銀河の竜を駆る少女   作:Garbage

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激戦の決闘者・4

 

 

 

 

 

 

 

「私は……いや、僕は! 永続魔法、サイバネット・コーデックを発動します!!」

 

 サイバネット・コーデックはコード・トーカーリンクモンスターのリンク召喚に成功する度にそのモンスターと同じ属性のサイバース族モンスター1体をサーチすることができる永続魔法だ。【コード・トーカー】モンスターを多く採用している橙季のデッキにおいては、必要不可欠なカードである。

 

「僕のEXゾーンにモンスターが存在しないことで、墓地のシグマは特殊召喚できる!」

「またダランベルシアンからのファイナルシグマ? でも同じ手は食わないよ!」

「違うよ。僕は《フレイム・バッファロー》を召喚!」

 

《フレイム・バッファロー》

効果モンスター

星3/炎属性/サイバース族/攻1400/守200

このカード名の効果は1ターンに1度しか使用できない。

(1):表側表示のこのカードがフィールドから離れた場合に発動できる。手札からサイバース族モンスター1体を捨て、自分はデッキから2枚ドローする。

 

「僕はフレイム・バッファローとシグマとの2体をリンクマーカーにセット! サーキットコンバイン! リンク召喚! コード・トーカー! コード・トーカーモンスターのリンク召喚に成功したことでサイバネット・コーデックの効果、そしてフレイム・バッファローの効果を発動!」

 

チェーン2(橙季):サイバネット・コーデック

チェーン1(橙季):フレイム・バッファロー

 

「チェーン2のサイバネット・コーデックの効果。コード・トーカーは闇属性のため、同じ闇属性のマイクロ・コーダーを手札に加えます。そしてチェーン1のフレイム・バッファローの効果! 表側表示のこのカードがフィールドを離れた場合、手札のサイバース族1体を捨てることでデッキから2枚ドローする。僕は手札の《リンクスレイヤー》を捨てて2枚ドロー! 更に魔法カード、強欲で貪欲な壺を発動! デッキトップ10枚を除外して2枚ドロー!」

 

 このターン、一気に4枚のカードをドローする橙季。手札消費が荒いというサイバース族の欠点を、複数のドローカードで彼は補っていた。

 

「手札のマイクロ・コーダーはコード・トーカーモンスターのリンク素材に使用する場合、手札のこのカードを素材として使用できる。僕はリンク2のコード・トーカーと手札のマイクロ・コーダーをリンクマーカーにセット!」

 

 ただ、愛美にとって橙季とのデュエルは初めてではない。そのため彼のデッキの主な動きはこの場にいる他の誰よりも把握している、という自負があった。

 

「リンク召喚! リンク3、トランスコード・トーカー! サイバネット・コーデックの効果とマイクロ・コーダーの効果を発動!」

 

チェーン2(橙季):マイクロ・コーダー

チェーン1(橙季):サイバネット・コーデック

 

「チェーン2のマイクロ・コーダーの効果で僕は永続魔法《サイバネット・フュージョン》を手札に加え、チェーン1のサイバネット・コーデックの効果で僕は地属性のコード・ジェネレーターを手札に加えます。そしてトランスコード・トーカーの効果を発動! 墓地のコード・トーカーモンスター1体をこのカードのリンク先に特殊召喚します!」

「させないよ! 僕はトランスコード・トーカーの効果にチェーンして手札から罠カード、海晶乙女波動を発動!」

 

《海晶乙女波動(マリンセス・ウェーブ)》

通常罠

自分フィールドにリンク3以上の「マリンセス」モンスターが存在する場合、このカードの発動は手札からもできる。

(1):自分フィールドに「マリンセス」リンクモンスターが存在する場合、相手フィールドの表側表示モンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターの効果をターン終了時まで無効にする。自分フィールドにリンク2以上の「マリンセス」モンスターが存在する場合、さらに自分フィールドの全ての表側表示モンスターはターン終了時まで、相手の効果を受けない。

 

「手札から罠……!?」

「海晶乙女波動はリンク3以上のマリンセスモンスターが存在する場合、手札からも発動できるんだよ!」

 

チェーン2(愛美):海晶乙女波動

チェーン1(橙季):トランスコード・トーカー

 

「チェーン2の海晶乙女波動の効果! 相手フィールドの表側表示モンスター1体、トランスコード・トーカーを対象に発動! そのモンスターの効果をターン終了時まで無効にする」

「チェーン1のトランスコード・トーカーの効果は無効にされることで発動できない……」

「そしてボクのフィールドにリンク2以上のマリンセスモンスターが存在する場合、更にボクのフィールドの表側表示モンスターはターン終了時まで相手の効果を受けない。さあ、これでキミのコンボは崩れたよ!」

「まだだよ。僕は手札から魔法カード、死者蘇生を発動!」

「死者蘇生……運がいいね、全く」

 

 トランスコード・トーカーの効果で蘇生できないのであれば、別のカードで蘇生するまでのこと。橙季の手札に死者蘇生があったことが彼にとっては僥倖であった。

 

「墓地のコード・トーカーを特殊召喚! そしてコード・ジェネレーターもマイクロ・コーダーと同じくコード・トーカーモンスターのリンク召喚の素材にする場合、手札のこのカードを素材にできる! リンク2のコード・トーカーとコード・ジェネレーターをリンクマーカーにセット! サーキットコンバイン! リンク召喚、エクスコード・トーカー! リンク召喚に成功したエクスコード、サイバネット・コーデック、コード・ジェネレーターの効果を発動します!」

 

チェーン3(橙季):エクスコード・トーカー

チェーン2(橙季):サイバネット・コーデック

チェーン1(橙季):コード・ジェネレーター

 

「チェーン3のエクスコード・トーカーの効果で、僕はトランスコード・トーカーの正面のメインモンスターゾーンを使用不可にします。そしてチェーン2のサイバネット・コーデックの効果で僕は風属性・サイバース族の《コード・エクスポーター》を手札に加えます。チェーン1のコード・ジェネレーターの効果でドットスケーパーを墓地へ送ります。そして墓地へ送られたドットスケーパーの効果を発動! このカードを墓地から特殊召喚します!」

 

 トランスコード・トーカーとエクスコード・トーカーは現時点で相互リンク状態にあるため、それぞれの効果で攻撃力がアップする。しかし、それでもワンダーハートの攻撃力4400には届かない。

 

トランスコード・トーカー ATK2300→ATK3300

エクスコード・トーカー ATK2300→ATK2800

 

「僕はドットスケーパーと手札のコード・エクスポーターをリンクマーカーにセット! サーキットコンバイン! リンク召喚! リンク2、コード・トーカー・インヴァート! サイバネット・コーデック、コード・トーカー・インヴァート、コード・エクスポーターの効果を発動します!」

 

チェーン3(橙季):コード・エクスポーター

チェーン2(橙季):サイバネット・コーデック

チェーン1(橙季):コード・トーカー・インヴァート

 

「チェーン3のコード・エクスポーターの効果で僕はリンクスレイヤーを手札に加えます。そしてチェーン2のサイバネット・コーデックの効果で光属性・サイバース族のバックアップ・セクレタリーをデッキから手札に加えます。そしてチェーン1のコード・トーカー・インヴァートの効果で手札のサイバース族を特殊召喚します! 墓地から手札に戻したリンクスレイヤーを特殊召喚します!」

「さっきからいっぱいモンスターを出したり戻したり……目まぐるしすぎるよぉ!」

「ごめんなさい、でも……僕の“気持ち”を伝えるのには必要なことだから。あとちょっとだけ我慢してね? 僕は……トランスコード・トーカーとコード・トーカー・インヴァートをリンクマーカーにセット!」

「トランスコードをリンク素材に!?」

 

 コード・トーカーデッキの要とも言えるトランスコード・トーカーを橙季は敢えて手放した。ワンダーハートに攻撃力では及ばないとはいえ、彼のデッキの主戦力たるカードを素材にするという意味を愛美は理解できなかった。

 

「召喚条件は“サイバース族モンスター2体”! サーキットコンバイン! リンク召喚!“古の儀式を司る未来の魔女よ。その力を以て我が思いを示せ!”現れよ!《サイバース・ウィッチ》!」

 

《サイバース・ウィッチ》

リンク・効果モンスター

リンク2/闇属性/サイバース族/攻800

【リンクマーカー:左下/下】

サイバース族モンスター2体

このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。

(1):このカードのリンク先にモンスターが特殊召喚された場合、自分の墓地の魔法カード1枚を除外して発動できる。デッキからサイバース族の儀式モンスター1体と「サイバネット・リチューアル」1枚を手札に加える。

(2):このカードの(1)の効果を発動したターンの自分メインフェイズに、自分の墓地のレベル4以下のサイバース族モンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターを特殊召喚する。

 

「サイバース・ウィッチ……」

「僕は手札のバックアップ・セクレタリーをサイバース・ウィッチのリンク先に特殊召喚! そしてリンク先にモンスターが特殊召喚されたことでサイバース・ウィッチの効果を発動! 墓地の魔法カード、斬機刀ナユタを除外してデッキからサイバース族の儀式モンスター《嵐竜の聖騎士》と儀式魔法《サイバネット・リチューアル》を手札に加えます。そして一つ目の効果を発動したサイバース・ウィッチのもう一つの効果を発動! 墓地のレベル4以下のサイバース族モンスター1体を特殊召喚します! マイクロ・コーダーを特殊召喚! 更に手札から魔法カード、サイバネット・フュージョンを発動!」

 

《サイバネット・フュージョン》

通常魔法

(1):自分の手札・フィールドから、サイバース族の融合モンスターカードによって決められた融合素材モンスターを墓地へ送り、その融合モンスター1体をEXデッキから融合召喚する。EXモンスターゾーンに自分のモンスターが存在しない場合、自分の墓地のサイバース族リンクモンスター(1体まで)を除外して融合素材とする事もできる。

 

「僕はフィールドのバックアップ・セクレタリーと手札の嵐竜の聖騎士の2体を融合するよ! 融合召喚! 現れよ!《ダイプレクサ・キマイラ》!」

 

《ダイプレクサ・キマイラ》

融合・効果モンスター

星5/光属性/サイバース族/攻2000/守800

サイバース族モンスター×2

このカード名の(2)の効果は1ターンに1度しか使用できない。

(1):1ターンに1度、自分フィールドのサイバース族モンスター1体をリリースして発動できる。このターンのバトルフェイズ中にお互いは魔法・罠カードの効果を発動できない。

(2):融合召喚したこのカードが墓地へ送られた場合、このカード以外の自分の墓地の、サイバース族モンスター1体と「サイバネット・フュージョン」1枚を対象として発動できる。そのカードを手札に加える。

 

「今度は融合召喚……一体何を狙って……」

「1つ目の効果を発動したサイバース・ウィッチの効果を発動。墓地のレベル4以下のサイバース族モンスター1体を特殊召喚するよ。マイクロ・コーダーを特殊召喚! そして手札の斬機サブトラの効果を発動! ダイプレクサ・キマイラの攻撃力を1000下げることでこのカードを手札から特殊召喚する!」

 

ダイプレクサ・キマイラ ATK2000→ATK1000

 

 これで橙季のフィールドにはEXゾーンにサイバース・ウィッチ、メインモンスターゾーンに左からマイクロ・コーダー、斬機サブトラ、ダイプレクサ・キマイラ、エクスコード・トーカー、リンクスレイヤーの計6体が存在することになった。もちろんどのモンスターも攻撃力ではワンダーハートには及ばない。しかし、この盤面を作り上げることが橙季の目的でないことは誰もが気づいていた。

 

(この布陣はやはり……)

「そして僕はリンクスレイヤーの効果を発動!」

 

《リンクスレイヤー》

効果モンスター

星5/地属性/サイバース族/攻2000/守600

(1):自分フィールドにモンスターが存在しない場合、このカードは手札から特殊召喚できる。

(2):1ターンに1度、手札を2枚まで捨て、捨てた数だけフィールドの魔法・罠カードを対象として発動できる。そのカードを破壊する。

 

「手札のサイバネット・リチューアル1枚を捨てて、捨てた数だけフィールドの魔法・罠カードを対象として発動。そのカードを破壊する。対象はもちろん、海晶乙女の闘海!」

 

 リンクスレイヤーの刃が海晶乙女たちの闘う舞台と言えるフィールドを切り裂く。海晶乙女の強さの大半がこのカードに占められていると言ってもいいだけに、ここで海晶乙女の闘海を破壊されたことは愛美にとっては痛かった。

 

「くっ、海晶乙女の闘海が……!」

「海晶乙女の闘海が失われたことで、海晶乙女モンスターを強化する効果は失われる!」

 

海晶乙女ワンダーハート ATK4400→ATK2400

 

「更にクリスタルハートを素材にしてリンク召喚されたワンダーハートにモンスター効果を受けない耐性を与える効果もなくなる。これでワンダーハートに僕のモンスターの効果が通るようになった!」

「でも、それでもキミのモンスターはボクのワンダーハートを下回っているし、ワンダーハートには装備カードになっている海晶乙女1体を特殊召喚することで破壊を無効にして戦闘ダメージを0にすることだってできるんだよ!」

「愛美ちゃん」

「……な、何かな? 言っておくけど、サレンダーするんだったら早めに言ってね!」

「愛美ちゃん、言ったよね。このデュエルで愛美ちゃんが勝ったら、お願いを聞いてほしいって言ってたよね」

「う、うん」

「実は僕も愛美ちゃんにお願いしたいことがあるんだ。でも、デュエルの後じゃなくて……今言うよ。僕は……」

 

 

 

 

 

―――愛美ちゃん、君のことが好きです!!―――

 

 

 

 

 

「……へっ?」

「内気で馴染めずにいてくれた僕に声をかけてくれてから、君の優しさに触れて……それからずっと、僕は……」

「ま、ま、待って! 待ってってば! まだデュエル中だし、その……みんなの前だよ?」

 

 愛美に指摘されて一気に顔が真っ赤になる橙季。周囲でデュエルの様子を見守っていた遊希たちは一様に呆気に取られたような顔をしていた。一体自分たちの目の前で何が起きているのか、といった様子を浮かべる者もいれば、早くも順応して嬌声を上げる者もいた。

 

「皐月、知ってた?」

「ま、全く気づけませんでした……ですが、よく考えてみればフラグが立つ兆しはあったんですね。オタクなのに見抜けないとは……」

(それにオタクは関係あるのだろうか?)

「ヒューッ! やるやん橙季! 結納はいつになるんや!?」

「私たち、まだ法律で結婚できませんから」

「……あっ、えっと……僕の気持ちは変わらない。そして、僕は君を守り抜くだけの力を見せる。僕の決意が―――このモンスターです!! 僕はサイバース・ウィッチ、ダイプレクサ・キマイラ、リンクスレイヤー、マイクロコーダーの4体をリンクマーカーにセット!」

 

 エクスコード・トーカーを除いた4体のモンスターがリンクマーカーにセットされる。八方のリンクマーカーのうち、上・左・右・左下・右下に光が灯った。

 

「えっ、リンク5……!?」

「アローヘッド確認! 召喚条件は“効果モンスター3体以上”! サーキットコンバイン!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――“暗天より降りし光の雫よ。雄大なる大地に命の風を巻き起こし、決意の炎となって燃え上がれ!”―――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――これが、僕の意志! 僕の決意!!―――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――現れよ、リンク5!!―――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――《ファイアウォール・ドラゴン・ダークフルード》!!―――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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