それでは本編どうぞ
駒王町に滞在し始めて3週間が経った。当初の滞在予定である2週間を過ぎてなお、俺はこの街に滞在している。
その理由は、この町のことが気に入ったというのももちろんあるのだが・・・・・一番の理由は小猫にあった。この3週間の間で小猫を6回ほど呼んでいるのだが、小猫と語らいをするのはこれまで生きてきた中で一番安らげる時間だった。ゆえに少しでも小猫と一緒にいる時間を増やしたくて、俺は滞在期間を不定期で伸ばしているのだ。我ながら甘ったれてるという自覚はあるのだが・・・・・自覚してなお、やめられない。俺はどうかしているのかもしれないな。まあ、コミュ障を治したいという願いが未だに叶ってないからというのもあるのだが。小猫相手ならかなりよくなってきてるとは思うが・・・・って、小猫とばかり話をしているのだから当然っちゃ当然か。今更だけどこのやり方じゃ俺のコミュ障って治らないのでは?
ま、まあそんな細かいことは置いておいて・・・・今日も、俺は小猫と話をしようと部屋に呼んだ。呼んだのだが・・・・・
「命さんもやっぱり小さいおっぱいよりも大きいおっぱいの方が好きなんですか?」
「・・・・・は?」
いきなりこれである。なぜいきなりこんな・・・・・いや、これはきっと俺の聞き間違いだ。今度は生命力を使って聴力を強化してちゃんと・・・・・
「ごめん小猫。もう一度言ってくれないか?」
「命さんもやっぱり小さいおっぱいよりも大きいおっぱいの方が好きなんですか?小さいおっぱいに人権はないと思ってる派閥の人ですか?貧乳に価値はないと思ってるんですか?」
聞き間違いじゃなかったよちくしょう。しかもなんか酷い付け足しがなされている。
「あのー・・・・・小猫さん?なぜそのようなことをお聞きになるのでしょうか?」
思わず敬語になってしまう俺。だが仕方がないんだ。それだけ小猫の口から出た言葉が意外すぎたのだから。俺の知っている小猫はこんなことをいう子じゃなかったんだけどなぁ・・・・・
「・・・・先日、私に悪魔の後輩ができたんです。後輩といっても年齢的には先輩になるのですが」
「そうか。それとお・・・・その、アレとはどういう関係があるんだ?」
「その先輩がおっぱいが好きなようで・・・・・特に大きいおっぱいが。それで私の主と先輩悪魔の一人のおっぱいは大きいので先輩はいつもそれを見て鼻の下を伸ばして・・・・」
「それはまあ・・・・・こういってはなんだがだらしない先輩なんだな」
まあ俺も男だから気持ちはわからないでもないのだが、ここまで欲望に忠実とは呆れを通り越していっそ尊敬・・・・・できないな。ダメなものはダメだ。
「ただ、先輩はあまり私のおっぱいはあまり見てこないんです。それどころかたまに見たと思ったらどこか悲しそうというか同情するような目で見てきて・・・・・別に見られたいと思ってるわけでもないですし先輩のそういうところはあまり好きではないのですが女としてなぜか負けた気分になるんです」
こ、これはまたデリケートな問題だな・・・・・男の俺にはよくわからないが、女である小猫にとっては相当複雑なことなのだろう。女は胸の大きさをステータスとしてみている節があるらしいし。
「命さんも・・・・やっぱりおっぱいは大きい方がいいんですか?私みたいな小さいおっぱいは好きじゃありませんか?視界にさえ入れたくありませんか?」
上目遣い気味に尋ねてくる小猫。大変可愛らしいのだが、尋ねる内容がなんとも・・・・・正直答えたくないのだが、こんな上目遣いされてさらに卑屈になっている小猫を前に答えないという選択肢など切ってちぎって捨てるしかない。
仕方ない、ここは正直に答えよう・・・・・ただ、そんなこと真剣に考えたことないからなぁ。
「・・・・・小猫、ちょっと時間をくれ。なにぶんそういうことを考えたことがなかったから・・・・」
「わかりました。待ちます」
小猫に了承をもらい、俺は考え始めた。そして考えるのなら、比較するのが一番手っ取り早いと思った。
すなわち、大きい胸と小さい胸を持つものを想像し、どちらがより俺の興味を引くのか・・・・すなわち好みなのかを知るのだ・・・・・我ながら馬鹿らしいとは思うが、それしかないのだから仕方がない。
まずは大きい胸・・・・これは旅の途中で会ったあいつがいいだろう。和服を結構大胆に広げていて、胸の大きさが強調されていたからつい見てしまってよく覚えている・・・・・柔らかそうだなと思いました。きっと触れれば指が吸い込まれるのだろう。
次に小さい胸だが・・・・・これはやはり小猫だろう。はっきり言って今の俺にとって一番身近な異性だ。小さい胸で小猫以外をイメージすることができない。そして肝心の胸だが・・・・・ささやかながら確かにある膨らみ。ちょうどいい具合に手のひらに収まりそうで・・・・ささやかでも、確かな柔らかさを感じることができるだろう。実際に触ったことはないが、安心感がえられるような気がする。
・・・・・うん、我ながらどちらが好きなのかわかりすぎるほどにわかった。そしてちょっとダメージを受けた。自己嫌悪が半端ない。
「命さん、突然頭を抱えてどうしたんですか?」
「ちょっと自分の新たな一面を見つけて・・・・・泣きたくなった」
「その・・・・・なんというかすみません」
「いや、気にするな。それで質問の答えなんだが・・・・・」
俺は一度言葉を区切った。そして深呼吸をし、意を決して小猫い告げる。
「俺は・・・・・大きいおっぱいよりもちいさいおっぱいの方が好きだよ。特に小猫ぐらいのが一番好きだ」
傍から見ると変態にしか思えない発言だ。小柄な小猫相手では犯罪っぽく見えてしまう・・・・・今日ほど死にたいと思ったことは今まで生きてきてないと断言できる。
「本当・・・・ですか?命さんは大きなおっぱいよりも私のおっぱいの方が好きなんですか?こんな揉みごたえのない悲しいおっぱいの方が・・・・」
「ああ。そうだよ。だからそんなに卑屈になるな。見ている俺の方が悲しくなってくる」
というかなぜこんなにも小猫が卑屈にならなければならないのか・・・・・その先輩の影響力、相当すごいのか?
「良かった・・・・・」
安堵の息を漏らす小猫。果たして何が良かったのかは俺には知る由もないのだが・・・・そんなに先輩に自分の胸が哀れまれたことが悲しかったのだろうか?
「まあなんというか・・・・・あれだ。胸に大きさについては十人十色で趣向が違う。その先輩がどんなに大きいのが好きだとしても、俺みたいに小さいのが好きなのもいる。だからあまり気にするな。考え出すとキリがなくなるぞ?」
「いいえ、気にします」
俺は気にしないように促すが、小猫はきっぱりと断ってみせた。フォローの仕方間違えたか?くそ、これもコミュ障の弊害か。
「命さんが小さい方が好きだって言ってくれたから・・・・・だから私は気にします」
「え?」
俺が・・・・・?どういうことだ?
「命さんは私にとって一番身近な異性ですから。その命さんが小さい方が好きだって言うなら、私はそれを気にしなければなりません。それに・・・・・」
「それに・・・・なんだ?」
「・・・・・内緒です」
クスリと笑みを浮かべて、人差し指を口元に持っていく小猫。もうわけがわからない・・・・・なんか俺のせいというか俺が原因だっていうことはなんとなくわかるのだが、それ以上のことがさっぱりだ。
けどまあ・・・・・よくわからないけれど、とりあえずこれで解決ということでいいのかな?正直今すぐにでも穴があったら入りたい気分なのだが・・・・・小猫が満足したと言うならそれでいいだろう。
「・・・・私から聞きたいことは終わりました。またいつもみたいにお話しましょう命さん」
「あ、ああ。そうだな。それじゃあ今日は何を話そうか・・・・・」
さっきまでのことをまるでなかったかのようにして、俺はいつも通り小猫と話をし始めた。
とりあえずまあ・・・・・もしもその先輩とやらと会う機会があったらシバこう。シバいて小猫に謝ってもらってついでに貧乳の素晴らしさを説いてやる。覚悟しろ名も知らぬおっぱい先輩よ。
というわけで、命さんは貧乳派であることが判明しました
まあ、だからと言って大きいのが好きじゃないというわけではありませんが。ただ、小さい方がより好きなだけです
それでは次回もまたお楽しみに!