくにもわからない。けれどそんなぼくにもできることといえば……なんだろう。小さい吐息に合わせて理不尽への恨みを吐き出すことくらいか。
舌先三寸寸刻み。
吐いた唾は飲み込めない。何故ならそいつは幻覚だから。いいや、言っているわけがわからない。
たとえば、内臓の全部に口があったら鋭く戯言を紡げるだろう? 言葉をそれぞれ考えるんだ。ゆっくりつないだ言葉はきっと、理不尽を呪う剣になる。
苛まれたのは君の名前。所謂アンテナをへし折った宇宙人。その傷口から溢れ出たタールがぼくの身体を犯して張り裂けそうさ!
……ああ、話が逸れたね。元に戻そう。この感情もリセットして……、と。今のぼくはこれで死んだ。どうだい? いい気分になれたかい? ……そいつは結構。ぼくはとっても清々しい気分さ! だって! 忌々しい野郎が死にやがった! ざまぁねぇぜ!
ぼくの中の醜さが時計のように回り始めた。ぼくの平穏パラメータは既に壊れている。ぼくはこれから死ぬまでクソつまんねー言葉を紡ぎ続けるだろう。
さて、君は自分が今生きていると思うかい?
いや、深い意味を持った問じゃないんだ。不快に思ったのなら許してくれ。で、答えはどうなんだい?
なるほど、君は自分が生きていると思うのかい。じゃあ、いったい生きているってなんだろうね? その問は普通の人間が出せるものじゃないけれど、人足る所以はそこにあるのじゃないかな。
ぼくは思うよ。ぼくたち人間は、生きてもいないし死んでもいない。明確に死んでいるのは死者だ。けれど生者が生きているとは限らない。むしろ死に傾いているとさえ思う。
なぜかって? それは簡単はことさ。君は考えつかないのかい? なんで人間が生きてるのか、ということを考えたとき、疑問に思わなかったのかい?
……ああ。ぼくなりの回答だが許してくれよ?
死人がいるから、人は生きているんだよ。