めぐみ…俺がきっと…。   作:たけぎつね

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今度はオリキャラのオンパレードですね、はい。


炎の組織、活動開始。

「めぐみ…っ!誠司…っ!わっけわかんないよぉっ!」

 

ひめがうつ向いて涙をこぼす。

ゆうこはそれをなだめようとしたが、

 

「あんな誠司、初めて見た…。でも辛そうだった…私、やっぱり、誠司を助けたいよ…勿論めぐみも…!もっと、強くならなきゃ!」

 

とひめが言ったので、なんだ、自分の方が弱気になってたんだ…と思い、決意新たに。

 

「ひめちゃん!そうよね!ひめちゃんの言うとおりよね!」

 

急いで自分を奮い立たせる。

でも、やっぱり不安は消えなかった。

 

「でもまずはやっぱりめぐみを取り返すところよね…。相楽くんはかなり深い傷、って感じだわ」

 

「僕…もそれがいいと思…うよ…がはっ…ごめんみんな…最低でも今日は動けなさそうだ…とりあえず…君たちは家に帰ってご家族を安心させてくれ」

 

はい、と頷く一同。

 

──澄んだ空に朝の鳥の声が虚しく響き渡った。

 

☆☆☆

 

「──世界を滅ぼす、だと?何故この私が元プリキュアの仲間だったやつと手を組まなきゃならないんだ?」

 

影が言う。

 

「目的は同じなんだからよ…頼むって」

 

誠司は影を見据え、尖った視線を送る。

 

「……ふん。納得はしてないが、おもしろい。協力してやろう」

 

「そりゃよかった」

 

笑みを浮かべる誠司を見て、ブラックファングは気味が悪い奴、理解出来ないやつだ、と思った。世界を滅ぼす、ということは、今までプリキュアと共にやってきたことの真逆の立場になるということであり、人々も土地も文化も時間も、ありとあらゆる存在を壊すことであるというのに。この少年は微笑みながらそれを語った。

 

そして、油断一つ許さぬような目で。

一体この数ヶ月の間に一体何があったのだろうか。いや、そんなすぐできた軽い理由ではないかもしれない。もっと前から蓄積されていた心の隙間、だな。ディープミラーとミラージュのときと同じく。とはいえ、クイーンミラージュよりもこの少年のほうが、憎しみが強そうだ。絶望の良い匂いがする。人間というのはつくづく恐ろしい生き物だな。

 

「それで、まず私はどうすればいいのだ?」

 

「ブルーやファントム、ミラージュや世界を恨んでいるプリキュアを解放して、闇の力を与え、世界に放ちたい」

 

「ほう。いいだろう。だが期待しないほうがいいぞ。プリキュアというのは心が綺麗な奴等だからな。誰かを恨むことなんてほとんど無いだろうし、いたとしてもほとんどが幻影帝国を恨んでる。幻影帝国に似た立場である俺らの側につくやつなんているのかねぇ?」

 

「いるさ。だってプリキュアの中身は───ただの人間だからな」

 

半信半疑のまま、ブラックファングは、鏡に無理やり閉じ込めておくための絶望の糸から、それぞれのプリキュアの情報を収集、処理する。

特に思いの強いやつが数人いたので、糸をほどき鏡の檻から解放した。

 

全部で四人。

 

「やっぱり仲間なんて割れ物だったんだ」

 

と下を向いて拳を握りしめる少女。

 

「何で私がみんなを守らなきゃいけない使命をあたえられたんですかねぇ?大間違いですよぉ!」

 

と、あははっと笑い狂ってる少女。

 

「騒がしいです…」

 

と鬱陶しげに周りに視線を送る少女。

 

「んー、眠いー、寝たいー疲れたー」

 

と目をこすっている少女。

 

かなりの個性派ぞろい。しかもこのプリキュア墓場に残っている者の中でも最も強い四人が偶然選ばれたようだ。いや、偶然じゃないのかもしれない。想いの力ってやつか。

 

私はもともと、人々の絶望から生まれ、具現化されたもの。今まではピエロのような姿で、幻影帝国としてひっそりと、着実に絶望を集めていたのだが…。

ある日、バレエ好きの、夢に満ちた少女、つむぎの足に呪いをかけ、ドール王国を作り上げ、プリキュアを招待しそのままハピネスチャージプリキュアを滅ぼす算段だったのだが、逆に私の方が滅ぼされてしまった。浄化ではなく、消滅。あのいまいましき戦士、キュアラブリーの手によって弾けとんだ私は、より確実な肉体を求めた。

そして、前回の私とは違い、不条理な世界への絶望、憎しみ、恨み…などの激情をとある少年をもとに形成し、完全な肉体を得た。本人も認証済み。

 

簡単に言うなら……私はとある少年をのっとったのである。

 

破片となってさ迷っていた頃、見つけたこの少年に。

彼の心は、空虚だった。幼いながらに全てを諦めていた。ただ根強く張り巡らされ続けるだけの激情がどこかで鐘を鳴らしていた。

ふらふらと生きながらえてさまよう。そんな姿を、自分と重ねてしまったのかもしれない。

 

そして私/僕たちは、共に生きることを選んだのだ。

 

世界を滅ぼそうと。世界を恨み続ける者であろう、と。

そこで集中的に絶望の集まるプリキュア墓場に来ていた。もしかすると、誰かを待っていたのかも。彼のような、新たな王を。ミラージュとはどこか違う不思議な王。実に興味深い。

 

改めて王──相楽誠司を見やると、彼は目覚めた少女四人を、私の時のように勧誘していた。

それは成功したようで、バスローブ姿だった少女たちは全体的に黒い衣装に変わっており、プリキュアには珍しい鋭利な武器を身につけていた。

 

「んで、こいつはブラックファング」

 

誠司が俺を紹介する。

 

「名前長いー、言うのめんどいー、よし、黒い牙だから…クロガって呼ぶー」

 

「勝手にしろ」

 

 

「…改めて自己紹介とかしとくか。俺は相楽誠司。コードネームみたいなやつもいるか。じゃあ《アビス》で」

 

「水原きなこ。……《ミエル》」

 

「はいはーいっ!鐘嶋りんなですっ!《カプリス》!」

 

「大園硝子。…《アルバ》」

 

「藤代ひつじー。よろしくー。《エステラ》ー!」

 

「ブラックファングだ。もういい。クロガと呼べ」

 

「おーっ。クロガクロガー。本人公認だねー」

 

「─さて、自己紹介も終わったところだし。仮アジトみたいなとこを紹介するからついてこい」

 

相楽誠司が空中に丸を描くと、鏡が出現し、やがてそれは身体がすっぽり収まるほど大きくなった。その輝く鏡の中に入っていく誠司についていくと、変な建物についた。ボロボロの屋敷だ。一部コンクリート造りで少し冷ややかだ。ツタが侵食してきている割れた窓からは風が入ってくる。

 

ここはどうやら玄関のようだ。

とはいえ、玄関だからといって靴が並べられているわけでもなく(むしろ床が汚れているので脱ぐ必要がないということとは別に)、入り口、というだけで特に段差があったりとかもしない。

目の前には開けたスペースがあり、中央からは三階の天井まで見える、吹き抜けになっていた。

思いの外でかい。

 

「んで、しばらくここで暮らしてもらわなきゃいけなくなるわけなんだが、空き家だっただけあってものすごく汚い。掃除しようにもどこから手を出せばいいのか分からないレベルだし、ところどころ壊れてたりする。んで、それぞれ個別の部屋──というか空間?を用意したから、好みに改造してくれ」

 

「どうやっていくんですか…?」

 

「さっきの俺みたいに指で丸を描くと鏡がでてくるから、そこから移動する。他人の部屋に勝手には入れないが、相手が描いた鏡からなら行ける。他に質問は?」

 

「私たちのチーム名はなんですかっ!」

 

「ん…考えてなかった…何でもいいな…」

 

誠司が天井を見上げ考え込んでいると、

 

「《イグニス》でどう?」

 

と静かな少女が呟いた。

他に特に案もなかったし、ラテン語で炎を意味するしいいなとおもったのでそれに決定。

 

「…んじゃ、もうそれぞれ活動にうつってくれ。解散ー」

 

幻影帝国が滅び、今、新たなる闇の勢力が世界を覆わんと誕生した。

相楽誠司率いる世界を憎む組織、イグニス。

これで世界を壊す。その先には何もない。無だ。復讐をすることだけが目的のやつらが集まってしまったのだ。

この先どうなっていくのか、本人たちですら予想できない。

 

未だに目覚めないめぐみに想いをはせつつ、出ていく五人の姿を見送った。




またまたカタカナがでてきましたね!
外国語で意味的にも格好いいなーと思ったやつを選んでみたのでぜひどんな意味か調べてみて下さいね!前のファルサとかも含めて。
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