ハイスクールI×B   作:兵太郎

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ファンタジアが何かゲームを作るみたいです。D×Dも参戦あるかなぁ……


宣戦布告

「貴様ぁ!」

魔法陣から出てきた男--ライザー・フェニックスは怒り心頭で、上条に向かって炎球を飛ばす。それに対して慌てて立ち上がった上条は、右手でその炎を弾く。

「なにっ!?」

一瞬で消し飛んだ炎に驚き、固まるライザー。それを見た上条は即座に動く!!

膝を地面に落とし、両掌を床につける。その手に向かって、頭を全力で叩きつける!!

「本当に申し訳ありませんでしたーっ!!」

上条の奥義、土下座である。頭を下げる素早さ、そして下げた後の一向に動こうとしない姿勢を見て、ライザーも共に出てきた女性も少しは冷静になったようだ。女性の方……リアスの義姉、グレイフィアがリアスに視線を戻す。

「お嬢様、この方は……お嬢様!?」

リアスは、この痴態に完全にショートしていた。顔が髪よりも真っ赤に染まり、自分の身体を隠すように両手で抱き、俯いて小さく震えている。『何でも一つ聞いてあげるわ』という言葉に疑問を覚えるようなその反応に、眷属達も慌てた。具体的には、小猫が制止を振り切って飛び出し、上条を蹴り飛ばした。

朱乃と御坂の身体から、バチバチと電気が漏れ出す。ただ一人、木場だけが皆を宥めていた。

「皆落ち着いて!トウマ君も悪気はない、わざとじゃないはずだ!小猫ちゃん、もう暴れないで!部長も落ち着いてください!」

混乱極めたオカルト研究部室。その喧騒が収まるのに、十分以上を費やした--

 

〜〜〜〜〜〜〜

 

--リアスが、紅茶を口につける。心を落ち着かせる効果があるというハーブの香りが鼻につき、リアスは顔を顰めた。

「やぁ、流石リアスの女王が淹れてくれたお茶は美味しいものだなぁ!!」

「痛み入りますわ」

ライザーが語気を強めに言う。朱乃もそれに乗っかるように礼を言うが、その笑顔が引きつっている。

 

部室には、重い空気が漂っていた。その原因、上条当麻は右頰を腫らしながら、リアスの右側に侍っている。その両脇を木場と美琴が固めており、小猫のみ反対側に隔離されている。リアスを守るためか上条を守るためか、張本人には計りかねた。

 

「……リアス。約束の件だ。今回は日取りを決めるためにここに来た」

その空気を切り裂くように口を開いたのは、ライザーだった。リアスの目に、光が戻る。

「以前も言ったはずよ……私はあなたと結婚しないわ」

「ああ、以前にも聞いた。だがリアス、君は良くても家の方はそうにもいかないだろ?君のところの御家事情は意外に切羽詰まってると思うんだが?」

「余計なお世話だわ……私が次期当主である以上、婿の相手くらい自分で決めるつもりよ!」

 

言葉に感情が乗る。それを見てライザーはニヤリと笑う。空気が戻ってきた、そう思ったようだ。

 

「キミの感情は大事だ。確かにそう思う。だがそれよりももっと大きな意味が、この結婚には込められている。純血であり、上級悪魔同士の結婚。転生悪魔が増えに増えた昨今、純血の子はだんだんと減りつつある。戦争の影響もあり、『七十二柱(ななじゅうふたはしら)』は半数も残っていない。この縁談には悪魔の未来がかかっているんだぜ」

七十二柱、というのはピンと来なかった上条だが、一つわかった事がある。ライザーも酔狂でこの縁談に向かっているわけではない、という事だ。それに対し、リアスもライザーと視線を合わせ、言う。

「私だって、家を潰そうとは思わないわ。婿養子だって迎え入れるつもりよ」

ライザーは笑みを広げた。その顔をキッと睨んで、リアスは続ける。

「でも、あなたとは結婚しないわ、ライザー。私は私が良いと思った者と結婚する。古い家柄の悪魔にだってそれくらいの権利はあるわ」

リアスの言葉に、ライザーは表情を曇らせた。それでも反撃とばかり口を開く。

 

「俺達の到着を忘れるほどに乳繰り合っていたそのガキと結婚するために、俺を振るのか?」

リアスの顔が再び赫らむ。それでも今度はショートせぬようにと、リアスは胸の下で腕を組み、宣言する。

 

「そ、そうよぉ!?私はか、彼とけけけ結婚すると決めてるのぉ!!彼はま、魔術師で、契約もしてる。将りゃ、来は眷属として、そしておっおっおっ、夫として迎え入れりゅつもりよぉ!!だかるぁ、あなたとは結婚しないわぁ!!ごめんなさいねぇ!」

リアスの大声は所々つっかえ、裏返った。もともと言う予定だったセリフがここまで変化するとは上条も眷属達も思わなかった。

 

「……俺は人間界があまり好きじゃない。この世界の炎と風は汚い。炎と風を司る悪魔としては、耐え難いんだよ……」

ライザーの周囲を炎が駆け巡る。火の粉が室内に舞っては消えていく。

「だから、俺はその無様な婚約者やキミの下僕を全て燃やし尽くしてでも、キミを冥界に連れ帰る!!」

ライザーの右手に、炎が宿った!!

 

リアスの眷属も全員、臨戦態勢を取る!リアス自身も、腕を解き手を前に構える!

 

パァン!と一発、乾いた音が室内に響く。手を思い切り叩いた音だった。

「お嬢様、ライザー様、落ち着いてください。これ以上やるのでしたら、私も黙って見ているわけにもいかなくなります」

二人を一瞥するのはグレイフィア。その目に押さえつけられたかのように、ライザーは炎を引っ込め、リアスも構えを解いた。グレイフィアはそれを見て業務的に続ける。

「こうなる事は、旦那様もサーゼクス様もフェニックス家の方々も重々承知でした。正直申し上げますと、話し合いで決まるとも思えなかったのです。これで決着がつかない場合のことを皆様方は予測し、最終手段を取り入れることにしました」

グレイフィアの目が再びリアスとライザーを映す。そして、その目が上条にも向いた。

「この結婚を遮るのは、お嬢様の意志でございます。ご自分の意志を押し通すのでしたら、ライザー様と『レーティングゲーム』で決着をつけるのはいかがでしょうか?」

 

レーティングゲーム?上条は聞きなれぬ言葉に疑問を浮かべる。横に立っている木場が小声で脳内の疑問に答えた。

(上級悪魔の方々が行う、眷属同士を戦わせて競い合うゲームのことだよ。普段は成人した悪魔しか参加できないんだけど……)

木場の目がグレイフィアに向く。いや、この部屋にいる全員が、グレイフィアに視線を集中させていた。

「皆様ご存知の通り、公式な『レーティングゲーム』は成熟した悪魔しか参加できません。しかし、非公式のゲームならば、半人前でも参加できます。この場合の多くが、このような問題の収拾のためとなっております」

「ようは力で認めさせてみろ、ということよね?……いいわよ、こんな好機はないわ。ゲームで決着をつけましょう、ライザー」

その言葉にライザーはニヤリと嗤う。

「俺はもちろん構わないさ。ただ、一つだけ条件がある」

「何かしら?こんな未成熟な私にハンデを付けろというのではないでしょう?」

リアスの挑発的な視線を、ライザーは真っ向から見返す。その視線が横に外れ、笑みが消えた。ライザーはその視線の先……上条当麻を指差して言った。

 

「この男!!リアスが婚約者と言ったこいつにも、レーティングゲームに出てもらう!!俺がこいつを燃やし尽くせば、言い訳も、逃げることもできない!その時こそ、リアスが俺のものとなる時だ!!」

 

上条当麻は最初、自分に向けられる指と言葉を理解できなかった。頭の中で反芻し、言葉を噛み砕く。脳が出した答えを確認した時に出たのは、動揺だった。

「待ちなさい!彼は私の眷属ではないわ!」

リアスの異を、しかしライザーは一蹴する。

「こいつは魔術師で、将来は眷属にする予定、だろ?キミの眷属となるならばレーティングゲームの舞台に上がる理由は十二分にある!そして男としても、婚約者たるこいつをぶっ飛ばす必要がある!レーティングゲームをやるという我儘を通すというのなら、俺はこいつを参戦させるという我儘を通させてもらう!グレイフィア様もそれで構いませんね!!」

 

グレイフィアは急に飛んできた言葉に考える仕草を見せた。

「……承知いたしました。此度のレーティングゲームのみ、上条当麻様のレーティングゲーム参戦を、特例的に許可いたします」

「ちょっと、グレイフィア……」

グレイフィアは目でリアスを黙殺する。その態度に何を思ったか、ライザーは付け加えた。

「リアス、ゲームは十日後でどうだ?今すぐやってもいいが、それでは面白くない」

「私にハンデをくれるというの?」

リアスの睨みを、ライザーは飄々と躱す。

「レーティングゲームは甘くない。流石にまだ眷属にもなっていない男がいきなり参戦して動けるとも思わないからな。それはそいつだけじゃなく、他の眷属達もそうだ。十日あればキミも眷属も少しはマシになってるハズだ」

 

ライザーの周りを再び炎が囲う。ライザーの足下に、魔法陣が展開されていた。

「そういうわけだ。十日後、レーティングゲームで会おう。その時こそ、お前を燃やし尽くしてやるぞ、上条当麻」

ライザーは最後に上条を睨むと、焔と共に姿を消した。部屋には少しの火の粉と、眷属だけが残った--

 




次回、特訓。

今回も読んでいただき、ありがとうございますm(_ _)m
これからもよろしくお願いします!
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