銀河の竜を駆る少女   作:Garbage

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友乃のポリシー

 

 

 

「リボルバー・ドラゴン!? また珍しいモンスターを……」

 

《リボルバー・ドラゴン》

効果モンスター

星7/闇属性/機械族/攻2600/守2200

(1):1ターンに1度、相手フィールドのモンスター1体を対象として発動できる。コイントスを3回行い、その内2回以上が表だった場合、そのモンスターを破壊する。

 

「確かにメジャーなモンスターちゃんじゃないけど、この子は私のポリシーに合っているんだよ!」

「前島先輩のポリシー?」

 

 アイドルデュエリストを目指す友乃は「ファンのハートを撃ち抜くアイドルになりたい」と常日頃から思っていた。リボルバー・ドラゴンを使うということは、相手のモンスターをその銃口で撃ち抜くのみではなく、対戦相手のデュエリストやそのデュエルを見ている多くの観衆のハートをも撃ち抜きたい、という彼女の誓いを表わしているのだ。

 

「そ・れ・に! この子の効果もとってもアイドルらしいんだよ!」

「……リボルバー・ドラゴンの効果はコイントスを3回行い2回以上表なら相手のモンスター1体を破壊する効果ですよね。それのどこがアイドルらしいんですか? かなりバイオレンスなんじゃ……」

「あのね、アイドルのデュエルは勝つことが一番じゃないの! アイドルのデュエルは見てくれるファンのみんなや相手のデュエリストも楽しませなきゃいけない。リボルバー・ドラゴンちゃんの効果が決まるにしても決まらないにしても、それが決まるかどうかでみんなをドキドキワクワクさせてあげられるんだよ! いわゆるエンターテインメントだね!」

 

 エンターテインメント、という言葉に遊希は何処か懐かしさを感じていた。彼女がプロだったころ、同じプロデュエリストに勝敗よりも観客を楽しませることを第一に考えてデュエルを行っていたデュエリストがいた。

 そのデュエリストは高い実力を持ちながらも、勝敗を度外視していたため、決して華々しい戦績を誇っていたわけではない。しかし、それでも毎回のように観客を楽しませるデュエルをしていたそのデュエリストに対するファンの信望はとても厚かったのだ。

 

(……でも結局勝たなければ楽しくないじゃない。何がエンターテインメントよ)

「遊希ちゃん、まだあなたのターンだよ! メインフェイズ2はどうするの?」

 

 遊希のフィールドにはまだギャラクシオンが残っている。しかし、攻撃力2000のギャラクシオンで攻撃力2600のリボルバー・ドラゴンは倒せない。

 

「……す、すいません。私はバトルフェイズを終えてメインフェイズ2に移行。私は銀河眼の光子竜と輝光帝ギャラクシオンをリンクマーカーにセット! サーキットコンバイン! リンク2の銀河眼の煌星竜をリンク召喚! そしてカードを2枚セットしてターンエンドです」

 

 

友乃 LP8000 手札3枚

デッキ:34 メインモンスターゾーン:1(リボルバー・ドラゴン)EXゾーン:0 魔法・罠:1(機甲部隊の最前線)墓地:1 Pゾーン:青/赤 除外:0 エクストラデッキ:15(0)

遊希 LP8000 手札3枚

デッキ:32 メインモンスターゾーン:0 EXゾーン:1(銀河眼の煌星竜)魔法・罠:2 墓地:4 Pゾーン:青/赤 除外:0 エクストラデッキ:13(0)

 

友乃

 □□機□□

 □□□リ□□

  煌 □

□□□□□□

 □□伏伏□

遊希

 

○凡例

リ・・・リボルバー・ドラゴン

 

 

☆TURN03(友乃)

 

「友乃ちゃんのターン! ドローだよ!」

 

 友乃は一度のドローながらアイドルらしくキラキラと輝きながらドローする。確かにあれならばだいぶ見栄えはいいがそれを今やる意味はあるのか、と遊希は首をかしげる。

 

「それじゃあ、まずはアイドルのデュエルにピッタリな舞台を用意するね! フィールド魔法《エンタメデュエル》を発動!」

 

《エンタメデュエル》

フィールド魔法

(1):このカードがフィールドゾーンに存在する限り、

お互いのプレイヤーは1ターン中に以下の条件をそれぞれ満たす度に、1つの条件につき1ターンに1度ずつデッキから2枚ドローする。

●レベルの異なるモンスター5体を同時に特殊召喚した。

●自身のモンスター1体が5回戦闘を行った。

●チェーン5以上でカードの効果を発動した。

●サイコロを振った回数及びコイントスの回数が合計5回になった。

●自身のLPが500以下になるダメージを受けた。

 

 

「それじゃあ早速煌星竜ちゃんを対象にリボルバー・ドラゴンちゃんの効果を発動しちゃうよー! コイントスを3回やって2回以上表なら対象のモンスターを破壊しちゃいまーす!」

「そんなことをさせると思ったんですか? その効果にチェーンして銀河眼の煌星竜の効果を発動!」

 

チェーン2(遊希):銀河眼の煌星竜

チェーン1(友乃):リボルバー・ドラゴン

 

「チェーン2の銀河眼の煌星竜の効果。手札の銀河眼の光子竜1体を墓地に送り、相手フィールドの特殊召喚されたモンスター1体を破壊します! 破壊するのはリボルバー・ドラゴンです!」

 

 煌星竜の放った灼熱の波動でリボルバー・ドラゴンの鋼鉄の身体がみるみるうちに溶けていき、やがて消滅してしまった。効果を発動するモンスターがフィールドから消えてしまったことで、当然コイントスの機会も失われる。

 

「あーっ! 私のリボルバー・ドラゴンちゃんが!」

「これで前島先輩のギャンブルタイムは無くなりました。ギャンブルなんてするものじゃないですね」

「……ふっふっふ。ところがそうはいかないんだよね!」

「えっ?」

「アイドルはへこたれない! 仲間が倒れた時はその仲間の分もカバーしてあげるのがアイドル! ということでお願い!《デスペラード・リボルバー・ドラゴン》ちゃん!」

 

《デスペラード・リボルバー・ドラゴン》

効果モンスター

星8/闇属性/機械族/攻2800/守2200

(1):自分フィールドの機械族・闇属性モンスターが戦闘・効果で破壊された場合に発動できる。このカードを手札から特殊召喚する。

(2):1ターンに1度、自分・相手のバトルフェイズに発動できる。コイントスを3回行う。表が出た数までフィールドの表側表示モンスターを選んで破壊する。3回とも表だった場合、さらに自分はデッキから1枚ドローする。この効果を発動するターン、このカードは攻撃できない。

(3):このカードが墓地へ送られた場合に発動できる。コイントスを行う効果を持つレベル7以下のモンスター1体をデッキから手札に加える。

 

「デスペラード・リボルバー・ドラゴン……」

―――既に手札に来ていたとはな。

 

 デスペラード・リボルバー・ドラゴンはリボルバー・ドラゴンの進化形ともいえる位置づけのモンスターであり、自分フィールドの闇属性・機械族モンスターが破壊された場合に手札から特殊召喚できるモンスターだ。その攻撃力は2800と元のリボルバー・ドラゴンを上回る。

 

「そして《ツインバレル・ドラゴン》ちゃんを召喚!」

 

《ツインバレル・ドラゴン》

効果モンスター

星4/闇属性/機械族/攻1700/守200

このカードが召喚・反転召喚・特殊召喚に成功した時、相手フィールド上に存在するカード1枚を選択して発動する。コイントスを2回行い、2回とも表だった場合、選択したカードを破壊する。

 

「召喚に成功したツインバレル・ドラゴンちゃんの効果! 相手フィールドに存在するカード1枚を対象に発動! コイントスを2回やって、2回とも表ならそのカードを破壊するよ! 対象はもちろん煌星竜ちゃん! コイントスはこの表に《ブラック・マジシャン・ガール》ちゃんが描かれたコインでやるね! じゃあ、いっくよー!」

 

 友乃の右手からコインが宙を舞う。右手の親指で跳ね上げたコインを、左手で蓋をする形で右手の手の甲で抑えるという、スポーツの先攻後攻を決めるコイントスと同じ形で行われる。

 

「1回目は、じゃーん!表!」

「……ですが、次も表でなければツインバレル・ドラゴンの効果は成功しません」

「2回目、いっくよー! それっ!」

 

 コインが再び宙を舞う。友乃の手の上でブラック・マジシャン・ガールがその愛らしい笑みを見せた瞬間、ツインバレル・ドラゴンの弾丸が煌星竜の心臓を貫いた。

 

「なっ……2回とも表!?」

「やったーっ! これがアイドル友乃ちゃんの運命力! ということでバトルだよ! ツインバレル・ドラゴンちゃんでダイレクトアタック!」

 

ツインバレル・ドラゴン ATK1700

 

「……させませんっ! リバースカードオープン! 通常罠《戦線復帰》を発動します!」

 

《戦線復帰》

通常罠

(1):自分の墓地のモンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターを守備表示で特殊召喚する。

 

「墓地の銀河眼の光子竜1体を守備表示で特殊召喚します!」

「銀河眼の光子竜ちゃんを!? ツインバレル・ドラゴンちゃん、攻撃を止めてー!」

 

 銀河眼の光子竜の守備力は2500。攻撃力3000に隠れてしまっているが、その数値も最上級モンスターの守備力としては十分な数値と言える。

 

「でもデスペラード・リボルバー・ドラゴンちゃんの効果を忘れないでね! デスペラード・リボルバー・ドラゴンちゃんはバトルフェイズに3回コイントスをして、表の数だけフィールドの表側表示モンスターを破壊しちゃうの!」

「……1回でも表を出せば光子竜は破壊されてしまうということですか」

「そういうこと! じゃあ、いっくよー!」

 

 意気揚々とコイントスを行う友乃。しかし、ツインバレル・ドラゴンの効果で2回とも表を出した友乃であったが、デスペラード・リボルバー・ドラゴンの効果で行った3回中最初の2回は裏が出てしまった。

 

「2回目も裏かぁ……そううまくはいかないね!」

「ですがまだ1回チャンスがあります」

「そう! チャンスがある限り諦めない! それがアイドル! ということで3回目は……表!!」

 

 デスペラード・リボルバー・ドラゴンの弾丸が、光子竜を撃ち抜いた。デスペラード・リボルバー・ドラゴンの効果は全て表を出せばデッキからカードを1枚ドローできるボーナスがあるが、この状況で3回とも表を出してしまえば自身を含むフィールドのモンスターを全て破壊してしまうことになる。そのため、この状況においては遊希のフィールドの光子竜を破壊できる表1回が友乃にとっても最もベストな出目であると言えた。

 

「っ……!」

「そしてフィールド魔法、エンタメデュエルの効果が発動するね! このターン友乃ちゃんはコイントスを5回行いました! ということで観客のみんなをワクワクさせたご褒美にデッキからカードを2枚ドローしまーす!」

 

 観客と呼べるほどギャラリーがいるわけではないのだが、それでもエンタメデュエルの条件を満たした友乃は手札をも補充する。運こそ絡むが、その運を手繰り寄せさえすれば一気にデュエルの主導権を握ることができる。それが前島 友乃というアイドルを自称するデュエリストのデュエルであった。

 

「でもデスペラード・リボルバー・ドラゴンちゃんは効果を発動したターン攻撃できないんだよね。だから遊希ちゃんのライフは削れないの。ということでバトルフェイズを終わってメインフェイズ2! 私はカードを2枚セットしてターンエンドです!」

 

 

友乃 LP8000 手札1枚

デッキ:31 メインモンスターゾーン:2(デスペラード・リボルバー・ドラゴン、ツインバレル・ドラゴン)EXゾーン:0 魔法・罠:4(エンタメデュエル、機甲部隊の最前線)墓地:2 Pゾーン:青/赤 除外:0 エクストラデッキ:15(0)

遊希 LP8000 手札2枚

デッキ:32 メインモンスターゾーン:0 EXゾーン:0 魔法・罠:1 墓地:6 Pゾーン:青/赤 除外:0 エクストラデッキ:13(0)

 

友乃

 □伏機伏□

 □□ツデ□エ

  □ □

□□□□□□

 □伏□□□

遊希

 

○凡例

デ・・・デスペラード・リボルバー・ドラゴン

ツ・・・ツインバレル・ドラゴン

エ・・・エンタメデュエル

 

 

☆TURN04(遊希)

 

「私のターン、ドローです」

 

 デスペラード・リボルバー・ドラゴンはバトルフェイズにそのコイントス効果を発動できる。そのため除去するのであれば、メインフェイズ中に効果によった除去を狙いたかった。

 

(よし、これならいける)

「私は手札の銀河戦士の効果を発動します。手札の光属性モンスター、巨神竜フェルグラントを墓地に送り、このカードを手札から特殊召喚します。そして特殊召喚に成功した銀河戦士の効果でデッキから銀河戦士を手札に加えます。そして手札から魔法カード、死者蘇生を発動! 墓地の巨神竜フェルグラントを特殊召喚します!」

「巨神竜フェルグラントちゃん……あっ!」

「気付いたようですね、前島先輩。墓地からの特殊召喚に成功した巨神竜フェルグラントの効果を発動! デスペラード・リボルバー・ドラゴンをゲームから除外し、このカードの攻撃力をそのモンスターのレベル×100上昇させます!」

 

巨神竜フェルグラント ATK2800→3600

 

「攻撃力3600!?」

「デスペラード・リボルバー・ドラゴンは墓地に送られることでデッキからコイントスを行う効果を持ったレベル7以下のモンスターを手札に加えることができるんですよね。でも除外されてしまえば話は別です! わたしのフィールドにギャラクシーモンスターが存在することにより、銀河騎士をリリースなしで召喚します! そしてこの方法で召喚に成功した銀河騎士の効果で自身の攻撃力をターン終了時まで1000ダウンさせ、墓地の銀河眼の光子竜1体を守備表示で特殊召喚します! 更に私は守備表示の銀河眼の光子竜と銀河戦士をリンクマーカーにセット! サーキットコンバイン! 現れなさい!《ハイパースター》!」

 

《ハイパースター》

リンク・効果モンスター

リンク2/光属性/天使族/攻1400

【リンクマーカー:左下/右下】

光属性モンスター2体

このカード名の(2)の効果は1ターンに1度しか使用できない。

(1):フィールドの光属性モンスターの攻撃力・守備力は500アップし、闇属性モンスターの攻撃力・守備力は400ダウンする。

(2):このカードが戦闘・効果で破壊された場合、自分の墓地の光属性モンスター1体を対象として発動できる。

そのモンスターを手札に加える。

 

「ハイパースター!? アイドルの友乃ちゃんより輝くのはやめてー!」

「ハイパースターがフィールドに存在することで、フィールドの全ての光属性モンスターの攻守は500アップし、闇属性モンスターの攻守は400ポイントダウンします」

 

巨神竜フェルグラント ATK3600/DEF2800→ATK4100/DEF3300

銀河騎士 ATK1800/DEF2600→ATK2300/DEF3100

ハイパースター ATK1400→1900

 

ツインバレル・ドラゴン ATK1700/DEF200→ATK1300/DEF0

 

「ツインバレル・ドラゴンちゃんの攻撃力が!」

「バトルです! 巨神竜フェルグラントでツインバレル・ドラゴンを攻撃! 巨神竜猛撃!」

 

巨神竜フェルグラント ATK4100 VS ツインバレル・ドラゴン ATK1300

 

友乃 LP8000→5200

 

「戦闘で相手モンスターを破壊した場合に巨神竜フェルグラントの効果が発動します! 同名カード以外のレベル7か8のドラゴン族モンスター1体を特殊召喚します! 特殊召喚するのは銀河眼の光子竜です!」

「だったら私も永続魔法機甲部隊の最前線の効果を発動するよ!」

 

チェーン2(友乃):機甲部隊の最前線

チェーン1(遊希):巨神竜フェルグラント

 

「チェーン2の機甲部隊の最前線の効果でツインバレル・ドラゴンちゃんより低い攻撃力で同じ属性の《BM-4ボムスパイダー》ちゃんを守備表示で特殊召喚するよ!」

 

《BM-4ボムスパイダー》

効果モンスター

星4/闇属性/機械族/攻1400/守2200

このカード名の(2)の効果は1ターンに1度しか使用できない。

(1):1ターンに1度、自分フィールドの機械族・闇属性モンスター1体と相手フィールドの表側表示のカード1枚を対象として発動できる。そのカードを破壊する。

(2):自分フィールドの元々の種族・属性が機械族・闇属性のモンスターが、戦闘または自身の効果で相手フィールドのモンスターを破壊し墓地へ送った場合に発動できる。その破壊され墓地へ送られたモンスター1体の元々の攻撃力の半分のダメージを相手に与える。

 

BM-4ボムスパイダー DEF2200

 

「BM-4ボムスパイダーも闇属性のため、攻守が400下がります。そして光属性の銀河眼の光子竜の攻守は500アップです!」

 

BM-4ボムスパイダー ATK1400/DEF2200→ATK1000/DEF1800

 

銀河眼の光子竜 ATK3000/DEF2500→ATK3500/DEF3000

 

「いくら壁を作っても無駄です!」

 

 壁として特殊召喚したBM-4ボムスパイダーであるが、ハイパースターの効果で守備力がハイパースターの攻撃力を下回っている。そのため、このカードをハイパースターで突破すれば、光子竜と騎士の直接攻撃で友乃の残りライフを大きく削ることができるのだ。

 しかし、遊希は友乃がこれだけの攻撃で終わるデュエリストだとは全く思っていなかった。

 

 

 

 

 

 




機甲部隊の最前線の効果を挟むのを忘れていました;
追記という形になりましたが、修正させて頂きました。
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