Secret Cherry Blossom 作:OCEAN☆S
お待たせしてしまって申し訳ありません…!
あれから一泊して帰ってきた…何だかとても長い一日のように感じた。俺にはまだ知らなかったもう1人の母親の顔。従兄妹の存在。
でも、まだまだ知らないことが沢山ある。千歌との幼い頃の約束。
俺の父親はどんな人物であったかも知らない。
そう考えながらスマホを開くと、梨子が駅まで迎えに来てくれているみたいだ。
改札に近づくと出口側の方に梨子が軽く手を振って待っていてくれていた。
「おかえり、柚くん。」
「あぁ、ただいま。」
なんだか久しぶりに会った感覚だ…。
「柚くん、疲れてない?何か荷物持とうか?」
「ん?大丈夫だよ。そんなに沢山荷物は持ってきてないし…あ、そうそう!梨子のお弁当めっちゃ美味しかったよ!」
「ふふっありがとう♪柚くんはいつもおいしいって言ってくれるから嬉しいよ♪」
自然にふたりで手を繋いだ。そのまま一緒に駅を出ると少し冷えた風が襲う…。
「少し気温が下がってきたね。」
「もう秋だもんな~季節の変わり目は寒暖差が大きくて困るよ…昨日はあんなに暑かったのに。」
「うん…確かに…。あ、そうだ柚くん。」
「ん?」
「明日放課後一緒にお買い物に行かない?秋服とかそろそろ欲しいし…」
「そうだな、じゃあ行こうか。」
「うん♪」
~~~~~♪♪♪♪~~~~~
…放課後…
「柚くんはいつもどこで服を買ったりするの?」
「んー、まぁ色々回るけどハイブランドとかだと結構な値段しちゃうから、大体コスパ良い所かな。梨子はどうなの?」
「私も同じ感じかな。安くて可愛いものばっかり買っているよ。」
そんな会話をしながら2人で電車に乗り、渋谷まで移動した。
ここに来るのも久々だ。初めて梨子と買い物に出かけた時も渋谷だった。
「う~ん…どれにしようかな…柚くんはどれがいいと思う?」
「んー、そうだな…これなんてどうだ?」
俺はあえて普段梨子が着ていないようなオーバーサイズの黒いパーカーを渡した。
「え…こ、これ?」
「うん、あとこれ。このショーパンも合わせて着てみて?」
「う、うん…」
半ば強制的に柚くんに試着室に連れて行かれた。
試着室に入って改めて柚くんの選んだこの服、普段私が着ない系統だけど…。
大きめのパーカーに色は黒。でも、所々に可愛いデザインが入っていて結構いいなって思う。
そしてこのショーパン…これにこのパーカーと合わせて着てみる。
シャーッ…
「お、出てきた。」
「ど、どうかな…?」
大きいサイズのパーカーが下のショーパンを隠すくらいの大きさなので、チラッとショーパンが見えるような見た目になった。
全国の高校生、いや男子諸君ならきっとわかるだろう。パーカーが大きくて下のズボン見えてなくてちょっとずらしたら…
あ、履いてるんですね。
みたいな感じ。きっとこんな感じな服装が好きな男子は全国に沢山いるはずだ。それに、梨子は私服は清楚系な物が多いのでちょっとゆるストリートを着させてみたかった…。
まぁ、俺の好みに寄せているって言うのもあるけど。
「ちょっと梨子、こっちきて座って?」
「う、うん。」
「あ、それとヘアゴム持ってる?できれば透明の。」
「あ、あるけど…?」
私は疑問に思ったまま柚くんにゴムを渡す。
そして、柚くんは無言のまま私の髪をいじり始めた…一体私をどんな風にしたいんだろう…。
…ちょっと期待して待ってみよう♪
~5分経過~
「はいっ!完成!鏡ちょっと見て見て。」
「は~い…。わぁ…!凄い…!!」
編み込み✖️ポニーテールの合わせが効いて。いつもと違う私が鏡の前に現れていた。
普段おろしているこの髪だけど、こんな感じにアレンジするだけでちょっと髪が短く見えるから、今着ているこの服にすごく似合っている…。
「柚くん、どこでこんなアレンジを覚えたの?」
「まえに、曜の家に泊まりに行った時に偶然ファッション雑誌が乗っていたから。髪とかいじられている時、暇だったからちょっと見て覚えたんだ。」
「一回読んだだけじゃこんなに綺麗に出来ないよ…柚くんは器用ね♡」
「そうかな…?で、どう?この服気に入った?」
「うん!いつもと違う感じにしたい時に凄くいいと思う♪これにするよ!」
「そっか…!それはよかった。あと、それとね…」
「?」
「パーカーを膝下まで伸ばしてみて?」
「え…こ、こう?」
梨子が少し恥ずかしそうにパーカーを伸ばす…ショーパンが見事に隠れて…うん、まぁ…あれだ。
男子の好きなやつだ。
「(柚くんってこんなのが好きなのかな?)」
「じゃあ、着替えて早く会計を済ませようぜ。」
「柚くん?」
「ん?」
梨子が耳打ちをするように小声でささやいた。
「柚くんの変態さん♪」
~~~~~♪♪♪~~~~~
~自宅前~
「そういえばその髪型のままだよね?もしかして気に入ってくれた?」
「うん!私ももっとアレンジを覚えた方がいいなーって思ったけど…この髪型は柚くんにこれから頼もうかなって♪」
「そっか、気に入ってもらえて俺も嬉しいよ。」
「…なんか、家の前でこんな会話…まだ付き合う前のことを思い出すなぁ…」
「確かにそうだな、もうこんなに時間が経ったのか…あともう少しで冬になるしな。」
昼間はまだ暖かったけど、夜になると急に冷え込んできた…。もう夏も終わりなんだな。
「そういえば、もうすぐピアノのコンクールだよね?調子はどう?」
「うん、今のところ順調よ。」
「そっか、じゃあもう冷えてきたし、また明日な。」
「あ、まって柚くん!」
「…?」
「瞳…閉じて?」
「…うん。」
何も見えない暗闇の中自分の唇に柔らかな感触が伝った…。
「じゃあ…おやすみ…///」
「あぁ…おやすみな///」
…全く…照れ屋なんだか大胆なんだか…。