イノチの理解者は猫と寄り添う   作:shin-Ex-

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今回はヒロインである小猫ちゃんが登場

2話目にして時間が一気に進んだり旅の話が全然なかったりしますがご容赦を・・・・

それでは本編どうぞ


そして少年は猫と出会う

旅を始めて一年が経った。その間色々あったんだが・・・・・それはまあ、残念ながら作者都合で詳しくは描写されないらしい。恨むならどうか馬鹿な作者を恨むといい。

 

そんなことはさておいて、俺は今駒王町という地方都市を訪れていた。特別大きいというわけではなく、取り立てた観光名所があるわけではないが、街の雰囲気は良い。少なくとも俺としては居心地は悪くは感じなかった。まあ、ほかの街と比べて妙なイノチを多数感じるのが気になるが・・・・・

 

ともかく、久しぶりに良さそうな町にこられたのだ。少し長めに・・・・・2週間程滞在してもいいかもしれない。感じた妙なイノチに関しても少し調べてみたいしな。そうとなればこの町で活動する拠点となる宿泊施設をまずは探さないとな。

 

「こちらどうぞ」

 

「あ・・・・ど、どうも」

 

とりあえずホテルを探そうとしていた俺に、女性が何かチラシを渡してきた。受け取るときに少しどもってしまった・・・・・我ながらコミュニケーションをとるのが不得手だな俺は。こういうのをコミュ障というらしいが・・・・・集落にいたときはまともに会話などしたことがなかったからそれが原因なのかもしれない。こういう普通というか一般的なやりとりだとどう対応すればいいのかわからないのだ。曹操の時はそこそこちゃんと話せたと思うんだけどなぁ・・・・

 

・・・・・自分のコミュ障っぷりに絶望するのはここまでにしよう。悲しくなってくるし。それよりも今受け取ったチラシだ。『あなたの願い叶えます!』という文字と共に、魔法陣が描かれたチラシ。パッと見怪しげな宗教の布教にしか見えないそれだが・・・・・これは本物だ。仙術とは違う力を感じる。配ってたさっきの女性も人間ではなかったし。

 

おそらくこれは召喚用の魔法陣ってところか。んでもって、こういう魔法陣から召喚されるのは悪魔だと相場は決まっている・・・・・らしい。俺も色々と調べて知ったことだから確証はないんだけども。

 

けど・・・・悪魔か。少し興味があるな。文面からして、呼べば何らかの願いを叶えてくれるというのだろうか?それ以前に悪魔という存在にも興味がある・・・・・会えるというなら会ってみたい。

 

「・・・・・あとで使ってみるか」

 

ひとまずチラシをしまい、俺は再びホテル探しに戻るのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「うん・・・・やっぱりベッドは良い」

 

ホテルを見つけ、チェックインを済ませた俺は早速ベッドに横たわった。野宿で寝袋にくるまって寝ることも多いから、やっぱりベッドの柔らかさ安心する。ひとまずこの部屋は2週間借りられたし、しばらくはぐっすり眠れそうだ。それにしても、親切なホテルで助かった。はじめは予約もなしに2週間もって困っていたが、相場の倍出したら快く部屋を貸してくれたんだからな。

 

「さて・・・・・部屋も借りられたことだし、呼んでみるかな」

 

俺は町でもらったチラシを取り出す。

 

「・・・・って、どうやって呼び出せばいいんだ?」

 

チラシを出したはいいものの、呼び出し方がわからない。旅に出て一年、知識を蓄えようと色々と調べては見たもののそれでもこの手の知識に明るいわけではないし・・・・・とりあえず念じてみればいいのかな?

 

(来い・・・・・来い・・・・ここに・・・・・来るんだ)

 

俺はチラシの前で、心の中で強く念じた。これで来なかったらひどく間抜けなのだが・・・・その心配は必要ないようだ。

 

魔法陣が妖しい光を放ち始めた。そして光の奥から人影が・・・・イノチから察知できる気配は明らかに人間のものではない。となるとやはり出てくるのは・・・・悪魔かな?

 

さて、一体どんな悪魔が出てくるのか・・・・・

 

「・・・・・あなたですか?私を呼んだのは?」

 

「・・・・・え?」

 

出てきた悪魔・・・・と思われる存在の姿を見て、俺は思わず動揺してしまった。

 

出てきたのは白い髪の小柄な少女だった。悪魔というからにはもっとこう・・・禍々しいのを存在していたんだが・・・・

 

「どうしました?」

 

「あ、いや・・・・・その・・・・一応聞くけど、君って悪魔?」

 

「はい。そうです」

 

やっぱり悪魔だった。予想通りではあったんだけど・・・・なんか想像とのギャップが・・・・・

 

「・・・・まさかこんな可愛らしい女の子だとはなぁ」

 

「えっ?」

 

あ、やべ・・・・・思わず言葉に出してしまった。一人旅の影響か、思ったことがすぐに口に出る癖なんとかしないとな。というか本当にやばいかもしれない。なんか彼女、顔赤くして俯いてるし・・・・怒らせてしまったかな?

 

「その・・・・可愛いっていうのはそうじゃなくて・・・・・いや、確かに可愛いとは思ってたんだけどなんていうか・・・・こう・・・・」

 

ダ、ダメだ・・・・・どうにか弁明しようにも何も思い浮かばない。こんなところでもコミュ障が災いするとは本格的に俺ダメ人間だなおい。曹操は俺のこと英雄視してたけどこんなコミュ障が英雄とかマジありえない。本当にどうすればいいのか・・・・

 

「えっと・・・・ともかくごめんなさい」

 

何も弁明を思いつかなかった俺は、とりあえず少女に頭を下げて謝ることにした。これくらいしかできそうにない自分が本当に情けない・・・・・

 

「・・・・ふふっ」

 

「え?」

 

なぜか頭を下げて謝ると、少女は笑みを漏らしていた。

 

「すみません。あまりにも必死だったのでおかしくて・・・・・」

 

どうやら俺の必死さが愉快にみえて笑っているらしい。まあ怒られるのよりは全然いいから構わないのだが・・・・・複雑な気持ちだ。

 

「それと、あなたが謝る必要はありません。さっきはその・・・・・面と向かって可愛いと言われて少し恥ずかしかっただけです」

 

「そ、そうなのか?」

 

女の子って可愛いって言われると恥ずかしがるのか?そのへんのことも正直よくわからないんだよなぁ。真面目にこのコミュ障なんとかしないとやばいんじゃないか俺?

 

「ともかく、話を戻します。あなたが私を呼んだんですよね?」

 

「ああ」

 

「でしたら願いを言ってください」

 

「・・・・願い?」

 

「・・・・え?」

 

「・・・・あっ」

 

そうだ。あのチラシには願いを叶えるって書いてあったんだ。正直悪魔を呼ぶことで頭がいっぱいだったから願いのこと何も考えてなかった。

 

「まさか・・・・願いもなしに呼んだんですか?」

 

「・・・・」

 

「目を逸らさないでください」

 

いや、だって・・・・気まずいというか申し訳ないというか・・・・願いを叶えるために着た悪魔に、願いはありませんなんて言えないし。正確には悪魔に会うことが願いみたいなものだから願いはかなったとも言えなくもないのだが。

 

だけどさすがに「君に会うのが願いでもう十分だから帰っていいよ」なんて言えるはずがない。

 

何か・・・・何か願いを考えなければならないのに・・・・・何も思いつかないどころか何を言えばいいのかもわからない。これだからコミュ障は・・・・・コミュ障?

 

そうだ・・・・これだ。

 

「その・・・・コミュ障治すの手伝ってください」

 

「・・・・コミュ障?」

 

うわぁ・・・・わかりやすいほどに訝しげな目で俺の事見てるよ。いや、まあ仕方ないとは思うんだけどさ。

 

「恥ずかしい話、今まで人とまともに関わる機会が少なかったせいで人と話をするのが苦手でさ・・・・なんとかしたいとは思うんだけど自分一人じゃどうにもできないし。だから治すの手伝って欲しいななんて・・・・・」

 

わ、我ながら情けなさすぎる。いくら相手が悪魔とは言え、自分よりも小さい女の子に言うことじゃない。

 

「・・・・まあ、それが願いというなら叶えるのが私の仕事なので構いませんが」

 

ひとまず、俺の願いを叶えることを了承してくれた。何やら俺に優しいというか・・・・可哀想なものを見るような目を向けているがあまり考えないでおこう。悲しくなってくるし。

 

「ですが、コミュ障を治すと言われても、そんな願いをこれまで叶えたことがないのでどうすればいいのかわからないのですが・・・・」

 

うん、まあそうなるよな。多分悪魔を呼んでまでそんな願いを叶えてもらおうってのは俺ぐらいなものだろう。

 

けどまあ、この子がどうすればいいのかわからないって言うなら俺が考えないと・・・・・う~む・・・・

 

「・・・・とりあえず話し相手になってくれないか?会話すれば慣れてコミュ障が治る・・・・と思うから」

 

「はあ・・・・まあそれでいいなら」

 

明らかに呆れてるだろうなぁこの子。それでも仕事だから相手してくれてるんだろうなぁ・・・・申し訳ない気持ちでいっぱいになる。

 

けどまあ、せっかく呼んだわけだし自分から言い出したことだ。きっちりと話の相手にはなってもらおう。

 

「とりあえず話をしようにも君の名前がわからないと不便だから教えてくれないかな?」

 

「わかりました。私は搭城小猫といいます。よろしくお願いします」

 

搭城小猫・・・・・猫、か。この子のイノチ、やけに猫に近いなと思ってたけど、名前と何か関係あるのか?まあ、出会って間もないのにそこまで踏み込んだ話をするのも失礼だから聞くのはやめておこう。

 

「俺は一夢命だ。命って呼んでくれ。こちらこそ宜しくな小猫」

 

「・・・・・俺?」

 

小猫はなぜか俺の名前ではなく、一人称の方を口にした。これはまさか・・・・

 

「小猫・・・・俺の事女だと思ってたりは・・・・」

 

「その言い方からして・・・・・命さんって男性なんですか?」

 

どうやら俺の予想は当たってしまっていたらしい。

 

「・・・・・俺は男だ」

 

自分でもわかるほどにゲンナリとした声色で言う。

 

「すみません、その・・・・・顔立ちが女性のように見えたので。声も少々高かったですし・・・・」

 

「いや、いいんだ。間違えられるのはよくあることだが」

 

そう、女と間違えられることはよくあることだった。町とかでは男からナンパされることがあったし、買い物するときは店員に『お嬢さん』と呼ばれることもあった。

 

自分でも顔立ちや声の高さが女性っぽいと思うことはあるが・・・・女に間違えられるのは好きではない。女に間違えられるたびに、少々不機嫌になってしまうのだ。

 

けどまあ、今回はまだ間違えた小猫が女の子でよかった。これが男だったら思わずその場で説教をしてしまうほどに機嫌が悪くなっていただろうからな。

 

「その・・・・・苦労しているんですね」

 

「まあそれなりにな・・・・・この話はここまでにしよう。あんまり話していて気持ちのいいものではないし」

 

「では何について話しましょうか?」

 

「そうだな・・・・・とりあえずこの町のことについて教えてくれないかな?俺、今日この町に来たばかりだからさ」

 

「わかりました。この町は・・・・・」

 

この町のことについて小猫は話し始めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この時の俺は思いもしなかった

 

小猫との出会いが・・・・・俺の人生を大きく変えることになるなんて

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




知っている方もいるでしょうが命さんの外見は黒い長髪に淡い黄金の瞳、そしてアルトリア顔です。声も高めなので女性に間違えられても仕方がないですね・・・

さて、ここから命さんは小猫ちゃんとどう絆を深めていくのか・・・・・

それでは次回もまたお楽しみに!
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