3期に対する涙の意味を変えて欲しいモノです。
二日目、早朝に起きた上条は服を着替えて外に出る。朝イチに行うトレー二ングは山を降り、そして再び登山して別荘に戻るというもの。早速足早に下山するグレモリー眷属達の背を上条は追いかける。山はそれなりに高いが道がきちんと整備されている。そのため比較的楽に登り降りすることができた。四十分ほどで別荘に帰ってきた上条は山頂の空気を吸いながら、気を引き締める。まだこれはウォーミングアップ、本番はこれからだ。
シャワーを浴びたあと軽い朝食を取ると、また外に出た。小猫が指で方向を指示して走っていったのを見て、上条もそれに続く。山を少し降りるとそこには木や草が生えていない、土の広場があった。
「ここなら叩きつけられてもそんなに痛くない。さぁ、始めましょう」
小猫は手に指ぬきグローブを着け、構える。大きな目が上条を捉えて離さない。上条も小猫を真似て構えてみるが、どうにも形になっていない。
まずは小猫が足首をバネに跳んで一気に距離を詰める。その勢いのまま大振りのラリアットを撃つ!
「うわっと!」
上条はそれをしゃがんで避ける。小猫が空振ったのを見ながら、後ろに跳んで距離を取った。
これに小猫が不服そうな顔をする。次も小猫が突撃して、上条の顎目掛けて足を大きく上げた!上条は進路に入らないように、横っ跳びで避ける。すぐに体勢を整えると、小猫の方を向いて不恰好な構えを取り直す。
そんな上条に、小猫は
「今の私は隙だらけだった。何で攻撃をしてこないの?」
言われて上条はそれにハッ、としたような顔になる。今日の訓練は避ける事がメインではない。
「よ、避ける事に専念してたら、反撃を忘れてた」
「嘘。あなたには後ろに下がるという追加のワンアクションを起こした。それにあなたの視線は避けた後も私を追っていた。十分に反撃できる余地があった」
上条は指摘されて言葉を詰まらせる。
「何もしてない女の子を殴るってのは、流石に気が引けちゃって……野郎との喧嘩なら上条さんも慣れっこなんですが……」
言葉を聞いて小猫は息を吐く。予想通りの言葉が帰ってきた、そんな想いが表情に出ていた。
「あなたが今から戦おうとする相手……ライザー・フェニックス。彼は特に悪い事をしてるわけじゃない。私達にとっては迷惑な話だけど、冥界の事を考えればリアス部長が結婚した方がありがたいと思われている。実際、結婚の約束をしたのはグレモリー家とフェニックス家の家長で、それに反対してるのも公では部長だけ……
フェニックス眷属には女の子も多い……というより女性しかいない。彼女達も特に何も悪いことはしていない。あなたは今の考えで、どうやって彼女らと戦おうとしているの?」
上条は言葉が出ない。その目の前で、小猫は再び構える。
「私はこう思うようにしてる。
私に、私達に飛んでくる火の粉は全力で払う!」
大きく力を溜めて、豪快に回し蹴り!上条は上体を大きく曲げてなんとか避けた。
「私は今から、あなたを殴る。ボコボコにする。この厄介ごとを解決するには、あなたが私を倒す他ない。
……私はあなた如きに振り払われるほど弱い火であるつもりはないけれど」
「……わかったよ」
短く言い、上条はなんちゃっての構えをやめると拳を開く。地面に手を付き、膝も落とした。
次の瞬間、土の塊が小猫に向かって飛んできた!小猫は右手でそれを叩き落とす……が、思いのほか柔らかかった土塊は多くは小猫のグローブに付いていた。小猫の顔が嫌そうに歪む。
「だーっはっはっは!どうだ、俺の必殺泥団子攻撃は!食らってもダメージ、叩いてもダメージという上条さんが考えた嫌らしいコンボ技を見よ!」
言葉と同時に上条は地面から土を取ると、小猫に向かって連続で土を投げていく!
それを見て小猫はため息を一つ吐き出すと、背中に翼を広げて空に飛び立ち、
「!?そうか、空を飛べぇ!?」
反応が遅れた上条に対し急転直下のドロップキックをお見舞いした。
「仙術を練った一撃、これであなたは立ち上がれない。……ちょっと大人気なかったかも。ひとまず、お昼までは休憩--」
「まだだっ……」
「っ!?」
上条は、立ち上がる。
「続けようぜ、時間もそんなにあるわけじゃない」
「……そういうセリフは一発でも当ててから言ってほしいけど」
それだけ言うと、小猫は再び構えた。
次回、激突!
今回も読んでいただき、ありがとうございますm(_ _)m
これからもよろしくお願いします!