禁書目録とD×Dは世界観が似ているようでかなり違いますよね。自分はどちらも好きです。
両方が今年アニメ化、ということで記念に書いてみます。
何番煎じかわかりませんが、面白く読んでいただいたら幸いです。
ここは駒王町。小中高一貫の巨大な学園や、立派なホテルが売りのなかなかに大きな町だ。
「……また財布落とした……不幸だ」
そんな町の十字路の真ん中、夕焼けの橙色に身体を染めながらため息を吐くのは、一人の少年。少しボリュームのある黒髪をワックスで尖らせたツンツン頭が特徴の高校一年生。
懸念だった期末考査を終え夏休みまでのカウントダウンが一ヶ月を切り、ハイテンションだった彼に水を刺すように、あるいは釘を刺すように、ちょっとした不幸が飛び込んでくるのはもはや日常的である。
少年の名は
家族構成は両親と彼の三人。しかし現在、父親は海外へと出張中で、母もそれについて行っている。彼の父の仕事は昔から何かと海外への出張が多く、母は小さい頃は上条と一緒に日本にいたが、上条が大きくなってからは彼に家を預け、父の仕事について行くようになった。
そんな不幸体質と家族の仕事以外は全く普通の男子高校生上条当麻は、交番によってから自宅に帰る。シャワーを浴びて軽い夕食を作って食べると、そのままソファーに横になって眠ってしまった--
--その夜。
ハァ、ハァと息を切らしながら、一人の少女が屋根から屋根へと家の上を移動しながら走って行く。
「どうせ逃げられないんだから、大人しくしてよねー」「怪我されるだけなら都合がいいが、死なれたらこっちも困るのだぞ」
その後ろを追う、二人の女の姿があった。ゴスロリの金髪ツインテール少女と、ボディスーツのようなピッチリとした服を着た藍色髪ポニーテールの女だ。駒王町ではこのような服装や髪色は特におかしなものでもないが、彼女らには他の者にはない物を持っていた。
烏のように真っ黒な翼。背中に生えた一対の羽が、忙しなく動いているのだ。追われる少女はその羽を視界に入れ情けない声をもらす。
そこで気が取られたのか。
少女は次の屋根を踏み損なった。
「え、きゃああああああ!?」
落ちまい落ちまいと必死に手足を動かす少女。しかしその身体は重力に従い落ちていき、
「グエッ!」
すぐにカエルの潰れたような声が聞こえた。それを聞いて羽を生やした二人は爆笑する。
「なんだそりゃ!なんて情けないんだよ聖女様!!」「言ってやるな、きっと疲れきっていたのだろう、ふふふ」
蔑むように嗤いながら二人はそちらに近づいていく。威圧するようにゆっくりと羽を進め、
「何をやっているの!?」「あらあら、烏達がこんなところでお遊戯会ですの?」「……消えてもらいます」
とそこに、新たに三人の女の子が現れた!
その少女達の背にくっついている、コウモリのような羽を見て烏羽の二人は顔を顰める。
「なっ……この領地を飛び回る蝿どもっすか!?」「三対二……不利だな。引くぞ!」
烏羽の二人は手から光の槍を出し、コウモリ羽の少女達に投げつける。少女達が避けた隙に、二人は全速力で逃げ出した。三人もすぐに態勢を立て直し、遅れて後を追う。
そして、夜が明けた--
--「……不幸だ。いや、自業自得か……」
がっくりと肩を落とすのは上条当麻。土曜日にも関わらず担任から『上条ちゃんバカだから補習でーす』とありがたいメッセージを受け取ったばかりだ。
部屋の窓を開け、外の空気を思い切り吸う。暖かい日差しを受けながら、この天気なら布団を干せると現実から逃避して、上条は早速行動に移す。
「外は良い天気なのに、お先は真っ暗……っと」
口から飛び出た言葉を噛み締め苦笑する上条は、布団を持ちベランダへ続くドアを足で開ける。
外の空気は少し湿気が多く、蒸し暑い。干し終わったらシャワーを浴びないとな、などと考えながら上条は視線を外にやる。
そして見た。
ベランダに干されている、金髪の少女を。
「あぅぅ〜、この地の、方です?もし良かったら、ご飯、ほしいです……」
たどたどしいながら頑張って日本語で喋る金髪翠眼の少女を見て、上条が口に出せるのはただ一つ。
「あ、あいきゃんとすぴーくいんぐりっしゅ!」
〜〜〜〜〜〜〜
少女と話していくうちに日本語が話せると気づいた上条は、少女の要求通り食事を与えることにした。
「えっと、なんかあるかな……お、あった」
冷蔵庫を漁ると、中から菓子パンを二つほど見つけた。上条はそれを抱え、再びベランダを訪れる。金髪の少女は布団と同じようにベランダに干されていたが、上条の手に持ったパンを見て、目をキラリと輝かせた。
指を絡ませ外国語でお祈りをし始めた彼女に、
「いいからさっさと食べてくれ……ってか、まずベランダから降りた方が良いんじゃねーかな」
と声をかけると、少女も今の自分の体勢を思い出したのか、
「あ、そうですね。では失礼して……」
そう言うと少女はベランダの手すりに手をかけ、そのまま身体を後ろに持っていく。
「……って、そっちは空ちゅ「あ、いやぁ!?」っ!?掴まれ!」
に階から落ちていく少女に手を伸ばす上条。右腕はしっかりと少女の手を掴み--
--重力に従って、上条も空中に投げ出された!
「あーもーそんな気はしてたんだよ!不幸だー!」
そう言いながら、少女を抱き寄せる上条。金髪の少女が胸の中で縮こまっているのを目視しつつ、しっかりと受け身を取る。
「グエッ!」
潰れたカエルのような声を上げたが、背中から落ちたために身体への負担は幾分か和らいだ。そもそも上条にとって二階からの落下など何十回も経験しているため、ダメージの少ない落ち方も知っているのだ。
「ぐう……」
ただ、今回は少女を抱えていたため、彼女の体重ぶん身体への負担が大きかった。いつもならノーダメージだったと自負できる完璧な落ち方ではあったのだが、背中を強かに打ったため呼吸ができないほど辛い。
息ができないまま背中を抑えて転がる上条。すると庇った少女が慌てて起き上がり、背中に手を当てた。焦っていて外国語で捲し立てているため上条は言葉を理解はできないが、摩ってくれていると思うだけでも痛みが和らいでいくように感じた。事実、背中の痛みも数秒ですっと引いていった。一応受け身が取れていたようだと、上条はホッと息を吐く。
「す、すみませんでした。ありがとーございました。」
「いやいや、上条さんは人として当然のことをしたまでですよ……っと、そうだ。パン持ってきたんだよな、パン。良かったら食べなよ……あ」
パンは上条の手を離れ、いつのまにか少女の可愛らしいお尻の下に潰されていた。
イッセー君の代わりに上条さんを出しましたが、イッセー君も出したいと思っています。
読んでいただき、ありがとうございますm(_ _)m
次回もよろしくお願いします!