もうちょっとでバレンタインだ。勇也はあげると食べてくれるけど、今回は特別なものをあげたい。だって本当に付き合い始めてから初のバレンタインだし。
特別な何かのチョコなんてどんなチョコなのかわからない。今もいろんなチョコを作っているが何か違う気がする。
「リサ何を悩んでいるのかしら?」
「友希那、チョコを悩んでいてね。勇也にどんなチョコをあげるか」
「勇也ならどんなチョコでも喜ぶと思うのだけれど」
「うん、わかってる。だからこそ特別なのをあげたいんだ」
「そう、ならリサにはどんなイメージがあるのかしら?」
「イメージ?」
「勇也に対してどんなチョコをあげたいのか、どんな顔を見たいのかなんかよ」
「うーん、喜んで欲しいのはもちろんだけど、なんかモヤモヤ〜ってしてるんだよね」
「そう、そこを固めるのがいいんじゃないかしら?」
「そうだね、頑張ってみる」
バレンタインまで後1週間。ここからはみんなからも意見を聞いていこう。そしてこの意見を聞くのが波乱を生むことになるなんて予想もしてなかった。
次の日からあたしは学校でいろんな人に聞きに行き始めた。はじめはひまりに聞きに行くことにして昼休みに屋上に向かった。
「ひまりーちょっといい?」
「いいですけどどうかしたんですか?」
「蘭たちもいいかな?」
「いいですよ」
あたしは蘭たちにも許可をもらいひまりを連れて食堂に向かった。食堂にある自販機でひまりにジュースを買ってあげて席についた。
「実はバレンタインで悩んでるんだ。勇也にあげるのってどんなのがいいかちょっと悩んでて昨日友希那に聞いたらあたしが勇也にしたいことってなんなのかって言われて」
「あ、そういえば確かバレンタインでしたね。勇也さんにあげなくちゃ」
「いやいや、なんで今の流れでそうなるの?あたしはひまりの意見を聞きたいんだけど」
「それとは別にですよ。女の恋は怖いですからね。それと勇也さんは何をされたら喜ぶかよく考えてみてください。それさえわかればすぐに出るはずですよ」
「!??どういうこと?」
「私にはできないことですから」
「え、なんて」
「それじゃあそろそろ昼休み終わるので失礼します。ジュースご馳走様でした」
ひまりはそういいながら教室に向かって歩き出してあたしは訳がわからないままあたしは机に突っ伏しているとチャイムが鳴って驚きながら教室に戻って少しだけお説教を喰らった。
そういえばバレンタインだったなぁ。勇也さんにどんなチョコを贈ろうっかな?リサさんいいこと言ってくれたな。私はもう間違えないけどこの思いだけは消えそうにないから私は私のしたいことをすることにした。そう考えると嬉しくなって廊下をスキップしながら帰って教室に着くとモカにまたからかわれた。
あたしはまだ答えがわからず放課後に会う約束をして喫茶店に向かった。もうすでに2人とも座っていてあたしが最後だった。
「ごめーん遅くなっちゃった」
「気にしなくていいわ、私たちもさっき来たところだから」
「うん、千聖ちゃんと私もまだ何も頼んでないから」
今回待ち合わせしていたのは千聖と花音だ。今回は2人を呼んだ時ははじめは断られた。私たちにそんな資格はないと言っていたが会うのに資格も何もないし、あたし自身が会いたいと言って無理を言った。
「だいたいは電話の時に聞いたけどリサちゃんはそんなに悩むことかしら?」
「うー、勇也に喜んで欲しいから悩むんだよ」
「勇也くんはリサちゃんの作ったものならなんでも喜ぶと思うんだけどなぁ」
「確かにそうかもしれないけど、喜んで欲しいんだよ」
「なんの話をしてるんだ?」
「「「!!!」」」
「ゆ、ゆ、勇也!?どどうしてここに?」
「どうしてって言われてもちょっとだけ休憩していこうと思ったら見えたからさ」
「そ、そうなんだ。あたしたちもさっき偶然会って」
「へぇ、そっか」
勇也は何かを見透かしたように同じ席には座らず端の席でコーヒーを飲みながらこちらは見ないように外を見ていた。この状況になっても話す気にならず携帯で文字を打って千聖と花音に謝ってそこからは普通の会話をしていた。
あたしはそこで2人と別れて、家に帰ってからも何も思い浮かばず時間ばかりが過ぎていき何もできてないまま結局バレンタイン当日が来た。あたしは学校に連絡して休むと言って家でチョコを作っていた。実際こんなことがバレたら怒られるが今回ばかりはしょうがない。あたしは結局残骸ばかり増えてしっかりしたものはできないまま時間ばかり過ぎていった。
朝学校に来てみるとリサがいなかった。いつもなら俺より早く来ているのもあり、妙に気になって連絡をしてみたが返事が来ず少しだけ心配になった。一応カバンから教科書を出して机の中に入れようとすると入らない。中を見てみるとなんだかいっぱい出てきて今日がバレンタインだったことを思い出した。
入っていたやつを鞄の中に入れ教科書を入れると同時に教室に担任がやってきた。
「えー、今日今井は体調不良で休むそうだ」
その言葉を聞いて驚きを隠せなかった。少なくとも機能した電話では声しかかけていないが元気そのものだったから。俺は結局その日授業なんて耳に入ってこずそのことで頭がいっぱいで終わると同時にすぐにリサの家に向かった。
家にの前に着くとなんだか中からすごい呻き声が聞こえる。そこでインターホンを鳴らした。
インターホンが鳴り見てみると勇也が立っていた。時計を見てみるともうすでに放課後の時間で何もできていないのに勇也が来たことに驚きを隠せず、あたしはドアの隙間から顔を出した。
「リサ病気は大丈夫なのか?」
「病気?あ、うん、大丈夫。もう治ったよ。上がっていく?」
何もできてないのにいつもの癖で上がってもらうように言ってしまい勇也も入ってきてリビングを見ると驚いていた。それもそうだ。チョコの残骸がすごい量あるんだから。
「ごめん、病気は嘘。本当はいいのを作れたはずなのに」
「はぁ〜〜〜〜〜なんだ病気じゃないのか」
「う、うん。ごめん。それにまだチョコはできてないんだ」
「いや、それならいいわ。1番いいのを見つけたし」
「へ?」
すると勇也はだんだん近づいてきてあたしは顔がだんだん熱くなっていく。そして勇也は手を伸ばしてあたしの顔に手を近づけてそのままつけてそれを口に持っていった。
「1番なバレンタインチョコもらった」
「はぅ、うぅ、なんかあたしだけ恥ずかしい思いしてない?」
なんとか口を動かして言ったが顔はまたかなり熱い。勇也は向こうを向いていて返事はしてくれるがこっちは見てくれない。そして顔の熱が冷めてきてやっと気がついた。勇也がこっちを向かなかったのは勇也自身も恥ずかしくてこっちを向いてなかったんだ。
「あれ〜勇也も恥ずかしかったんだ」
「言うなよ。まだ顔の熱が引いてないんだから」
「ふふ、可愛い」
「ふぅー、やっと落ち着いた。けどこんな無茶はもうしないでくれよ。心配したんだから」
「うん、ごめんね」
「それじゃあ今日はRoseliaの練習もないしゆっくり寝てこい」
「うん」
リサはそういいながら部屋に戻っていった。その間にこのキッチンを片付けだけして帰ろうと思い、俺は片付け始めた。そしてほぼ終わりの時にリサが降りてきた。
「どうしたんだ?寝に行ったはずじゃなかったか?」
「その、お願いがあるんだけど」
「なんだよ。聞いてるから」
「膝枕して欲しいかな。ダメ?」
だからそんな顔で見られたら拒否できないんだよ。俺は渋々やることにした。本来なら男と女が逆のような気もするが今回ばかりは何といえない。過程がどうであれ俺のためにしてくれたことだから言えるはずがない。
結局リサは起きないまま2時間ほど経って帰ってきたリサのお母さんにおちょくられたのはまた別の話。
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