銀河の竜を駆る少女   作:Garbage

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悲しくも熱き決戦

 

 

 

 

 

 

 

「スカーレッド・スーパーノヴァ・ドラゴン……」

―――これが、スカーライトの力の最終到達点、そういうことか。

 

《スカーレッド・スーパーノヴァ・ドラゴン》

シンクロ・効果モンスター

星12/闇属性/ドラゴン族/攻4000/守3000

チューナー3体+チューナー以外のSモンスター1体以上

このカードはS召喚でのみEXデッキから特殊召喚できる。

(1):このカードの攻撃力は自分の墓地のチューナーの数×500アップする。

(2):フィールドのこのカードは相手の効果では破壊されない。

(3):1ターンに1度、相手モンスターの効果が発動した時、または相手モンスターの攻撃宣言時に発動できる。このカード及び相手フィールドのカードを全て除外する。

(4):このカードの(3)の効果で除外された場合、次の自分エンドフェイズに発動する。除外されているこのカードを特殊召喚する。

 

「スカーレッド・スーパーノヴァ・ドラゴンの攻撃力は、私の墓地のチューナーモンスターの数×500ポイントアップする。私の墓地に眠るチューナーの数は―――」

 

 スカーレッド・スーパーノヴァ・ドラゴンの周囲にはエヴァの墓地に眠るチューナーたちの魂が浮かび上がる。南風のアウステル、2体の疾風のゲイル、2体の突風のオロシという計5体のチューナーモンスターがスカーレッド・スーパーノヴァ・ドラゴンの力になる。

 

スカーレッド・スーパーノヴァ・ドラゴン ATK4000→ATK6500

 

「攻撃力6500……」

「バトルだ!! スカーレッド・スーパーノヴァ・ドラゴンでダーク・レクイエム・エクシーズ・ドラゴンを攻撃!!“バーニング・スーパー・ソウル・ノヴァ”!!」

 

スカーレッド・スーパーノヴァ・ドラゴン ATK6500 VS ダーク・レクイエム・エクシーズ・ドラゴン ATK5000

 

ブラック LP8000→LP6500

 

「ぐっ……!」

「ダーク・レクイエム、粉砕! 私とスカーライトの力は誰にも止められない! バトルフェイズを終了し、メインフェイズ2に移行する。が、私にできることはない。ターンエンドだ!」

 

エヴァ LP600 手札0枚

デッキ:24 メインモンスターゾーン:(スカーレッド・スーパーノヴァ・ドラゴン)EXゾーン:0 魔法・罠(Pゾーン:青/赤):0 墓地:14 除外:3 EXデッキ:12(0)

ブラック LP6500 手札1枚

デッキ:19 メインモンスターゾーン:0 EXゾーン:0 魔法・罠(Pゾーン:青/赤):0 墓地:13 除外:12 EXデッキ:9(0)

 

エヴァ

 □□□□□

 □□ス□□

  □ □

□□□□□□

 □□□□□

ブラック

 

○凡例

ス・・・スカーレッド・スーパーノヴァ・ドラゴン

 

 

☆TURN06(ブラック)

 

「私のターン、ドロー! 私は墓地の幻影騎士団ステンドグリーブの効果を発動! このカードをゲームから除外し、手札から幻影騎士団モンスター1体を特殊召喚する。現れよ!《幻影騎士団ティアースケイル》!」

 

《幻影騎士団ティア―スケイル》

効果モンスター

星3/闇属性/戦士族/攻600/守1600

このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。

(1):手札を1枚捨てて発動できる。デッキから「幻影騎士団ティアースケイル」以外の「幻影騎士団」モンスター1体または「ファントム」魔法・罠カード1枚を墓地へ送る。

(2):このカードが墓地に存在し、自分の墓地からこのカード以外の「幻影騎士団」モンスターまたは「ファントム」魔法・罠カードが除外された場合に発動できる。このカードを特殊召喚する。この効果で特殊召喚したこのカードは、フィールドから離れた場合に除外される。

 

「ステンドグリーブの効果で特殊召喚されたモンスターのレベルは1上がる」

 

幻影騎士団ステンドグリーブ 星3→星4

 

「そして幻影騎士団フラジャイルアーマーを召喚! 私は2体のモンスターでオーバーレイ! エクシーズ召喚! 再び舞い戻れ! レイダーズ・ナイト!」

「レイダーズ・ナイト……」

「レイダーズ・ナイトの効果を発動! オーバーレイユニットを1つ取り除き、レイダーズ・ナイトより1つ上か下のランクのXモンスターをこのカードに重ねてX召喚扱いで特殊召喚する! 再び現れよ、アーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン!!」

 

 エヴァがあれだけ苦心して倒したアーク・リベリオンがまたしてもブラックのフィールドに現れた。このデッキのエースモンスターとも言うべきモンスターなのだから、2体目が存在しても何らおかしなことではないのだが。

 

「スカーレッド・スーパーノヴァ・ドラゴン……お前たちの培ってきた絆があったからこそ生まれた奇跡の存在なのだろう。しかし、時に強すぎる力は自らに牙を剥く! アーク・リベリオンの効果を発動! オーバーレイユニットを1つ取り除き、このカードの攻撃力をこのカード以外のフィールドのモンスターの攻撃力分アップさせる!」

「……スカーレッド・スーパーノヴァ・ドラゴンの元々の攻撃力は4000」

「つまりアーク・リベリオンの攻撃力は7000にまで―――」

「無駄だ! アーク・リベリオンの効果にチェーンしてスカーレッド・スーパーノヴァ・ドラゴンの効果を発動!! 相手モンスターの効果が発動した時、このカードおよび相手フィールドのカードを全てゲームから除外する!!」

 

チェーン2(エヴァ):スカーレッド・スーパーノヴァ・ドラゴン

チェーン1(ブラック):アーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン

 

「なっ……!?」

「スーパーノヴァ・ドラゴン! 全てを次元の彼方へと消し去れ!!」

―――“スカーレッド・ビッグバン”!!―――

 

 まさに星が生誕する瞬間のような激しい光と共にフィールドから消え去るスカーレッド・スーパーノヴァ・ドラゴンとアーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン。アーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴンの効果はスカーレッド・スーパーノヴァ・ドラゴンがフィールドを離れており、またアーク・リベリオン自身もフィールドを離れているため効果が適用されないのだ。

 

「っ……」

「矢尽き刀折れる、とはこういうことを言うのだろうな。ちなみにスーパーノヴァ・ドラゴン自身は次の私のターン終了時にフィールドに帰還する」

「私は……これでターンエンドだ」

 

エヴァ LP600 手札0枚

デッキ:24 メインモンスターゾーン:0 EXゾーン:0 魔法・罠(Pゾーン:青/赤):0 墓地:14 除外:4 EXデッキ:12(0)

ブラック LP6500 手札0枚

デッキ:18 メインモンスターゾーン:0 EXゾーン:0 魔法・罠(Pゾーン:青/赤):0 墓地:15 除外:14 EXデッキ:7(0)

 

エヴァ

 □□□□□

 □□□□□

  □ □

□□□□□□

 □□□□□

ブラック

 

 

☆TURN07(エヴァ)

 

「私のターン、ドロー!……私はカードを1枚セット。これでターンエンド。この瞬間、除外されているスーパーノヴァ・ドラゴンはフィールドに帰還する」

 

エヴァ LP600 手札0枚

デッキ:23 メインモンスターゾーン:1(スカーレッド・スーパーノヴァ・ドラゴン)EXゾーン:0 魔法・罠(Pゾーン:青/赤):0 墓地:14 除外:3 EXデッキ:12(0)

ブラック LP6500 手札0枚

デッキ:18 メインモンスターゾーン:0 EXゾーン:0 魔法・罠(Pゾーン:青/赤):0 墓地:15 除外:14 EXデッキ:7(0)

 

エヴァ

 □□伏□□

 □ス□□□

  □ □

□□□□□□

 □□□□□

ブラック

 

 

☆TURN08(ブラック)

 

「私のターン、ドロー!……ふっ、力及ばずか」

「……サレンダーするのであれば、認めるぞ」

「サレンダー? 冗談を言うな。私は戦いの世界に生きる者。敵に頭を下げて生き延びるくらいならば死を選ぶ。どうせ倒れるのであれば、最期くらいは華々しく逝かせてくれ」

「……わかった。私も一人のデュエリスト―――戦士だ。強者には最大限の敬意を払おう」

「ありがとう、ターンエンドだ」

 

 そう言ってブラックは目を閉じる。何もしないまま次のターンに回り、エヴァのスーパーノヴァ・ドラゴンの炎が一人の孤高な黒き戦士を焼き尽くした。

 

 

スカーレッド・スーパーノヴァ・ドラゴン ATK6500

 

ブラック LP6500→LP0

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「見事だ、精霊と絆を結びし人間よ―――もし、次に相まみえることがあらば。敵でなく戦友として出会えることを望む。さらばだ」

 

 そう言ってブラックは光の粒子となって消えていった。彼が立っていた場所にはブラックがつけていたデュエルディスクとデッキ、そして《ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン》のカードが落ちていた。拘束の主であるブラックが消えたことで、囚われていた鈴が解放される。

 

「エヴァちゃん!!」

「鈴……」

 

 駆け寄った鈴を抱きしめようと手を広げたエヴァはそのままそこにへたり込んでしまった。ブラックとの激しいデュエル、そしてレッド・デーモンズ・ドラゴン・スカーライトの中に眠るスカーレッド・スーパーノヴァ・ドラゴンの力を目覚めさせたことによる負担が疲労となってエヴァに圧し掛かったのだ。

 

「エヴァちゃん、大丈夫!?」

「ああ。ちょっと疲れただけだが……少し休みが欲しい。鈴、私に構わず先に行け」

「そんなエヴァちゃんを置いてなんて……」

「遊希はお前の助けを待っている。お前が行かなければ誰が行くと言うんだ!」

「っ……!」

 

 エヴァの鬼気迫る表情から彼女の真剣な気持ちを感じ取る鈴。それでもエヴァを置いていくわけには、と躊躇する鈴にエヴァは1枚のカードを差し出した。

 

「しょうがないな……スカーライト。お前が鈴に付いていけ」

―――エヴァ!?

「私がダメなら、スカーライトが行けばいい。お守り代わりにはなるだろう」

「ほんとに、いいの……?」

「光子竜と青眼を従えるお前なら、スカーライトを従わせられない道理はないだろう。スカーライト、お前は大丈夫だよな?」

―――うん、あたしも鈴ならオッケーだよ!

 

 スカーライトのカードを受け取った鈴は、自分の身体と心にスカーライトの力が流れ込んでくるのを感じた。エヴァの精霊であるスカーライトを預かる、ということはエヴァの想いもまた背負うことになるのだ。否応なく鈴の背筋が伸びる。

 

「エヴァちゃん、たぶん後から千春と皐月も来てくれるから。待ってて!!」

「ああ、頼んだぞ! 鈴!!」

 

 鈴はエヴァのことを振り返ることなく駆け出した。自分は一人ではない。エヴァの、千春の、皐月の、そして遊希の想いを背負った少女の足は止まらない。階段を幾つも駆け上がり、悲鳴を上げる身体に鞭を討ち、鈴は一心不乱に最上階のフロアの扉を開け放った。

 

 

 

―――まさか、本当にここまで来るとは思いませんでした。

 

 

 I2社日本支社オフィスビルの最上階は訪れたデュエリストや社員のためのデュエルスペースになっており、ガラス張りの天井からは昼間は暖かな太陽の光が、夜は美しい月の光が照らすようになっている。そんな場所に遊望は一人立っていた。銀河眼の時空竜を思わせる紫色のパーティードレスのようなものを纏っていた遊望は倒すべき敵でありながらも、息を呑むような美しさを誇っていた。

 

「天宮 遊望……!!」

「こんな時のために用意しておいた刺客を全て退けてきた、ことは認めましょう。ですが、あなたは私に触れることすらできない」

「そんなことないよ。あたしはここに来るまで出会ってきたみんなの想いを背負っている。助けてくれたパパたちや、あんたが差し向けてきた精霊のデュエリストたち、エヴァちゃん、千春、皐月……一緒にここまで仲間たちの想いを背負ってきた! あたしは一人じゃない。あたしは、みんなのためにあんたを倒して、遊希を助ける!!」

 

 デュエルディスクを起動し、遊望の下へと向かっていく鈴。ここで彼女を倒せば遊希を取り戻せる。そんな鈴のひたむきな想いを遮る者がいた。

 

「私がわざわざ裁きを下すまでもありません。そうですよね、お姉さま?」

「っ!?」

 

 鈴と遊望の間に割って入る者がいた。遊望が来ているドレスと同じようなデザインで、色だけが銀河眼の光子竜を思わせる青を基調としている。そのドレスを纏っている者の顔を見た鈴は安堵の表情に包まれる。連れ去られてずっと離れ離れだった友の姿がそこにあったからだ。

 

「遊希……!! よかった、無事だったのね!!」

―――待て、鈴!

―――様子が……おかしい……

 

 精霊たちに言われて立ち止まる鈴。喜びの表情を見せる鈴と違って、遊希はまるで汚らわしいものを見るような眼で鈴を睨みつけていたからだ。

 

「……あなた、誰?」

「なっ、何言ってんの遊希? あたしは―――」

「気安く名前を呼ばないで。どこの誰だが知らないけれど……遊望に手を出すなら、ここで―――殺しますよ?」

 

 鈴は強く歯を食いしばる。光子竜たちに言われるまでもなく、今の遊希が正気でないことがわかった。

 

「残念ですが、お姉さまはあなたのことなんて覚えていませんよ? 私の調きょ―――んんっ、私とお姉さまの姉妹の絆でお姉さまは無事お姉さまに戻って頂きました」

―――今何言いかけたの!?

「何も? まあお姉さまは私がいなければ生きていけない身体になってしまいましたが」

―――悪趣味な……

「まあ、あなたがお姉さまをデュエルで倒すことができれば……もしかしたらもあるかもしれませんけどね」

 

 遊希の腕には遊望が用意したデュエルディスクが付けられていた。遊望に拉致された際、遊希は使用している【ギャラクシー】も【サンダー・ドラゴン】のデッキも全てアカデミアに置いていってしまったのだが、どうやらブラックたちと同じようにI2社で新たなデッキを用意したのだろう。

 

―――鈴、操られているとはいえ相手は遊希だ。デュエルタクティクスは決して衰えてはいないだろう。

(……わかってる。気を抜くつもりなんてないよ。ねえ、光子竜)

―――なんだ?

(あの時の遊希も、こんな気持ちだったのかな?)

 

 あの時、というのはかつて鈴が遊望に操られて遊希と対峙した時のことだ。あの時の遊希は鈴とこんな形でデュエルをしなければならない、という悲しみを抱きつつも鈴を助けるために決死で立ち向かったのだ。

 

―――ああ。奇しくも今度は助ける側と助けられる側が逆になったようだな。

「それなら、ちょうどいい恩返しができそうね! 遊希、私があんたを助けてあげるから!!」

「お姉さま。あの女は私たちの絆を断とうとする悪人です。容赦なく、叩き潰してあげてください」

「わかった。お姉ちゃん、頑張るから!」

 

 

先攻 遊希【???】

後攻 鈴【青眼】

 

 

遊希 LP8000 手札5枚

デッキ:35 メインモンスターゾーン:0 EXゾーン:0 魔法・罠(Pゾーン:青/赤):0 墓地:0 除外:0 EXデッキ:15(0)

鈴 LP8000 手札5枚

デッキ:37 メインモンスターゾーン:0 EXゾーン:0 魔法・罠(Pゾーン:青/赤):0 墓地:0 除外:0 EXデッキ:15(0)

 

 

☆TURN01(遊希)

 

「先攻は私」

 

 普段遊希がデュエルする時と比べて、操られていることが影響しているのか遊希に抑揚が感じられない。しかし、精密機械のような振る舞いをされればされるほど、より手が読みにくくなっていた。

 

―――鈴、重ねて言うが相手は遊希だ。決して手を抜くなよ。

(わかってる。でも、ギャラクシーでもサンダー・ドラゴンでもないデッキ……どんなデッキを使うのかしら)

「私は―――手札から魔法カードを発動」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――《極超の竜輝巧》(ドライトロン・ノヴァ)―――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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