死するべき者共の悪足掻き 作:決別・裏切りの罪 レイン&ネガ
〜日向side〜
…………………………。
俺は彩達をさっさと帰した後、蓮と一緒に公園に行った。
そこまでは良かった。だが…………
そこから俺は俺でなくなった。
「………………………通りすがりのライダー…登場…………」
彩達は、俺にこれから起きる事態を知らずに近づいて来た。
「ヤッホー、日向君!」
「……………………そうだな…」
「ど、どうしたんですか?あまり具合が良くないんですか?」
「……俺は至って平気だ…………」
「そうだ!海君!あの変身私達にも見せてよ!!ルンって来るんだよ!!!」
ほう?言ったな?
だったら…………と、それは後になりそうだ。
「日向。お前は危険だ。ここで死んでもらう……」
突如現れた男は番犬の姿に変え俺に襲いかかってくる。
だが、彼はそれを見えていないはずの死角から、振り向きざまに殴り返した。
「ガルルルルラアァ…!!」
この頃の彼は、
「お前なんかの相手なんかしてられるかよ……変身!」
怒りに満ちていて、逞しい顔つきも、妖しい笑いを浮かべている。
【KAMEN RIDE DECADE】
更には本来とは違ってノイズが入ったように低く響いていた。
そう、彼は…………………
あらゆる全てを、
《破壊》してしまった。
〜pastel*pallets side〜
あれ?なんかあの仮面の人の様子が、あの時と違う……。
リグっちの時は、本気で助けたい一心だったはずなのに…
今の日向君……全然違う。別人みたいに攻撃的になってる。
「ヒナタさん…………初めて会った時とは大違いです……」
?イヴさん、今なんて……会った時とは違う?もしかして一度見たんですか?
「イヴちゃん、詳しく聞かせて!」
「私はあの時、神樹さんに襲われそうになった時に、あの仮面の武士が助けてくれたんです!!その時の瞳はエメラルドのように輝いていて、額も眩しい金の光を放ってました!!
でも、今はまるでブシドーを壊している感じでした……」
イヴは段々と声が弱くなっている。
やはり、恐怖は感じるのだろう。
たしかに、彼女の言う通り、
あのディケイドの瞳は今は深緑に濁り、額のOシグナルも神々しい金ではなく、禍々しい紫に変化していた。
「くそッ!!間に合わなかったか!」
れ、蓮君!どうしてここにいるの!!
「おまえら、どうして大人しく帰らなかった!!」
「ぅうう、だって〜。」
ううう、蓮の顔……すごく怖いよ。なんでそんなに怒るの?
「今のアイツは…………不安定で危険なんだよ…………」
「お、お兄ちゃん……
それって、あの仮面の人は……!海君…?」
「しかもあの姿…………ますます参ったな………あの状態になると、俺一人で手に負える相手じゃない。」
「ええ!それじゃあ、ジブンらはどうしたらいいんですか?!」
答えはただ一つ………………
「……全力で逃げろ!!」
「あうー……やっぱりー!!」
私達は蓮君と一緒にあの仮面の人から全力で離れた。
〜日向side〜
バキッ!!
ドガッ!
凄まじい蹴りとパンチを喰らわして、奴はもうへばって来た。
おまえももう終わりだ。
「コレで最期だ……」
【FINAL ATTACK RIDE DE DE DE DECADE】
本来なら一列十枚ほどのカードの残像が、揃ってキックが繰り出されるが、この場合はそうはならず、カードの残像があらゆるところに広がり、それが終わる事なく次の残像、次の残像と、次々とカードの残像が並んで行く、それが相手に直撃するまで永遠に続く。またそれを一枚一枚通過する毎にスピードとキック力が上がって行く。最終的には、相手の肉体をも破壊してしまうほどの威力をもつ、ディメンションキックを放つ。
「ダァァアアァアア!!」
彼は番犬怪物の首を蹴って捻らせ、
大きな範囲で大爆発を起こした。
最後に彼はこう言った。
「もう、この世界に用は無い…………」
相手の残骸を見て、憐れむ様子を見せず、
ただただ見下げた状態で、その場から離れた。
「……フ…………フハハハハハ!!」
雷鳴と共に映ったその姿は、
明らかに酷く歪んだ笑顔で睨みつけていた……。
ー羽沢珈琲店ー
……………………。
全員静まり返ってる。それはそうだ。
あの温厚な性格だった日向があんな風に変わったからな……。
イヴなんて特に酷く窶れている。確か、二人は幼い頃から仲良くしてるって話を、聞いたことがある………。
「お兄ちゃん…海君の様子がさ、最近変なんだよ。あれは一体なんなの?お兄ちゃん、何か知ってるんじゃ無いの?」
しまった。日菜にそこまで感づかれていたなんて…………
「サイトウさん。私はヒナタさんに沢山の事を教えてもらいました!!私がいじめられてた時も、ヒナタさんは逃げずに立ち向かい、私に手を差し出してくれたんです!」
「イヴちゃん…、斎藤……ううん、氷川君。私もリグちゃんの友達を助けるのは幼馴染の役目だよ。あの子、どうしたのか……おしえてくれる?」
イヴ…………つぐみ…………日菜……………………。
ここで答えないのは紳士では無い。
「わかった……アイツも、俺とリグと同じ、二つの顔がある。だが、アイツの場合は、その意味が違う。日向がおまえらを帰した後、俺にこう言って来たんだ。」
その時の彼はとても苦しそうだった。
そして、衝撃的な言葉が発せられた。
「《全てを破壊する事》を理解し、受け入れた…………
俺は既に、
究極を超えている……ってな。」
きゅ、究極…………
全部を破壊……?
聞いてはならない事を、
私達は聞いてしまったのかもしれない。
「じゃ、じゃあ!どうしたら元に戻るの!!?」
日菜が必死に食いついてくる。簡単に戻せたら、
そこまで苦労しないんだがな…………。
「あらゆる『激情』が、日向を支配してる。
だから、それを奈月が取り除く方法を探してくれていた。
その『激情』が日向に秘められた破壊の本能を、強くする。」
れ、蓮君?一体何を言ってるの?
日向君がそんな事をするわけ……
でも、あの変わりようを見た私達には、
それを否定するには充分すぎた。
「ヒナタさん……私のブシドー、感じてくれますか?」
今のイヴには、恐怖も迷いも無い……
完全に覚悟を決めて臨む姿だった。
「……場所を変えよう。ここじゃ被害は避けられない。」
日向に続いてリグが苦しむ姿を、
俺はもう見たくない……。
〜to be a continued〜
知ってる人はわかったかもですが、『激情態』です。
もうダメだ……おしまいダァ…!
次回
『禁じられた過去の記憶』