「《炎斬機ファイナルシグマ》……【斬機】の切り札だね」
《炎斬機ファイナルシグマ》
シンクロ・効果モンスター
星12/炎属性/サイバース族/攻3000/守0
チューナー+チューナー以外のモンスター1体以上
このカード名の(3)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):このカードはEXモンスターゾーンに存在する限り、「斬機」カード以外のカードの効果を受けない。
(2):EXモンスターゾーンのこのカードが相手モンスターとの戦闘で相手に与える戦闘ダメージは倍になる。
(3):このカードが戦闘または相手の効果で破壊された場合に発動できる。デッキから「斬機」カード1枚を手札に加える。
「自身の効果で特殊召喚されたシグマはフィールドを離れた場合、ゲームから除外される。そしてファイナルシグマを対象に墓地へ送られたナブラの効果を発動! ファイナルシグマはこのターン、一度のバトルフェイズに2回攻撃ができます! 炎斬機ファイナルシグマはEXゾーンに存在する限り斬機以外のカードの効果を受けない。そしてEXゾーンのこのカードが相手モンスターとの戦闘で相手に与えるダメージは倍になる!」
これにより、ファイナルシグマは2回攻撃+モンスターとの戦闘ダメージ倍という効果を得ることになった。しかし、それも攻撃力が相手モンスターを上回っていれば、の話だ。
「でも、ボクのマーブル・ド・ロックの攻撃力は3500。ファイナルシグマじゃ届かないよ!」
「私は手札から装備魔法《斬機刀ナユタ》を発動。サイバース族モンスターのファイナルシグマに装備!」
《斬機刀ナユタ》
装備魔法
サイバース族モンスターにのみ装備可能。このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):装備モンスターが相手モンスターと戦闘を行うダメージ計算時に、デッキから「斬機」モンスター1体を墓地へ送って発動できる。装備モンスターの攻撃力はターン終了時まで、墓地へ送ったモンスターの攻撃力分アップする。
(2):このカードが魔法&罠ゾーンから墓地へ送られた場合、「斬機刀ナユタ」以外の自分の墓地の「斬機」カード1枚を対象として発動できる。そのカードを手札に加える。
「ナユタを装備したモンスターが相手モンスターと戦闘を行うダメージ計算時に、デッキから斬機モンスター1体を墓地へ送ることで装備モンスターの攻撃力をターン終了時まで墓地へ送ったモンスターの攻撃力分アップさせます!」
「そっか、それでマーブル・ド・ロックの攻撃力を……」
「そういうこと! バトル! ファイナルシグマでマーブル・ド・ロックを攻撃!」
灼熱の剣を閃かせて躍りかかろうとするファイナルシグマ。しかし、そんなファイナルシグマとマーブル・ド・ロックの間に水の防壁が現れた。
「でも残念! 相手モンスターの攻撃宣言時にマーブル・ド・ロックの効果を発動! 手札のブルータンを墓地へ送ることで、ボクのモンスターは戦闘で破壊されず、受けるダメージは0になるよ!」
「……っ!?」
戦闘破壊できないだけならばともかく、戦闘ダメージすら0にされてしまうというのは橙季にとっては痛いことであった。しかし、戦闘破壊できずともナユタの効果を発動しないわけにはいかない。
「ナユタの効果を発動! 装備モンスターが相手モンスターと戦闘を行うダメージ計算時に、デッキから「斬機」モンスター1体を墓地へ送ることで装備モンスターの攻撃力をターン終了時まで墓地へ送ったモンスターの攻撃力分アップさせます! 私が墓地へ送るのは2体目のシグマです!」
炎斬機ファイナルシグマ ATK3000→ATK4000
「“ファイナル・フレア・ブレード”!」
炎斬機ファイナルシグマ ATK4000 VS 海晶乙女マーブル・ド・ロック ATK3500
「マーブル・ド・ロックは破壊されないし、ボクが受けるダメージは0だよ!」
「でもファイナルシグマはもう一度攻撃できます!“ファイナル・フレア・ブレード”!」
炎斬機ファイナル・シグマ ATK4000 VS 海晶乙女マーブル・ド・ロック ATK3500
「手札の《海晶乙女パスカルス》を墓地へ送って、マーブル・ド・ロックの効果をもう一度発動! この戦闘で発生するダメージは0になり、マーブル・ド・ロックは破壊されない!」
「シーホース以外に手札に海晶乙女があったんだね。うまく行けば2回目の攻撃でマーブル・ド・ロックを破壊できたのに……」
海晶乙女の強みは、少ない手札消費で大型モンスターを展開できるところにある。攻撃力4500のマーブル・ド・ロックをリンク召喚するにあたっても、消費した手札はブルータンの1枚。そのため、他のデッキに加えて手札を温存しやすいためマーブル・ド・ロックの破壊無効およびダメージカットを発動しやすいのだ。
「……バトルフェイズを終了します。私はこれでターンエンドです」
愛美 LP8000 手札3枚
デッキ:33 メインモンスターゾーン:0 EXゾーン:1(海晶乙女マーブル・ド・ロック)魔法・罠(Pゾーン:青/赤):5(海晶乙女の闘海、海晶乙女コーラルアネモネ、海晶乙女シーエンジェル、海晶乙女ブルースラッグ)墓地:2 除外:0 EXデッキ:12(0)
橙季 LP7000 手札2枚
デッキ:33 メインモンスターゾーン:0 EXゾーン:1(炎斬機ファイナルシグマ)魔法・罠(Pゾーン:青/赤):1(斬機刀ナユタ)墓地:4 除外:1 EXデッキ:14(0)
愛美
□コエブ伏
□□□□□闘
マ 炎
□□□□□□
□□ナ□□
橙季
〇凡例
炎・・・炎斬機ファイナルシグマ
ナ・・・斬機刀ナユタ
☆TURN03(愛美)
「ボクのターン、ドロー!……せっかくのファイナルシグマだけど、ここで退場してもらうよ! ボクは橙季くんのファイナルシグマをリリース!」
「ファイナルシグマがっ……まさか!?」
「大当たり! ボクは手札から橙季くんのフィールドに《海亀壊獣ガメシエル》を特殊召喚するよ!」
《海亀壊獣ガメシエル》
効果モンスター
星8/水属性/水族/攻2200/守3000
(1):このカードは相手フィールドのモンスター1体をリリースし、手札から相手フィールドに攻撃表示で特殊召喚できる。
(2):相手フィールドに「壊獣」モンスターが存在する場合、このカードは手札から攻撃表示で特殊召喚できる。
(3):「壊獣」モンスターは自分フィールドに1体しか表側表示で存在できない。
(4):相手が「海亀壊獣ガメシエル」以外の魔法・罠・モンスターの効果を発動した時、自分・相手フィールドの壊獣カウンターを2つ取り除いて発動できる。その発動を無効にし除外する。
「フィールドから墓地へ送られた斬機刀ナユタの効果を発動! 私は墓地の斬機サブトラを手札に加えます!」
「まあそうするよね……でも、ファイナルシグマがいなくなったことでキミの守りは薄くなった! ボクは手札からシーホースをマーブル・ド・ロックのリンク先に特殊召喚するよ! そしてボクはマーブル・ド・ロックとシーホースをリンクマーカーにセット!」
攻撃力4500かつ耐性を付与できるマーブル・ド・ロックを愛美はリンク素材に使用する。そんな強力なモンスターを手放してまでどのようなモンスターをリンク召喚するのだろうか。そう思っている橙季の前にはハートの形をした青い水晶のようなモンスターが現れた。
「“清らかな海に舞い踊る乙女よ! 秘めたる思いを結晶と変えて現れよ!”リンク召喚!《海晶乙女クリスタルハート》!」
《海晶乙女クリスタルハート》
リンク・効果モンスター
リンク2/水属性/サイバース族/攻0
【リンクマーカー:左下/右下】
水属性モンスター2体
(1):このカードがEXモンスターゾーンに存在する限り、このカードは相手モンスターの効果を受けない。
(2):このカードが相手モンスターと戦闘を行うダメージステップの間、その相手モンスターは自身以外のカードの効果を受けない。
(3):このカードまたはこのカードのリンク先の自分の「マリンセス」リンクモンスターが攻撃対象に選択された時、手札から「マリンセス」モンスター1体を墓地へ送って発動できる。その自分のモンスターはその戦闘では破壊されず、その戦闘で発生する自分への戦闘ダメージは0になる。
「海晶乙女モンスターのリンク召喚に成功したことで海晶乙女の闘海の効果を発動するよ! クリスタルハートに墓地のマーブル・ド・ロック、コーラルアネモネ、ブルースラッグの3体を装備する! そしてクリスタルハートの攻撃力は海晶乙女の闘海の効果で2000アップするよ!」
海晶乙女クリスタルハート ATK0→ATK2000
「クリスタルハートはEXモンスターゾーンに存在する限り、相手モンスターの効果を受けない。そして相手モンスターと戦闘を行うダメージステップの間、その相手モンスターは自身以外のカードの効果を受けないよ!」
「強力な効果だけど……マーブル・ド・ロックを素材にして出すようなモンスターじゃないような……」
「うん、確かにそうだね。でもこのクリスタルハートはもっと輝くことができるんだ! ボクは手札からブルータンを召喚! 召喚に成功したブルータンの効果でデッキから《海晶乙女マンダリン》を墓地へ送るよ! そして墓地の海晶乙女マンダリンの効果!」
《海晶乙女マンダリン》
効果モンスター
星1/水属性/サイバース族/攻100/守100
このカード名の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):このカードが手札・墓地に存在し、自分フィールドに「マリンセス」モンスターが2体以上存在する場合、自分フィールドの水属性リンクモンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターのリンク先となる自分フィールドにこのカードを特殊召喚する。この効果で特殊召喚したこのカードは、フィールドから離れた場合に除外される。
「ボクのフィールドのマリンセスモンスターが2体以上存在する場合、ボクのフィールドの水属性リンクモンスター1体を対象として発動できる! そのモンスターのリンク先にマンダリンは特殊召喚できる! そしてリンク2のクリスタルハートと、ブルータン、マンダリンの3体をリンクマーカーにセット! 召喚条件は“水属性モンスター2体以上!”サーキットコンバイン!」
「リンク3……いや、リンク4の海晶乙女!?」
「“清らかな海に舞い踊る乙女よ! 内に秘めた想いを解き放ち、水面の如く煌めけ!”リンク召喚! これがボクの切り札!《海晶乙女ワンダーハート》!!」
《海晶乙女ワンダーハート》
リンク・効果モンスター
リンク4/水属性/サイバース族/攻2400
【リンクマーカー:左/右/左下/右下】
水属性モンスター2体以上
(1):このカードがモンスターと戦闘を行うダメージ計算時に1度、発動できる。このカードに装備された自分の「マリンセス」モンスターカード1枚を選んで特殊召喚する。このカードはその戦闘では破壊されず、その戦闘で発生する自分への戦闘ダメージは0になる。この効果で特殊召喚したモンスターを、エンドフェイズに装備カード扱いとしてこのカードに装備する。
(2):このカードが相手によって破壊された場合に発動できる。自分の墓地からリンク3以下の「マリンセス」モンスター1体を選んで特殊召喚する。
「リンク素材として墓地に送られたブルータン、フィールドから墓地へ送られたコーラルアネモネ、そして海晶乙女の闘海の効果を発動!」
チェーン3(愛美):海晶乙女ブルータン
チェーン2(愛美):海晶乙女コーラルアネモネ
チェーン1(愛美):海晶乙女の闘海
「チェーン3のブルータンの効果でデッキトップから3枚のカードを確認するよ! ボクはその中にあった海晶乙女カード……《海晶乙女波動》を手札に加える! チェーン2のコーラルアネモネの効果でボクは墓地のブルータンを手札に戻す! そしてチェーン1の海晶乙女の闘海の効果! 墓地のマーブル・ド・ロック、コーラルアネモネ、クリスタルハートの3体をワンダーハートに装備するよ!」
海晶乙女ワンダーハート ATK2400→ATK4400
「攻撃力4400……攻撃力だけならワンダーハートより下がっているけれど……」
「もちろん、意味はあるよ? 海晶乙女の闘海の効果で、クリスタルハートを素材にリンク召喚されたEXゾーンのマリンセスモンスターは相手の効果を受けないんだ! バトル、ボクはワンダーハートでガメシエルを攻撃!“マリンセス・ハート・シュトローム”!」
海晶乙女ワンダーハート ATK4400 VS 海亀壊獣ガメシエル ATK2200
「ワンダーハートがモンスターと戦闘を行うダメージ計算時に1度、ワンダーハートの効果を発動! このカードに装備されたマリンセスモンスター1体を特殊召喚する! 戻ってきて、マーブル・ド・ロック!」
海晶乙女ワンダーハート ATK4400→ATK3800
海晶乙女マーブル・ド・ロック ATK2500→ATK2700
装備されているマーブル・ド・ロックが離れたことでワンダーハートの攻撃力は3800に下がる。しかし、結果的に愛美のフィールドには攻撃力2700のモンスターが増えたことになる。
橙季 LP7000→LP5400
「マーブル・ド・ロックでダイレクトアタック!“マリンセス・ブレイブ・ストリーム”!」
海晶乙女マーブル・ド・ロック ATK2700
橙季 LP5400→LP2700
「うわああっ!!」
「ボクはバトルフェイズを終了し、メインフェイズ2に移行するよ。でも何もせずにターンエンド。そしてターンの終了時にワンダーハートの効果で特殊召喚されたマーブル・ド・ロックはもう一度ワンダーハートの装備カードになる!」
海晶乙女ワンダーハート ATK3800→ATK4400
愛美 LP8000 手札3枚
デッキ:30 メインモンスターゾーン:0 EXゾーン:1(海晶乙女ワンダーハート)魔法・罠(Pゾーン:青/赤):5(海晶乙女の闘海、海晶乙女マーブル・ド・ロック、海晶乙女コーラルアネモネ、海晶乙女クリスタルハート)墓地:3 除外:0 EXデッキ:10(0)
橙季 LP2700 手札3枚
デッキ:33 メインモンスターゾーン:1(海亀壊獣ガメシエル)EXゾーン:0 魔法・罠(Pゾーン:青/赤):0 墓地:5 除外:1 EXデッキ:14(0)
愛美
□コマク伏
□□□□□闘
ワ □
□□□□□□
□□□□□
橙季
〇凡例
ワ・・・海晶乙女ワンダーハート
ク・・・海晶乙女クリスタルハート
「強いわね、愛美ちゃん」
「ええ。攻防一体、隙がありません」
「確かさっきブルータンの効果で手札に加えたカードは……」
「海晶乙女波動はリンク3以上のマリンセスがいる場合、手札からも発動できる。セットして発動する前に破壊されるリスクを回避できるわ」
「このままだと橙季は何もできずに負けてしまう。打開策はあるのだろうか……」
(打開策でしたら……あのカードなら……)
☆TURN04(橙季)
「私のターン―――ドロー!!」
橙季はドローしたカードを確認する。そのカードを見た瞬間、彼の脳裏で複数のカードが光の道筋となって繋がっていく。
*
時は愛美が皐月に海晶乙女デッキについてアドバイスを求めに行くよりも更に前に遡る。橙季もまた愛美と同じように自分のデッキについて皐月に相談しに行っていた。ただ、愛美がデッキそのものに関する相談事だったのに対し、橙季の相談事はまた別のことであった。
「皐月さん、実は……」
そう言って橙季は1枚のカードを見せた。
「このカードは……強力なカードですが、使いこなすのは適切なプレイングと相当のタクティクスが求められます」
「私は、僕は……このカードを使いこなせるようになりたいんです。愛美ちゃんに、勝つため。認めてもらうために」
「……そうですか。わかりました、私も微力ながら手伝わせて頂きますね」
*
(このカードなら……)
今ドローしたカードを使いこなせれば、橙季は“あのカード”にまで至ることができる。彼は一人のデュエリストとして、一人の人間として、自ら“強くなりたい”“勝ちたい”という本能に従い、そのカードをデュエルディスクにセットした。