ハイスクールI×B   作:兵太郎

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フリードさんを最初見たとき某レベル5に見えました。

今でも見えます。


教会

翌日、上条当麻とアーシアは駒王町の端っこにポツンと建った古い教会を訪れていた。

「ここに教会の人なんているのか?見たことないけど」

中学生になり引っ越してきて駒王(くおう)町を探索した上条だったが、その時からこの教会も寂れている。人がいるところなんて上条のクラスメイトに聞いても誰も見たことがないだろう。

その旨をアーシアに話すが、構わず彼女は分厚い木の扉を叩いた。数秒経って、戸が開く。本当に中に人がいたと上条は驚いた。

中から出てきたのは、黒い修道服に身を包んだ整った顔立ちの銀髪の青年。恐らく同じくらいの歳だと上条は推測する。その男は柔らかく微笑むと、口を開いた。

「君がアーシア・アルジェントさんだね?僕ち……僕はこの地で教会を守護している戦士、フリード・セルゼンです。長旅ご苦労だったね、中に入って休むといい」

 

言ってアーシアを教会の中に入れながら、フリード神父は懐から銀色の筒のようなものを取り出した。懐中電灯かなにかだろうかと上条は見た目で判断する。しかし一体この昼間になぜ?その疑問はすぐに霧消した。

 

その筒から光が飛び出す。光は一瞬で形が固定されて、有名なSF映画の光る剣のようになった。所々ブレながらも光の塊は上条の方へと振り下ろされ。

 

上条の掲げた右手に当たって、粉々に粉砕された。

 

「あ?」

光の剣の持ち主、フリード・セルゼンは疑問の声を上げる。確実に取ったと思った男の首がまだ胴と繋がっていることにでもあり、その男によって光が分散されたことにでもあった。

そして、疑問なのは上条も同様だった。

「……一体何をなさるのでせうか?というか今のは何?」

 

何か隠し球があったらしいと、フリードは大きく舌打ちする。何が起きたか把握できていないアーシアを無視して、フリードは上を見上げた。

「……ドーナシーク!!」

フリード神父が天に向かって大きな声を上げる。すると、教会の上から一人の男が現れた!

 

帽子とトレンチングコートに身を包んだ髭面の男。その男の背中には、大きくて黒い鴉のような一対の羽がついていた。上条は昨日の話から彼の、いや、これの正体に気がつく。

「堕天使……!?」

「む?この羽根から気づいたな?……さてはハエどもか、教会の関係者か?面倒だな。だからあの二人には独断先行をやめろと言っていたのだがな」

堕天使は手のひらから光を生み出すと、槍状に変形させた。こちらに向かって先端を構える。上条もそれを見て身構えたが、後ろでフリードが奇声をあげた。

「も〜しもしおぼっちゃん?上条さん家の当麻クン?そっちの注意をするのもいいけど、お友達のアーシアちゃんを忘れちゃいけませんなぁ!この薄情者!人でなし!まさに悪魔!」

「アーシア!」

 

振り向くと、フリードに銃口を突きつけられたアーシアが、泣きそうな顔でこちらを覗いていた。

「てめぇ……!」

「あっらー?怒った?オコなの?アーシアちゃん人質に取られて怒ってる?でもそれもこれもお前さんが目ぇ離してるのが悪いのよ?むしろ、背中から銃撃ちまくっても良かったのにこうしてアーシアちゃんと末期の話をさせてあげる僕ちゃんの優しさを称えてちょ!」

パンパン!とフリードは上空に向けて二回、発砲する。小さな光の銃弾が高速で飛んでいくのがわずかに一瞬見えた。先程の光の剣と同じように、光の銃弾を扱えるらしい。

「改めて、俺の名前はフリード・セルゼン!とある悪魔祓い(エクソシスト)組織に所属している末端でございます。そっちの髭面はドーナシーク。今の俺の上司様で、君の介錯人でござんす」

 

見ると、ドーナシークというらしい堕天使は、ジワジワと近づいてきている。一気に来ないのは、さっき起こった光が消えた現象に警戒してだろうか?

上条自身も先程の光剣が消えたトリックは理解できていないが、そんなことは今はどうだっていい。今上条がやらなければいけないのは二つ。アーシアを助け、悪魔祓いと堕天使を撒く!

「上条さん、逃げてください!私は大丈夫ですから!早く!」

「動いちゃやーよ、上条ちゃん♪動いた瞬間この子の頭もパーン!なんてことになっちゃうZE!」

 

(八方塞がりだ。このまま動かなければ俺は死ぬ!さっき光が消えた理由はわからないが、また消える保証はない!だけど俺が逃げたら、アーシアが……)

 

ドーナシークが槍の範囲までたどり着いた。もう逃れる事は出来ない。上条は目を瞑り……

 

 

「ごっ……がぁぁぁぁぁあああああ!!?」

 

声を上げたのは、上条ではない。ドーナシークが上条のさらに後ろを凝視する。

 

フリード・セルゼンの両手に、黒い何かが巻きついていた。フリードの物ではないし、アーシアが出した魔力でもない。攻撃の魔力が使えないのは、すでに調査済みだ。

(ならばこの少年か?……!?)

 

手の触感がフッ、と消えた。

 

「お前らが堕天使でも悪魔祓いでもなんでもいい。お前達が何をしたいかなんて知ったこっちゃない。

アーシアは誰にでも優しく出来るような子だ。すぐに皆と仲良くなれる子だ。そんなアーシアがこんな何もわからない日本に来させて、一晩中追いかけ回されて、そして今銃を付けつけられてる。そんなのが許されていいのか?いい訳ない!だから俺はお前をぶん殴って、フリードをぶん殴って、アーシアを連れて帰る!」

 

大きく振りかぶった渾身の拳が、ドーナシークの顔に飛ぶ。頰を殴り抜けられたドーナシークは後ろに飛び、二、三度バウンドしてダウンした。

 

「クソったれ野郎がぁああ!!」

フリードが何かに巻かれた腕を無理やり動かし、光弾を上条に向けて連射した!

上条は右手を出してそれらを全て消し飛ばすと、フリードの懐に入る。

「ちょ待っ」

よく動く下顎に向かって、全力でアッパーを喰らわせた!

 

フリードがどうなるかも見ずに、上条はアーシアを脇に抱えると教会の敷地を飛び出す。昼間だから追って来ないだろうと、必死に街中へ向かって走る。

(あっちは恐らく俺の家を把握してる!ここは誰か他の奴のところに逃げなきゃ!)

 

 

 

〜〜〜〜〜〜〜

 

 

走っていく上条。その背中を、教会の更に奥にある林の木の上から眺めている者がいた。

 

「二人とも無事、か。一先ずは安心だな。彼女から今日ここに来ると聞いていてよかった。

 

さて、そろそろ上やんが電話かけてくる頃かにゃー?」

 

 

 

 

 

 




次回、友達の家に突入!


今回も読んでいただき、ありがとうございますm(_ _)m
これからもよろしくお願いします!
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