「私はレベル3のオフリス・スコーピオとダーリング・コブラをリンクマーカーにセット! サーキットコンバイン! リンク召喚! リンク2の《アンダークロックテイカー》をリンク召喚します!」
《アンダークロックテイカー》
リンク・効果モンスター
リンク2/闇属性/サイバース族/攻1000
【リンクマーカー:左/下】
効果モンスター2体
(1):1ターンに1度、このカードのリンク先の表側表示モンスター1体と、相手フィールドの表側表示モンスター1体を対象として発動できる。その相手モンスターの攻撃力はターン終了時まで、対象としたリンク先のモンスターの攻撃力分だけダウンする。
「アンダークロックテイカーの効果! このカードのリンク先に存在するモンスター1体と相手フィールドに存在するモンスター1体を対象に発動します! 対象はマグナヴァレットとロンギルスです!」
(……マグナヴァレット・ドラゴンの効果はリンクモンスターの効果の対象になった時に発動するもの。アンダークロックテイカーの対象になったことでこの効果は問題なく発動する)
「だったらその効果にチェーンしてオルフェゴール・オーケストリオンの効果を発動するわ」
「では効果にチェーンしてアンダークロックテイカーの対象になったマグナヴァレット・ドラゴンの効果を発動します!」
チェーン3(皐月):マグナヴァレット・ドラゴン
チェーン2(奏):オルフェゴール・オーケストリオン
チェーン1(皐月):アンダークロックテイカー→マグナヴァレット・ドラゴン、オルフェゴール・ロンギルス
「チェーン3のマグナヴァレット・ドラゴンの効果! このカードを破壊し、フィールドのモンスター1体を墓地に送ります! 墓地に送るのはオルフェゴール・ロンギルスです!」
一発の弾丸となったマグナヴァレット・ドラゴンは、ロンギルスを盾の上から撃ち抜く。オルフェゴール・ロンギルスはリンク状態の時は「効果では破壊されない」。しかし、マグナヴァレット・ドラゴンの効果は「墓地に送る」ため、ロンギルスの耐性を無視することができるのだ。
「チェーン2のオルフェゴール・オーケストリオンの効果。除外されている機械族モンスター3体をデッキに戻し、相手フィールドに存在するリンク状態のモンスターの効果を無効にし、攻守を0にするわ。今あなたのフィールドに存在するリンク状態のモンスターは私のオーケストリオンのリンク先に存在するメタルヴァレット・ドラゴン。その効果は全て無効化され、攻守は0になる」
メタルヴァレット・ドラゴン ATK1600/DEF1400→ATK0/DEF0
「チェーン1のアンダークロックテイカーの効果の対象になったロンギルスはフィールドに存在しません。よってアンダークロックテイカーの効果は不発に終わります」
「今のミスは手痛いわね。オーケストリオンを対象にしていれば、オーケストリオンの攻撃力を1800下げれていたのに」
「……手札から永続魔法、ブリリアント・フュージョンを発動します!」
《ブリリアント・フュージョン》
永続魔法
このカード名のカードは1ターンに1枚しか発動できない。
(1):このカードの発動時に、自分のデッキから「ジェムナイト」融合モンスターカードによって決められた融合素材モンスターを墓地へ送り、その融合モンスター1体を、攻撃力・守備力を0にしてEXデッキから融合召喚する。このカードがフィールドから離れた時にそのモンスターは破壊される。
(2):1ターンに1度、手札の魔法カード1枚を捨てて発動できる。このカードの効果で特殊召喚したモンスターの攻撃力・守備力は相手ターン終了時まで元々の数値分アップする。
「このカードの発動時に、私はデッキから《ジェムナイト・ラズリー》と光属性モンスターの《Emトリック・クラウン》の2体を墓地に送り、《ジェムナイト・セラフィ》を攻撃力・守備力を0にして融合召喚します!」
《ジェムナイト・セラフィ》
融合・効果モンスター
星5/地属性/天使族/攻2300/守1400
「ジェムナイト」モンスター+光属性モンスター
このカードは上記カードを融合素材にした融合召喚でのみEXデッキから特殊召喚できる。
(1):このカードがモンスターゾーンに存在する限り、自分は通常召喚に加えて1度だけ、自分メインフェイズにモンスター1体を通常召喚できる。
ジェムナイト・セラフィ ATK2300/DEF1400→ATK0/DEF0
「そしてブリリアント・フュージョンの効果で墓地に送られたEmトリック・クラウンの効果を発動します!」
《Emトリック・クラウン》
効果モンスター
星4/光属性/魔法使い族/攻1600/守1200
「Emトリック・クラウン」の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):このカードが墓地へ送られた場合、自分の墓地の「Em」モンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターを、攻撃力・守備力を0にして特殊召喚する。その後、自分は1000ダメージを受ける。
「Emモンスターである自身を対象に発動! トリック・クラウンを攻守を0にして墓地から特殊召喚します!」
Emトリック・クラウン ATK1600/DEF1200→ATK0/DEF0
皐月 LP3200→2200
「わずか1枚のカードでフィールドに4体ものモンスターを揃えるとはね。でもアンダークロックテイカーとリンクしているセラフィの効果はオーケストリオンによって無効化されている。よって通常召喚権を増やすことはできないわ」
「……十分です!! 私はリンク2のアンダークロックテイカーとジェムナイト・セラフィ、トリック・クラウンをリンクマーカーにセット! アローヘッド確認。召喚条件は効果モンスター3体以上! サーキットコンバイン!!」
リンク2のアンダークロックテイカーが2つの光へと分かれ、残りの2体はそれぞれ1つの光となって天空に現れたリンクマーカーへと吸い込まれていく。光ったリンクマーカーは上・左・左下・下の4か所。そして現れたのはヴァレルロード・ドラゴンに似たような姿をしながらも頭部の角が剣のように鋭く尖ったモンスターであった。
「現れよ! 私と共に歩む第二の竜!《ヴァレルソード・ドラゴン》!!」
《ヴァレルソード・ドラゴン》
リンク・効果モンスター
リンク4/闇属性/ドラゴン族/攻3000
【リンクマーカー:上/左/左下/下】
効果モンスター3体以上
(1):このカードは戦闘では破壊されない。
(2):1ターンに1度、攻撃表示モンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターを守備表示にする。このターン、このカードは1度のバトルフェイズ中に2回攻撃できる。この効果の発動に対して相手は効果を発動できない。この効果は相手ターンでも発動できる。
(3):1ターンに1度、このカードが表側表示モンスターに攻撃宣言した時に発動できる。ターン終了時まで、このカードの攻撃力はそのモンスターの攻撃力の半分アップし、そのモンスターの攻撃力は半分になる。
「ヴァレルソード・ドラゴン……それがあなたのエースモンスターの1体ということね」
「はい! そして……バトルです! ヴァレルソード・ドラゴンでオルフェゴール・オーケストリオンを攻撃します! そしてこの瞬間、ヴァレルソードの2つ目の効果を発動します! フィールドの攻撃表示モンスター、メタルヴァレット・ドラゴンを守備表示に変更します」
メタルヴァレット・ドラゴン DEF0
「もちろんオーケストリオンとリンク状態のメタルヴァレットの効果は無効化されているため、リンクモンスターの効果の対象になっても破壊されません。ですが、それで構いません! ヴァレルソード・ドラゴンの3つ目の効果! 表側表示モンスターに対して攻撃宣言をした時、ターン終了時までヴァレルソード・ドラゴンの攻撃力はそのモンスターの攻撃力の半分アップし、そのモンスターの攻撃力を半分にします!!」
「……なるほど、そういうことをするのね」
ヴァレルソード・ドラゴン ATK3000→ATK4500
オルフェゴール・オーケストリオン ATK3000→ATK1500
「全てを切り裂きなさい!“電光のヴァレルソード・スラッシュ”!」
ヴァレルソード・ドラゴン ATK4500 VS オルフェゴール・オーケストリオン ATK1500
奏 LP7500→4500
「……まさか私のオルフェゴールたちがわずか1ターンで攻略されるとはね。流石に予想外だったわ。反撃の機会は残っている、と言いたいところだけどこのデュエルはこれで終わりのようね」
「花沢先輩は全てお判りのようですね……2つ目の効果を発動したターン、ヴァレルソード・ドラゴンは一度のバトルフェイズに二度攻撃できます!! 電光のヴァレルソード・スラッシュ 第二撃!!」
ヴァレルソード・ドラゴン ATK4500
(一年生にもこんな子がいるのなら……セントラル校も安泰ね)
奏 LP4500→0
*
「良いデュエルだったわ。はい、これが私のパズルカードよ」
奏から手渡されたパズルカードを渋々受け取る皐月。しかし、彼女はどこか申し訳なさそうな顔をしていた。
「先輩……」
「あら、そんな気の毒そうな顔しないでちょうだい。貴女は私に勝ったんだしもっと胸を張りなさい。自分で言うのもなんだけど私結構デュエルの腕には自信があるのよ?」
「でも……」
「でもも桃もないの。それにそんな畏まった態度をとる必要ないわ。一度デュエルをすればデュエリストはみんな仲間なのよ。まあ、私はオカマなんだけど」
彼のギャグに苦笑いしながらも、皐月は奏と固い握手を交わすのであった。
(この子はとても優しい子なのね。でもデュエリストとしてその優しさが仇になることもある。それに気付いてくれればいいんだけど。それにしても……)
「ところで……貴女これから時間あるかしら?」
「じ、時間ですか? なくはないですが、でもデュエルをしないと」
「何、大して時間は取らせないわ。貴女のような素朴な子を見つけるとね……私色に染めたくなっちゃうのよ」
そう言って奏は腰につけていたポーチから化粧道具を取り出し不気味な笑みを浮かべる。女性よりも女性らしいことを臨む奏は、メイキャップの腕もプロに匹敵するほどのものも持ち合わせていたのだ。
「私色に染めるって……えええっ!?」
皐月はさながら蛇に睨まれたカエルのごとく、その場から動くことができなかった。
*
「まさか貴女にここで会うとは……」
Dブロックに組み分けられた鈴が相対するのは全く知らない相手ではなかった。鈴と対峙するのはカールした長い茶髪が特徴の所謂「お嬢様」といった様相の女子生徒だった。
「これも神のおぼしめしというものですわ。父親同士が宿敵、とあらばその娘同士もまた宿敵ということ。この藤堂 桜(とうどう さくら)、プロデュエリストたる父の名を守るため、今ここで貴女を倒しますわ!」
星乃 竜司は現役時代から日本を代表するデュエリストであった。しかし、そんな彼とライバル関係であったのが、桜の父で日本を代表する財閥、藤堂財閥の社長でもある藤堂 雄一郎(とうどう ゆういちろう)なのでもある。それを受けてかこの2年生・藤堂 桜は竜司を校長として仰ぐと同時に竜司とその娘として今春入学してきた鈴を「自分が倒すべき相手」と認識していたのである。
「ここで会ったが百年目、という奴ですか。先輩」
鈴にとって桜は一学年上の先輩ということになる。彼女は表面上は上級生に接するように礼儀を以て応対する。そんな中、彼女は桜の言っていることの矛盾点に気付いた。
(……あれ、藤堂 雄一郎ってパパの飲み友達じゃなかったっけ?)
桜は竜司を自分の父の仇敵として認識している。しかし、鈴は竜司が雄一郎を家に呼んではちょくちょく宅飲みをしていたのを覚えている。ただ、それを知っていながらこう振る舞っているのか、それとも本当に知らないのか。どちらにせよここは桜に合わせるのが後輩として正しいと判断した。
「まさにその通り! ここで私は貴女を倒し、藤堂家の歴史に新たなる1ページを書き加えるのですわ!!」
鈴と美咲。共にプロデュエリストを父に持つ2人はデュエルディスクを構える。そこには彼女たちの勝ち負けもそうだが、父親たちの代理戦争というものもあった。
「デュエル!」
「デュエルですわ!!」
先攻:桜
後攻:鈴
桜 LP8000 手札5枚
デッキ:35 メインモンスターゾーン:0 EXゾーン:0 魔法・罠:0 墓地:0 Pゾーン:青/赤 除外:0 エクストラデッキ:15(0)
鈴 LP8000 手札5枚
デッキ:35 メインモンスターゾーン:0 EXゾーン:0 魔法・罠:0 墓地:0 Pゾーン:青/赤 除外:0 エクストラデッキ:15(0)