(一応……デュエルディスクでデータが見れるけど)
鈴の後攻1ターン目であるが、彼女は遊希が先攻1ターン目で作り上げた布陣に頭を抱えていた。未知のカードとは言えども、デュエルディスク内蔵のコンピューターでカードの効果を確認することはできる。しかし、確認できるからこそますます悩ましいのであった。
―――メテオニス=DRAはモンスター効果の対象にならず、墓地のドライトロンモンスターを攻撃力の合計が4000になるようにゲームから除外することでその攻撃力2000につき相手フィールドのカード1枚を墓地に送ることができる。
―――メテオニス=QUAは儀式召喚のためにリリースされたのがレベル12のメテオニス=DRAだから魔法・罠カードの破壊効果は使えないけど、魔法・罠カードの対象にならなくて、儀式召喚されている場合、破壊された時に墓地のドライトロンモンスターを攻撃力の合計が4000になるように特殊召喚できる……でいいんだよね?
―――うん、ライトニングマスターは1ターンに1度……レベルを2つ下げることで魔法・罠カードの発動を無効にして破壊できる……
(でもって、手札にはフィールドのモンスターを対象とするモンスター・魔法・罠の効果が発動した時、手札から捨てることでその発動を無効にできる古聖戴サウラヴィス……)
星乃 鈴は考えるのをやめた。あくまで、この時点では。
☆TURN02(鈴)
「あたしのターン、ドロー!……あたしには遊希みたいなデュエルはできない。できないけど、遊希にもあたしみたいなデュエルはできない!」
「……どうしたの、突然。八方塞がりだから発狂したくなる気持ちはわかるけれど」
「そんなわけないわ。どうせならオシャレで華麗にあんたのフィールドをぶっ壊したかったけど、もうやり方に拘っていられないってこと! まずは魔法カード、サンダー・ボルトを発動!」
フィールドのモンスターを全て破壊するかつての禁止カード、サンダー・ボルト。対象を取るカードではないため、サウラヴィスに止められず、メテオニス=QUAであっても破壊できる。
「……なんだ、サンダー・ボルトか。その発動にチェーンしてF.A.ライトニングマスターの効果を発動!」
チェーン2(遊希):F.A.ライトニングマスター
チェーン1(鈴):サンダー・ボルト
「チェーン2のライトニングマスターの効果。レベルを2つ下げることで、サンダー・ボルトの発動を無効にして破壊する」
F.A.ライトニングマスターは効果でレベルの数×300が攻撃力の数値となる。この効果の発動でレベルは5になり、クロシープの効果で受けている強化と合わせても2200まで下降した。
F.A.ライトニングマスター 星7→星5 ATK2800→ATK2200
「でも、これで魔法・罠カードを止める手段は無くなった。あたしは手札から魔法カード、ドラゴン・目覚めの旋律を発動! 手札1枚をコストにデッキから攻撃力3000以上守備力2500以下のドラゴン族モンスター2体を手札に加えるわ。あたしは伝説の白石をコストにデッキから条件を満たすブルーアイズ・カオス・MAX・ドラゴンと青眼の亜白龍を手札に加える。そして墓地に送られた伝説の白石の効果で青眼の白龍1体を手札に加えるわ!」
「……2枚の消費で3枚のカードをサーチ。中々やるのね」
「それはどうも。でも褒めてくれたって手加減なんてしてあげないんだから! 手札の青眼の白龍を見せることで、青眼の亜白龍は手札から特殊召喚できるわ! そして更に魔法カード、トレード・インを発動。レベル8のモンスターをコストにデッキから2枚ドロー! 更に手札から儀式魔法、カオス・フォームを発動! 手札のレベル8、青眼の白龍をリリースし、ブルーアイズ・カオス・MAX・ドラゴンを儀式召喚!」
鈴のフィールドには彼女のデッキのエースモンスターであるブルーアイズ・カオス・MAX・ドラゴンおよび青眼の1体である青眼の亜白龍が並ぶ。どちらも遊希の竜儀巧2体の攻撃力を上回っていないが、他のモンスターを撃破するには十分だった。
「バトルよ!」
「待って。メインフェイズ1終了時にメテオニス=DRAの効果を発動するわ。墓地のドライトロンモンスターをゲームから除外することで相手フィールドの表側表示のカード1枚を墓地に送る。カオス・MAXは相手の効果を受けないけど、亜白龍はこれで対処させてもらうわ。私は墓地のアルζを除外し、亜白龍を墓地へ送る」
天空から降り注いだ星の光が亜白龍を跡形もなく消し去る。亜白龍の消滅によって、鈴のフィールドに残ったのはカオス・MAXのみになってしまった。一応遊希の墓地リソースを割けたとはいえ、ここで攻め込むための駒を一つ失ったのは決して良いこととは言い切れない。
(……効果を発動してもサウラヴィスに止められていたし、ここは割り切るしかないわね)
「バトルよ! カオス・MAXでクロシープを攻撃!“混沌のマキシマム・バースト”!」
ブルーアイズ・カオス・MAX・ドラゴン ATK4000 VS クロシープ ATK700
遊希 LP8000→LP4700
「クロシープがフィールドを離れたことで、クロシープの強化効果は失われるわ」
竜儀巧-メテオニス=DRA ATK4700→ATK4000
竜儀巧-メテオニス=QUA ATK3700→ATK3000
F.A.ライトニングマスター 星5 ATK2200→ATK1500
「あたしはバトルフェイズを終了。あたしにはまだ通常召喚権が残っている。あたしは太古の白石を通常召喚。そしてこのモンスターを素材にリンクリボーをリンク召喚! これでターンエンド。そしてターン終了時に墓地に送られた太古の白石の効果を発動! デッキから深淵の青眼龍を特殊召喚!」
深淵の青眼龍 DEF2500
「そして特殊召喚に成功した深淵の青眼龍の効果を発動するわ!」
深淵の青眼龍は特殊召喚に成功した場合にデッキから融合カードおよび儀式魔法1枚を手札に加える効果が発動でき、そして自分のエンドフェイズにデッキからレベル8以上のドラゴン族モンスター1体を手札に加えることができる効果を持っている。太古の白石の効果で自分ターンのエンドフェイズに特殊召喚に成功したため、深淵の青眼龍の効果を二つ同時に発動できるのだ。
「あたしは特殊召喚成功時の効果でデッキから高等儀式術を手札に加える。そして自分エンドフェイズにもう一つの効果を発動! デッキから2体目のブルーアイズ・カオス・MAX・ドラゴンを手札に加えるわ!」
―――うん、2体目のカオス・MAXを儀式召喚するための準備が整った。
―――次のターンの遊希の動きをよく見ておかないとね!
―――だが、油断は禁物だ。私たちのターンが終わったことで、メテオニス=QUAの攻撃力が元の4000に戻る。
竜儀巧-メテオニス=QUA ATK3000→ATK4000
遊希 LP4700 手札1枚
デッキ:29 メインモンスターゾーン:3(竜儀巧-メテオニス=DRA、竜儀巧-メテオニス=QUA、F.A.ライトニングマスター)EXゾーン:0 魔法・罠(Pゾーン:青/赤):0 墓地:11 除外:1 EXデッキ:11(0)
鈴 LP8000 手札3枚
デッキ:28 メインモンスターゾーン:2(ブルーアイズ・カオス・MAX・ドラゴン、深淵の青眼龍)EXゾーン:1(リンクリボー)魔法・罠(Pゾーン:青/赤):0 墓地:8 除外:0 EXデッキ:14(0)
遊希
□□□□□
QD□□F□
リ □
□深□M□□
□□□□□
鈴
○凡例
M・・・ブルーアイズ・カオス・MAX・ドラゴン
深・・・深淵の青眼龍
☆TURN03(遊希)
「私のターン、ドロー。私は2体の竜儀巧を攻撃表示に変更」
竜儀巧-メテオニス=DRA ATK4000
竜儀巧-メテオニス=QUA ATK4000
(攻めてくる……!)
「バトル! 竜儀巧-メテオニス=QUAでブルーアイズ・カオス・MAX・ドラゴンを攻撃!!」
「させないわ、相手モンスターの攻撃宣言時にリンクリボーをリリースして効果を発動! そのモンスターの攻撃力をターン終了時まで0にする! メテオニス=QUAの攻撃力は0よ!」
竜儀巧-メテオニス=QUA ATK4000→ATK0
儀式召喚されているメテオニス=QUAは破壊されることで墓地のドライトロンモンスターを攻撃力の合計が4000になるように任意の数だけ選んで特殊召喚することができる。もしここでメテオニス=QUAとカオス・MAXが相討ちになれば、墓地の下級ドライトロンモンスターを更に展開される恐れがあり、そのため鈴は敢えてリンクリボーの効果をメテオニス=QUAに使用したのだ。
「メテオニス=QUAの攻撃を中止するわ。でも、私にはまだ竜儀巧-メテオニス=DRAがいる。メテオニス=DRAでブルーアイズ・カオス・MAX・ドラゴンを攻撃!」
「迎撃して、カオス・MAX!!」
竜儀巧-メテオニス=DRA ATK4000 VS ブルーアイズ・カオス・MAX・ドラゴン ATK4000
同じ攻撃力のモンスター2体の戦闘によって、カオス・MAXとメテオニス=DRAは相討ちになる。残るライトニングマスターはそもそも守備表示のため攻撃できず、結果的に鈴のライフは1も削られることなく残すことができた。
「バトルフェイズを終了し、メインフェイズ2に移るわ。私は墓地のエルγの効果を発動。フィールドの儀式モンスター、メテオニス=QUAをリリースし、このカードを墓地から守備表示で特殊召喚。そして自身の効果で特殊召喚に成功したエルγの効果で墓地のバンαを守備表示で特殊召喚するわ」
これで遊希のフィールドには2体の下級ドライトロンとライトニングマスターの3体。大型モンスターが全て消滅したこともあって、陣容自体は決して見栄えのいいものではない。しかし、そんな状況においても決して手を緩めないのが天宮 遊希というデュエリストだ。
「私は墓地の流星輝巧群の効果を発動。フィールドのエルγの攻撃力を相手ターン終了時まで1000下げることでこのカードを手札に加える」
竜輝巧-エルγ ATK2000→ATK1000
―――エルγの攻撃力が1000になったことで、ドライトロン2体で墓地のメテオニス=DRAかQUAを儀式召喚することができなくなったか。
―――ライトニングマスターを含めれば4000を超えるけど……
―――汎用性の高いライトニングマスターを捨てるのはリスキーだよね。鈴の手札には2枚目のカオス・MAXと高等儀式術があるわけだし……
少なくともこのターン、儀式召喚はもう行われない。そう思っていた鈴たちであったが。
「私は……レベル1のバンαとエルγでオーバーレイ!」
彼女たちはある意味基本的なことを見落としていた。遊希はそもそもX召喚を最も得意とするデュエリストだということを。
「えっ……エクシーズ召喚!?」
「2体のモンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築。エクシーズ召喚! 現れなさい、ランク1《LL-アセンブリー・ナイチンゲール》!」
《LL-アセンブリー・ナイチンゲール》
エクシーズ・効果モンスター
ランク1/風属性/鳥獣族/攻0/守0
レベル1モンスター×2体以上
(1):このカードの攻撃力は、このカードのX素材の数×200アップする。
(2):このカードは直接攻撃でき、X素材を持ったこのカードは、その数まで1度のバトルフェイズに攻撃できる。
(3):1ターンに1度、このカードのX素材を1つ取り除いて発動できる。ターン終了時まで、自分フィールドの「LL」モンスターは戦闘・効果では破壊されず、自分が受ける戦闘ダメージは0になる。この効果は相手ターンでも発動できる。
「アセンブリー・ナイチンゲールの攻撃力はオーバーレイユニットの数×200のアップ。よって攻撃力は400。まあ守備表示だからそんなに意味を為さないけど」
LL-アセンブリー・ナイチンゲール ORU:2 DEF0
「私はこれでターンエンド」
遊希 LP4700 手札2枚
デッキ:28 メインモンスターゾーン:2(F.A.ライトニングマスター、LL-アセンブリー・ナイチンゲール ORU:2)EXゾーン:0 魔法・罠(Pゾーン:青/赤):0 墓地:11 除外:1 EXデッキ:10(0)
鈴 LP8000 手札3枚
デッキ:28 メインモンスターゾーン:1(深淵の青眼龍)EXゾーン:0 魔法・罠(Pゾーン:青/赤):0 墓地:10 除外:0 EXデッキ:14(0)
遊希
□□□□□
□□ア□F□
□ □
□深□□□□
□□□□□
鈴
○凡例
ア・・・LL-アセンブリー・ナイチンゲール
☆TURN04(鈴)
「あたしのターン、ドロー!」
―――アセンブリー・ナイチンゲールを守備表示で……
―――効果で破壊と戦闘ダメージを防げるとはいえ、見え見えの罠ではあるな。
―――そのままだとカオス・MAXの餌だもんねー。
(……遊希のことだから何か狙っているのは間違いない。だけど、相手が何重にも作戦を考えているなら、あたしたちはそれを一つ一つ解していくだけ)
「深淵の青眼龍を攻撃表示に変更してバトル! F.A.ライトニングマスターを攻撃!“深淵のディープ・ストリーム”!」
深淵の青眼龍 ATK2500 VS F.A.ライトニングマスター DEF2000
「ライトニングマスター、撃破! これであたしの魔法・罠カードを止めることはできなくなったわ! メインフェイズ2に移行し、あたしは手札の高等儀式術を発動! デッキから青眼の白龍1体を墓地へ送り、手札のブルーアイズ・カオス・MAX・ドラゴンを儀式召喚!!」
「2体目のカオス・MAX……」
「あたしはこれでターンエンド。そしてターン終了時に深淵の青眼龍の効果を発動。デッキからレベル8以上、ドラゴン族モンスター、ディープアイズ・ホワイト・ドラゴンを手札に加える」
―――ディープアイズか……
(うん。遊希があたしを助けてくれた時に使ってくれたカードだからね)
遊希 LP4700 手札2枚
デッキ:28 メインモンスターゾーン:1(LL-アセンブリー・ナイチンゲール ORU:2)EXゾーン:0 魔法・罠(Pゾーン:青/赤):0 墓地:12 除外:1 EXデッキ:10(0)
鈴 LP8000 手札3枚
デッキ:25 メインモンスターゾーン:2(ブルーアイズ・カオス・MAX・ドラゴン、深淵の青眼龍)EXゾーン:0 魔法・罠(Pゾーン:青/赤):0 墓地:13 除外:0 EXデッキ:14(0)
遊希
□□□□□
□□ア□□□
□ □
□深□□M□
□□□□□
☆TURN05(遊希)
「私のターン、ドロー。アセンブリー・ナイチンゲールを攻撃表示に変更し、バトル!」
―――いきなりバトル!?
―――……手札事故を起こしてるとか?
「アセンブリー・ナイチンゲールはオーバーレイユニットの数だけ相手にダイレクトアタックができる。よって2回の攻撃が可能」
LL-アセンブリー・ナイチンゲール ORU:2 ATK400×2
鈴 LP8000→7200
「……あなたは私に“直接攻撃”を許した。その重みがわかる?」
「……どういうこと?」
「教えてあげる。まずはランク1のアセンブリー・ナイチンゲールでオーバーレイ! 1体のモンスターでオーバーレイ・ネットワークを再構築。ランクアップ・エクシーズチェンジ。ランク4の《ダウナード・マジシャン》をX召喚」
《ダウナード・マジシャン》
エクシーズ・効果モンスター
ランク4/闇属性/魔法使い族/攻2100/守200
魔法使い族レベル4モンスター×2
このカードは自分メインフェイズ2に、自分フィールドのランク3以下のXモンスターの上に重ねてX召喚する事もできる。
(1):このカードの攻撃力は、このカードのX素材の数×200アップする。
(2):このカードが守備表示モンスターを攻撃した場合、その守備力を攻撃力が超えた分だけ戦闘ダメージを与える。
(3):このカードが戦闘を行ったダメージ計算後に発動する。このカードのX素材を1つ取り除く。
「ダウナード・マジシャンは自分メインフェイズ2に私のフィールドのランク3以下のXモンスターの上に重ねてX召喚することもできる。そして攻撃力はオーバーレイユニットの数×200アップ」
ダウナード・マジシャン ORU:3 ATK2100→ATK2700
「そして―――このモンスターはXモンスターが戦闘を行ったターンに1度、自分フィールドのXモンスターに重ねてX召喚できる。ダウナード・マジシャンでオーバーレイ! 1体のモンスターでオーバーレイ・ネットワークを再構築。ランクアップ・エクシーズチェンジ!」
―――現れなさい、最高神の名をその身に宿し戦機。ランク12《天霆號(ネガロギア)アーゼウス》!―――