暇だったからキルケー怪文書作った   作:茶鹿秀太

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呼吸を月曜日にさせない

聞いてくれメディア!

 

とんでもない……とんでもないことになってしまった!

 

(メディアの視線の先には、涙目のキルケーとなぜか凄まじく大きなタンコブをつけて倒れてるオデュッセウス、そしてなんとも言えない表情のマスターがいた)

 

 

くぅ、やってしまった……!

 

私だって大魔女兼、乙女だったんだ……。

 

マスターの見てる前で粗相はしたくなかった。

 

でもこうせざるを得なかったんだ!!!

 

マスター、私は悪くないよね!

 

その微妙に納得いってない表情はなんだい!!

 

そんな顔してたら次のイベントはきっと別の男になびきまくって君の嫉妬心を煽りつつ!!

 

「キルケー、君のマスターは誰だい?」

 

なんて君は甘いセリフを吐きつつ!!

 

顎クイ壁ドン肩ズン頭ポンでこツンでこピタ指トン耳つぶオレぬくのフルコースをした後!!!!

 

「バカ、寂しかったの」

 

って私が言って壁ギュする。

 

そんな未来を本気で生み出してやるからな!!

 

え、つくれるのかって?

 

いや、それは、照れるっていうか。

 

いや本気でやってもらいたい気持ちはあるんだけど、こう、やっぱり心の準備というか、分かれよこの繊細な大魔女ソウルをさ!

 

あ、そうそう。

 

逃げるなよメディア。

 

君にも手伝ってもらうからな。

 

まず事情を説明するとだねぇ。

 

今私の足元にいる男。

 

そう、オデュッセウスだ。

 

鉄のような男でね、脳みそも鉄のようなやつだったんだ。

 

こいつが突然カルデアに現れた挙句、マスターと仲良く談笑してるじゃないか。

 

召喚に応じるとかマジ?

 

私は荒ぶる感情を止められなかった。

 

それで思わず突撃してしまったんだよ。

 

でもふと思ったんだ。

 

あれ? マスターとオデュッセウスにサンドウィッチされたら最高に気持ちがハッピーになるんじゃないかなって?

 

いやいやこれは、うん、あれ? 想像以上に良いんじゃないかなって。

 

気分は刑部姫の本のヒロインだったよ。

 

というわけで私はこの神に愛された低身長を生かして、すっとマスターの胸元に入り込んだ。

 

あとはオデュッセウスを近づけさせるだけだと思った。

 

だから魔術を使って寄り添わせようとしたら、そしたらさぁ!!!

 

なんて言ったと思う?!

 

「誰?」って、誰って言ったんだ!!!

 

私のことを誰って言ったんだよぉおお!! 酷い、あんまりだ。

 

それで思わず魔力を入れ込みすぎて……。

 

壁に頭から激突してオデュッセウスが気絶したんだ。

 

冷静に考えたら私ってばたまに髪型変えたりするし、久々に会ったってのもあったと思う。

 

でも酷くないかい!? 私の純情を弄んだんだよこいつは!!

 

というわけでさ。

 

流石に久々にあった英雄に対する行動じゃないなって思ってね。

 

今あった出来事の記憶を消そうと思う(サイコパス)

 

ぐすん、私だってこんな再会嫌だった。

 

でも私は今マスターのサーヴァント、過去の恋心さらば、グッバイフォーエバー、辛い宿命、まさにFate。

 

でもそれとこれとは別としてそういうことじゃないじゃん。

 

とりあえず記憶を消しておこう。

 

んで改めてサンドウィッチだ。

 

私は諦めないからな。

 

じゃあ一緒に記憶を消す魔術をかけよう。

 

どっちかの精神が乱れると記憶に影響が出るから気をつけるんだよ。

 

時間としては5分もかからないし、楽勝楽勝。

 

じゃあいくぞー! それ!!

 

(オデュッセウスが光に包まれる)

 

……。

 

……。

 

そういえばオデュッセウスって私のことどう思ってたんだろう。

 

いや、別にラブ的な意味じゃなくてゴシップ誌を見る気分というか。

 

いや、まさかね。

 

まさかとは思うんだけど。

 

……部下を豚にしたことがきっかけで、豚のことしか思い出せてないんじゃないか?

 

それは困る。私は美しいんだから全身くまなく思い出してもらわないと。

 

もう2度と誰とは言わせないぞ。

 

よし、豚に関する記憶も一緒に消しておこう。

 

……。

 

……。

 

そういやオデュッセウスには最愛の妻がいたね。

 

いや、別にその人の記憶は消さないよ?

 

消さないけど……。

 

最近面白いと思った文化があってさ。

 

コラージュ、っていうのかな。

 

要は顔写真に写ってる顔の上に別の顔貼り付けるっていう……。

 

よし、サービスで夜の営みの映像は全て私の顔にしておこう。

 

え? やめておけって?

 

……。

 

なんで?

 

ご褒美じゃないか。

 

大魔女の夜の営み(コラ)だぞ。

 

なかなか見ようと思って見れるものじゃないんだぜ。

 

よし、記憶を塗り替えておこう。

 

……。

 

……。

 

トロイの木馬の顔はイアソンにしとこ(小声)

 

ぎゃっ!?!?

 

き、聞こえてたのかい!?

 

驚かせないでくれ!! 手元が狂っちゃったじゃないか!!!

 

あーあー、夜のキルケーコラが台無しじゃないか!!

 

えーと、なんだこれ!?

 

彼の最愛の妻ペーネロペーの顔が男の顔にすり替わってる!!

 

誰だこの人!?

 

……クズキ? え、誰?

 

オデュッセウスがさっきから「宗一郎様! 宗一郎様!」って言いながらヘヴン状態になってるぞ!?

 

ぎゃああああ!!!

 

メディア!! 何をするんだ!! 暴れるな!! ステイ、ステイ!!

 

あぁ!! トロイの木馬も悪質なコラみたいになってる!?

 

ライオン? なんでトロイの木馬がライオンに?

 

虎聖杯?

 

ひっ!? 女学生のコスプレをしてるメディアの軍勢が!!?

 

うわあああああああ!?!?

 

ダメだメディア!! 止まれ!! 止まるんだ!!

 

わかった!! わかったからこれ以上は!?

 

しまった、私が真剣に毎晩妄想してるマスターとの子どもがオデュッセウスの生んだ子どもの顔になってる!!?

 

やめろオデュッセウス!!

 

私とマスターの子を育てないで!!

 

想像妊娠の成果を奪うんじゃない!!

 

あぁ!? オデュッセウスが放つビームが全部キュケオーン放水機に!?

 

やばい、やばいぞ!?

 

これ以上は器の方がもたない!!

 

ていうか目覚めたらやばい!!

 

こうなったら仕方ない。

 

記憶を全部消去してどこかの特異点に放り込んでおこう!!

 

私が単独でこいつのレイシフトを行う! 

 

これはもうしょうがないことなんだ!!

 

生きてまた会おうオデュッセウス!!

 

記憶はなくても私と君の一年は最高だったぜ!!

 

あばよ間抜け面!!!

 

オラァ!!!

 

(どこかにレイシフトしたオデュッセウスを尻目に、キルケーは額の汗を拭った)

 

マスター、よかったらその、今から壁ドンして私のこと褒めてもいいんだよ?

 

えへへ。

 

引かないでぇ……。

 

メディア……。

 

行かないでぇ……。

 

ぐすん、私は1人だ。

 

でも大丈夫。きっと何処かに行ったオデュッセウスも一人ぼっちさ。

 

だから、希望を持って前に進もう!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

こうして、特異点に投げ込まれたオデュッセウスは人知れず死ぬ予定だった。

 

しかし、レイシフトは完全ではなく、不慮の事故でレイシフト中、黒塗りの高級車にぶつかってしまい、並行世界に飛ばされてしまったのだ。

 

 

 

 

 

「おい、溺れてるかもしれないからヘルメットを外すぞ」

 

イアソンがそう言った。

 

ヘルメットを外した男は、精悍な顔立ちをしていた。

 

「ん? んんん?」

 

大魔女が唸った。

 

「おい、あっちにも倒れてる人がいないかい?」

 

ゲオルギウスが奥にいた人間の側に寄った。

 

ヘルメットを被っていたので外してあげた。

 

「驚きましたね。この鎧、それに顔も瓜二つだ」

 

「うぅ、こ、ここは? お前たちはだれだ……?」

 

最初に見つけた男が目覚めた。

 

大魔女は動揺していた。

 

自分が知っている男が2人もいるからだ。

 

そして、次に目覚めた男は、通常ならあり得ないほどに。

 

鉄のような表情を和らげて、微笑んでこう言った。

 

「……おんぎゃー! おんぎゃー!!」

 

「え?」

 

大魔女は動揺した。

 

え、なんでこの男は脳みそが赤子になっているのかと。

 

馬鹿かと。

 

阿呆かと。

 

オデュッセウス、君は一体なぜ赤ちゃんになっているのかと。

 

春だからか? 春の陽気に当てられたのか?

 

もしや今日って4月1日か?

 

そんな思考を他所に、バブッセウス(バブちゃんオデュッセウス)は泣いた。

 

ミルクを求めていたのであった。

 

 

 

 

 

Fate/ Grand Order

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アイアイエーの春風

アナザールート「赤ちゃんと化したオデュッセウス」

 




謝罪

オデュッセウスごめん。
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