ハイスクールI×B   作:兵太郎

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D×D世界は勢力がいっぱいありますね。禁書は魔術と科学の2種類なので、その分覚えるのが楽です。その二つの中にさらにいろいろありますが。


戦士

 

上条家と同じ通りにある階層の高いアパート。そこに上条は突入した。エレベーターが来ると中で四階のボタンを連打する。堕天使は追ってこなかったようで、影も形も見えない。途中で携帯を落として粉砕する不幸はあったものの、どうにかここまでたどり着けたと安堵する上条の腕を、アーシアがタップする。気絶していたアーシアは上条が抱えて走っている途中で意識が戻ったのだが、彼女に走らせたらスピードダウンになると判断した上条によって抱えられたままだったのだ。

「あ!?悪いアーシア!すぐ下ろすから!」

屈んでアーシアの足を地面につけ、手を離す。アーシアは上半身を立たせようとするが、そこでエレベーターが四階に到着した。エレベーターが止まり、その反動で揺れる。

「きゃあっ!?」「アーシぶぁ!?」

まだ完全に立っていなかったアーシアはバランスを崩し、上条を巻き込んで転倒する。それとともに出口のドアがゆっくりと開いた。

 

「……何してるんだー?上条当麻。エレベーターだって家の一部だってこと自覚してほしいんだけどなー」

ドアの先にいるのは、メイド服(萌え的な物ではなく本格的な地味なもの)を身体に纏った少女だ。土御門の義妹、土御門舞夏(まいか)である。

上条の上で赤くなっているアーシアを引っ張り起こし、舞夏は来た道を戻る。アーシアは早足でついて行き、上条は後ろを警戒しながらその後に続いた。

 

土御門家の部屋にお邪魔すると、玄関にある大きな亀のぬいぐるみが出迎えた。昼食に味噌汁を作っている途中だったのか、家庭的な匂いが部屋に充満していた。

「兄貴がもうすぐ帰ってくるから、それまで昼食を摘んでるといいぞー。どうせ上条当麻のことだから、昼は食べてないかカップ麺生活だろー?」

実際先週は昼食代わりに水を胃に入れていた上条は何も言い返すことができない。ここはありがたく好意に甘える事にした。

味噌汁の他に卵焼きと生姜焼きに漬物がついた、定食のようなご飯が上条達の前に出される。どれも湯気が立っており、見た目だけでも食欲を湧き立たせる。生姜焼きの豚肉を口の中に入れると、野菜炒めにはない弾力とともに、自家製タレと生姜の和風なハーモニーが口の中に広がる。家政婦の職業学校に通っている土御門舞夏の料理は絶品だ。隣に座っているアーシアも、ふわふわの卵焼きを絶賛する。

二人が昼食を完食したタイミングで、玄関のドアが再び開いた。外から金髪グラサンがニヤニヤした顔で現れた。

「おいっす上やん、また厄介ごとにっておぉい!?舞夏の昼食を勝手に俺より先に食べるんじゃねぇ!」

「出されたら冷める前に食べるのがマナーってもんだろ」

帰ってきた言葉に言い返せない土御門はキッチンで味噌汁を温めなおしている義妹に白米を大盛でと注文すると、座布団を床に敷いてドカッと座った。少しして食事が持って来られると、卵焼きを一口で食べ終えた。

「それで、急にウチに来たのはどういう案件なんだ?しかも今日は泊めて欲しいって、自給自足がモットーの上やんにしては珍しいにゃー」

「えっと、今日の食料がなくなっちゃって。昨日アーシアのために奮発して作りすぎちゃったから……」

「おいおい上やん、親友に対して嘘をつくのはどうかと思うぜぃ?」

土御門はクツクツと笑う。顔に出ていたか、と上条は頰を撫でるのを見て、土御門は更に一言を付け加えた。

 

 

「堕天使に追われてるんだってな。今朝襲われたって?」

 

 

上条の血の気が引いた。

「お前、それをどこから……!?」

横目でアーシアを見ると、彼女はさほど動揺していない。となるとアーシアは、土御門が堕天使を知っていることを知っていたのか?上条は考えた末にある結論が思い浮かぶ。

「教会の戦士……」

「ご名答だ、上やん」

土御門は胸元に手を入れると、ネックレスを取り出す。ネックレスの先についているのは、十字架。十字教のシンボルだ。

「この町は結構なパワースポットでな。教会も……十字教もここにノータッチって訳にはいかないんで、信用の厚い俺を派遣したんだにゃー」

土御門のサングラスがキラリと光って見えた。

「信用厚い……って本当か?どこから見ても胡散臭いんだが」

「酷いこと言ってくれるにゃー。ま、信用厚いってのは嘘だけど」

「親友に嘘を云々は何だったんだよ!?」

「知ってるか、上やん?俺って実は、天邪鬼(嘘つき)なんだぜい?」

土御門のドヤ顔に一発入れようと殴りつけるが、その拳は戦士の掌に遮られた。

「今回アーシアがイギリスから持ってきた仕事はこの町の教会の視察、及び清掃だ。今あそこは悪い堕天使とその傘下に支配されていて、面倒な状況になってる。俺はまだ見てても良かったんだが、とっとと追い出せって催促されてるようだからにゃー。今晩にでもあいつらをぶっ倒しに行って来るぜい」

「だ、大丈夫なのかよ土御門!?奴らは光を剣や銃や槍にして攻撃してくるんだ!理屈はよくわからないけど、危険だぞ!」

上条の心配を、土御門は笑う。

「教会の戦士ってのは堕天使や吸血鬼なんかの異生物を敵として戦ってるんだぜい?そこらの対策はちゃんと行ってる、心配すんな」

土御門はそういうと、味噌汁を啜った。

「……もう冷めてるか」

 

 

〜〜〜〜〜〜〜

 

「もしもし、俺だ」

昼食後、菓子でも買って来ると言って土御門は外に出た。持っている携帯から電話帳を開き、目当ての番号を探して電話をかける。相手はすぐに反応した。

「今日には例の教会を攻める。手伝ってくれるとありがたいんだが……本来ならそっちの管轄のところを、俺達が掃除してやるんだぞ、援軍の一人や二人、寄越したらどうだ。

 

……ああ、それで十分だ。感謝する。じゃあ夜にな、魔王の妹さん」

土御門はニヤリと笑うと、電源を切った。

 

 

 

 




次回、VS堕天使!

今回も読んでいただき、ありがとうございますm(_ _)m
これからもよろしくお願いします!

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