シャーマンのヒーローアカデミア   作:kanasi

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2話

「霊さん!聞いてますの?」

 

「はいはい、聞いてますよ」

 

屋上から教室へ向かう為に階段を下りながら百は霊に説教をしていた。

 

「はい!は、一回です!それに先生も困ってましたのよ霊さんだけ進路希望書いてないと」

 

「そういえば提出日、今日だっけ?忘れてた。わりー」

 

「わりーじゃありませんわ!授業だってサボるし私が勉強を教えて差し上げなかったら今頃赤点だらけですわ!」

 

「いや、ほんと百にはいつも助けられてます!俺はこんな可愛い幼馴染が居て幸せです!」

 

「かっ可愛いなんてそんな...ってお世辞を言っても許しませんわよ!」

 

「はっはっはまぁそんな怒りなさんなって百は何処の高校受けるんだ?」

 

「誰のせいで!もういいですわ。高校ですか?霊は雄英高校ではないのですか?」

 

「んにゃまだ決めてない!」

 

「はぁ~私は、雄英から推薦が来ていたので雄英に決めましたがてっきり霊も雄英を受験するのだとばかり」

 

「百あの雄英から推薦来てたのかすげーな!」

 

「それは努力とまぁ個性のおかげですわね。それより霊はどうするのですか?」

 

「百が雄英だし俺も雄英でいいかな」

 

「そんな簡単に決めて大丈夫ですの?」

 

百は、そんな簡単に決めてしまう霊を見てため息を出した。

 

「何とかなるさ、勘が導く心のままにってね」

 

「そんな言葉は、ありません!」

 

そんなこんなで話していると教室に着いた。

教室に入ると先生と目が合い

 

「大和さんサボりはダメですよ!」

 

と先生は注意をした。

 

「ほーい」

 

と霊は気の抜けた返事を返すだけだった。

 

「それで大和さんの進路希望は何処かな?」

 

「俺は、雄英受けます!」

 

と霊が宣言する。

 

「マジで!霊、雄英受けるの?八百万ならともかく霊じゃ無理じゃない?」

 

とクラスメートが言ってきたが

 

「うーん、まぁなんとかなるでしょ!」

 

とクラスメートや先生が心配になるほどの気の抜けた言葉が返ってきたが八百万だけは安心していた。

 

「霊さんなら大丈夫ですわ」

 

と小さい声でそう呟いていた。

 

中学からの帰り道、霊は最近あったヴィランが起こした殺害現場に来ていた。

 

そこには30歳位の男性がポツンと立っていた。

 

「おっちゃん!何か悩み事?」

 

「えっ!君には俺が見えるのかい?」

 

そうこのおっちゃんは最近起こった殺人の被害者の男性である。

 

「もちろん見えるよ。俺の個性はシャーマン、この世とあの世を繋げる存在だしね。

なんか悩み事があってまだこの世に残ってるんだろ?」

 

「ああ、俺は、ヴィランに殺された時思ったんだ。死ぬなら最後に娘や嫁に別れを告げてから逝きたかったと、こんなご時世だから危険が伴うのはしょうがないとヒーローをやっていて思ってはいたがいざ死ぬとなるとね」

 

「だったらその未練を解決すればいい!俺が力を貸してやる!おっちゃん名前は?」

 

「ヒーロー名はスカイハイだ。本名は大空翼だ。だが力を貸してくれるのは有難いがどうするんだ?」

 

「まぁそれはあんたの家に着いてからのお楽しみって事で!いざ出陣!」

 

と元気よく霊は言ったのはいいが数歩歩いて気付く

 

「あのさ、おっちゃん家どこ?」

 

どうにも閉まらない主人公なのである

 

歩いて10分スカイハイの家に着いた。

 

「それで少年これからどうするんだ?」

 

まずは家にいるかのチェック!

 

と言い霊はインターホンを鳴らした。

 

「はーい」

 

とまだ幼い女の子の声が聞こえてきた

 

「あの翼さんの知り合いなんだけどお母さんいる?」

 

「いるよ!ちょっと待っててーお母さーん!パパの知り合いさんが来たんだけど」

 

「今行くわ」

 

と声が聞こえた

 

「はーいどなた?」

 

「翼さんの知り合いのものなのですが」

 

「今いきますね」

 

と言い玄関が開いた

 

「あら、夫の知り合いにしては、お若い方ね」

 

と言われた

 

「あなたの夫から言伝を頼まれましてね」

 

「おい!そんな言葉は言ってないぞ!」

 

とスカイハイが言うが霊は聞かず

 

「まぁ直接、本人に聞いて下さい!」

 

と言うと

 

「ふざけないで!夫は死んだの!直接なんて聞けるわけないじゃない」

 

と泣いてしまった

 

「お前!人の嫁泣かして」

 

「まぁその為の俺ですから!スカイハイヒトダマモード、憑依合体!」

 

と今まで人型だったスカイハイが人魂になって霊の体内に入っていった。

 

『んじゃねぇ〜!ってあれ?なんで感触あるの?』

 

「その声、あなたなの?」

 

と泣き顔を見せながら奥さんが言ってきた

 

『俺の声が聞こえるのか?』

 

「ええ、その子からあなたの声と面影が見えるわ」

 

と言うと霊と合体しているスカイハイは驚いていた。

 

「ごめんな話し中、とりあえず俺の個性であんたを俺の肉体に結びつけた。だから話したかった事全部話な、俺は寝てるから」

 

『ありがとう少年』

 

と涙を流しながらスカイハイは言った。

 

そこから話しあい未練が無くなったのかスカイハイが輝きだした。

 

『もう成仏の時間だな、ありがとう少年!君は俺にとってヒーローだ!』

 

霊は、あぁこんなに笑って成仏できるのならこの人はもう安心だと思った

 

「私達からもありがとう私達にとってもあなたはヒーローよ最後に夫と話せたんだもの」

 

「お兄ちゃん、ありがとうね!」

 

と言い

 

「俺は当たり前の事をしたまでだよ。俺の個性はその為にあるのだから」

 

と言い霊は家へと帰る

 

 

 

 


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