死するべき者共の悪足掻き   作:決別・裏切りの罪 レイン&ネガ

15 / 40
ここは過去の話の一部です。3人にまつわる過去の話です。


大事なことなので二回言いました。


禁じられた追憶

➖数年前➖

 

 

「ここには人間様だけで充分だ!!」

 

 

 

 

 

 

 

「《化け物》は出て行け!!!」

 

 

 

「…………………………」

 

 

 

僕らは嫌われてるのかな。一部から嫌がられてるだけなのか、全部から否定され続けてるのかな。そのどちらか……………

 

 

 

 

 

 

 

そしていつしか、周りから否定されてきて数ヶ月…………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あの大惨劇が起きてしまった。

 

 

 

 

 

 

ー大惨劇まで、後二カ月…………ー

 

 

 

「…先生。」

 

 

 

 

「ん、何かな。」

 

 

 

俺たち3人は、

 

寺子屋の先生に身寄りのない俺たちを、引き入れて………

周りからの嫌がらせは絶えないものの、

 

「俺らこいつらと勉強したくない〜!!」

 

 

「そうだそうだ!!」

 

 

 

そんな小さな嫌味では………全く俺たちには響かない。

先生もそれは知っていた。

 

 

「静かにしてください。

この人たちが人間じゃないなんてのは、あくまで噂……………本気にするようなことではありません。

 

 

さ、再開しますよ。」

 

 

噂……なあ。

正直、俺たちには不思議でしょうがない。

俺たちは周りからとても非難を受けてる。それが何度も繰り返していれば、言わずもがな警戒するに決まってる。

 

 

なのに、この人は俺たちの話を聞いてもなお俺達を、

我が子のように育ててくれている。

 

 

それがあの人には有って、

 

 

俺達に無いものなのかもしれんな。

 

「ふむ、では君らが嫌がらせをしているのではなく、

逆に被害者である、という事だね?」

 

 

 

俺達が泣いてる時だって親身になって聞いて……

 

「では、私がそう厳しく言っておくので、何かあればまた言いなさい。」

 

 

 

 

「……………ハイ…先…………生……。」

 

 

もはや生みの親といってもおかしくは無い位だ。

 

 

 

この人になら、少しは甘えても……良いのかな…?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

"大惨劇まで後二週間……"

 

 

 

 

 

 

「日向。俺らと遊ぼう!」

 

 

「…良いよ。どういうので遊ぶ…?」

 

 

俺たち3人は、同じような理由で親に捨てられて、同じような理由で孤児院に引き取られ、同じような理由でいじめられる。

 

俺たちはそんな奴らとは大きく違う。

 

 

 

 

 

俺たちはただ、英雄の血を継いだだけだったのに………。

 

 

 

 

 

 

「今日も楽しかったね!!二人とも!!!」

 

 

「…お前がそう言ってくれるなら、いつだって付き合う。」

 

 

「じゃあ、次はどうしようか。」

 

 

俺たちは遊んでは集まって、

次の事を話し合って、明日を迎える。

 

 

 

そこで、丁度ネタが切れてどうしようかお悩んでいたら、

 

 

 

「そうだ!!それがあったんだ!!!」

 

 

 

 

突然リグが立ち上がって喋り出した。

何事かと思って聞いていたら、

思いの外単純なことに気づいてなかった。

 

 

 

 

 

 

「先生をさ、今度誘ってみよ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ああ、そうだな。なると良いな。」

 

 

 

"あと一週間……"

 

 

 

「せ、先生。あの、僕らと……遊びませんか……?」

 

 

 

 

リグは弱々しくも、勇気を奮って誘ったのだ。その思いが伝わったのか、先生は……

 

 

 

 

 

 

「ええ、私も最近はあまり休めていないので、少しくらいは羽を伸ばしても良いですよね。

 

 

それで、何をしましょう?」

 

 

「〜!!」

 

 

 

この時の彼らはあの後に起きる事を知らない。即ちとても喜んでた。これ以上の喜びはない位に……。

 

 

 

 

 

 

「じゃあ、問題を出しましょう。

 

 

 

《16段は何の段?》

 

 

 

 

頭を柔らかくして考えて下さい?」

 

 

 

 

「???先生、言ってることがよくわかんないです。」

 

 

 

確かに、ノーヒントで答えられる人は一部しかいない。

何かポイントが見つけられたら……

 

 

 

 

「先生が言った問題に、気を取られてはいけません。掛け算などではなく、三文字の言葉に変えれば良いのです。

 

 

 

蓮君、君ならもうわかってるのでは?」

 

 

!!!!!そうか、そんな単純なことに何故、気づけなかったんだ!!そう来たら答えはこれしかない!!!

 

 

 

 

 

 

 

「……一の段…そうですよね、先生……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「正解。流石に蓮君からしたら、簡単過ぎたかな。」

 

 

 

蓮君……良いなあ………羨ましいなあ……。

 

 

 

 

僕も頑張んなきゃ!!

 

 

 

 

 

 

そして、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あの大虐殺が始まった…………。

 

 

 

 

 

 

辺り一面が、赤い鮮血の海と立ち込める炎がたび重なり、

一瞬にして僕らの世界は…………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【地獄】と化した。

 

 

 

 

 

 

 

僕は人助けをしたり、街を直したり、色々な事をして僅かな可能性の光を求めるも、現実はそんなに甘くない。

 

 

感謝どころか、逆に嫌悪だけが放たれ、僕の瞳は……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

少しずつ少しずつ輝きを失っていく。

 

更には僕らが勉強してたあの寺子屋の、面影は何も無い。

 

 

 

全てが

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

壊されていった。

 

 

 

 

 

「せ、先生………………?」

 

 

 

先生の姿が見えない。何処にいるの?

 

 

 

 

 

「どこ!先生!!

 

 

 

何処にいるの!!!!」

 

 

僕は走った。

 

 

 

ただひたすらに走り続ける。倒れそうになっても、

 

 

 

諦めちゃダメだと自分を奮い立たせ、立ち上がり走り続ける。

 

 

 

 

 

 

そして、少し離れた場所に先生はいた。

 

 

 

 

「……郁弥君。先生は嬉しいよ。あの子達はみんな逃げてしまったけど、君達はここに来てくれた。ありがとう。」

 

 

 

「…先生。」

 

 

 

 

「時間がない。郁弥君、そこにある刀で私を斬るのです!」

 

 

 

 

そう言うと先生は、こちらに背中を向けそのまま座り込んだ。

 

この時に、

 

 

 

 

 

"自分の手で先生を殺めろ"と告げてる事を、

 

 

 

 

察してしまった。

 

 

 

 

「……出来………ないです。僕には、そんな事が……出来ないです!!」

 

 

 

そんな事、出来るはずがない。今まで世話になった人を殺せなんて言われたら、簡単にはできない。僕も同じだ。

 

 

僕らを助けてくれた先生を今更、斬り捨てろなんて……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

出来っこない……。

 

 

 

 

 

近くに置いてある刀も、

 

模造刀である事を願って持ってみた感覚が、

 

 

 

模型にしてはあまりにも輝きと重厚感が出来過ぎている。

 

 

 

本物と思わざるを得なかった。

 

 

 

 

 

だったら尚更そんな事出来ない。

 

 

 

 

 

「早く!!ここで私を斬らなくては、

君らがそれ以上に苦しむことになる!!!!!」

 

 

 

彼は酷く震え出した。殺す事がどれだけの罪を背負うかを、知っているからこそ怖くて出来ない。腕にうまく力が入らない。

でも、これ以上お互いに苦しい思いをしたくない思いで、

全力で目を瞑り、

 

 

 

 

 

 

「…………!!!ごめんなさい!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

……バスッ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

彼は先生の頭を…手に握られた刀で斬り落とされた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それも、教え子の手で……赤く染め上げた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……う、…蓮君……日向くぅん…………」

 

 

 

 

 

 

 

「リグ!!何か手掛かり…………!!!?」

 

 

 

 

「………お前…………冗談だよな……?

なあ……嘘だといってくれ!!」

 

 

 

 

 

俺は目の前の光景の意味への理解に時間がかかっていた。誰かの血を見たくないとあれほど言っていた、アイツが……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

どうして、

 

先生を殺した?

 

 

「!!!」

 

 

そして、一つの答えを見つけられたと同時に、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そのまま…俺たちの前で。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…う………ああああああああああああああああああああああああああああ……ああああああああああああああ!!!!」

 

 

 

アイツは、俺たちの前に膝ついて、大きく泣き叫んだ。

 

俺たちは、リグの涙を始めて見てしまった。

 

 

 

 

 

 

それ以降、リグは一切話さなくなり、何をしても無反応のままだ。俺たち二人が見ても分かるように、奴は物言わぬ傀儡に成り果てていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アイツは、

 

 

 

 

 

 

 

『全部』を見失った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

悔しかった。

 

 

何も出来ずただ眺めている自分のひ弱さに……。

 

 

…嫌気が刺して俺は全力で主犯を調べ尽くした結果……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その犯人こそが俺たちの心を、黒く醜いものに変えていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「…………日向……リグ………。」

 

 

「なんだ蓮。お前から言い出すなんて珍しいな。」

 

 

俺たちがやることはたった一つ…だけだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「アイツら『人間』を、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

《消すぞ》……。」

 

 

 

「…………」

 

 

 

 

日向は分かりきったようなため息をついて、

俺の考えた計画に賛同してくれた。

 

 

覚悟しろよ………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『お前らがどれだけ謝ろうとも、

 

 

 

 

お前らがどんなに罪を償っても、

 

 

 

 

 

例えどんな怒りを持ちかけてこようと、

 

 

 

俺たちはお前らを………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

………許すわけにはいかない!!!!』

 

 

 

 

 

 

この時から、俺たちは[俺たち]という、

 

 

 

唯一の希望をさえも…………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

何もかもが、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

…………………………砕け散った………。

 

 

 

 

 

〜to be a continued〜




ハイ。



始めの方で、哀しげな目を見せたのは、コレが原因なんです。まあ、一般的なストーリーですよね。




悪の主人公って大体そういう過去を背負って、悪として染まっていった、というケースが非常に多いのです。




次は元々の時間に戻ります。主に登場してくるのは、一時的に有名になった、リグ君、日向君です。お楽しみに。
すいません。蓮君は学校が違うので、出番がそこまでないんです。ゆるしてくれ。





次回






『激情の仮面の戦士』
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。