次の日になって麻弥、日菜、興花はやってきたが広町さんはなかなか来なかった。俺たちだけで練習を開始してかなり時間が経った後に広町さんはやってきた。
「ごめんなさい。遅くなったよ〜」
「いや構わないよ。それじゃあ譜面は昨日のうちに送っているから引いてみてくれる?」
「わかった」
そこから広町さんが弾くと確かに天才の1人だと思う。けどなんか違和感を感じてならない。確かに譜面通りに弾けてるし、音も悪くなかった。
すると日菜が
「なーんで実力隠してるの?」
「うぇ!?な、なんのことかな〜?」
「だってこの子本気で演奏してないよ」
「まぁそうだろうな」
「えぇ!?どうしてそう思うのかな〜」
「なんとなくかな。けどまぁ譜面的には間違ってないし今日一回合わせて終わりにしようか」
そこから音を合わせると日菜は自由に引きつつも譜面通りに、麻弥は早く力強く、興花はそれの間を縫うような繊細な音をそれにさえ合わせてきた広町さんがいた。
「はい、今日は終わり。あとで飯作るけど残る人はリビングにいて。あと広町さんだけちょっとだけここに残っててくれる?」
「えーあたしも残る〜」
「日菜さん行きますよ」
興花と麻弥が2人がかりで連れて行き今残ってるのは俺と広町さんだけになった。
「私は怒られるのかな〜?」
「いやいや、怒ることなんてないぞ。さすがの一言だけど。けどなんで本気を出さないんだ?」
「普通ぐらいがちょうどいいんだよ。才能が出ると周りから拒絶される」
「あー日菜とはまた違ったことか。けど今日いるメンバーの中で天才じゃない奴はいないと思うぞ。俺を除いて」
「確かにそうかもね〜」
「だからいつでも本気でやってくれて構わないよ」
「わかったよ〜。心に留めとくね」
「あぁそれで十分だ。あと飯食っていく?」
「あーどうしようかな〜」
「まぁちょっと考えてからきてくれ」
「はーい」
俺は先にリビングに上がって行くともう待ちわびたかのように日菜が待っていた。
興花や麻弥だけじゃ抑えきれなかったみたいだ。
「お腹すいたよー勇也くん」
「わかった、わかったから離れてくれ」
「はーい。けどこのまま勇也くんを食べちゃおうかな」
「ふざけたこと言ってないで離れろ」
「痛ーい。女の子は丁寧に扱うんだよ」
「扱って欲しかったらもっと自重しろ」
俺はキッチンに立って料理をし始めた。広町さんも上がってきてここで食うみたいだからちょっと豪華にしよう。
「なに作るの?」
「アクアパッツァとかローストビーフとかかな?」
「なんで疑問系なの?それにそんな対極の料理じゃなくても」
「そういうなよ。それなら興花はなにが食べたい?」
「私はなんでもいいかな。勇也の料理美味しいし」
「それが一番困るんだけどな」
俺は料理をしながらも向こうに目を向けると日菜は広町さんに興味津々という感じだ。おそらく日菜と同等の天才でありながらそれを隠して普通であり続けようとするのが面白いんだろう。俺的には今この場ではそんなに気にすることないと思うんだけどな。
確かにMorfonicaはできたばかりのバンドだし浮くかもしれないという不安があるのかもしれない。
「私もいただいてもいいのかな〜」
「いいよ。そこで待っててくれ」
俺はもう少しかかりそうなのでそこで待ってもらうことにした。ソファに座ってると日菜からの質問責めがすごい。麻弥も止めてはいるが麻弥1人じゃ厳しいんだろう。止まる気配がない。まぁ千聖とかがいれば話は別なんだろうけどそれはそれでめんどくさくなりそうだ。
「帰ったわ」
「お邪魔しまーす」
「あ、ややこしいのが」
「勇也聞こえてるよー」
帰ってきたのは友希那でそれに着いてくるようにリサもやってきた。俺は練習のことで2人のことを完全に忘れていて2人の飯がない。
急ピッチで作ろうと思ってるとリサが隣にきて作る手伝いを始めてくれた。
「勇也のことだからあたしたちの分忘れてたんでしょ」
「いや〜そんなことないけどな」
「まぁいいや、あたしも手伝うよ」
「助かるわ」
「あれ〜勇也今日はずいぶん素直だね」
「バカにしてるだろ」
結局リサには手伝ってもらい俺も助かった。そのまま机に並べると広町さんは驚きを隠せていなかった。
「ところで勇也その子は誰かしら?」
「あー俺が今回来てもらったバンドメンバーの1人」
「ヘぇ〜勇也はいろんな子に手を出すんだ?」
「リ、リサさん。何を怒ってらっしゃるんですか?」
「別に怒ってないよ。勇也くん」
「怖いです今井さん」
麻弥がなんとか静止してくれてそのままみんなで談笑しながら飯を食べた。
みんな帰って行き俺も部屋に戻って譜面を少し改造しようとしたら部屋のドアが鳴った。
「だれ?」
「私よ」
「入ってきて」
「失礼するわ」
「どうしたの?何か食べたくなった?」
「ち、違うわ!今回の対バンライブなんで受けたのか気になっただけよ」
「うーん、友希那があのセトリを組んだのは本気で勝ちに行こうとしたのがわかった。もちろん今までもサボっていたわけじゃないことはわかってる。それにあのおチビちゃんにわからせたかったんだろ。昔の自分にそっくりなのこと。そしてそれは必ずメンバーとの亀裂が入ることを」
「勇也はたまに鋭すぎるわ。けどレベルアップを狙っていたのも事実よ」
「そっか」
俺がこの対バンをやったのにはまだ理由があるけどこれは秘密でいいだろう。これを言う理由もないし、これを言うと友希那たちは責任を感じるから。
「あ、そうだ友希那」
「なにかしら?」
「明日からコーチしてくれない?」
「それはRoselia全員かしら?」
「そうだけど」
「構わないわ。みんなには私から言っておくわ」
「頼む」
友希那に言えたしあとはもうないだろう。友希那も部屋から出て行き俺は譜面に手をつけるのをやめた。
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