結構回復手段多いし、出せないかもしれません。
挨拶がわりにと光の槍が飛んでくる。上条はそれをとっさに避けた。腹の傷が疼くのを唇を噛んで我慢する。
小猫が剣を持って突撃する。相手が飛ばして来た二撃目の槍は剣に斬られて形を失った。そのまま小猫は堕天使に向かって袈裟斬りに斬りかかるが、堕天使は翼を広げてバックステップでそれを回避した。
「ふーん、事前に何か小細工してきてるようね。確かに光が私達の攻撃手段だし、それを警戒するのは当たり前よねぇ」
言いながら堕天使は再び光の槍を手に創る。ただし今度は、二つだ。
「じゃあ今度は、その剣の強度を見てみましょうか?」
光の槍が二本、小猫に向かって投げられる。小猫はそれらを薙ぎ払った。剣が光を吸収し、槍は消滅する。
すると再び二本、槍が投げられる。小猫も応じる。光の槍は揺らいで消えた。
次々と投げられる槍に小猫は冷静に対処していくが、八本目。
「っ!?」
光の槍が剣身にぶつかり剣にヒビが入った。剣はそれでも光を吸収する。次の光の槍が引き寄せられるように剣にぶつかり、剣は粉砕した!
それでもなお迫ってくる光の槍を、小猫は身体能力で何とか避ける。
「あはははは!ほらほらもっと早く避けないと!ハリィ!ハリィ!!ハリィィ!!!ってね!!」
口が裂けんばかりに笑みを広げ、腕を動かす彼女の横から、隠れて移動していた上条が飛ぶ!
そう、小猫の行動は全て陽動。上条による光攻撃の無力化こそが真の狙い!!
しかし。
「バレないかと思った!?そんな生臭い臭いぶち撒けといてさぁ!」
上条の方向に堕天使の手が伸びる。その手に槍が再現された!
「突き刺さってくたばれ!!」
上条に対し、堕天使が突きを放つ!!
パキィ!!と甲高い音が響いた。
堕天使は目を見開く。槍が消滅した。それも先ほどのように破壊されたものが少しずつ取り込まれるのではなく、一瞬で雲散霧消したのだ。
その理屈を考える暇を、しかし上条は与えなかった。
「まずは一発、アーシアを襲った分だ!!」
顔面に放った拳は堕天使が咄嗟に上体を反らして交わそうとするが間に合わず、鼻の頭に命中した。
「っ〜〜!!何するのよ!ハエ風情がこの私ごときに触れるなんて、ありえないわ!?」
「俺はハエなんかじゃねぇ!お前らが襲おうとしたアーシア・アルジェントの保護者、上条当麻だ!!」
「上条当麻……!ドーナシークが話していた、光を消す男……」
上条の名乗りを聞いた堕天使は目の色を変えた。
翼を閉じ、手を下げて言う。
「私の負けよ。光攻撃が潰されるっていうなら、私に勝ち目はない。アーシア・アルジェントを襲うのはもうやめる」
上条は小猫を見る。彼女もこの言葉をどう取っていいのかわからず困惑しているようだ。
だって、と堕天使は続けた。
「ここに、もーーーっといい『
堕天使の手にまたしても、槍が握られた!彼女は上条に向かって槍を振り下ろす!上条はそれに対して右手を出し……
「っつ!!?」
嫌な予感がした上条は左に逸れる。退避できなかった右手のひらに槍の先尖が掠り、そこから鮮血が飛び散る!!
「……へぇ、光じゃなくて本物の武器なら、攻撃を喰らうんだぁ」
堕天使はクツクツと嗤う。嗤いながら、槍頭に付いた血をペロリと舐めた。
「転生悪魔か、それともただの人間なのかは知らないけど。タネが割れれば楽なモノよね。あなたは光の攻撃を無かったことにできる……もしかしたら他の魔力なんかも無効化できるのかもしれない。でも、魔力で造られたものではない、ただの槍のダメージは喰らってしまう。魔力頼りの人外には致命的な優性を誇るんでしょうけど、私はこれでも元天使だから、武器もそこそこ扱えるのよ!」
槍を構える堕天使。その武器を折ろうと、小猫が突撃する!
「ただの槍なら私だって壊せます!さぁ、次はあなたの--っ!?」
槍の柄を破壊し身体を翻して直接攻撃を加えようとした小猫の顔面を、堕天使の手が掴む。もう片方の手が、小猫の腹に当てられた。
光の槍が、当てられた手に現れる。
小猫の腹を貫通して。
「あははははは、ちょっとはいい格好になったじゃない!このまま槍を一回転させれば上半身と下半身がおさらばするかも「おい」!!」
声に、堕天使は顔をそちらに向けた。声の主……上条当麻は、堕天使を睨む。その表情に、堕天使は少し怯んだ。
「何、塔城にしようとしてんだ?」
「な、なにって、見たらわかるでしょ?この子には死んでもらうのよ。あなたから奪う邪魔をされないようにね」
「俺の神器が狙いなんだろ……なら、その手を離せ。そんなことをしなくたって、俺一人で戦ってやるさ」
驚いたのは小猫だった。力が入らないながらもなんとか言葉を紡ぐ。
「むちゃ……この堕天使は四人でならともかく、あなた一人では勝てない……」
「それでも俺は戦ってやる。ぶん殴って反省させて、アーシアに謝らせてやる」
堕天使は小猫を離す。小猫はその場にうずくまる。彼女は動けないと判断し、堕天使は空に向かって手を上げる。刀身から鞘まで真っ黒な刀が、その手に握られた。
「この国はこんな武器も売ってるから便利よね。念のためにと持っておいてよかったわ」
刀身を指でなぞりながら、堕天使は呟いた。彼女は刀を上条に向けると、嗤った。
「確かこの国では刀で戦う時に、名乗りを上げるんだってね。
堕天使・レイナーレ。あなたの神器をいただくわ!」
言葉と共に、堕天使--レイナーレは翼を広げて上条に急接近する!上条がしゃがんで避けたその上を、レイナーレの一閃が通過した!!
次回、上条VSレイナーレ!
今回も読んでいただき、ありがとうございますm(_ _)m
これからもよろしくお願いします!