Secret Cherry Blossom   作:OCEAN☆S

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青春は桜の香り

「おはよ、梨子。」

 

「おはよう柚くん。」

 

朝の登校…あの時の夢みたいなことが起こらなきゃいいけど…いや、私が逃げなければあんな結末にはならなかったのに…

 

「梨子?」

 

「あ、ご、ごめん!どうしたの?」

 

「梨子は部活はどうするの?どこかに入るか決めたの?」

 

「私は…いいかな、ピアノのレッスンがあるし。」

 

「そっかーでも、ピアノ演奏できるんだ。今度なにが引いてよ!」

 

「ふふっいいよ♪」

 

ちょっと悲しくて辛いけど、現実に向き合わなくっちゃ。

 

「柚くんはなんの部活に入るの?」

 

「俺は、サッカー部に入ろっかなって。他も色々と当たってみようとは思っているけどね。」

 

「サッカーか…なんか柚くんっぽいね。」

 

「そうか?」

 

「うん、なんか爽やかな雰囲気の柚くんっぽいなーって。」

 

「さ、爽やかなのか…?俺。」

 

柚くんの恥ずかしそうな笑顔がやっぱり女の子っぽくって可愛い…

 

どうしてだろ…入学してからずっと柚くんのことばかり考えちゃう…なんでかな…。」

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

~放課後~

 

 

「あれ?梨子もサッカーの体験するの?」

 

「ううん、私はちょっと柚くんのサッカーが見たいだけよ。」

 

「そっかー今日はピアノのレッスンとかはないの?」

 

「えぇ、だからちょっと気になっちゃって。」

 

 

サッカー部とは言っても、元は女子校…男子の俺は大会に出られる訳じゃない…でも、なにか辛い時があった時、俺にとって1番の気分転換になったのがサッカーなんだ。

 

 

 

 

 

体験が始まって、最後の練習。

 

「じゃあ最後にゲームをして終わろうと思います。君はこっちのチームに入ってね。」

 

青い色のゼッケンを渡される…。

 

「キャプテン、今日1人欠席がいるから青チームが1人足りないんですけど…」

 

「あっそうか…うーんでも、彼なら二人分のプレイくらい出来るんじゃないかな?」

 

「あ、じゃあ俺、助っ人呼んできましょうか?」

 

「え?えぇ…」

 

柚くんが私の方へ向かってくる…。

 

「梨子!一緒にしよ!」

 

「え!?いやいやいや!!無理よ…それに今日体操服とか持ってきてないし…。」

 

「大丈夫よ、うちの部の沢山あるから。」

 

「だってよ!一緒にやろうぜ!」

 

「そ、そんなぁ~」

 

 

 

ほぼ強制的に、私を交えて試合が始まった。

 

 

 

フォーメーション

 

柚 FW

 

梨子 FW

 

ツートップの3-3-2

 

 

 

「では、どちらかのチームが一点先取で試合終了って事で。」

 

 

ピーッ!

 

 

相手ボールから試合が始まった。

 

「いくよ!新入り!!」

 

ドリブルで俺に向かってくるのか……ならばお手並み拝見と行かせてもらうか!!

 

 

「……甘いね!!」

 

 

相手のFWが一瞬加速し、あっという間に抜き去った…。

 

 

(速い…あれが女子のドリブルのスピードか!?)

 

「もらった!!」

 

 

ペナルティエリア外からロングシュートを放つ…。

 

(させるか!!)

 

 

シュートコースに回り込み、相手のシュートをトラップする。

 

「そんな…さっきまで前線に居たのにもうここまで下がってくるなんて…!?」

 

 

「ここからが本当の勝負だ…!」

 

ドリブルを仕掛ける…。勿論相手も全力でプレスをかけてくる。

 

(負けるか…!!)

 

 

ターン、フェイントを繰り返し相手を1人ずつ抜き去っていく…。

 

「マズい!早く止めて!!」

 

(柚くん…凄い…!1人で全員を相手に戦ってる…!)

 

 

ゴールが見えた…シュートを撃つか…?

 

「これ以上自由にさせるか!」

 

シュートコースを塞がれた…!だったら…!!

 

 

「梨子!!」

 

「柚くん!?」

 

 

ちょうどサイドにいた梨子にパスを出す…。

 

 

「大丈夫!ボールとゴールをよく見るんだ!!」

 

「う、うん!!」

 

『やあぁぁぁ!!!』ビシュッ!

 

そのままノートラップでシュートを撃つ

 

相手のキーパーの手をかすめ、そのままサイドネットに突き刺さった。

 

「や、やった…!」

 

「梨子!」

 

「やったよ!柚くん!!」ダキ

 

 

梨子が喜びのあまり抱きしめ始める…やばい…なんかスポーツしてるのにすごくいい香りがするのはなんでだ…?

 

「り、梨子…///」

 

「あ、ご、ごめん…///」

 

 

梨子が顔を赤くして、俺から距離を取る…多分俺も顔が真っ赤だろう…。

 

 

…いい香りだったな。

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

「いや~ごめんね、いきなり試合に呼んじゃって。」

 

「ううん、でもすっごく楽しかったよ!」

 

「でしょ!?よかったら梨子も一緒に…」

 

「やりません。」

 

「だよねー」

 

そういや2人で一緒に帰るのって初めてだな…どこに家はあるんだろ?

 

「じゃあ…私ここだから。」

 

「え?」

 

「?」

 

「俺んち…ここなんだけど…」

 

「え!?もしかしてお隣さんだったの!?」

 

「俺もびっくりだよ…」

 

柚くんがこんなすぐ側に住んでいたなんて全然気づかなかった…でも、あんまり朝は合わないのに…どうしてだろ?

 

 

『あの、柚くん…もし良かったら毎朝…一緒に学校行かない?』

 

 

なんて…言えたらいいのに…。

 

でも、今言い逃したら次のチャンスはないかも…

 

でも……

 

 

「ねぇ、梨子。」

 

「ひゃ、ひゃい!?」

 

し、しまった…変な声が出ちゃった…。

 

 

「これから毎朝、一緒に学校行かない?」

 

「…!」

 

 

もう…ずるいなぁ。

 

 

 

 

 

 

 

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