死するべき者共の悪足掻き 作:決別・裏切りの罪 レイン&ネガ
俺たちの前に、
とんでもない怪物が再び現れた。
蓮「リグ……いや、リガルド……!」
そう、彼が映像を見た瞬間を突いて取り憑いたのだ。
リガルド「…ククク……………」
彼の心の闇に…………
みんなは何が起きたのかがまだ理解出来ていない。それもそのはず、親友のバンド仲間が、
悪しき者の魔の手に堕ちているのだから……。
つぐみ「リグちゃん……?私達を……覚えてる?」
リガルド「…………………………」
日向「……ッ!伏せろおおぉ!!!!」
香奈「リガルド!!お前が、あたしの弟達を……!
……許さない!!!」
この空間が、吸い込まれていくように、歪み始めた。
元に戻ったと思いきや、
circleの中にまだ居た。
何がどうなってるの?
沙綾「こ、コレって、circle?」
ジュン「ああ、だが……まるで俺たちのいる感覚とは違う。」
蓮「全てが真逆…………」
日向「鏡合わせの世界……。」
リガルド「……雑魚は消えろ……。」StrikeVENT
蓮「いけん……!」
龍から吐き出された黒炎弾が、
麻弥に当たるはずだが、蓮の献身のお陰で助かったものの、
着弾した彼は黒い炎に包まれ焼き尽くしている。
奈月「…クッ!!」
これ以上の犠牲を出すまいと、奈月がリガルドと一緒に飛び出して行った。
いくら撃っても撃っても、
全く仰け反るどころか響く様子すらない。
撃っても弾かれ、近づいては退き、の繰り返しだ。
奈月「…グッアアア!!!」
リガルド「…ククク…クハハハハハァ!!!」
終いには一瞬にして接近され首元を絞められた、
それも力強く…………
意思が薄れていく、、そんな時だった。
(シュウウウウウウ)
リガルド「…チッ、時間切れか……」
なに?時間切れ?
一体コイツは何を言っている…?奴はそう呟くと俺達に背中を向けて歩き出していった。
ジュン「おい、てめぇ!!戦いを放棄する気かよ!!」
リガルド「俺はこれからやらなきゃならないことがある。お前らはその後に、ゆっくり時間をかけて、相手してやる。」
リガルド「……じゃあな…」
そう言い、逃げられた。
ここら一帯はもう夜になっていて暗くなっている。
俺達も戦える状態ではない。正直、どうなるか分からない。
だけど、これだけは、ハッキリわかる。
アイツとは、いずれお別れをしなきゃならなくなるってことを………
ー翌日ー
(欠片の料亭 SAITO)
つぐみ「………………」
イヴ「ツグミさん……」
日向「………………蓮、ホントにそんなことをしていいのか…?お前にとっては、かけがえのないヤツなんだろ?」
ひまり「リ、リグちゃんはど、どうなるんですか…?」
はあ、この展開…二度も体感するとはな……だが、やつをどうにかしなきゃ、ホントにお前らの世界が消える………それは避けなきゃならない。にしても、どうなるか………か………
蓮「アイツを……これ以上野放しにはできない。」
蓮「リグを………この星から消す………」
この一言だけだった。
リサ「蓮、ちょっとさ…それって本気?友達なんだよね。友達をこの星から消すことがほんとに出来るの?」
燐子「そ、そうだよ…蓮くん………郁弥さんを、そんなことをしていいの?」
蓮「それしか…アイツを救えない…」
つぐみ「そ、そんな!」
みんなが悲しみに暮れている中、1人は違った。
蘭「蓮!あんた、そんな簡単に友達を見捨てるわけ!?アンタのやってる事は最低だよ!!!」
蓮「………………ッ!!!」
言われた……『最低』って……
ああもう、どうしたら良かったんだよ…?
日向「…みんな、今日はもう帰るんだ。」
彩「で、でも!」
日向「早くっ!!!」
この言葉を渋々聞きいれ、各自解散となった。
これ以上の長居は、アイツにとっても苦痛だろうからな。
蓮「……………」
紗夜「蓮、大丈夫?ここまで荒れるなんて初めてよ。」
蓮「……姉さんも、日菜と連れて、帰ってくれないかな。」
リサ「れ、蓮!流石に危険だよ。今の蓮を見て放っておくのが無理だよ!!」
ああ……何故………何故そこまで優しくできる…?
あくまでも他人だって言うのにさ……どうしてそこまでして救いを差し出す……?
いや、もう俺自身も助けを求めてたのかもしれない。
………心の奥底で…………
そんな資格がなけりゃ、
理由も意味も無いってのに…
日菜「お兄ちゃん、そんな顔しないでよ。いつもみたいに笑ってあたし達を守ってよ!!!」
蓮「……ッ!!
……日…………………………日……菜」
よりにもよって、今度は日菜にまで怒鳴られるとはな……ならどうしたらいいって話になるけど………お陰で目ェ覚めたぜ。
リサ「ふふんっ、お困りのようだねぇ……よし!!
この、リサ姉に任しておきなさいって!!」
あこ「すっごいよリサ姉!!ねえ、れんれん!!」
蓮「…んあ、ああ……そうだよな…………」
そう、俺は皆がいるから俺で居られる。それを教えてくれたんだ。感謝してもしきれないくらいにな……
不思議とこんなセリフが出てくる。
「皆………ありがとう…」…………
けど、、、
_______________俺は…………
〜to be connected〜
強大すぎる力の差を前に、挫折せざるを得ない状況に陥った一行ら。恐るべき彼の凶悪な心は、光を灯すだろうか。
次回
『たとえ、過去の苦痛と悲しみに濡れても』