ハイスクールI×B   作:兵太郎

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原作の上条さんの『幻想殺し』って名前は誰がつけたんでしょうね?学園都市かな?


奇襲

夜、土御門が約束した場所に着くと、一組の男女がそこにいた。男の方は金髪の優男で、木に寄りかかって西洋風の剣を磨いている絵が様になっている。白髪の小さな女の方は、真新しい切株の上で座禅を組んでいた。

「よお、ご両人。調子はどうだ?」

土御門が声をかけると、二人とも彼の方を向く。男の方が土御門に応じた。

「やぁ、ツッチー君。こっちは万全の準備をして来たところだよ。君にも一つ、剣を渡しておくよ」

そういって男は土御門の足元に剣を投げる。土御門はそれを拾うと、付いた砂を払った。漆黒に染まった刃が薄っすら揺らめくように見えた。

「『光喰剣(ホーリー・イレイザー)』か。また器用に造ったものだな、木場」

「少し時間をかけたからね。量も増やしたし」

男……木場が微笑むと、土御門も笑った。

彼、木場(きば)祐斗(ゆうと)。そしてもう一人の彼女、塔城(とうじょう)小猫(こねこ)。彼らはこの街を支配する悪魔、グレモリーの眷属たる悪魔なのである。

この街、駒王町は実は代々悪魔であるグレモリー家が裏で支配している。支配、といっても金や物品を徴収したりはせず、むしろ他の悪魔や堕天使などから駒王町を守る、自警団のような扱いだ。そのグレモリー家の長女であり、この町で暮らしている悪魔リアス・グレモリーの眷属の代表として、今回二人が派遣されたのだ。

 

「いやー、しかし気心知れた木場きゅん先輩で良かったにゃー。これがお堅い部長様やねーちん達や小猫ちゃんだけだったら、作戦会議だけで朝になってるところだぜぃ」

「……私はここにいるんだけど。目の前で侮辱されて良い気はしない」

小猫が目を開き、立ち上がる。その手はがっちりと握られていた。

「にゃー!?集中してて聞こえないと思ってたのに!まぁまぁこんな時こそリラックスしてほしいにゃー!」

「そのニャーニャー言うのも不快です。私を馬鹿にしてるの……?」

小猫は土御門の方に突撃する。土御門が余裕を持って横に避けると、小猫はそのまま土御門の背後の茂みに突っ込んだ。茂みの中から軽い悲鳴が上がる。十数秒ほど経って小猫が次に立ち上がった時、その片手が一人の男子の襟首をつかんでいた。我らが主人公、上条当麻である。

「……どこから気づいていたんでせうか?」

「「「最初から」」」

上条は観念して両手を上げた。

 

「彼は誰だい?」

木場が土御門に尋ねる。

上条当麻(かみじょう とうま)。俺の親友の一人にして、アーシア・アルジェントの保護者ですたい。こっちの事情もいろいろと知ってるにゃー。というかアーシアが全部喋った」

「か、上条当麻です。以後よろしく」

会釈する上条を小猫は地面に放り投げると、顔を近づけて説教を始めた。

「何やってるの?私達は遊びに行くわけじゃない。いつもあなたとやってる喧嘩とは訳が違う」

「そんなことわかってる!俺だって何の対策もせずにここに来た訳じゃないんだ!っていうかいつもの喧嘩ってお前がただ追いかけて来てるだけだろ!」

ヒートアップしてきた二人を木場が静止する。

「落ち着いて二人とも。彼は彼なりに何か堕天使への対策を取っているはずだ。そうだろう?」

「そういえば、悪魔祓い(エクソシスト)の光の剣や堕天使の光の槍を消したって報告を受けたにゃー。それと関係があるのか?」

 

お膳立てを受けた上条は、右手を前に掲げる。

「俺の右手……右手首から上は、堕天使の光の攻撃を無効にする。フリードの攻撃も、堕天使の攻撃も、俺は右手で打ち消した。神器もそうだ。右手首より上だけ、アーシアの『聖母の微笑み(トワイライト・ヒーリング)』の効果を弾いた。多分他の神器でも打ち消せる」

「光の攻撃……つまり魔力や、神器の攻撃を無効化したのか。そういう神器は聞いたことがない」

「俺の魔法も消されちまいそうだにゃー。上やんの右手は能力殺しであり能力者殺しだぜぃ。神器と仮定して名付けるとしたら、異能殺し(アブノーマルキラー)……いや、魔力や神器なんて一般人から見たら幻想的な物を殺す、さしずめ『幻想殺し(イマジンブレイカー)』ってところかにゃー?」

 

「『幻想殺し(イマジンブレイカー)』……」

どこか懐かしいような響きで、妙にしっくりくるように思えた。上条は右手を見つめ、握り開きを繰り返す。

 

「なるほど、それは戦力になりそうだ。知識もあるし、彼にも手伝ってもらおうか、小猫ちゃん」

「反対です。実戦経験がなさすぎます。堕天使から逃げだせたのもたまたまでしょうし、今日ついて行っても逃げ続けるか殺されるかです」

「実戦経験なんて最初は誰も持ってないもんだ。それをここで得られるのはむしろ好都合ってもんだ。こっちが仕掛けること、光を無力化出来ること、いざとなれば応援を呼べること。これらを加味すると今日の仕事はイージーモードだし、どうせなら上やんの経験値稼ぎにするのが一番いい」

二人に言いくるめられて、小猫は黙る。それを見て上条は、改めて拳を強く握った。

 

 

〜〜〜〜〜〜〜

 

 

木場が一階の窓ガラスを四分割して外に放ると、四人はそこから侵入した。神父が何人かいたが、気絶させる。

 

部屋についているドアを開くと短い廊下がある。左は出入口、右は聖堂だ。先に出入口の扉に敵がいないか確認してから、一気に聖堂へ足を踏み入れた。

中には長椅子と祭壇があり、ロウソクと電気の灯りが薄暗く部屋を照らしていた。

 

「あらあらこれはこれは、上条当麻君ではあ〜りませんか」

部屋の隅、太い柱の影から現れたのはフリード・セルゼン。悪魔祓いは光の剣を両手で構えると、下卑た笑みを作る。

「何をしたかは知らなッチャブルだけど、俺達としてはここに堕天使のとっつぁん方がいるのを知られるのはまずい訳だから、残念ながら上条ちゃんはボッシュートでーす。二体も居やがるクソったれ悪魔はまとめてバラして金髪グラサンは顔がムカつくってことで蒸し焼きにして、全員まとめてこの俺が地獄に連れて行ってあげちゃう!」

フリードの突撃に対し、木場が驚異の速度で上条達の前に立つ。フリードの剣と木場の剣が衝突する!

 

と同時に、光の剣が揺らぐ!だんだんと木場の剣に光が吸い取られていっているようで、剣はその形すら保てない。

「しゃらくせぇ!こうなりゃ全員蜂の巣よ!」

剣を放棄したフリードは懐から銃を取り出す。光の弾丸が一気に木場に放たれる。

 

 

 

しかしその弾丸は、パキィィイイイン!!という音とともに弾け飛んだ。

 

「そんな幻想はおれが殺してやる!今だ!」

 

上条当麻の頭上を飛び越え、塔城小猫がフリードの顔面を捉えた!右頬に入った拳は全力で振り抜かれ、フリードは聖堂に飾られた十字架に激突するとそれをも叩き割り、教会の壁まで吹き飛ばされた!

 




次回、今度こそVS堕天使。

今回も読んでいただき、ありがとうございますm(_ _)m
これからもよろしくお願いします!
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