The Knight Of DRAGON   作:龍牙

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第十二話

龍騎に追い込まれ、逃げ出していくオーファン。だが、それ自体が彼の狙いでも有る。

 

「残念ながら、そっちははずれだ。」

 

『ADVENT』

 

カードデッキから抜き出したカードをドラグバイザーに刺し込み、機械的な声が響くと同時に姿を現したドラグレッダーが、

オーファンをその牙で噛み砕く。

 

「よし! やったな、ドラグレッダー。」

 

先ほどの戦闘における注意点でも話しているのだろうか? 兄弟(妹?)の様に仲良くカグヅチと話しているドラグレッダーヘと

賞賛の言葉を送り、ドラグレッダーに噛み砕かれたオーファンがドラグレッダーの口の中で煙の様に消えて行った。

 

ドラグレッダーよりも巨大な体と神々しい雰囲気を持つカグヅチがドラグレッダーと会話?をしながら、

時々悲しそうに『キュー』と鳴いたり、誉められて嬉しそうに鳴く姿はコメントしづらい絵に見える。

 

一通り話は終わったのだろう、ドラグレッダーは己の世界ミラーワールドへと戻り、

龍騎はVバックルからカードデッキを外し、変身を解く。

 

「建物、人間ともに被害はゼロ。まあ、オレが倒してるのは問題だとは思うけどな…《あれ》には耐えられないんだよな。」

 

思わず力なく呟いてしまう輝であった………。そう、輝が副リーダーとして参加する事になった対オーファン部隊は今まで

『学園の破壊魔集団デストロイヤー』の異名で呼ばれ、『人選に問題あり』とも言われ続けていたのだ。

 

顔を見られると他の一般生徒からは慌てて距離を置かれるその辛さ…。

しかも、部隊チームで発生した被害への小言は全てリーダーのいない現状では、

実質上全ての責任が集る副リーダーの輝へとやっていくのだ。

問題があろうが無かろうが、自分の手で一刻も早く倒したくなるのも無理もないだろう。

 

だが、それでも被害が無くなっていないのが現状だ。減少しているのはいい傾向ではあるが…。

 

「はあ…全部オレの成果なんだよな…。」

 

それはそれで、問題が多いがあまり気にしない事にしている輝だった。

 

学級新聞でも『チームワークバラバラ』と言う評価だけでなく、

『チャイルドも加わって被害甚大』等という不名誉極まり無い評価まで受けている中、

まだ輝個人への評価が『唯一の良心、副リーダー』等と書かれているのが彼にとっては唯一の救いなのだろうか…。

 

もっとも、チーム全体としては問題しかないのだろうが…それはそれ、当人の立場にしてみれば、彼の行動は妥当な所なのだろう。

ギリギリまで自分から動くことはないし。

 

「…はぁ…これから、どうなるんだろうな…オレの学園生活?」

 

何処まで行っても、問題しか存在していない前途に対して、不安を覚えるしかない輝であった。

 

 

 

 

 

 

 

さて、そんな事が有った日も変わらず、放課後を告げる鐘の音が響く…。

 

「今日はバイトがあって遅くなるから、悪いけど夕食作っておいてくれる。」

 

友人達と別れ、また友人と共に帰宅していく生徒達の中で輝は舞衣にそう頼まれていた。

敬語については使われる事に慣れていない輝から舞衣に使わない様に頼んでいる。

 

「別に良いけど…玖珂には頼まないのか?」

 

そう頼まれて『NO』等と答えることが出来ないのが、輝が彼である所以ではあるが、一応そう聞いてみる事にする。

もっとも、それと同時に何となく彼女がなつきに任せない理由も簡単に理解できるが…。

 

「マヨネーズまみれのご飯が食べたいの?」

 

至近距離に近づかれての舞衣の言葉に思わず顔を真っ赤にして…彼女の言葉に有った物を想像する…。

彼女の言葉は予想できていたので、それを想像する事は容易い。

 

…おかずからご飯にまでかけられた『マヨネーズ』…。いや、『その想像はまだ良い方かも』等とも考えてしまう…。

その間わずか3秒、そして彼が出した結論は…。それはなんと言うか…

 

「…確かにイヤだな、それは。」

 

の一言だった…。確かに彼自身もマヨネーズは嫌いではないが、そこまで好きではない。

 

「じゃ、頼みました。」

 

「頼んだぞ。」

 

「ああ、任せとけ。」

 

片や申し訳無さそうに軽く頭を下げて、片や『ビシッ』と指差して言うと舞衣と命の二人を手を振りながら見送ると、

明後日の方向を見て輝は…。

 

「なんだか、オレって最近…家政夫が板に付いてきたな。」

 

『オレは何処の正義の味方だ?』等と考えながら呟く。思わず今の自分の現状を省みて、そう結論付ける輝であった。

 

もっとも、彼自身それを《イヤだ》とは思って居らず、寧ろ好んでいる自分がいる事については全力で否定しているが……

彼の相棒ドラグレッダー曰く『態度が全然否定してない』らしい…。

 

 

今の彼は以前の彼に戻りつつある事は彼自身、ドラグレッダーに指摘されるまでも無く、自覚している。

 

 

だが…輝にとってはそれが苦痛なのだ。 彼女達と共に有る楽しい日々…それが、どんな苦行よりも苦痛なのだ。

 

 

どんな地獄の業火よりも、その温もりが彼の心を燃やす。

 

 

自分が生きる上で犠牲にしてきた者ライダー達の事を考えると、その安らぎと温もりが、

どんな拷問よりも辛いのだ。

 

そして、自分自身へと問う…………『自分は生きていて良いのか?』と。

 

 

 

 

 

 

 

さて、輝は居候させてもらっている舞衣達の部屋に帰るとエプロンを着けて、キッチンに立つ。

 

荷物の中で無事だった品の一つである、ディフォルメ化された龍がプリントされたエプロンを身に着けている姿は、以外にも様になっている。

 

そもそも、かつての自分アキラだった時、

下宿先での食事は基本的にもう一人カズヤの代わりに自分が作っていたのだ。

 

正確には食事当番と掃除当番の役割を交代制ではなく、完全にそれぞれ得意分野を分担してやっていただけなのだが…。

 

その甲斐も有って、料理は得意な分野に位置している。

 

時々、自分のそれを鑑みて泣けてくるのは何故だろう…? 最近はまた料理の腕が上がったし。

 

「それが終わったら、フロ掃除も頼むぞ、奴隷君。」

 

後ろではもう一人の居候が手伝いもせずにそんな事を言っているし。

 

「オレは奴隷じゃない、名前で呼べ、名前で。」

 

『少しは手伝え。』とは言わないのは、すでに諦めているのか? 食事をマヨネーズまみれにされない為の対策なのか? そんな言葉をもう一人の居候であるなつきへと返し。ガスコンロに火を着けた瞬間、

 

「な!?」

 

いきなり、炎を宿した燭台をイメージさせるオーファンがコンロから現われる。

 

「オーファン!!!」

 

「行き成りか、こんな場所で!?」

 

変身しようとカードデッキを取り出すが、狭い部屋の中でライダーの力を振るうのは危険すぎると考え一瞬だけ、

躊躇するが…生身で対抗できる相手ではないのは明白と、すぐに悪い考えを頭の中から消す。

 

(迷ってる時間は無い。)

 

「変身!!!」

 

近くにあった鏡面にカードデッキを向け、Vバックルを出現させ、そこにカードデッキを刺し込み、『仮面ライダー龍騎』へと変身する。

 

だが、その一瞬の躊躇が仇になったのか、そのオーファンは輝が変身するよりも、なつきが銃のエレメントを出現させるよりも早く

飛び回り部屋を破壊する。

 

二人は慌てて、そのオーファンを迎撃しようとするが相手の動きは素早く、簡単には捕らえられない。

龍騎にしてみても、部屋の中でドラグセイバー等の武器を振り回したり等は出来ないので、カードは使えず、素手で戦うしかない。

 

「くっ…早い。」

 

オーファンの動きを目で追う事の出来ないなつきは、その軌道の先に彼女のぬいぐるみがある事に気が付く。

その瞬間、彼女は一瞬動きを止める。

 

「そこだ!!!」

 

素早くも直線的な相手の軌道を読み切り、その位置に先回りした龍騎のパンチがオーファンに叩きつけられる。

 

その瞬間、何故か妙な手応えを感じて一瞬戸惑っている間にオーファンは部屋の外まで吹き飛ばされる。

 

「そう簡単に倒されてくれないか…。」

 

そう呟き、カードデッキをベルトから外すと同時に鏡の割れる音共に輝は龍騎の姿から祐一の姿へと戻る。

転校早々のオーファン戦の影響もあり、唯でさえ現状………現実世界リアルワールドで龍騎の姿は目立つのだ。

 

(まあ、部屋の中より、外の方が戦い易いか…物理的にも精神的にも…。)

 

思わずそんな事を考えてしまう、輝であった。そもそも、動きが限定される狭い室内よりも室外の方が戦い易い。

だが、外の方が逃げられ易くもなるが、動き回られて居候させてもらっている部屋を壊されるのも困る。

そして、一番の理由は外の方が大技ファイナルベントを気兼ねなく使えるのだ。

 

まあ、室内の方がある程度、相手の動きが限定されて相手の動きを読み易いが、

自分も武器ドラグセイバーやドラグクローや大技ファイナルベントを使えず、

素手で戦うしかないだろう。なつきの銃エレメントにしても味方同士で同士討ちの可能性も有るのだ。

 

「玖珂、そっちは大丈夫か?」

 

後ろに居るなつきにそう声を掛けるが反応は返ってこない。

 

「? どうした、怪我したのか?」

 

それを疑問に思い再び、そう聞きながら彼女に近づくが返事は返ってこない。見れば怪我は無い様だが瞳に意思が見えない。

 

「怪我は無い様だけど…。オレはあいつを追うけど…無理なようなら…ここで…。」

 

そんな何時もと何処か様子の違う彼女を心配して、『休んでいてくれ』と言葉を続けようとした瞬間、

 

 

ドゴォ!!!

 

 

突然再起動したなつきの放った右ストレートが、油断していた輝の顔面に叩き込まれそうになる瞬間、慌ててそれを右手で受け止める。

 

「い・・行き成り何を…? うわ!?」

 

抗議の声を上げる輝を無視して、彼の襟首を掴みなつきはベランダから飛び出していく。

 

「…オレが何をしたぁー?」

 

「デュラン!!!」

 

そんな彼の言葉が聞えていないのか、彼女はベランダから飛び降りながら、狼の姿をしたチャイルド、デュランを呼び出す。

 

 

 

 

 

「♪」

 

外に飛び出した炎を宿した燭台の姿をしたオーファンは邪魔者の居ない広い世界を楽しむかの如く、

木を燃やしながら森の中を飛び回っていた。

 

 

ズガガカガガ!!!

 

 

そこに、行方を遮るかのごとく、氷の砲撃が降り注ぐ、オーファンの燃やした木を凍らせたその攻撃に、

一瞬だけオーファンは動きを止める。

 

「追いついたぞ。」

 

デュランの背からなつきと輝が降り、木を跳びながら彼女と輝とは別の方向から囲むように攻撃しようとした瞬間、

包囲網の無い場所から逃げ出していく。

 

「逃げ足が早いな。オレ達だけじゃ追いついてもすぐに逃げられる、鴇羽達に連絡した方が…。」

 

「あいつは…私が倒す!!!」

 

強い意志と怒りを感じさせるその言葉は何時かとは逆に輝に反論を許さなかった。

 

(…それって、あのぬいぐるみの事か…。)

 

「ん?」

 

マナーモードにしていた携帯電話の着信に気が着いた輝は携帯電話を取り出し、

映し出されている番号とその名前『風花 真白』の文字を確認すると、すぐに出る。

 

「もしもし。」

 

『オーファンは部室棟に向かっています。ですが………。他の皆さんが現場に向かうのはすぐには難しいようで……。』

 

ちなみにそれぞれに難しい理由、『鴇羽舞衣…バイト中』『美袋命…爆睡中』『日暮あかね…入浴中』

 

『気をつけてください。もし、オーファンが部室棟のボイラー室に侵入して………燃料タンクにでも引火したら………。』

 

真白の言葉の後は聞くまでも無く、簡単に想像出来る。もし、そんな事になってしまったら、大惨事は免れない。

 

「分かりました。」

 

『それと、楯さん。貴方達の攻撃際にも気をつけてください。』

 

その言葉に意味は当然ながら、理解できる…。そもそも、注意されなくても龍騎の攻撃…特に大技には『炎』を操る物が多い(というよりも、昇竜突破ドラグクローファイヤーやドラゴンライダーキックと言った必殺技の際には必ず炎を纏っている)と言う事は理解している。

 

「ええ、分かりました。」

 

携帯電話を切ると輝はなつきとデュランへと視線を向ける。彼が電話を聞いている間にも彼女達は攻撃を繰り返していたが、

敵の燭台オーファンは、それを悉く回避している。

 

「チッ!」

 

「拙いぞ、早く倒さないと…。」

 

「分かっている!!」

 

彼女の叫びを聞いて、輝はなつきに視線を向ける。声だけでもはっきり分かるほどに彼女は焦っている。

そして、彼女の声には怒りと同時に恐怖の感情が込められていた。

 

「…………よくも! あの時の事を思い出させてくれたなっ!!!」

 

なつきは震えながら彼女はそう叫ぶ。

 

(…そう言う事か…。まったく、オレはこういう境遇の奴と関わる事が多いよな、ホント。)

 

そんな事を考えながら、そっと、震える彼女の肩に触れる。なつきが振り向くと、輝の顔が有った。

 

「……祐……一…。」

 

「大丈夫、心配するな! …オレが付いてる。」

 

「……………。」

 

彼のその言葉を聞き、なつきは体の震えが止まったのを感じた。

 

「……随分カッコいい事を言ってくれるな、奴隷君!!」

 

そして、輝はいつも通りの彼女の声で、嬉しそうな響きを持って帰ってくる声を聞く。

 

「だから、奴隷君は止めてくれ。」

 

だから、輝もそれに対していつも通りの軽い口調で言葉を返す。

 

そう…今の自分は…今の仮面ライダー龍騎は本当の意味でみんなを守るセイギノミカタ…。ならば…自分のするべき事は一つだけ…。

 

(そう言えば…あのオーファンを殴った時の感触…あれは…?)

 

ふと、そんな疑問が輝の中に浮んでくる。オーファンを殴った時に感じた妙な違和感…その疑問に対して一つの解答が浮んでくる…。

 

「…まさか…あのオーファン…二体で一体の振りをしているんじゃ…。」

 

「なに?」

 

輝の言葉に思わずなつきはそんな声を上げる。そんな彼等の呟きが聞えたのか、燭台をイメージさせるオーファンから、

炎を纏った火の玉型のオーファンが分離する。

 

二体のオーファンは二手に別れ、それぞれが個別に部室棟へと向かっている。

 

火の玉オーファンが外れたが、燭台型のオーファンにも弱くなったとは言え、まだ炎が残っており、

被害を出すにはそれだけでも十分だろう。

 

「なに!?」

 

「仕方ないか…。玖珂、火の玉の方は任せた。もう一体はオレが。」

 

「分かった。そっちは任せたぞ。」

 

「ああ。変身!!!」

 

カードデッキを近くにあった鏡面…腕時計の金属部分に向け、出現したVバックルへとカードデッキを刺し込み、輝は龍騎へと変身する。

 

炎を司る彼の契約モンスター『無双龍ドラグレッダー』、信頼にたる戦闘能力を持った相棒だが、

今はその高い攻撃力(と言うよりも、炎)が仇になるのだ。だが、それでも、戦い方は幾らでも有る。

 

「領域から外れるなよ!」

 

「分かってる。」

 

彼女の言葉に答え、燭台オーファンを追いかけていく龍騎を見送り、なつきは火の玉オーファンの方に向直る。

 

 

 

 

 

火の玉オーファンに向かいエレメントの銃を連射するが、それを悉く避けられ、小さなその結果、氷柱を幾つも作り出す。

 

だが、彼女のその攻撃は…敵の動きは…彼女の

 

「計算通りだ!!」

 

そう、全ては彼女の計算の内。火の玉オーファンの真後ろには彼女のチャイルド、デュランが回りこんでいたのだ。

 

「凍りつけ!!! ロード=シルバーカートリッジ!!!」

 

母の命に従い、デュランの砲塔に弾丸が装填される。

 

「てぇ!!!」

 

デュランの背中より放たれる必殺の氷の砲撃、その一撃が火の玉オーファンだけでなく、その周辺さえも巻き込み…凍てつかせる。

 

 

 

 

 

燭台オーファンのスピードは明らかに龍騎よりも早く、普通に走ったのでは間違いなく逃げられる。

足止めしようにも炎の属性を有し、遠距離の攻撃の大半が高い攻撃力を持つ彼等の攻撃では、逆に自分が大惨事を引き起こしてしまう。

 

「だったら…。」

 

自分の手札の中でこの状況で被害を出さずに燭台オーファンを倒す方法を考え、その答えを導き出す。

 

『STRIKE VENT』『ADVENT』

 

腕のカードリーダー『龍召機甲ドラグバイザー』へとデッキから抜き出したカードを刺し込み

ドラグレッダーの頭を象った手甲ドラグクロー。そして、契約モンスター『ドラグレッダー』を召喚する。

 

そして、龍騎が後方にいるドラグレッダーの方へと飛ぶ、それと同時にドラグレッダーは体を大きく動かし、

そのドラグセイバーに似た尾を龍騎へと叩き付ける。もっとも、当てるのは刃の面ではなく、面積の大きい殺傷能力の無い面だが。

 

龍騎は自分へと当たる瞬間、後ろを確認せずに体制を立て直しドラグレッダーの尾を蹴り跳躍ジャンプする。

 

「はぁ!!!」

 

ドラグレッダーのパワーと龍騎自身のジャンプ力により、先を進む燭台オーファンへと追いつき、ドラグクローを叩き付ける。

 

そして、燭台オーファンが地面に落ちるよりも先に地面へとおり、

ドラグクローを装着した手でアッパーの体制で部室棟とは反対の方向の上空へと向けて吹き飛ばす。そして、

 

「終わりだ。」

 

『FINAL VENT』

 

カードデッキから抜き出し、発動させたのは必殺の一撃を放つ切札ファイナルベントのカード。

 

今回の物は前回のスライムオーファンに使った物とは違い、龍騎が真上に打ち上げた相手へと向かいジャンプ、

それを追う様にドラグレッダーが龍騎へと向かい炎を放つ。

 

「ドラゴンライダーキック!!!」

 

龍騎の対空型のドラゴンライダーキックが燭台オーファンを撃ち抜き爆散させる。

 

 

 

 

 

そして、勝利し微笑み会う輝となつき、その後ろでは凍り付いていた建物の上に立つデュランと空中を舞うドラグレッダーが勝利の咆哮を上げていた。

 

「ッ!?」

 

そんな時、輝は何かに反応するように突然虚空を睨み付ける。

 

「? どうした、奴隷君。」

 

「………今、確かに…誰かに見られてた様な気がしたんだけどな…? 気のせいか?」

 

誰かに見られている、輝の直感がそう告げていたのだが…そこには何も存在していなかった。

どこか、引っかかる物を感じながら、気のせいと言う事にしてそれ以上考えない事に決め、なつきとともに帰っていった。

 

 

 

 

 

だが、彼の直感は正しかった…。彼等の戦闘の有った場所のすぐ近くに、一人の眼鏡を掛けた少女が居た。

 

「…『玖珂 なつき』…『楯 祐一』…戦闘データ解析完了。」

 

周囲に浮ぶ、彼女のエレメントであろう鏡、そこから映し出されるデータに囲まれながら、

その少女『菊川きくかわ 雪乃ゆきの』はそう呟いた。

 

 

 

 

つづく…

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