緋弾のアリア―β―   作:もみもみじ

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第一弾 似ゆる者

 自分と似ている人間を知ると、誰だって会いたくなるものだ。

 私はとある情報を元に、仙台の武偵校からこの学園島の武偵校へ転校することになった。

 私の力に似ている武偵がいるなら、一度だけでいい、戦ってみたい。感じたいのだ、その力を。

だが、

 

「失望した」

 

 それが私の感想だった。

 ネクラそうな外見、やる気のなさそうな目、そしてタラシというあだ名。何もかもが失望した。

 しかも、そうはっきり言ってやったのに、

 

「それを俺に言われてもな……」

 

 と流されてしまったのだ。

 私は自分とほぼ同等の存在がいると聞いて来たのに、結果がこれだと意味がない。

 私は放心状態で校舎をブラブラしていると、

 

「――――あのバカキンジ、私が置いてあった桃まんを勝手に捨てたのよ! 酷くない!」

「へぇ~。キーくんは何で捨てたんだろうね~」

 

 知っている顔に出会った。

 一人はピンク色の長いツインテールが印象的な背の小さい少女、神崎・H・アリアだ。仙台校の時に、外国に行った時に共闘することがあり、顔見知りだ。才能的に、彼女の剣さばきには一目置いている。

 もう一人は、制服のフリフリが異常な程に印象的な金髪少女、峰 理子だった。こいつとは……以前とある組織に誘われた時に知り合った。まぁ、あまりしゃべりたくないから、ここでは伏せておく。

 

「あっ、ミーちゃんじゃーん。おっ久~」

 

 最初に私に気づいたのは理子だった。相変わらずのハイテンションである。しかも、前にあった時よりも更に明るくなっているように見えるのは、私の目の錯覚だろうか。

 

「あ、ミト。お久しぶりね」

 

 それに合わせてアリアも私に気づき、こっちを向いた。……相変わらず小さい。これ言ったら怒られるだろうけど、胸も一応勝ってる。まぁ、この世界で容姿はハニートラップぐらいにしか使えないから、意味はないんだろうけど。

 

「久しぶり、アリア、理子」

 

 そう言うと、アリアが驚いたように理子を見た。ん、まずい事でも言った?

 

「理子。なんでミトと知り合いなのよ」

 

 あぁ、なるほど。アリアは知るはずないもんな~、あの組織――

 

「一度イ・ウーに誘ったことがあるからね~」

 

 理、理子! あの組織って、そんな公にしていいの!?

 と、聞こうとしたが、目の前のアリアは、

 

「へぇ~、ミトを誘ったんだ」

 

 と、平然として答えていた、それ以上は言えなかった。アリアも関係者なんだろうか?

 まぁ、そこはあえて触れない方向で行くとしよう。

 

「ん~、ミーちゃんここにいるっていうことは~、キーくんと会ったんだ~」

「え、ま、まぁね……」

 

 失望したけど。

 ついでに情報提供者は理子だったりする。組織のお誘いからしばらくの間、メールによる他愛のない交流があり、その時に遠山キンジのことを知ったのだ。

 

「え、え、ミト、キンジと会ったの!?」

 

 アリアの異常な食いつきに違和感を覚えるが、素直に頷いておく。

 ていうより、アリアも知り合いなのか。まさか、タラシの名前の由来って……いや、あれは確かあいつの能力によるものだったはず……。

 

「まぁ、正直失望した。あんなに暗いやつとは……」

 

 アリアはうんうんと頷くのに対して、理子はフフフッという奇妙な笑いを発している。

 ……少し怖い。あの眼は、何かよからぬ企みをしている眼だ。関わらないでおこう。

 

「あっ、あと私は探偵科(インケスタ)だからね、アリア」

「えっ、強襲科(アサルト)じゃないの!?」

 

 アリアはとっても驚いていたけど、それは当然だ。なぜなら私は、仙台時代は元々強襲科だったからだ。だから、アリアにも知り合えたわけだけど。まぁ、やめた理由はとても簡単。

 

「飽きた」

 

 だった。流石にアリアは呆気にとられたようでしばらくの間、つっ立ていた。まぁ、自分でもこんな適当な理由はだめだと思う。でも、新しいことに挑戦は必要だから。

 そのあと、アリアは何か用事を思い出したようで、どこかへ去って行った。残ったのは私と理子。

 すると理子は、小さなメモ程度に折られた紙を渡してきた。

 

「お誘い。まぁ、考えておいてね~」

 

 そう言って、理子はどこかフラフラと去って行った。私はその紙の中身を確かめる。そこには、『近々コスプレ大会があるから、考えておいてね~。きっと、楽しいよ~』、と理子らしい文字で書かれていた。

 全く。相変わらず理子らしい。考えれば、彼女とのメールもこんな調子だった。と、紙をスカートのポケットの中に入れようとしたとき、違和感を感じた。

 私はすぐさま、女子寮のほうへと足を向けるのだった。

 

 

 

 

 まだ、段ボールだらけで女子らしくない部屋の中、私はもらった紙を火であぶっていた。理子らしからぬ古典的な方法だが、これもまた機密的な情報に違いない。

 

「おっ?」

 

 しばらくして、紙から浮かんだ文字列を私は睨んでいた。そこには、コスプレとは無関係な、今後の私にとって重要な情報が複数存在した。

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