銀河の竜を駆る少女   作:Garbage

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変わる決意(修正版)

 

 

 

 

 

☆TURN01(鈴)

 

「先攻はあたし。ね、エヴァちゃん。先に言っておくけど、今までのあたしと思わない方がいいかもしれないわよ?」

「ほう? デッキに新しいカードでも入れたというのか?」

「ま、そんなとこかな。今からそれを見せてあげる! あたしは手札から魔法カード、ドラゴン・目覚めの旋律を発動。手札1枚をコストにデッキから攻撃力3000以上、守備力2500以下のドラゴン族モンスターを2枚まで手札に加える」

 

 鈴の手元からはあの白紙のカードがコストとして墓地へ送られる。カードの種類を問わないコストであれば白紙のカードであっても問題なく使用できるようだった。

 

「あたしはデッキからブルーアイズ・カオス・MAX・ドラゴンと青眼の亜白龍の2枚を手札に加えるわ!」

「お決まりの2体か。しかし、手札に青眼の白龍がなければその2枚をサーチする意味はない」

「そう……今のあたしの手札には青眼の白龍はない。だけど、青眼の白龍をサーチしつつ、フィールドを固めることくらい簡単だよ! 更にあたしは手札から魔法カード、ワン・フォー・ワンを発動。今サーチした亜白龍をコストにデッキからレベル1の伝説の白石を特殊召喚するわ!」

 

 普段の鈴であれば、先攻後攻問わずにエースモンスターであるブルーアイズ・カオス・MAX・ドラゴンの儀式召喚を狙うプレイングをする。しかし、このデュエルにおいてはカオス・MAXと共にデッキを支えるモンスターである亜白龍をサーチした直後に即ワン・フォー・ワンの発動コストに充てた。その時点で少なくとも今までの鈴のプレイングとは異なっていた。

 

「伝説の白石をリンクマーカーにセット! サーキットコンバイン! リンク1のリンクリボーをリンク召喚! フィールドから墓地に送られた伝説の白石の効果であたしはデッキから青眼の白龍1体を手札に加える。あたしはカードを1枚セット。そして、《宵星の騎士(ジャックナイツ・オルフェゴール)ギルス》を召喚!」

 

《宵星の騎士ギルス》

効果モンスター

星4/闇属性/機械族/攻1800/守0

このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。

(1):このカードが召喚・特殊召喚に成功した場合に発動できる。デッキから「オルフェゴール」カードまたは「星遺物」カード1枚を墓地へ送る。このカードと同じ縦列に他のカードが2枚以上存在する場合、さらにこのターン、このカードをチューナーとして扱う。

(2):自分フィールドに他のモンスターが存在しない場合に発動できる。お互いのフィールドに「星遺物トークン」(機械族・闇・星1・攻/守0)を1体ずつ守備表示で特殊召喚する。

 

「宵星の騎士ギルスだと!? 青眼とのシナジーはないはずだが……」

「あるんだよね、これが。召喚に成功したギルスの効果を発動。デッキからオルフェゴールもしくは星遺物カード1枚を墓地に送るよ。あたしが墓地に送るのは《星遺物-「星杯」》。そしてこの効果を発動した場合、このカードと同じ縦列に他のカードが2枚以上存在する場合、このカードはこのターンチューナーとして扱うことができる」

 

 ギルスが召喚されたのはリンクリボーの真下のメインモンスターゾーンであり、更にその下にはセットしたカードが存在する。故にギルスはチューナーモンスターとしてこのターン扱うことができるのだ。しかし、ギルスと青眼デッキのコンボの真価はこの効果ではない。

 

「なるほど、わかったぞ。トークンの守備力は0、そしてお前のデッキには貫通ダメージを倍にするカオス・MAX……」

「さすがにバレちゃったか。ギルスの効果で特殊召喚できるトークンを処理できなかったら、エヴァちゃんをワンキルできるってこと! まあ先攻だしギルスの2つ目の効果は使えないんだけど……」

 

 ギルスのトークン生成効果は他にモンスターが存在する場合は発動できない。そのため、1つ目の効果と併用するにはリンクリボーを自ら除去する必要があり、2つの効果を同時に発動するのは現実的ではないと言える。しかし、先攻の場合は1つ目の効果を発動して先攻展開、後攻の場合は2つ目の効果を駆使して後攻ワンキルの手段を増やすことができるのだ。

 

「あたしはリンクリボーとチューナーモンスターとなったギルスをリンクマーカーにセット! サーキットコンバイン! リンク召喚、水晶機巧ハリファイバー!!」

「ハリファイバー……なるほど、それで」

「リンク召喚に成功したハリファイバーの効果を発動よ! デッキからレベル3以下のチューナーモンスター1体を特殊召喚する! あたしはレベル3のチューナーモンスター《D・スコープン》を特殊召喚!」

 

《D・スコープン》

チューナー(効果モンスター)

星3/光属性/機械族/攻800/守1400

このカードはこのカードの表示形式によって以下の効果を得る。

●攻撃表示:1ターンに1度、手札から「D(ディフォーマー)」と名のついたレベル4モンスター1体を特殊召喚できる。この効果で特殊召喚したモンスターはエンドフェイズ時に破壊される。

●守備表示:このカードがフィールド上に表側表示で存在する限り、このカードのレベルは4になる。

 

「D・スコープンは表側守備表示で存在する限り、レベルは4になる」

 

D・スコープン 星3→星4

 

「そしてあたしはハリファイバーをリンクマーカーにセット! 召喚条件はリンク2以上のリンクモンスター1体! サーキットコンバイン! リンク召喚! 現れなさい!《リンクロス》!」

 

《リンクロス》

リンク・効果モンスター

リンク1/光属性/サイバース族/攻900

【リンクマーカー:下】

リンク2以上のリンクモンスター1体

このカード名の効果は1ターンに1度しか使用できない。

(1):このカードがリンク召喚に成功した場合に発動できる。そのリンク素材としたリンクモンスターのリンクマーカーの数まで、自分フィールドに「リンクトークン」(サイバース族・光・星1・攻/守0)を特殊召喚する。

この効果の発動後、ターン終了時まで自分は「リンクトークン」をリンク素材にできない。

 

「リンク召喚に成功したリンクロスの効果を発動。素材にしたハリファイバーののリンクマーカーの数だけあたしのフィールドにレベル1のリンクトークン2体を特殊召喚するわ!」

「しかし、そのトークンはターン終了時までリンク素材にすることができない。そのためのD・スコープンか」

 

 ギルス同様にD・スコープンも種族やテーマで言えば青眼とは何のシナジーもない。しかし、D・スコープンはハリファイバーの効果で特殊召喚できるチューナーモンスターで唯一レベルを4にすることができるモンスターなのだ。ハリファイバーの効果で特殊召喚したチューナーモンスターは効果を発動することができないが、スコープンのレベル変動効果は発動する効果ではないため、問題なく適用される。

 

「そういうこと! あたしはリンクトークン1体に、レベル4となったチューナーモンスター、D・スコープンをチューニング!“悪略によって命失いし可憐なる乙女よ。守護の力を以て転生せよ!”S召喚! シンクロチューナー、星杯の神子イヴ! S召喚に成功したイヴの効果を発動! デッキから星遺物カード1枚を手札に加える。あたしが手札に加えるのは永続魔法、星遺物の守護竜! そしてもう1体のリンクトークンに、レベル5のイヴをチューニング!“沼地に潜みし竜よ。千変万化、全てを網羅せよ!”S召喚!《ドロドロゴン》!」

 

《ドロドロゴン》

シンクロ・効果モンスター

星6/闇属性/ドラゴン族/攻500/守2200

チューナー+チューナー以外のモンスター1体以上

このカード名の(2)の効果は1ターンに1度しか使用できない。

(1):このカードは、融合モンスターカードにカード名が記された融合素材モンスター1体の代わりにできる。その際、他の融合素材モンスターは正規のものでなければならない。

(2):このカードがS召喚されている場合、自分メインフェイズに発動できる。融合モンスターカードによって決められた、このカードを含む融合素材モンスターを自分フィールドから墓地へ送り、その融合モンスター1体をEXデッキから融合召喚する。

 

「墓地に送られたイヴの効果を発動よ! デッキから星杯の守護竜を特殊召喚するわ! そしてドロドロゴンは融合モンスターカードにカード名が記された融合素材モンスター1体の代わりにできて、S召喚されている場合あたしのメインフェイズに融合モンスターカードによって決められた、このカードを含む融合素材モンスターをフィールドから墓地に送ることで、融合モンスター1体をEXデッキから融合召喚できるわ!」

「代用効果を持ち、融合内蔵のモンスター。そしてイヴの効果で特殊召喚した星杯の守護竜……? っ、そういうことか!?」

「気づいちゃったみたいね! あたしはドロドロゴンの効果を発動し、ドロドロゴンと星杯の守護竜で融合!“2体の竜よ、今一つとなって魔導の力奮いし竜騎士となって再誕せよ!” 融合召喚! 現れなさい、超魔導竜騎士-ドラグーン・オブ・レッドアイズ!!」

 

 ドロドロゴンは名称指定の融合素材の代用にすることができるため、ブラック・マジシャンを融合素材に指定する超魔導竜騎士-ドラグーン・オブ・レッドアイズの融合素材にすることができる。鈴のデッキはドラゴン族主体のデッキであるため、もう片方の融合素材であるドラゴン族の効果モンスターであっても容易に調達できるのだ。

 

「……青眼のデッキでよもや真紅眼のモンスターが出てくるとはな」

「ぶっちゃけ海馬 瀬人あたりにこのデュエルを見られたらマジ切れされるかもね。でも、青眼も真紅眼も関係ない。あたしは……遊希を助けるためだったらどんな誹りだって受けてやるんだから! あたしはさっきセットした魔法カード、貪欲な壺を発動! 墓地のギルス、ドロドロゴン、ハリファイバー、イヴ、伝説の白石の5枚をデッキに戻してシャッフル。そして2枚ドロー! へへっ、ツイてる! 手札から儀式魔法、高等儀式術を発動!デッキの通常モンスター、青眼の白龍を儀式の生贄に捧げ、手札からブルーアイズ・カオス・MAX・ドラゴンを儀式召喚! カードを1枚セットして、ターンエンドだよ!」

 

 

鈴 LP8000 手札2枚

デッキ:27 メインモンスターゾーン:2(ブルーアイズ・カオス・MAX・ドラゴン、超魔導竜騎士-ドラグーン・オブ・レッドアイズ)EXゾーン:1(リンクロス)魔法・罠(Pゾーン:青/赤):1 墓地:10 除外:0 EXデッキ:11(0)

エヴァ LP8000 手札5枚

デッキ:35 メインモンスターゾーン:0 EXゾーン:0 魔法・罠(Pゾーン:青/赤):0 墓地:0 除外:0 EXデッキ:15(0)

 

 □□□伏□

 □超M□□□

  ク □

□□□□□□

 □□□□□

エヴァ

 

○凡例

ク・・・リンクロス

超・・・超魔導竜騎士-ドラグーン・オブ・レッドアイズ

 

 

☆TURN02(エヴァ)

 

(鈴の青眼デッキは先攻制圧が不得手と思っていたが……ドラグーン・オブ・レッドアイズが出てくるとは想定外だった……)

―――でも、対策はバッチリなんでしょ?

(あのカードを対策しないデュエリストなどいないからな)

 

 エヴァの言うように、超魔導竜騎士-ドラグーン・オブ・レッドアイズというモンスターは【ブラック・マジシャン】や【真紅眼】以外のデッキで採用されるケースが多くなっており、正規の方法や素材で融合召喚されていないため、除去効果は発動できないものの、パーミッション効果は問題なく発動できる。故に後攻からの切り返しはもちろん、先攻制圧すらも容易に成し遂げるパワーカードと化していた。

 

「私のターン、ドロー! せっかくのドラグーン・オブ・レッドアイズだが、お前の出番はもう終わりだ!」

 

 エヴァが手札のカードを発動した瞬間、鈴のフィールドのドラグーン・オブ・レッドアイズが消滅し、そこには黒い身体をした異星人のような姿のモンスターが現れていた。

 

「さすがエヴァちゃん……ちゃーんと手は打ってあったか」

「私は鈴のフィールドのドラグーン・オブ・レッドアイズをリリースし《多次元壊獣ラディアン》を特殊召喚する!」

 

《多次元壊獣ラディアン》

効果モンスター

星7/闇属性/悪魔族/攻2800/守2500

(1):このカードは相手フィールドのモンスター1体をリリースし、手札から相手フィールドに攻撃表示で特殊召喚できる。

(2):相手フィールドに「壊獣」モンスターが存在する場合、このカードは手札から攻撃表示で特殊召喚できる。

(3):「壊獣」モンスターは自分フィールドに1体しか表側表示で存在できない。

(4):1ターンに1度、自分・相手フィールドの壊獣カウンターを2つ取り除いて発動できる。自分フィールドに「ラディアントークン」(悪魔族・闇・星7・攻2800/守0)1体を特殊召喚する。このトークンはS素材にできない。

 

「さすがのドラグーン・オブ・レッドアイズも、強制リリースには勝てないよね……」

「無敵のカードなど存在しない、ということだ。私は手札のBF-毒風のシムーンの効果を発動する! 手札のBF-黒槍のブラストをゲームから除外し、デッキから永続魔法、黒い旋風を発動する。そしてその後、このカードの効果でシムーン自身を召喚! BFモンスターの召喚に成功したことで、黒い旋風の効果を発動。デッキからシムーン以下の攻撃力を持ったBF-南風のアウステルを手札に加える」

 

 対するエヴァの後攻1ターン目は得意とする毒風のシムーンから始まった。奇手を打ってきた鈴に対し、エヴァはあくまで得意とする戦法をそのまま使ってくるようだった。

 

「そしてチューナーモンスター、南風のアウステルを召喚。召喚に成功したアウステルの効果、そして黒い旋風の効果を発動」

 

チェーン2(エヴァ):黒い旋風

チェーン1(エヴァ):BF-南風のアウステル

 

「チェーン2の黒い旋風の効果で私はデッキからBF-砂塵のハルマッタンを手札に加え、チェーン1のアウステルの効果で私は除外されているブラストを特殊召喚する! 更に今手札に加えたハルマッタンも特殊召喚だ!」

 

 エヴァのフィールドには瞬く間に4体のBFモンスターが居並ぶ。彼女の主だった戦法の一つがリンクモンスター1体をリンク召喚し、更にシムーンとアウステルでレベル10の大型Sモンスター、BF-フルアーマード・ウィングのS召喚を狙うというものだ。しかし、フルアーマード・ウィングは元となったSモンスター、BF-アーマード・ウィングとは違って効果破壊耐性を持つものの、代わりに戦闘耐性を失っているためカオス・MAX相手には不利と言っていい。

 

(エヴァちゃんは4体のモンスターでどうやって……)

「行くぞ。私はシムーンとハルマッタンをリンクマーカーにセット! アローヘッド確認、召喚条件は“鳥獣族・闇属性モンスター2体”! サーキットコンバイン!“闇夜に潜みし猛禽よ。叡智の瞳で新たな未来を切り拓け!”リンク召喚!羽ばたけ!《RR-ワイズ・ストリクス》!!」

 

《RR-ワイズ・ストリクス》

リンク・効果モンスター

リンク2/闇属性/鳥獣族/攻1400

【リンクマーカー:左下/右下】

鳥獣族・闇属性モンスター2体

このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。

(1):このカードがリンク召喚に成功した場合に発動できる。デッキから鳥獣族・闇属性・レベル4モンスター1体を守備表示で特殊召喚する。この効果で特殊召喚したモンスターはリンク素材にできず、効果は無効化される。

(2):自分の「RR」Xモンスターの効果が発動した場合に発動する。デッキから「RUM」魔法カード1枚を自分フィールドにセットする。速攻魔法カードをセットした場合、そのカードはセットしたターンでも発動できる。

 

「RR!?」

 

 RR(レイド・ラプターズ)はBFと同じく闇属性・鳥獣族で統一されたカテゴリーであり、BFとは異なりXモンスターやRUMを駆使して展開するデッキであるものの、下級モンスター主体であることや種族・属性が共通していることから併用も十分可能なカードなのだ。

 

「……私も色々と変わらなければならない時に来ている。それをこの間のデュエルで思い知らされたよ」

―――エヴァ……

「そして新しくなったデッキの初陣相手が鈴、お前ということだ。悪いが、このデュエルおいそれと負けてやるわけには行かない!」

「エヴァちゃん……そうね、だったらその新しいデッキの全力、あたしに見せてちょうだい!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

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