狂愛或いは純愛   作:黒とかげ

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なんか、また千聖さん書いてたから……もうこれ、ヤンデレ千聖さん用のやつでいいかな……


恋は泡沫と消える

『私………貴方の事がっ…』

 

テレビで恋愛ドラマを眺めていた。特にドラマが好きと言う訳では無いのだが、液晶に映る女優

 

━━━白鷺千聖を見ていたと言う方が正しいのかもしれない。

 

今見ているのは最近、流行りの恋愛ドラマだ。最近のは、イケメンだ美人だと演技より見た目を重視してる気がして見ようとしてはいなかったのだが、見ざるを得ない状況になった。

 

「テレビで見ると、可愛いんだけどなぁ」

 

実は俺は白鷺千聖と恋人である。いや、別に痛い奴じゃないよ、幼馴染って事もあったし、まさか告白して受けてくれるなんて思ってもなかったから。テレビだとお淑やかな女性って出てるけどあれ全て演技だ。俺をパシリに使うくらい本当はヤバい。今ドラマ見てるのも、『私が出ているドラマは全部見て感想言え』って半ば押し付けられてるし………いやね、確かに可愛い。美人で、スタイルは………………スタイルが良い……はず

これ以上言ったらバレた時に何をされるかわからないからやめておこう。

 

「俺は何もない、男子高校生なんだけどねぇ。これも神のお導きと言うことですか」

 

柄にも無いことを言っていると

 

「あら?貴方が神を信じるなんて意外ね」

 

後ろから声を掛けられる。一応言っておこう、ここは俺の部屋でしかも2階だ。玄関の鍵も閉めてあったし、開いてるのはトイレの小さい窓くらいだ。家には誰もいない。父さんは仕事だし、母さんは買い物、妹は友達とショッピング………さぁ?誰だ?……………千聖だ

 

「やぁ、千聖さん。今日もご機嫌麗しゅう」

 

「聞こえなかったからもう一度お願い」

 

絶対に聞こえてた。俺の口が滑った時は絶対に見てくる目だもん

 

「ご機嫌麗しゅう、千聖さん」

 

「前に番組で知り合った腕のいい医師がいるのだけれど………」

 

「ふざけてすいませんでしたぁぁぁ!」

 

「わかればいいのよ。それより、来週の土曜日にデートでも行かない?」

 

千聖からデートのお誘いとは珍しい。たまには恋人っぽい事もしたいしな

 

「OK、デートはいつも通りの行き当たりばったりって感じかな?」

 

「そうね、ちゃんと空けておいてね」

 

「おうともよ」

 

さてと、久しぶりだし少しくらい彼氏らしいとこを見せたいものだ。自分がバイトの俺より稼いでるからと奢るとかカッコイイところ見せられないし、別に奢るのがカッコイイ訳じゃないけど………気分的にだ!

 

「これから私は打ち合わせがあるから………来週の土曜日デートよろしくね」

 

「わかってるよ。打ち合わせ頑張れよ」

 

そうやって軽く話す。別に冷めているという事じゃない…………はずさ。千聖は仕事が忙しいから昔みたいに一緒にいる時間が減っただけだから、その分今なら濃い時間も………出来たことないんだよなぁ…もう少しデート計画も練った方が良いのかなぁ、考えても終わらないよな。さてと、デートに行くんだし残り時間は1週間。少しでも身だしなみでも整える時間はある。

 

「デートの成功を目指して!頑張るぞ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

「え?デートは無しになった!?」

 

デートを翌日に控えた金曜日の午後、千聖から1本の電話が入った。

 

『えぇ……急な仕事が入っちゃって、行けなくなったの。オファー元が大手で断るのも難しいし……ごめんなさい…』

 

「いや…その仕事は千聖の将来にも関わりそうだしな、デートはまた次の機会だ。仕事頑張れよ」

 

『この埋め合わせは必ずするわ』

 

「へっ律儀なこったぁ。それよりその分仕事に力入れて、自分の為にもしていけよ」

 

『ありがとう。そんな貴方が好きよ』

 

「ば……ばっかじゃねぇの!?いきなり言うなよ照れるだろうが」

 

『ふふ、からかうのは楽しいわね』

 

「どうも」

 

『白鷺さーん。そろそろお願いします』

 

『ごめんなさい。そろそら切るわね』

 

「おうっ」

 

電話が切れてからは無音の時間が続いた。久しぶりのデートだと思ってたから、新しい服も買ったし美容室にも行ったんだけどなぁ……無駄って訳じゃ無いけど、なんともなぁ。明日はバイト入れてないし何するか、適当に街でも歩くか

 

 

そして、土曜日は来た。別に根に持ってる訳ではない、仕事が入る事なんて前からだし仕方の無い事だと割り切っても中々複雑なもんだ。そうだ、ゲームソフトでも久しぶりに買って遊ぶか

 

「いっや~久しぶりに買いに来たけど種類増えてんなぁ」

 

前に来た時には無かったソフトが多く売られていた。若干ゲームソフトコーナーが広くなった様に思える。

 

「あ、これは。買おう買おうと思ってたけど忘れてたハンティングゲームじゃん」

 

このゲームは何年も前から売ってるシリーズ物のハンティングゲーム。モンスターを狩っていくゲームで、最新作だとグラフィックがかなり上がっていたから気になっていたけど、お金が無くて諦めていた。しかし、今回はデートの為にとバイト代を残してあったから余裕で買える。

 

「よし、久しぶりにやるか」

 

と、手に取りレジへ向かう途中でふと、最新型のテレビに目がいった。そこに出ていたのは

 

『あの女優!白鷺千聖の熱愛!?』

 

そう書かれていた。俺達が付き合っていることがバレたと思ったが、そこに映し出されていたのは全くの別ものだった。そして、コメンテーターは話し出す

 

『あの白鷺千聖さんが、今流行りの俳優、坂本浩一さんとの熱愛とは驚きですね』

 

『同じ高校生での女優、俳優ですし何かの関わりがあったのでしょう』

 

『昨晩、2人が同じホテルに入っていくとの情報がありますし、真実ですかねぇ』

 

と、千聖とその俳優がホテルに入っていく写真が出ていた。

 

何かの間違いだと信じたかった。いや、間違いだと思い千聖に電話を掛けた………………だが、その電話は真実を語っていた

 

『ただいま電話に出る事が出来ません━━━━』

 

ゲームを買う気力を失い、棚に戻した後俺は走り出した。ひたすら向かう宛もなく走った。

 

 

「あぁ、何をしてるんだか。なに、結局俺はただの一般人。アイツは俺らとは違う人間って事だよ。短い間でも付き合えた事が幸せだったって事か………俺がいる意味ってなんなんだろうな」

 

 

そして、俺はこの街から去った。街を歩くだけでも過去を思いだし、辛くなるだけだと思ったからだ。




何話かに分けるようにしたので、続きは早めに出せるようにしたい。確認はしてますが、誤字や脱字があったらご報告して頂ければ幸いです
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