「【竜輝巧(ドライトロン)】……?」
―――やはり我々の知らないカードを使って来たか……
《極超の竜輝巧》(ドライトロン・ノヴァ)
通常魔法
このカード名のカードは1ターンに1枚しか発動できず、このカードを発動するターン、自分は通常召喚できないモンスターしか特殊召喚できない。
(1):デッキから「ドライトロン」モンスター1体を特殊召喚する。この効果で特殊召喚したモンスターはエンドフェイズに破壊される。
「極超の竜輝巧。このカードは1ターンに1枚しか発動できず、私はこのターン通常召喚できないモンスターしか特殊召喚できない」
「……通常召喚できないモンスターしか特殊召喚できない? 複雑なテキストね」
―――特殊召喚モンスターやEXデッキのモンスターは特殊召喚できる、ということじゃない?
―――だが、このカードの仕様で相手のデッキをある程度は推測できるな。
光子竜の言うように、相手のデッキがわからない場合でもカードの効果からデッキタイプを推測することも不可能ではない。スカーライトの言ったように、モンスターの特殊召喚に制限がかかるのであれば、その制限をすり抜けられるモンスターで構築されていることだ。
「私はデッキから《竜輝巧-バンα》を特殊召喚」
《竜輝巧-バンα》
特殊召喚・効果モンスター
星1/光属性/機械族/攻2000/守0
このカードは通常召喚できず、「ドライトロン」カードの効果でのみ特殊召喚できる。このカード名の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):自分の手札・フィールドから、このカード以外の「ドライトロン」モンスターまたは儀式モンスター1体をリリースして発動できる。このカードを手札・墓地から守備表示で特殊召喚する。その後、デッキから儀式モンスター1体を手札に加える事ができる。この効果を発動するターン、自分は通常召喚できないモンスターしか特殊召喚できない。
「やっぱり特殊召喚モンスターだったわ! でもレベル1ってことは厄介なモンスターそうね……」
「私はレベル1のバンαをリンクマーカーにセット。サーキットコンバイン。リンクリボーをリンク召喚」
「リンクリボーを出すために特殊召喚……したわけじゃなさそうね」
「ええ、私は墓地のバンαの効果を発動! 手札のドライトロンモンスターもしくは儀式モンスター1体をリリースすることでこのカードを手札または墓地から特殊召喚するわ! 私は《竜輝巧-アルζ》をリリース。蘇りなさい、バンα!」
地の底からまるで星のような光を放ちながら蘇るバンα。レベル1かつ守備表示で特殊召喚されるとはいえ、攻撃力2000の自己蘇生が可能なモンスターだ。決して侮れる相手ではない。
「自身の効果で特殊召喚に成功したバンαの効果を発動。デッキから儀式モンスター1体を手札に加える」
(……儀式デッキ)
鈴のデッキもブルーアイズ・カオス・MAX・ドラゴンをエースに添えた儀式型の【青眼】。鈴と遊希の望まない形でのデュエルは、奇しくも儀式召喚を駆使するデッキ同士のデュエルとなっていた。
「私はデッキから《サイバー・エンジェル-弁天》を手札に加える。そして墓地の竜輝巧-アルζの効果を発動。手札の儀式モンスター、サイバー・エンジェル-弁天をリリースしてこのカードを手札から特殊召喚する。そして自身の効果で特殊召喚したアルζ、リリースされたサイバー・エンジェル-弁天の効果を発動」
《竜輝巧-アルζ》
特殊召喚・効果モンスター
星1/光属性/機械族/攻2000/守0
このカードは通常召喚できず、「ドライトロン」カードの効果でのみ特殊召喚できる。このカード名の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):自分の手札・フィールドから、このカード以外の「ドライトロン」モンスターまたは儀式モンスター1体をリリースして発動できる。このカードを手札・墓地から守備表示で特殊召喚する。その後、デッキから儀式魔法カード1枚を手札に加える事ができる。この効果を発動するターン、自分は通常召喚できないモンスターしか特殊召喚できない。
《サイバー・エンジェル-弁天》
儀式・効果モンスター
星6/光属性/天使族/攻1800/守1500
「機械天使の儀式」により降臨。
(1):このカードが戦闘でモンスターを破壊し墓地へ送った場合に発動する。そのモンスターの元々の守備力分のダメージを相手に与える。
(2):このカードがリリースされた場合に発動できる。デッキから天使族・光属性モンスター1体を手札に加える。
チェーン2(遊希):サイバー・エンジェル-弁天
チェーン1(遊希):竜輝巧-アルζ
「チェーン2のサイバー・エンジェル-弁天の効果で私は2枚目の弁天を手札に加え、チェーン1のアルζの効果で儀式魔法《流星輝巧群》を手札に加える。そして手札から儀式魔法、流星輝巧群を発動!
《流星輝巧群》(メテオニス・ドライトロン)
儀式魔法
儀式モンスターの降臨に必要。
このカード名の(2)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):攻撃力の合計が儀式召喚するモンスターの攻撃力以上になるように、自分の手札・フィールドの機械族モンスターをリリースし、自分の手札・墓地から儀式モンスター1体を儀式召喚する。
(2):このカードが墓地に存在する場合、自分フィールドの「ドライトロン」モンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターの攻撃力を相手ターン終了時まで1000ダウンし、このカードを手札に加える。
「私は手札の竜儀巧-メテオニス=DRAをリリース!!」
「ぎ、儀式モンスターを儀式のリリースに!?」
「流星輝巧群は手札・フィールドの機械族モンスターをリリースし、手札・墓地から儀式モンスターを儀式召喚できるわ。“時の流れと共に失われし星の繋がりよ。星々集いし今竜の型となりて再臨せよ!”儀式召喚! 現れなさい!《竜儀巧-メテオニス=QUA》!!」
《竜儀巧-メテオニス=QUA》
儀式・効果モンスター
星12/光属性/機械族/攻4000/守4000
「流星輝巧群」により降臨。
このカード名の(2)(3)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):フィールドのこのカードは相手の魔法・罠カードの効果の対象にならない。
(2):このカードの儀式召喚に使用したモンスターのレベルの合計が2以下の場合に発動できる。相手フィールドの魔法・罠カードを全て破壊する。
(3):儀式召喚したこのカードが破壊された場合に発動できる。自分の墓地から、攻撃力の合計が4000になるように「竜儀巧-メテオニス=QUA」以外の「ドライトロン」モンスターを任意の数だけ選んで特殊召喚する。
竜儀巧-メテオニス=QUA DEF4000
「レベル12、攻守4000の儀式モンスター……」
―――まさか、そんな高いステータスの儀式モンスターがいるなんて……
鈴のデッキのエースモンスターであるブルーアイズ・カオス・MAX・ドラゴンの攻撃力は4000。しかも貫通ダメージを倍増させる効果を持っているのだが、それも相手の守備を貫けなければ意味がない。仮に遊希が洗脳されていたとしても、鈴とのデュエルの記憶が残っていたならば、その勝ち筋を潰せるデッキを組んでくるだろう。それが遊希が【ドライトロン】というデッキを組み上げた理由の一つなのかもしれない。
「メテオニス=QUAは相手の魔法・罠カードの効果の対象にならない。墓地の流星輝巧群の効果を発動。1ターンに1度、フィールドのドライトロンモンスター1体の攻撃力を次の相手ターン終了時まで1000下げることで、このカードを手札に加える。メテオニス=QUAの攻撃力を1000下げることで、サルベージ」
竜儀巧-メテオニス=QUA ATK4000→ATK3000
―――げっ、じゃあ1ターンに2回も儀式召喚できるってこと!?
―――しかし、遊希の手札に墓地のメテオニス=DRAの儀式召喚に充てられるだけのレベルのモンスターが複数体存在する必要がある。レベル12のモンスターを単に儀式のリリースにするために入れるものか?
―――あっ、それもそうだよね……
鈴の脳裏では光子竜とスカーライトが話し合う。直接アドバイスを貰っているわけではないためルールの抵触するわけではないが、複数の精霊たちの会話を鈴は聞き逃さないようにしていた。そうしていたからこそ、引っかかることもある。
―――……鈴? どうしたの?
(光子竜たちの話を聞いて思ったの。儀式召喚はリリースするモンスターのレベルを同じまたは上回るようにしなきゃいけないんだけど……ドライトロンの儀式モンスターじゃないモンスターは今わかっているだけでもレベル1。レベル1のモンスターでどうやってレベル12のモンスターを儀式召喚するんだろう、って)
もちろん“レベルを揃える”だけならドライトロン以外のモンスターを使えばいい話だ。しかし、メテオニス=QUAを儀式召喚する際に遊希は“手札・フィールドの機械族モンスター”をリリースすると言っていた。流星輝巧群の制約にリリースするモンスターの種族が指定されているならば、1体の儀式召喚のためだけにレベルが12以上になるようモンスターをリリースしなければならないのはどうしても割に合わないのである。
(やっぱりあのデッキ……新しいカードで組まれてるってことはあたしたちの考えが及ばない何かがある!)
「……メテオニス=QUAだけで十分かと思ったけど、そうじゃないようね」
一方、鈴と対峙する遊希もまた鈴の鋭く、真剣な目つきを見て鈴が何を考え、何を見ているかを察知したようだった。少なくとも手を抜いて倒せる相手ではない、ということは心胆で理解した。
「お姉さま、何も遠慮することはありませんわ。持てる力の全てをお見せし、完膚なきまでに叩き潰して差し上げましょう」
「遊望……うん。お姉ちゃん、頑張るね。私はもう一度儀式魔法、流星輝巧群を発動! フィールドの機械族モンスターをリリースし、墓地の竜儀巧-メテオニス=DRAを儀式召喚するわ!」
「2体目の儀式モンスターを……でも、リリースできるモンスターなんてどこにも……」
「リリースできるモンスターならフィールドにいる。私は“攻撃力の合計”が儀式召喚する儀式モンスターの攻撃力以上になるようにモンスターをリリースするわ!!」
「攻撃力の合計……!?」
―――まさか、そんな儀式召喚があるというのか……!
鈴はこれで合点がいった。【ドライトロン】とは、従来の儀式召喚とは異なり、リリースするモンスターのレベルではなく、攻撃力を参照するデッキなのだ。だからこそバンαやアルζといったドライトロンの非儀式モンスターはいずれも低レベルかつレベルの割に攻撃力が高いのだ。
「メテオニス=DRAの攻撃力は4000。よってフィールドの攻撃力2000のバンαとアルζをリリース!“竜の如く雄々しくも美しい星の繋がりよ。神々の果実守りし偉業の竜を象り再臨せよ!”儀式召喚! 竜儀巧-メテオニス=DRA!!」
《竜儀巧-メテオニス=DRA》
儀式・効果モンスター
星12/光属性/機械族/攻4000/守4000
「流星輝巧群」により降臨。
このカード名の(3)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):フィールドのこのカードは相手モンスターの効果の対象にならない。
(2):このカードの儀式召喚に使用したモンスターのレベルの合計が2以下の場合、このカードは特殊召喚された相手モンスター全てに1回ずつ攻撃できる。
(3):相手ターンに、攻撃力の合計が2000または4000になるように自分の墓地からモンスターを除外し、その合計2000につき1枚、相手フィールドの表側表示のカードを対象として発動できる。そのカードを墓地へ送る。
竜儀巧-メテオニス=DRA DEF4000
「また守備表示で……」
―――サイバー・ドラゴン・インフィニティなどのモンスターを警戒してのことだろう。守備表示ならカオス・MAXで相討ちにすることもできなくなるから、次の自分のターンまで生存させることも容易だ。
「攻守のステータスが共に4000の竜儀巧2体。本当ならこれで十分、と言いたいところだけど……あなたは危険。私たち姉妹に災厄を招きかねない」
「遊希……」
「あなたに恨みはないし、興味もない。だけど、ここで徹底的に叩く。私は手札の《竜輝巧-エルγ》の効果を発動。サイバー・エンジェル-弁天をリリースし、このカードを手札から守備表示で特殊召喚する。そして自身の効果で特殊召喚に成功したエルγの効果、そしてリリースされた弁天を発動するわ!」
《竜輝巧-エルγ》
特殊召喚・効果モンスター
星1/光属性/機械族/攻2000/守0
このカードは通常召喚できず、「ドライトロン」カードの効果でのみ特殊召喚できる。このカード名の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):自分の手札・フィールドから、このカード以外の「ドライトロン」モンスターまたは儀式モンスター1体をリリースして発動できる。このカードを手札・墓地から守備表示で特殊召喚する。その後、自分の墓地から「竜輝巧-エルγ」以外の攻撃力2000の「ドライトロン」モンスター1体を選んで特殊召喚できる。この効果を発動するターン、自分は通常召喚できないモンスターしか特殊召喚できない。
チェーン2(遊希):サイバー・エンジェル-弁天
チェーン1(遊希):竜輝巧-エルγ
「チェーン2の弁天の効果でデッキから天使族・光属性の《宣告者の神巫》を手札に加える。そしてチェーン1のエルγの効果で墓地の攻撃力2000のドライトロンモンスター、バンαを特殊召喚する。そして今手札に加えたチューナーモンスター、宣告者の神巫を召喚」
《宣告者の神巫》(デクレアラー・ディヴァイナー)
チューナー・効果モンスター
星2/光属性/天使族/攻500/守300
このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):このカードが召喚・特殊召喚に成功した場合に発動できる。デッキ・EXデッキから天使族モンスター1体を墓地へ送る。このカードのレベルはターン終了時まで、そのモンスターのレベル分だけ上がる。
(2):このカードがリリースされた場合に発動できる。手札・デッキから「宣告者の神巫」以外のレベル2以下の天使族モンスター1体を特殊召喚する。
「召喚に成功した宣告者の神巫の効果を発動。EXデッキの天使族モンスター《虹光の宣告者》を墓地へ送り、このカードのレベルをそのモンスターのレベル分上げる。虹光の宣告者のレベルは4。よって宣告者の神巫のレベルは6になる」
宣告者の神巫 星2→星6
「そして墓地へ送られた虹光の宣告者の効果を発動」
《虹光の宣告者》(アーク・デクレアラー)
シンクロ・効果モンスター
星4/光属性/天使族/攻600/守1000
チューナー+チューナー以外のモンスター1体以上
(1):このカードがモンスターゾーンに存在する限り、お互いの手札・デッキから墓地へ送られるモンスターは墓地へは行かず除外される。
(2):モンスターの効果・魔法・罠カードが発動した時、このカードをリリースして発動できる。その発動を無効にし破壊する。
(3):このカードが墓地へ送られた場合に発動できる。デッキから儀式モンスター1体または儀式魔法カード1枚を手札に加える。
「デッキから儀式モンスター《古聖戴サウラヴィス》を手札に加える。そしてリンク1のリンクリボーとエルγをリンクマーカーにセット。召喚条件はカード名の異なるモンスター2体、リンク召喚。リンク2《クロシープ》を」
《クロシープ》
リンク・効果モンスター
リンク2/地属性/獣族/攻700
【リンクマーカー:左下/右下】
カード名が異なるモンスター2体
このカード名の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):このカードのリンク先にモンスターが特殊召喚された場合に発動できる。
このカードのリンク先のモンスターの種類によって以下の効果を適用する。
●儀式:自分はデッキから2枚ドローし、その後手札を2枚選んで捨てる。
●融合:自分の墓地からレベル4以下のモンスター1体を選んで特殊召喚する。
●S:自分フィールドの全てのモンスターの攻撃力は700アップする。
●X:相手フィールドの全てのモンスターの攻撃力は700ダウンする。
―――ねえ、もしかしなくても、これってヤバいんじゃない……?
―――うん……
「そしてレベル1のバンαに、レベル6となったチューナーモンスター、宣告者の神巫をチューニング。“限界を打ち破る戦士たちよ。雷光となりて地平線の彼方まで駆け抜けよ。”シンクロ召喚! レベル7《F.A.ライトニングマスター》」
《F.A.ライトニングマスター》
シンクロ・効果モンスター
星7/光属性/機械族/攻0/守2000
チューナー+チューナー以外のモンスター1体以上
(1):このカードの攻撃力はこのカードのレベル×300アップする。
(2):このカードが守備表示モンスターを攻撃した場合、その守備力を攻撃力が超えた分だけ戦闘ダメージを与える。
(3):「F.A.」魔法・罠カードの効果が発動した場合に発動できる(ダメージステップでも発動可能)。このカードのレベルを1つ上げる。
(4):1ターンに1度、相手が魔法・罠カードの効果を発動した時に発動できる。このカードのレベルを2つ下げ、その発動を無効にし破壊する。
「ライトニングマスターの攻撃力はレベル×300の数値になる。よって2100」
F.A.ライトニングマスター 星7 ATK2100
「そしてリンク先にモンスターが特殊召喚されたことでクロシープの効果が発動。Sモンスターが特殊召喚された時、フィールドの全てのモンスターの攻撃力を700アップするわ!」
竜儀巧-メテオニス=DRA ATK4000→ATK4700
竜儀巧-メテオニス=QUA ATK3000→ATK3700
F.A.ライトニングマスター ATK2100→ATK2800
クロシープ ATK700→ATK1400
「……これでターンエンド」
遊希 LP8000 手札1枚
デッキ:29 メインモンスターゾーン:3(竜儀巧-メテオニス=DRA、竜儀巧-メテオニス=QUA、F.A.ライトニングマスター)EXゾーン:1(クロシープ)魔法・罠(Pゾーン:青/赤):0 墓地:11 除外:0 EXデッキ:11(0)
鈴 LP8000 手札5枚
デッキ:37 メインモンスターゾーン:0 EXゾーン:0 魔法・罠(Pゾーン:青/赤):0 墓地:0 除外:0 EXデッキ:15(0)
遊希
□□□□□
QD□□F□
□ ク
□□□□□□
□□□□□
鈴
○凡例
D・・・竜儀巧-メテオニス=DRA
Q・・・竜儀巧-メテオニス=QUA
F・・・F.A.ライトニングマスター
ク・・・クロシープ