イノチの理解者は猫と寄り添う   作:shin-Ex-

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今回、とうとう命さんが戦いの舞台へ

もっともまだそこまで戦闘描写はないですが・・・・・

それでは本編どうぞ


そして少年は戦場へ

「命さん!直ぐにこの町から離れてください!」

 

突然、慌てた様子で小猫が俺の元に現れた。今日は会う予定はなかったというのに・・・・・しかもこの町から離れろとはどうしたのだろうか?

 

「落ち着け小猫。一体どうしたんだ?」

 

ひとまず俺は小猫を落ち着かせ、話を聞くことにした。

 

「それは・・・・・今この町は危険なんです。コカビエルという強力な力を持った堕天使がこの町にいて・・・・・私達はその堕天使と戦うことになりました」

 

コカビエル・・・・・その名は知っていた。聖書にも記された堕天使の名前だ。

 

「コカビエルはその気になればこの町を容易に消し飛ばすほどの力を持っています。そうならないために私達は戦うのですが・・・・・それでも万が一ということがあります」

 

「だから俺にその万が一のためにこの町から離れろっていうのか?」

 

「・・・・・はい。私・・・・嫌なんです。命さんに危険な目に遭って欲しくありません。だから・・・・直ぐにこの町から離れてください。お願いします」

 

小猫は俺の服をつかみ、胸に顔を埋めながら懇願してきた。小猫はこんなにも俺の事を案じてくれている。俺に危険が及ばないように・・・・・こんなにも。

 

小猫・・・・俺は・・・・・

 

「・・・・・わかったよ小猫。荷物をまとめてすぐにこの町から離れるよ」

 

俺は小猫の願いを、()()()()聞き入れることにした。

 

「急いでください。戦いはもう少ししたら始まりますから」

 

「ああ、わかった」

 

「命さん・・・・・これまでありがとうございました。命さんと会えて私とても嬉しかったです。嬉しくて・・・・・楽しかったです」

 

小猫は顔をあげ、俺に見つめてくる。その目からは涙が溢れそうになっていた。

 

「命さん・・・・さようなら」

 

別れの言葉を告げ、小猫は魔法陣でその場を去っていった。

 

まるで今生の別れのような口ぶりだったのは、コカビエルはそれだけの相手であり、小猫は覚悟をもって戦いに挑みに行くということなのだろう。

 

「・・・・・小猫」

 

俺はベッドに背を預け、小猫と過ごした日々の事を思い返す。

 

コミュ障を治すとかいう訳のわからない依頼を承諾して、俺といろいろな話をしてくれた小猫。普段は感情の起伏は薄いが、それでも俺と話をしているときはどこか楽しそうで笑顔を見せることもある。俺もそんな小猫と話をするのが楽しくて・・・・・

 

かけがえのない存在になっていた。今の俺にとって、何よりも、誰よりも大切な存在になっていた。

 

小猫を失いたくない。これからも小猫と話がしたい。小猫と一緒にいたい。小猫の・・・笑顔がもっと見たい。

 

「ごめん小猫・・・・・残してるものが多すぎて荷物を纏めるなんて無理だ。この町から離れるなんて・・・・無理だよ」

 

コカビエル。聖書に記された堕天使。その力は強大で絶大。まともな戦闘経験の少ない俺ではかなわないかもしれない。

 

だが、それでも簡単には負けない。負けるはずがない。俺は・・・・・・・そう簡単には死ねないのだから。

 

「さて、行きますか」

 

俺は覚悟を決め、ベッドから起き上がって部屋をあとにした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ホテルを出て、小猫のイノチをたどって駒王学園という学校に俺はやってきた。結界のようなものが貼られていたが、仙術を使って結界を解いて、学園内に侵入した俺だが・・・・・

 

「よっしゃぁぁぁぁぁぁ!!部長の乳首を吸うためにやられてもらうぜコカビエルゥゥゥ!!」

 

(・・・・・どういう状況だこれは?)

 

その訳のわからない光景に、思わず唖然としてしまった。ウェーブがかった黒い髪の男に、赤い籠手をつけた少年が何やらとんでもないことを叫んでいる。

 

(もしかして・・・・あれがイッセーというやつか?)

 

俺はその発言から、叫んだ少年が小猫のいうおっぱいに執着している先輩・・・・・イッセーなのではないかと推察した。おそらくまず間違いないだろう。

 

何がどうしてあの男がそんなことを叫んでいるのかはわからないが、今はとにかく状況を分析しよう。

 

とりあえずあのウェーブがかった黒髪の男が小猫達の敵であるコカビエルなのであろう。そしてそれと相対しているのが小猫の仲間の悪魔達。そして肝心な小猫は・・・・・コカビエル少し離れたところでアーシアと共にいた。小猫が来ている制服の腹部のところが少し破れている。傷はおそらくアーシアに治してもらったのだろうが、おそらく戦闘中に負傷したのだろう。感じるイノチからしても、少し弱っているのがわかる・・・・・駆けつけるのが少し遅かったか。

 

だが、それを嘆いている暇はない。これ以上小猫が傷つかないように・・・・・・コカビエルを倒す!

 

「ふっ・・・・俺を倒すだと?やれるものならやってみるがいい!」

 

コカビエルは手に槍を出現させる。おそらく悪魔の弱点となる光で出来た槍だろう。

 

槍を投擲しようと振りかぶるコカビエル・・・・・悪いが、それを投げさせるわけにはいかないな。

 

「ぐおっ!?」

 

俺はコカビエルが槍を投げる前にコカビエルの前に飛び出し、仙術で身体能力を強化して蹴りを放った。

 

「悪いなコカビエル。お前の好きにはさせない。まあ、初対面の俺にこんなこと言われてもわけがわからないだろうがな」

 

「み、命さん!?」

 

後ろから小猫の声が聞こえてくる。声色からして驚いているというのがよくわかる。

 

「命さん・・・・・どうしてここに・・・・?」

 

「どうして?そんなの・・・・・・助けに来たに決まってるだろ?」

 

俺は小猫に近づき、頭を撫でる。その時、一緒に俺の生命力を注ぎ込み、小猫の弱っていたイノチを回復させた。

 

「あれ?体が・・・・」

 

「俺の生命力を注ぎ込んだ。ちゃんと回復出来てるようで良かった。」

 

「生命力を注ぎ込んだって命さん、何を言って・・・・?」

 

「話はあとな。ゆっくりと話をしている暇はないだろうし」

 

背後から殺気を感じ、俺は振り返る。その視線の先には怒りの表情を顕にしたコカビエルが居た。

 

「貴様・・・・・何者だ?」

 

「悪魔と契約している人間だよ。そして・・・・・これからあんたをタコ殴りにして倒す人間でもある」

 

「俺を倒す・・・・だと?クハハハハハハハ!随分と面白い冗談を言う!」

 

コカビエルは俺の発言を戯言だと思ったのだろう。バカバカしいとばかりに高笑いをあげた。

 

「先程の蹴り・・・中々の威力だった。それもただの蹴りではなかったようだしな。確かに腕に少々覚えがあるのだろう。だが、その程度で人間風情が俺を倒すなど不可能だ!貴様は俺には勝てない!」

 

「不可能か・・・・・だったら本当に不可能かどうか試させてもらう!」

 

俺はコカビエルに向かって駆け出した。そんな俺に対して、コカビエルは先程と同じように光の槍を作り出し、俺に向かって投擲してくる。そして槍は・・・・・俺の胸部を貫いた。

 

「命さんっ!?」

 

槍で俺の胸が貫かれたことで、小猫が声をあげる。

 

だが・・・・

 

(大丈夫だよ小猫。心配なんてしなくていい)

 

俺は胸に槍が突き刺さろうとも、勢いを損なうことなくコカビエルに接近する。

 

「何!?貴様、なぜ・・・・・ぐっ!?」

 

胸を突き刺されたというのに平然と動いている俺を見て動揺しているコカビエル。その隙に、俺はコカビエルの顔面を殴りつけた。

 

「悪いなコカビエル。この程度では俺は死なない・・・・死ねないんだよ」

 

俺は胸に突き刺さった槍を引き抜き、握り砕く。槍によってつけられた胸の傷は槍を引き抜くと同時に癒えていた。

 

「まさか・・・・治癒の神器(セイクリッド・ギア)か?」

 

「神器?なんだそれは?」

 

俺は聞きなれない単語に首をかしげる。

 

その神器というものがなんなのかはわからないが、俺の力はそんなものではない。俺の力は・・・・生まれ持った生命力と、『至黒』が受け継いできた仙術なのだから。

 

「ともかく、これで二発だ。まあどちらも不意打ちに近いものだったが・・・・それでも効くだろ?」

 

何しろ生命力の活性による身体能力の強化に加えて、仙術で気脈も乱しているんだ。見た目以上にダメージは大きいだろう。

 

「貴様・・・・・!!」

 

「まだこんなもんじゃねえぞ。もっともっと・・・・・貴様が倒れるまでぶん殴ってやる」

 

こいつは小猫の敵。小猫の敵は俺にとっては敵だ。だから・・・・・この手で倒して見せる。

 

 




何気に結界を解いて学園に侵入を果たした命さん

こういう解呪系も得意な部類だったりします

そしてコカビエルとの戦闘・・・・・果たしてどうなるのか?

それでは次回もまたお楽しみに!
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