ハイスクールI×B   作:兵太郎

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禁書アニメ5話を見て思ったのは、19巻ほとんどカットだろうな、ということ。
ハマーvs麦のんとエイワス一方以外カットされそう……


特訓

「お、重い……」

上条はパンパンに詰まった登山用リュックサックを背負い、登山をしていた。

眷属になるならないは別として、体力や持久力等の戦う上での基礎力を身に付けなければ焼かれる、ということで上条はリアス達グレモリー眷属が行う山籠りの修行に誘われた。しばらくは補習もなくする事がなかった(夏休みの宿題をやろうという概念は持ち合わせていない)上条は、確かにその通りだと修行に参加していた。

そして今、上条は修行場である山頂のグレモリー家の別荘に向かっている。上条が持っている荷物は洋服や生活用品、携帯食料などなどが一週間分。それも一人分ではなく、

 

「とーまさん、頑張ってくださーい」

 

上で御坂に抱えられて空を飛んでいるアーシアの物も入っている。一人で留守番させるのは可哀想だと上条が無理を言って連れてきて貰っていた。今回は食事係として働くという。

「頑張って、トウマ君。あと少しだよ」

隣では木場が爽やかな笑顔で歩いていた。その背には上条の物以上に大きなリュックサックを背負っているが、彼は平気そうにペースを変えずに歩きつつ、時折止まって道端に生えている山菜を採っている。そんな事をしていてもいつのまにか上条に追いついており、木場がただの優男で無いことをひしひしと感じさせていた。

 

「何のんびりしてるの。早く行かないと日が暮れる」

そう行って横を通り過ぎるのは小猫だ。彼女は自分の身長と同じくらいのリュックサックを涼しい顔で背負っている。リアス曰く、小猫の駒である『戦車(ルーク)』の力の為らしい。『戦車』の駒はその悪魔のパワー、攻撃力や防御力を引き上げる力があるという。小猫はグレモリー眷属のたった一人の戦車なので、こういった場面で重宝されるらしい。

小猫の後をなんとか追っていくと、少し先に大きなラウンジが見えた。中に入り、荷物を置く。木造の床が少し軋んだ。

「各自着替えたら外に集合、修行開始よ!」

 

〜〜〜〜〜〜〜

 

上条は男同士、という事で木場と組むことに。身体を解すストレッチを行った後、まずは上条の特訓をすることになった。

 

「じゃあまずはこれだね」

そう言って木場は剣を創り出す。

木場は悪魔に転生する前は人間だった。その為神が人類に与えたとされる神器(セイクリッド・ギア)を持っている。その名も『魔剣創造(ソード・バース)』。魔剣を創り出す神器だ。創れる剣は比較的自由度が高く、火や氷などの魔力を付与する事もできる。

 

最初に木場が創り出したのは、何の変哲も無い鉄の剣。上条はそれに右手で触れる。

「消え……ない!神器で作ったものなのに、幻想殺しで消せないのか!?」

これまでの魔力とは違い、打ち消せないという事実に驚く上条。木場は剣を撫でながら観察する。

「……そうか。この剣はすでに完成していて、これ以上の変化はしない。これはただの鉄剣だ。幻想殺しは神器が創り出したものであっても、すでに完成しているものを壊す事はできないんじゃないかな」

今度は銅で出来た剣を創る木場。刀身に触っても、やはり何も起こらなかった。

そこで木場は剣を創り出していく途中、半分ほど仕上がったところで上条に触ってみて、と声をかけた。上条が創りかけの剣に触れると、それらは粉々になって消えていった。

「……未完成のものならば壊せるようだね。じゃあ次はこういう趣向にしてみよう」

次に木場が創り出したのは炎の剣。橙の炎が外の風に煽られて揺らめいている。

炎の大きさを見て触るのを躊躇する上条だったが、どうにか意を決して右手を炎の中に突っ込む。炎は右手に当たった側から消えていき、刀身に触れると炎全てが消失した。

付与(エンチャント)されている魔力は破壊できるけれど、剣自体は破壊できない……ってところかな?じゃあ最後」

三つ目に創り出したのは、刀身が全て炎でできた剣。これは上条が右手で触ると、一瞬で鞘と柄だけになった。

「なるほどね。当麻君の幻想殺しは魔力には絶大な力を誇るし、付与(エンチャント)を破る事もできるけど、ただの刀剣には無力なんだ。でも、今回の相手は武器使いが多いから、ちょっと対武器の練習をしてみようか」

言いながら木場が創り出したのは、木刀だった。黒光りするそれを上条が触ると、掌に硬い感触が残った。

「今から周囲を回りながら突いていくから、できるだけ避けてみてね」

言うと木場はニコニコ笑いながら、上条の周りをゆっくりと歩く。半周ほどしたところで向かってきた突きを、上条は身体をくの字に曲げて避けた。すると木場は足を速める。先程より幾分か早い突きが、今度は腹目掛けてやってくる。上条は咄嗟に右手を出す。木刀は指に少し触れ、動きを止めた。というより、木場が寸止めしたようだった。

「これが剣だったら、今頃は手ごとお腹を刺されてるよ?」

見つめてくる視線に息を飲む上条。一瞬の緊張の後、木場は更に高速で移動を始めた。今度は歩きではなく、完全に走っている。

「咄嗟に手が出るのは魔力相手なら正解だ。でも、今回の特訓は対武器。避けるか逸らすか、どうにかして攻撃そのものに触れないようにするんだ。やぁっ!」

今度の突きは背中から!対して上条は少し遅れて振り返りながらも、左手を使って刀身を叩く!刀身は左に逸れ、服を少し掠めた。

「……これなら刃には触れてないって事で、オーケーじゃないですか?」

しまった、という顔をしながら言う上条と木刀を交互に見て、木場は考える仕草をする。

「死角から迫ってくる武器の対処としては、間違っていないのかもしれないね。なんせ、後ろからの攻撃を避けたとしても、振り向く間に次の攻撃が来てしまうし」

「じゃあ今のは……」

「この木刀を見てみて?」

木場が止めたままにしている木刀、それを見る。

上条が叩いた場所、それは刀身は刀身でも、本来の刀ならば刃がついている刃紋の方だった。

「当たり前といえばそうだけど、武器を相手取る時は殴り合いよりもダメージも身体への被害も大きい。だから武器を相手取る時にはそれに触れない、触れさせない事がまず重要なんだよ」

「触れない……か。触れないと魔法を消せない幻想殺しの戦い方とは真逆になりそうだ」

「そうだね。まだ時間はある、ゆっくり考えてみるといいよ。さぁ、修行を続けよう。だんだんと突きを増やしていくからね!」

「お、お手柔らかに……」

その後、特訓は日が落ちるまで続いた。




次回、調理。

今回も読んでいただき、ありがとうございますm(_ _)m
これからもよろしくお願いします!
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