我が忠義は貴女と民の為に(凍結)   作:AZAZERU

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今回には雁夜の視点が入ります。上手く書けているかは分かりません。
なお、この作品の雁夜は桜ちゃん助けたい勢です。葵については、もう気持ちに区切りをつけて割り切っています。


召喚後の物語

ふと目が覚めた時、まだ慣れきっていない体の痛みに顔をしかめながら、気を失う前のことを思い出していた。

「確か俺は、サーヴァントの召喚に成功した後に気を失って・・・」

召喚に成功した時に現れたサーヴァントは鉛色の鎧を着た騎士だろう者だったはずだ。何者なのかはともかくとして、召喚に成功したことを喜んでいた。

雁夜の目的は、聖杯戦争で勝ち取った聖杯を臓硯に譲り渡すことを条件に、桜を解放することであった。

理由は、自分自身が家を飛び出さずに魔術の修行をしていれば、こんな拷問のような扱いをされなかっただろうこと。そして何よりも、桜のことを心から助けたいと願ったからであった。最初は、初恋の相手である葵の娘だからだという理由もあったかもしれない。だか、葵の事についてはとうに区切りをつけ、桜の現状を知った時に、この娘をどんなことをしてでも助けなければ!と、思ったのだ。

雁夜は目的への第一歩を無事に進むことが出来たことに安堵していた。そこでやっと、自分が気絶した場所は蟲蔵であったはずだと思い至った。周りを見渡してみると、家の部屋のどこかであると気づいた。

そこで扉をノックする音が聞こえてきた。

 

「マスター、失礼するぞ?」

 

部屋に入ってきたのは、自分が召喚に成功したサーヴァントだった。

 

「マスターの部屋がわからなかったので、とりあえず使っていなさそうな部屋を使わせてもらった。もしも誰かが使っている部屋だったのだとすれば申し訳なかった。マスターをあのままあの部屋に、気がつくまで放置するのはまずいと思ったのでな」

 

と、バーサーカーらしからぬ気遣いをしてきていたので、驚愕して思考が停止してしまっていた。もっと言えば、バーサーカーのクラスにあるサーヴァントと会話が成立するなど考えられなかったのだ。

雁夜は我慢出来ずに、

 

「バーサーカーのサーヴァントが普通に会話するなんてありえない・・・」

 

と、ほとんどうわ言のように呟いた。

それに対してバーサーカーは、

 

「それは私の狂化のランクが高すぎるか低すぎるかするからだろう。何故か私自身にはランクがわからないから憶測になるが。」

 

と、言っていきた。

雁夜はこの時に、そういえばまだ名前を聞いていなかったと、混乱する頭で考えた。

 

「そっ、そういえばまだ名前を聞いてなかったな!お前は誰なんだ?俺は雁夜、間桐雁夜だ。」

 

それに対してバーサーカーは、自分のことを嘲笑い貶すような顔をしながら、

 

「私の名はアーク、アーク・ロイヤルティだ。王を守ることが出来なかった盾だ。」

 

と、悔しげに言った。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

マスターが起きたことを魔力のパスで感知したので、様子を見に行った。

マスターが起きるまでの間は、聖杯から送られてきた基本的な一般常識と、自分の知識をすり合わせをしていた。なので現代のマナーも把握している。

自分が気絶したマスターを運んでおいた部屋の扉を、軽く三回ノックした後に、

 

「マスター、失礼するぞ?」

 

と、言ったあとに部屋に入った。

 

 

その後少し話をして、お互いに自己紹介をした後にマスターの願いを聞いてみた。

 

「なあマスター、あなたの願いはなんなんだ?」

 

それに対してマスターは、

 

「・・・なあバーサーカー、この家には桜って女の子がいるんだけどさ、俺が逃げたせいで苦しい思いをしてたんだ。いや、今もしてるからしてるんだ 、が正しいか・・・」

 

そうやってマスターは、苦しげに悲しげに自分を責めるように話し始めた。少し話が飛んでいたところもあってわからない所もあるが、願いに関わることなのだろうと、黙って話を聞いていた。

 

「その桜って娘をあの糞爺から助け出すために、どうしても聖杯を勝ち取って、桜ちゃんの自由を取り戻してあげたいんだよ・・・」

 

と、言い切ってからマスターは自嘲気味に笑って、

 

「おかしいだろ?自分が逃げたせいで幼い女の子が苦しい思いをしていて、それを知ったから助けたいと思った?阿呆だろう、馬鹿だろう、救いようがない。なれなら逃げ場ければよかったんだ。そんなこと逃げる時にも思いついたことだろうに・・・」

 

と、完全に言い終わったあとも自分を責め続けていた。

おそらく、今まで必死になって助けよう試行錯誤として、今回のサーヴァントの召喚に成功した結果、救い出す第一歩を踏めたので、余裕が出来、過去を振り替えれるようになったが故に自分を責めてしまっているのだろう、と予想できた。

自分にもそういう経験があったが故に想像も容易かった。こういう考えには共感を覚えたし、自分は飲み込む事が出来たので、マスターにもそう出来てほしいと思った。この考え方は自分で解消するのは難しいが、他人が介入してはそのまま他人に頼る癖がつきそうなの、で頑張って欲しいとも考えていた。

なので、

 

「マスター、その思いに共感できるし乗り越えた身としては、助言もしてあげたいとも思う。しかしそれはマスターのためにならないと思うので、私が言えるのは少しだけだ。」

 

そう言うとマスターは顔を上げてこちらを見た。その顔は裁かれるのを待つ罪人のようであった。

そんなマスターを真っ直ぐ見つめながら私は、

 

「貴方を本当に許すことが出来るのは貴方だけだ。その桜という少女があなたを許そうとも、貴方自身が納得しないだろう。だからこそ、貴方は自分以外の誰かに答えを求めてはいけない。求めてしまっては貴方は前に進めなくなるから。」

 

そう言い切った。それに続けて、

 

「勿論この考えは私の考えであって、間違っているかもしれないので、このような考え方があるのだと覚えていてくれたら幸いです。それと、先程からマスターの事を貴方、と呼んだり少々きつい言い方をして申し訳ない。」

 

と、頭を下げながら言った。

するとマスターは、

 

「・・・頭をあげてくれないか、バーサーカー?」

 

と、言ってきたので素直に頭をあげると、嬉しい様ば悲しい様な複雑な表情で、

 

「ありがとう、バーサーカー。こんな俺みたいな奴の事を考えてくれて。そうだよな、そうだよ。これは俺が決着をつけなきゃいけないことなんだよな。例え桜ちゃんが許してくれてもくれなくても、どっちにしろ俺は自分が許せないし、許さない。それが確認できたんだ。もう一度言うよ。ありがとう、バーサーカー。」

 

と、そのままの表情のまま笑顔でお礼を言ってきた。

それに対して私は、

 

「・・・どういたしまして。」

 

と、少し照れくさくなりながらそう言った。

 




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