こういった話を書くのは苦手ですが・・・・
それでは本編どうぞ
「さて、そろそろ教えてもらおうかしら。あなたが一体何者なのかを」
グレモリーが真剣な・・・・警戒心を孕んで目で俺を見てくる。他の一部の者からも俺に対する警戒が見て取れ、小猫に関しては心配そうに俺を見てきていた。返答しだいでは、俺にとって不利な状況になりそうだなこれは。
「ここ数日で、あなたのことを色々と調べさせてもらったわ。その結果、おかしなことにあなたに関する情報は何も出てこなかった」
「えっと・・・・部長、何も出てこなかったならおかしいことはないと思うんですけど?」
グレモリーの発言に疑問を抱いた兵藤は首をかしげていた。
「いいえそんなことはないわイッセー。なにせ本当に何も出てこなかったもの・・・・・戸籍でさえね」
「それって・・・・」
「簡単に言えば、彼は自身が『一夢命』という人間であることを証明する情報を一切持ち合わせていないのよ。これは彼が普通の人間だとしたらおかしいと言わざるをえないわ」
戸籍か・・・・確かに俺には戸籍などというものはない。もっと言えば、『至黒』という一族全ての者に戸籍というものがないのだが・・・・そのあたりも説明する必要がありそうだ。
「コカビエルとのあの戦い・・・・あなたは何度も死に至るダメージを負いながら、何事もなかったかのように傷を再生させていた。はっきり言って異常なことよ。私はあなたを
まさか人間ではないとさえ思われているとは・・・・いや、まああんな戦い方したらそう思われても仕方がないのかもしれないけど。そうでなければ神器持ちってことになるらしいが・・・・・コカビエルも言っていたが、そもそも俺はその神器とやらがなんなのかさえわからないんだよな。まあ、実際のところは俺は人間だし、神器持ちでもないから頭を悩ませずにただ本当のことを答えればいいだけだな。
「まず、結論から言えば俺は人間だ。正真正銘間違いなくな。そしてあんたの言う神器使いとやらでもない」
「だったらあなたはなんだというのかしら?」
「俺は・・・・・とある特異な力を操る一族の人間だ。一族の暮らす集落は閉鎖的で国からはほとんど隔離されているも同然。外との接触がほとんどないから俺に戸籍がないのはそれが理由だな」
あの一族は基本的に集落の中で完結してるからな。旅をして思い知ったが、かなり不便だ。
「その特異な力というのはなにかしら?」
「仙術・・・・そう呼ばれている力だ」
「「「仙術・・・・!?」」」
仙術と聞き、その場にいた何人かは驚きをあらわにする。驚いてみせた者たちは仙術のことを知っている者なのだろうが・・・・・小猫の動揺が特に大きいのが気になるな。どうかしたのか?
「あの、部長さん。仙術ってなんですか?」
どうやら仙術の事を知らないらしいアーシアは、グレモリーに尋ねた。
「気を源流とし、自然と一体化することにより生命の流れを操作する術のことよ。本来は仙人や一部の高位な妖怪しか使うことのできない希少な力なのだけれどまさかその力を操る人間の一族がいるなんて・・・・」
やはり仙術は珍しい力のようだ。だからそのその力を秘匿するために一族は集落に篭ることにしたんだろうが。
「・・・・・私達の貼った結界や、コカビエルの術式を解いたのも仙術を用いたのですか?」
興味を示したらしいシトリーが俺に尋ねてくる。
「ああ。結界も術式も人為的に作られたもの。ならばそこには気の流れがあるわけだ」
「その気に流れを乱すことで解呪したわけですか・・・・器用ですね」
「まあ解呪は俺の得意分野だから。それ以上に得意なことがあるけど」
「それがあの再生能力・・・・というわけね。けれど納得できないわ。仙術を使えば確かに治癒能力を高めることもできるでしょうけど、それでもあの再生能力は異常だと言わざるを得ないわ。まだなにか、話してないことがあるのかしら?」
ふむ、グレモリーも中々鋭いな。確かに仙術だけではあそこまでの再生能力は得られない。あの再生能力はもう一つの力が関わっているからな。
「あの再生能力は、仙術もそうだが俺の生命力も起因している」
「生命力?」
「ああ。俺の生命力は常人をはるかに上回るほどに豊富でな。その生命力と仙術を掛け合わせてあの再生能力を発揮している。実際には試せないけど、頭を潰されるか全身塵を残さず消滅させでもしない限り俺は死なない」
「・・・・・神器持ちでもないのにそれほどの力。人間の域を逸脱してるわね」
「自覚は・・・・している」
あの集落で暮らしていたとき・・・・・俺は一族の者たちにバケモノ扱いされていた。それは俺が一族にとって異端である金色の眼を持っているからだけではなく・・・・・俺の再生能力故だ。どれだけ痛めつけようと平然としており俺を、あらゆる傷を一瞬で治癒する俺を皆蔑み恐れ・・・・・バケモノ扱いした。そしてその負の感情が・・・・歪ませてしまったんだ。
「俺のことに関してはこれでわかっただろ?力を持ってはいるが俺は人間だ。悪魔や堕天使と何ら関わりもないな。だから、そろそろ警戒を解いてくれると助かるんだが?」
「・・・・そうね。万が一の時はあなたに対して何らかの処置をしなければならないと思っていたけれど、その必要もなさそうだわ。警戒してごめんなさいね」
「いや、気にしなくてもいい。俺があんたの立場でも俺の事を疑っていただろうからな」
「・・・・・優しいのね。小猫が気に入るだけのことはあるわ」
「そうか?」
俺が優しい?そんなことないと思うんだが・・・・・俺にそんな印象を抱くとは、グレモリーは変わり者のようだ。
「・・・・・命、あなたはこのあとどうするつもり?」
「どうって?」
「この街にはまだ留まるのかしら?」
「それはまあ・・・・俺があの日の夜、コカビエルと戦ったのは小猫ともっと一緒に居たいと思ったからだからな」
「・・・・あなた、中々恥ずかしいことを平然と言うのね」
恥ずかしいこと?そんなこと言った覚えはないんだが・・・・・というか、なんか小猫のやつ顔を赤くしてるけどどうかしたのか?
「けれどまあ、だとしたら尚更ね・・・・・命、あなたこの学園に通ってみるつもりはないかしら?」
「この学園に?」
「ええ。最終的には白龍皇がコカビエルを倒してしまったけれど、それでもあなたには助けられたわ。だからそのお礼も兼ねて提案したのだけれど・・・・どうかしら?」
なぜ礼がこの学園に通うことにつながるのかって思ったけれど・・・・俺にとっては中々魅力的な提案であった。集落には学校なんてなかったから、学校に通ったことなんてなかったから実は少し憧れていたわけだしな。
ただ、俺はコミュ障だ。学校には人も多いだろうし、コミュ障の俺がその空間で上手くやっていけるかどうか・・・・・
「命さん。私、学園でも命さんと会えるなら、その・・・・・嬉しいです」
「その申し出、ありがたく受けさせてもらおう」
小猫に頼まれた瞬間、俺の迷いは一気に吹っ切れた。コミュ障だからなんだ。小猫が居ればそんなのどうってこそない。きっとなんとかなる。
「小猫が頼んだ瞬間受け入れるなんて・・・・・まあいいわ。この学園の生徒として転入できるように手配するわ。それでどの学年に転入させるかだけれど・・・・あなた、今歳はいくつかしら?」
「今年で16になる」
「えっ!?」
「どうした小猫?」
「・・・・・命さん、私と同い年なんですか?」
「あれ?歳のこと言ってなかったっけか?」
「聞いてません。ずっと年上だと思っていました」
それは俺が年相応に見えないということだろうか?ただそれだったら小猫も小柄だから俺とは同い年とは思えないぐらい幼く見えるんだが・・・・・まあそれは敢えて言わないでおこう。
「まさか命さんが同い年だったなんて・・・・・」
「同い年で何かまずいことでもあるのか?」
「大有りです。さっきまで命先輩って呼ぶ心の準備をしていたんですから」
それに心の準備が必要なのかとツッコミを入れたくなったが、その心内は小猫にしかわからないもの。何も言わないほうがよさそうだ。
「でもまあ、確かに意外ではあるわね。私から聞いたけれど、てっきりてっきり私と同い年か一つ下ぐらいだと思っていたから」
「俺って老けて見えるのか?」
「老け・・・・そうじゃなくて、大人っぽく見えるっていうことよ。とにかく、そういうことなら一年に転入できるように手配するわ。クラスも小猫と同じにするから」
「それは助かる」
小猫のいない、知り合いが誰もいないクラスに放り込まれても困るからな。
ともあれこれで俺も学校に通える。旅をしていたとは言え世間知らずである自覚はあるから、色々と学べるのは楽しみだな。
もちろん・・・・・小猫と過ごすのも。
「小猫・・・・学校では色々とよろしく頼むな」
「はい。こちらこそです」
微笑みながら返事を返してくる小猫を見て、俺は訪れる学園生活への期待に胸を膨らませた。
かくして命さんは駒王学園に通うことになりました。つまり本格的に原作合流するということです
はたして今後どうなるか・・・・・
それでは次回もまたお楽しみに!