Secret Cherry Blossom 作:OCEAN☆S
~午前9時~
「ふぅ…着いた…お~い!千歌ちゃん~!!」
私はいつも通り千歌ちゃんの部屋に向かって大きな声で呼んだ。
「あ、やっと来た…おはよ~曜ちゃん!」
「おはよ、どうしたの?こんな朝早く呼び出して…千歌ちゃん…?」
「大変な事が起きちゃったんだ…。」
~~~♪♪♪~~~
「ねぇ…ほんとに尾行するの?そういうのあまり良くないんじゃ…?」
「だって気になるじゃん!」
「でも、本人だとしても私達のことは覚えていなかったんでしょ?そもそも…本人の可能性が……」
「絶対に本人だよ!よーちゃんはまだ、あの人を見ていないからそんなことが言えるんだよ!」
千歌ちゃんと言い合っていると、男女のカップルが視界に入った…。
慌てて2人で旅館の隅っこに隠れる…。
「梨子、忘れ物はない?」
「えぇ、大丈夫よ。」
そして、その2人は手を繋いで旅館を出ていった…。
「ふぅ…何とかバレずに済んだ…ね、見たでしょ!?あの男の子!」
「う、うん…」
横顔を見ただけですぐにわかった…あれは間違いない…彼だ。
そして、横には遠征で迷子になった私を案内してくれたあの女の子…確か…梨子ちゃんだったけ?
あのふたり…付き合ってたんだ。
「…よーちゃん?」
「あ…ご、ごめん…びっくりしちゃって…。」
「そ、そうだよね…じゃあ、あのふたりを追いかけるよ!」
「う、うん…でも、どうして追いかけるの?…あ!わかった!!千歌ちゃん今でもあの子のこと好きなんだ~♪」
「…う、うるさい!私はただ気になるだけ…///」
「まぁ、そうなるよね〜♪」
「…曜ちゃんは気にならないの?」
「え…?」
「曜ちゃんにとっても…とても大切な人だったんじゃないの?」
「うん……そうだね。」
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千歌ちゃんと二人で後をつけて、数時間がたった…二人とも幸せそうにしている…君がいなくなってからずっと寂しい気持ちでいっぱいだったのに…。
今は…なんだかすごく悔しい…自分らしくないな…千歌ちゃんにあんなこと言っておいて私も結局ヤキモチ妬いてんじゃん…。
「…旅館に戻ろ?千歌ちゃん。」
「え!?どうして!?」
「これ以上尾行したって意味が無いよ。2人で旅館で待ってよ?」
「で、でも…。」
「千歌ちゃんが見たいなら、私は先に帰ってるけど…」
「うー、わかったよ…私ももう戻る…。」
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~帰り道~
「今日は楽しかったね…柚くん?どうしたの?ぼーっとしてるけど…」
「なぁ…梨子。もし俺が過去に恋人がいたとしたら…なんて思う?」
「え…?別にそれはどうも思わないけど…何かあったの?」
「…実は夜中に目が覚めて、偶然千歌に会って…」
『何も変わってないね…って言われたんだ。』
「…!?」
「…梨子は俺の小学生の頃を知っているんでしょ?だったら過去の俺のこと…教えてくれないか?」
「それは……」
本当に全て話していいのだろうか…それとも、記憶や視力のこと以外のことを話してあげるべきなのか…。
そう話していると、いつの間にか旅館の前に着いていた。
「教えてあげてもいいんじゃない?」
旅館の前に千歌が立っていた…それもう1人、薄いグレー色の髪の女の子がいる…。
「…どういうこと?どうして曜ちゃんがここに?」
「久しぶり、梨子ちゃん。伝えてなかったっけ?私はここの静岡出身なんだよ?」
「そ…そうだったの…。」
「ま…まてよ、教えてあげてもいいって…君は俺のいったい何を知っているんだ?」
「知ってるよ、小さい頃の君のこと。」
びゅうっと大きな風が吹く…海風のしょっぱい香りがする…。
そして、その風が止んだ時…その少女はこういった。
『だって私は君のお姉ちゃんなんだから。』