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修行漬けの一週間は流れるように過ぎていき、早くもレーティングゲーム当日となった。前日に帰宅し、身体を休めるようにとの言いつけ通りに早めに睡眠を取った上条は、当日も朝早くに目を覚ます。どうやら約一週間の合宿で早起きが身体に染み付いたようだ。設定しておいた多くの目覚ましが全て鳴らなかったせいで寝坊して遅刻する不幸とはおさらばできそうだな、と上条は笑う。
早起きしたはいいが、どうにも気持ち悪さを覚える上条は服を着替えると外に出た。町内一周を目標として走り出す。
ぐるりと町内を一周してなお余裕のある上条は外れの方まで走り出す。目的地は寂れた教会、初めて人外と戦った場所。勢いを落とさず一直線に向かうと、教会にすぐにたどり着いた。教会のてっぺんにある十字架が逆さだと気づいたが、見ないことにして帰宅しようとすると、教会の中に人影が見える。手を振ると向こうも気がついたようで、扉が音を立てて開く。中から髪がボサボサになった女が一人、気怠げに出てきた。
「何よ、こっちは今から寝るとこなのよ……」
「そうだったのか?顔が見えたからつい……悪い、レイナーレ」
堕天使事件で戦ったレイナーレ達四人は、お偉いさん方の話し合いがあった結果、この外れの教会で十字教の人間が監視しておく、と言うことになったようだ。
修道服のスカートをスリットのように破き、左脚を大きく露出させている彼女は怠そうに髪をかきあげる。
「でも、忙しそうで何よりじゃないか」
「何?この仕事山積み状態への皮肉?」
睨まれた上条は話題を変える。
「ちょっといろいろあって、上条さんはレーティングゲームってのに参加する事になったんですが……悪魔と戦うコツなんてないか?」
「光攻撃」
無愛想な言葉を受け止めて懐中電灯を持っていくことを検討する上条に、はぁ、とため息を吐いてレイナーレはアドバイスする。
「洗礼されたもの。神聖な力は悪魔に効果が強いわ」
「へぇ!洗礼……レイナーレはできるのか?」
レイナーレは教会の頂上を指差す。
「十字教徒にでもやってもらうことね。アーシアにもできるんじゃない?」
「そうなのか!じゃあアーシアに頼んでみるよ!ありがと!」
礼を言い、上条は丘を降りる。
「死なないでよ。寝覚めが悪いからね」
背にかかる声に、上条は手を振って応えた。
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「お帰りなさい。ご飯にしますか?それともシャワーをお浴びしますか?」
家に帰ると、アーシアが朝食を作って待っていた。水のシャワーで汗を流すと、テーブルに着く。
「いよいよ今日……ですね」
「そうだな……年上のお姉さんからの頼まれごとだ、頑張って戦うよ」
アーシアは心配そうな顔をして、上条の目を覗き込む。上条はその目を見つめ返し、視界がしばらくの間、交錯した。やがてアーシアは少し表情を緩めると、自身の鞄を取って中から二つのものを出す。十字架のネックレスと、水の入った小瓶だ。
「十字架と、聖水です。お守りとして持っていてください」
「……!ちょうどお願いしようと思ってたんだ!ありがとう、アーシア!」
「正直心配です……悪魔の戦いに人間のとーまさんが参加するのは、やめてほしいと思ってます。でも、とーまさんならきっと帰ってきてくれるって、私信じてますから……ちゃんと帰ってきてくださいね。怪我は、治してあげますから」
「絶対に、帰ってくるよ」
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『開始のお時間となりました。このゲームの制限時間は人間時間の夜明けまで。それでは、ゲームスタートです』
昼には駒王学園に入れてもらい、別館にて待機していたグレモリー眷属は、それぞれが違った反応を見せる。
「皆さん、気をつけて行きましょう。絶対に勝って、部長の自由を!」
「やってやります」
「皆ぶっ飛ばして、すぐに終わらせてみせるわよ!」
「生きて帰れるように、頑張ります!」
「皆、ありがとう。
私の可愛い僕達、さぁ、堂々と戦いに出向きましょう!」
次回、レーティングゲーム試合開始!
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