上条さんでも戦ってみたかったとは思いますね。他のところに出来の良いモノがありますけど、本家でもやりたかった。
不良神父を吹き飛ばした上条は、フリードがダウンしている近くの床に、一つの複雑な絵があるのに気がついた。円の中によくわからない文字や記号が印されたそれは絵具などで描かれたものではないようで、所々が移動したり消えたり浮かんだりしていた。
「魔法陣だ。おそらく何かを隠してるんだろうぜ。触ってみな、上やん」
言われて上条が右手で触れると、魔法陣は粉々に砕け、その下から地下に続いているであろう階段が現れた。
「私がまず行きます」
小猫がそう言って真っ先に階段の中に入っていく。上条もその背中を追ってゆっくりと下に降りていく。
「じゃあ、次は僕が……っ!」
次に階段に足を掛けた木場だったが、急にその場で光喰剣を抜き一閃する!光を吸う音と金属がぶつかる音が同時に響いた。
「ひゅー、さすがは僕ちんをぶっ飛ばしてくれただけはありますなぁ……」
声のした方に振り返る。そこには座ったまま両手に拳銃を構えたフリードの姿があった。彼は拳銃をさらに発砲しつつ、足の力で立ち上がる。
「お礼と記念に、お前を殺すのは最後にしてやるよ……何つって!そんなわけねーじゃん!みんなまとめて瞬コロだっつーの!!」
言葉と共に飛んでくる弾丸、それらを剣さばきで弾いていく木場。その後ろから土御門も拳銃で応戦するが、フリードは先ほどのダウンは何処へやら、高速で軽々とそれらを避ける。
「さっき喰らったのは騙しよ騙し!お前らみたいに多数で攻撃かましてきたときの対処法ってやつ?二分割してぇ……確実に殺す!!」
言うと同時に二丁の拳銃から弾丸をタイミングをずらしてばら撒くフリード。木場も落ち着いてはいられず、全力で一手一手に対処する。
が。
不意に、その身体に光の矢が迫る!!
「おいおい、土御門さんを舐めてもらっちゃ困るぜぃ。こんな攻撃なんて奇襲にもなってないぜ」
土御門が受け取った剣で光を吸い、木場をフォローする。そのまま光の飛んできた先、廊下の近くにある太い柱の上に向かって挑発すると三人の男女が姿を現わした。背中には一対の翼。堕天使だ。その中には一度上条と
「ほざけ、人間風情が」
ボディスーツのようなピッチリとしたスーツを着た女が話すと、ゴスロリ金髪幼女とドーナシークもそれに追随する。
「お前らの方こそ、こっちがわざわざ逃してやったその日に攻撃して来るとか、見え見えっすよ!こっちは奇襲対策も万全!」
「この聖堂では我々三人とそこのはぐれ悪魔祓いが貴様らを仕留め、下ではレイナーレ様と信者どもがお仲間を血祭りにあげる。もうお前達に希望はないぞ」
「それはどうかにゃー?」
言いながら土御門は札付きのフィルムケースを双方にポイっと投げ捨てた。
爆発物かと思って離れるフリード。それとは反対に撃ち落そうと光の槍を投げつける堕天使達だったが、槍は木場の投げた光喰剣の一本に吸われて進路を変えられ、ケースには当たらなかった。
箱は地面に激突する。しかし、何かが起こる様子はない。そうしているうちに土御門は他にもフィルムケースを二つ取り出し、誰もいない二箇所の壁際にも放り投げた。四つのケースが正方形になるような形でばら撒かれたのを確認して、土御門は立っている場所に木場から受け取った剣を突き刺した。そして、仰々しく咳払いをする。
「--
さらに懐から取り出したるは黄色いフィルムケース。その中から小さく四角に切り取られた紙が舞い上がる。
「--
聖堂の空気が凍りつく。堕天使はその圧に目を見開いた。焦りから行おうとする突撃は、しかし悪魔に遮られる。木場が三人のバラバラな攻撃を、それぞれ対処する。ドーナシークがフリードの方を向いたが、彼はすでにこの場にいなかった。
「--
土御門の言葉に呼応するように、先ほど放り投げたフィルムケースが輝き始める。北は薄暗い教会の壁よりも真っ黒に、西は対照的に真っ白に、南は派手派手しく真っ赤に、そして東は堕天使達の顔以上に真っ青に。
「
詠唱完了と共に、土御門が突き刺した剣から、大量の水が溢れ出す!黒く透き通った水流が、塊となって堕天使に発射された!!
「何!?まずい、抑え込めん……
ごっ、がぁぁあああああ!?!?」
ガードとして出していた光の壁も突き破り、水流は堕天使達を呑み込んだ。
水は聖堂内を暴れ回り、土御門達の足下に来てやっと消滅した。残った堕天使達は気絶している。
自分の仕事が片付いた土御門は木場の方を向く。彼は肩を竦めている。土御門は遅れて、フリードがいないのに気づいた。
「君の魔法を察知したのか、目眩しを使って逃走されちゃってね。申し訳ない」
「いいさ、あれは下っ端だ。それよりこいつらを捕らえられたことが大きい」
言いながら、剣と魔法で堕天使達を縛る二人は階段を見下ろす。
「上やんは大丈夫かにゃー?死んではないと思うけど」
「小猫ちゃんが少しでもフォローしてくれてるといいんだけどね」
言いながら、二人も地下への入り口に足をかけた。
次回、上条さんのターン。
今回も読んでいただき、ありがとうございますm(_ _)m
これからもよろしくお願いします!